大臣談話・大臣記者会見要旨

平口副大臣記者会見録(平成27年11月12日(木)15:30 ~ 15:41 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)昨日まで、COP21の事前の会合に行ってまいりました。プレCOPでございます。COP21まで残り3週間という時期に開催された今回の会合では、今後の交渉を政治的に方向付けることを目指して、60か国以上の閣僚級による熱心な討議が行われました。具体的には、差異化のあり方や、野心の向上、2020年以降の資金といった主要な課題について議論がなされました。私からは、各国が排出削減に向けた野心を継続的に向上させていく仕組みを、パリ合意に位置付ける必要があること等を主張しました。COP21で新たな枠組みについての合意をしなければならないという意識は、各国の閣僚間で共有されているものの、差異化、資金等の主要課題については、引き続き意見の隔たりがあります。COP21では、そのような、各国間の意見の隔たりのある論点についても、合意に向けた着地点を見出していきたいと思います。

2.質疑応答

(問)時事通信の相京です。プレCOPの関係で2点お願いします。まず1点目、今回のプレCOPで前進した部分もあったかと思うのですが、まだまだ残されている論点も多いということで、まず今回の議論で評価すべき点というのをお聞かせください。
(副大臣)パリでの合意が重要だという認識が改めて共有されたこと、その上でいくつかの主要論点について一定の共通認識が得られたことが、一番の成果であったと思います。例えば、各国が自国の目標を定期的に見直す仕組みの必要性や、世界全体として温暖化対策の進捗状況を確認する仕組みの必要性については、概ね共通理解が得られたと思います。
(問)2点目なのですが、これから本番に臨むにあたって公平で野心的な枠組みを実現するために、副大臣として特にどういった内容が新枠組みに盛り込まれるべきか、盛り込まれるのが望ましいとお感じになるか、先ほども少し触れられた部分もありますけれども、お願いします。
(副大臣)今回会合でも確認された気運の高まりを後押しにして、COP21で全ての国が参加する公平で実効的な枠組みを構築することが必要になるわけです。我が国としては、先進国と途上国で異なる枠組みではなく、各国の事情に配慮しつつも、各国に共通した枠組みを作ること、その下で継続的に削減に向けた野心を向上させていく仕組みを作ることを主張してまいります。この他にも様々な論点で意見の隔たりがありますが、合意に向けた着地点を見出していく努力をしたいと思っております。

(問)共同通信の川口です。プレCOPの関係で追加の質問をさせていただきます。なかなか合意が難しいところとして、差異化と資金の話があるかと思うのですが、日本としてそのあたりをどういうふうにしていこう、またはどのようにすれば着地点に到達できるかと考えていらっしゃいますか。
(副大臣)差異化というのは、共通する中にも差異があるということで、そのブレみたいなものをどういうふうに収めていくかということだと思います。結論はなかなか出ないでしょうが、幅を狭めていくという努力はあり得ると思います。それと資金については、これは最後まで揉めると思いますけれども、先進国と発展途上国、特に中国がどちらに入るのかということも問題になりえると思いますけれども、その間の差が大きいので、大きいことがまずはわかったうえで、それで少し歩み寄りが必要とは思います。
(問)資金については特に日本の貢献というのはどのように考えていらっしゃいますか。具体的には2020年までに1000億ドルという資金援助をという話もありますが。
(副大臣)日本は明示されたものは無いかもしれませんが、相応にアフリカも含めいろいろ努力をしていますので、相当努力はしていると思います。

(問)NHKの橋本です。プレCOPに参加された率直なご感想をお伺いしたいのですけれども、日本と欧米では気候変動の話題が新聞紙上、メディアに載る機会が違う頻度もあるでしょうし、現地では日本よりも気運というか、現地での熱気というのをお感じになった部分もあると思うのですが、率直に現地で感じられた雰囲気を教えてもらってよろしいでしょうか。
(副大臣)先進国だけではなく途上国も相当な数来ていましたし、気候変動に対する意欲があるのだなと思いました。

(問)日本テレビの杜です。プレCOPに関連してなのですが、先ほどのご発言で発展途上国もかなり多く来ていたという話がありましたが、実際に例えば中国とかインドとかというのは立ち位置が微妙な国というのがあるわけですけれども、副大臣が実際にプレCOPに参加されてこれらの国々の発言の内容というのはどのようにお感じになられましたか。
(副大臣)インドの方がちょっと言い過ぎだなと思いました。CO2の問題は先進国がばら撒いたことなので、先進国がそれなりのお金を供与してやるのが当然だというようなトーンが見られました。中国はもう少し客観的に中立という感じを受けました。
(問)先ほど資金の話で、一番最後まで揉めるんじゃないかというお話をされていましたけれども、やはり様々な課題がある中で一番最後まで決まらないというのは資金の問題でしょうか。
(副大臣)そもそもこのような会合をして、削減目標を決めなくてはいけないというのは、先進国の方が撒いた種なんだということが発展途上国にはありますから。それを言ってしまうと終わらないわけです。そこのところはフランスがどうまとめるのかわかりませんけれども難しい問題だと思います。
(問)逆にいうとその難しい問題をどのように解決するかというところが重要でしょうか。
(副大臣)やっぱりある程度差異化を認めながら合意に達するというところで、テーブルに座ること自体が一つの目標を目指しているんだということになると思います。