大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣記者会見録(平成27年12月24日(木)16:38 ~ 16:51 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)まず、私の方から2点ご報告をさせていただきます。
 1点目は今月13日に開催された、第8回宮城県指定廃棄物処理促進市町村長会議において、加美町から資料が配付されました。この資料につきましては、事実と異なる箇所があるほか、宮城県の指定廃棄物を福島県飯舘村で処理するといった主張が含まれていることから、環境省の考え方を改めてお伝えする必要があると考えております。このことについて、私が加美町を訪問して猪股町長にご説明したいと申し入れていたところ、22日、町から、「わざわざお越しいただく必要はない」とのお返事を、事務方を通じて頂いたところです。このため、本日、加美町に対して、福島県へこれ以上の負担はかけられず、各県処理の方針を堅持することなど、環境省の考え方をまとめた文書をお渡ししましたので、皆様にも配布いたします。また、文書につきましては、宮城県内の各市町村に送付したほか、環境省のウェブサイトにも掲載する予定です。見解の相違があるからこそ、対話が重要であると考えており、環境省としましては、引き続き、説明の機会がいただけるよう努めてまいります。
 2点目ですが、葛尾村及び川俣町については、本年末までに除染を終える予定としていたところです。葛尾村の除染については、予定していた作業を年内に終了できる見込みとなりました。川俣町の除染につきましては、9月の豪雨災害で被災した農地の一部などを除いて、予定していた作業を年内に終了できる見込みとなりました。残りの作業については、雪解け後、早急に実施してまいります。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の香取です。まず本日、茨城県に行かれまして、橋本知事と会談されたと思うのですが、知事が求める市町村会議の開催について、目処というものがありましたら教えてください。
(副大臣)まず前回の一時保管市町長会議ですけれども、4月に行って、そこの中で環境省に対する様々な要望をいただいておりました。それに対するお答えというものを我々としてはしなければいけなかったのですが、もう8か月経っておりますので、やはりしっかりお答えをするということが我々の責任だと思っております。そうした中で今日、正式に知事からも会議の開催と要望に対するお答えをしてもらいたいと要請をいただきましたので、それについてはしっかりと会議を開催して回答するということで、なるべく早く臨みたいと思っております。
(問)イメージとしては年明け早々に。
(副大臣)そうですね。知事ともお話をしましたが、なるべく早くとは言いながらも新年早々ですとそれぞれ地域の行事などもありますので、それが一段落したくらいかなというような話をしております。
(問)ざっくりとした質問になってしますのですが、1年を通して就任されてから3か月、4か月くらい経たれて、今現状、指定廃棄物に関しては元に戻ってしまったようなところもあって、これをどのように打開していくのか、振り返りも含めて教えていただきたいです。
(副大臣)正確にはまだ2か月半なのですが、3回目ですから古くからやっているように思われていると思います。私はむしろこれは違うと思っておりまして、私が1年いなかった間に、必ずしも少なくとも外から見た限りで、進捗しているという形ではなかったと思います。やはりこれではいけないということで、とにかく早く、いろいろな対応をするべきだと思います。それはもちろん難しい問題ですから簡単に物事が進むとは思いませんが、国として責任を持ってやっていかなければいけない以上、しっかり国の考え方を説明するであるとか、あるいはそれぞれの地元との対話を進めるとか、そういったことをどんどんやっていくべきだという方針で臨んでまいりましたので、むしろこの2か月半はそれぞれいろいろな動きが出てきたのではないかと自負をしております。この方針を引き続き貫いていって、少しずつでも構いませんけれども結果を出していきたいと思っております。

(問)茨城新聞の髙岡です。先ほどの茨城県知事との面談の件でお聞きしたいのですが、4月の一時保管市町の会議で分散保管は実現可能性を精査するということで、今8か月になったわけなのですが、改めて分散保管と一時保管とのところで難しい点などをお聞かせいただきたいです。
(副大臣)ご承知のように環境省としましては、それぞれの県で1か所、長期管理施設を整備して、そこで安全に管理をしていくという方針、これを維持しております。ただ他方で、それぞれの地域によって事情も考え方も異なりますから、それは最大限地元の意向を受け入れた上で進めていかなければいけないと思っております。そういう意味では、茨城県、そしてそれぞれの市町村からの意向として分散保管の要望をいただいておりますから、これは重く受け止めて、丁寧に検討して、その実現可能性も含めてしっかり回答していかなければならないと思っております。
(問)4月の会議でも町長からは分散保管がかなり大勢を占めたと思うのですが、また会議を開いて、そういう意見になった場合というのは、環境省としてはそういう方向も容認する考えなどは現在のところはあるのでしょうか。
(副大臣)それは引き続き、これから検討ですね。まさにその検討のために、時間がかかってしまっておりますので、あまりお待たせしないように考え方をまとめたいと思います。

(問)千葉日報の石井です。茨城県の分散保管に関連してなのですが、千葉市の場合は分散保管を市長が求めているのですが、それ以外は今現在も交渉の動きは見せていないという状況が続いております。茨城県が動き出すと、さらにその声が強くなっていくのではなかろうかという危惧があるのですが、その点については副大臣はどのようにお考えでしょうか。
(副大臣)茨城県の場合は県として、そして県内市町村も含めて、そういった分散保管という要望を頂いておりますから、重く受け止めなければいけないと思っております。千葉市の場合は、県なり県内の市町村もそういった意向だということであれば、考慮しなければいけないと思いますが、千葉県や市町村に関しては、やはり1か所整備してほしいという意見が大勢だというふうに理解しております。その方針を千葉市にも理解していただくように努力したいと思っております。
(問)予算案が発表になりましたが、5県50億という枠組みについては、今回も特に減額はないということですけれども、以前副大臣ではなかったですけれども、自民党の会議の中で、5県50億については考え直したほうが良いというような発言をされていた記憶があるのですけれども、今回、このような結果になったということについて、どうご認識でしょうか。
(副大臣)これはあくまで予算ですので、予算を確保した上で、それぞれの進捗状況や意向等も踏まえて、今後対応していくことになっていくと思います。

(問)下野新聞の須藤です。先ほどの幹事社さんの質問に関連なのですが、この2か月あまりでいろいろな動きが出てきたという、外から見ては進展していないかもしれないというお話でしたけれども、エコテックなどの動きがあった部分と、積み残した部分を少し整理して来年に向けての抱負などを伺えますでしょうか。
(副大臣)2か月半の間、外から見ても進展があったと思っており、あるいは動きがあったと思っております。それは私が申し上げるまでもなく、それぞれ国民の皆さまも、報道の皆さまも、今まで見ていただいていたと思っております。一番大きいのはフクシマエコテックで受入合意をいただいたということですけれども、その他の5県に関しては、様々な動きがあって、そういったやり取りの中で、いろいろな話が出てきたということであって、私はこれはやっていかなければならないことだと思っております。簡単に解決できない問題だからこそ、いろいろなアプローチを取って、いろいろな形で働きかけていくことが重要だと思っております。
(問)千葉市からレスポンスがあったり、例えば、今日の茨城県から市町村会議を開いてくれる、その辺りも動きの一つと捉えてますでしょうか。
(副大臣)そうです。様々な動きがあったということです。

(問)産経新聞の緒方と申します。指定廃棄物の指定解除について、改めて副大臣の現時点でのご所感をお聞かせください。
(副大臣)指定解除はご要望もいろいろな方面からありますし、むしろ指定の手続は決まっているのだけれど、解除の手続は何も決まっていないというほうがおかしいと思っておりまして、やらなければならないことだと思っております。ただ、どういう手続でどういう要件で行うかということになりますと、いろいろな地域の意向や事情もございますので、そういったところを丁寧に考えながら方針を打ち出していかなければいけないと思っております。いつまでも検討中では困りますので、年が明けたらなるべく早くこの方針を示したいと思っています。