大臣談話・大臣記者会見要旨

小里副大臣記者会見録(平成27年6月24日(水)16:17 ~16:39  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)まず私の方から、昨日、中間貯蔵施設への搬入状況、また保管状況を視察をしてまいりました。大熊町、双葉町それぞれ視察いたしました。あいにく雨が降っていましたけど、丁寧に安全第一に作業をしているという状況が見てとれました。そういった中で放射性物質をまた外に運び出してしまうと良くないものですから、搬入してきたトラックをスクリーニングするわけです。ただこれまでのところスクリーニングの結果、基準値を超えた車両は無いという説明も受けたところであります。また、フレコンバッグを仮置場から持って来る際に、その状況によっては防水性のフレコンバッグで、更に防水性のシートで二重に包み込んで持って来るということで、かなり安全に万全を期しているということが見てとれたところでございます。また、印象的だったのは双葉町の作業現場に大きく標語が掲げてあるんですね。どういう標語かというと、「ずっと、ふるさと。双葉町。」という標語でありました。それを見たときに私はなんというか、色々議論になることを思い出したわけであります。何かというと、他県の指定廃棄物を、福島に持って行けば良いじゃないかと、帰還困難区域の場合、特に帰還する意向である人は少ないんだから、そこに全部持って行けば良いじゃないかとそういう議論があるわけです。その標語を見たときに、私はぐっときたわけですが、一方でそういう議論があることについて複雑な思いがしたわけであります。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社産経新聞の緒方と申します。よろしくお願いします。指定廃棄物の関係でお伺いしたいんですが、千葉市の方で、今月末から説明会日程3回出ているかと思うのですけれど、その説明会でどのようなことを説明されていくのかということと、選定のプロセスに関してどの程度明らかにしていくかということについて教えて下さい。
(副大臣)公表しましたように説明会を3回行っていきます。千葉市に最初に詳細調査の候補地となったことをお伝えに行った時から、市長さん、また議会、県知事からも丁寧に説明してほしいという要請を受けてきたわけであります。以降、市の協力をいただきながら説明会の設定をさせていただいたということであります。そういった地域の方々の御懸念・御心配されている点についてしっかり説明していくことが大事であります。当然選定の経緯、そして施設の安全性、必要性といったところをしっかり理解をいただけるように、説明をしてまいりたいと思います。

(問)日本テレビの杜です。よろしくお願いします。今の話に関連して、千葉の指定廃棄物について何点かお尋ねなんですが、まず1点目、今回説明会3回で、一般市民向けが一番最後という形になりましたけれども、こういう形で説明会をするというのは環境省側が求めたのか、それとも地元の求めに応じてこういう形になったのか、そこをお聞かせ下さい。
(副大臣)今申し上げたように、説明会自体は市長、議会、そして県知事からも当初から要請をされてきたことでありますし、我々もしっかり市民の皆さんに対しては特に説明していく必要性を感じてきたところです。そして市の協力をいただきながら、どういった形がいいのか、どういった対象で、どういった時期に、どういった中身でやればよいのかよく市の協力をいただきながら、設定をしたということです。

(問)市側の要望があったと。それでこういう形でやるのでしょうか。
(副大臣)市側の協力があったということです。我々もどうすれば、いかなる形がよいのかということをよく考えとしては申し上げながら、また先方の協力をいただきながら、互いにそこは進めてきたということです。

(問)それから、県の中でこういう形で候補地に選定された自治体で説明会を行うのは千葉が初めてになると思うんですけれども、副大臣率直にこれは指定廃の解決の、前進と考えられるのか、そのあたり受けとめを。
(副大臣)この前も若干申し上げたかもしれませんけど、千葉に詳細調査の候補地となったことをお伝えをしたのは4月下旬なんですね。まだ事は始まったばかりですから、進んでいるとか、滞っているとか、そういう状況は判断出来ないと思います。

(問)最後になりますけれども、同じく指定廃の問題ですが、宮城の詳細調査というのはこれは今の現状と、どういうふうに進めていくのかと。
(副大臣)宮城県はご案内のとおり一市二町を詳細調査の候補地として選定をして手続を進めてきた、また進めようとしているところであります。ただ、残念ながらなかなか説明も行わせてもらえないという状況はございます。それだけにもっと県民対象の説明会を開くとか、あるいはテレビ、新聞等を通じて説明をしていくとか、色々な手立てを講じつつあるというところであります。そういったところを含めて、私もなるべく宮城県にお伺いをしながら、地域の理解が得られるように努めていきます。

(問)逆に言うとそれまでの間に詳細調査を行うというか、現地での詳細調査というのは。
(副大臣)現地における詳細調査はなるべく早期にやりたいと思っておりますので、そのための努力をしっかりやっていきます。

(問)下野新聞の須藤です。よろしくお願いします。22日に栃木県で二回目のフォーラムがあったと思うのですが、そこでの成果と課題などいろいろお感じになったことがあると思うのですが、成果と課題に分けてお話をお聞かせ下さい。
(副大臣)広く県民を対象としてフォーラムを開催し、いろいろなご意見があったわけであります。前から申し上げていることなのですが、人と人との関係でもそうですが、遠く離れていて意思の疎通が無いと、お互い疑心暗鬼というか、あらぬ想像ばかりが膨らんだり、誤解が生じていって、事態はなかなか良い方向には向かわないということもあるんですね。本来は当該地域で説明会ができたら良いのですが、広く県民を対象としてこれができた、多少なりとも県民の方々との意思の疎通があったと思います。そういった中にいろいろな不安とかご心配、ご懸念ごとはクローズアップされておりますから、そういったことについては真摯にお答えをしていく必要があると思います。

(問)同じ日には自民党、公明党さんの県連本部が両方いらっしゃって、その中で宇都宮だけではなくて県北や県南でも広く、県全体の問題として取り上げてほしいという話があったというように伺っております。この件については副大臣はどのようにお考えでしょうか。
(副大臣)この前お見えになった件ですかね。

(問)はい、そうです。
(副大臣)これについては、県民の理解促進に努めることと、地元説明会を開催するなど積極的に取り組むこと、そして一時保管者の負担に配慮し、実情に応じた措置を講じるこというようなご意見を頂いたわけであります。それぞれごもっともな事であります。施設の必要性、安全性、選定の経緯等について丁寧に引き続き説明をしてまいりたいと思います。先日、県民の方々を対象としたフォーラム第二回目を開催いたしました。こうした努力を更に進めていきたいと思います。また、自民党、公明党の県議からいただいた中に、一時保管者の負担に配慮し、というところが3つ目にあるわけですが、これについては環境省の職員がそれぞれの保管場所を回りまして、保管者の方々のご心配事、ご相談事にお答えをするべく、努力をしております。また一時保管にかかる費用は、当然国で負担しているわけでありまして、そういったきめ細かな対応をしっかり更に行いながら保管者の方々の負担を軽減していかなくてはいけないと思っております。

(問)説明会についてなのですが、宇都宮だけではなくて、県南地域、県北地域、広く県全体の問題として、宇都宮以外の県央以外の地域でも開いたらどうかという意見もあったと聞いているのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
(副大臣)なるべく県民の方々に伝わるように、お互いの意思の疎通がしっかりと図れるように、さらにそういった方策も含めて、県の意見もお伺いしながら、しっかりと進めていきたいと思います。

(問)冒頭発言のところで、副大臣がマイルドにおっしゃったと思うのですが、例の標語をご覧になったとき、やはりあの標語をご覧になって改めて福島集約はできないとお思いになったいうことでしょうか。
(副大臣)そういうことですね。本当に福島県内では復興に向けて懸命な努力をされているわけですね。桁違いに深刻な放射性物質汚染廃棄物を抱えて、その解決に向けて懸命な努力をしている、そして復興に向けた大変な努力がそれぞれの地域で存在をするわけですね。それこそ、「ずっと、ふるさと。」という気持ちがそこにはあるわけでして、今は帰還しようという希望者が少ないかもしれないですが、それだけに帰還希望者が更に増えていくように、お互い一緒になって取り組んでいく必要があるわけですし、また、帰還する、しないに関わらず、そこにふるさとがある、というのが共通した皆の思いだと思うのです。そういった気持ちを考えますと、広く負担を分かち合うという観点からも、県内処理という原則は貫いていきたいと思います。

(問)千葉日報の石井です。千葉の指定廃棄物の関係で2問質問があります。1つ目ですが、説明会の方は、これは毎回副大臣が説明されるのか、それとも大臣や政務官が来られる場合があるのか、どのような形でやられるのでしょうか。
(副大臣)必ずしも前例を踏襲する必要もないのでしょうが、いずれにしましても、市や関係する方々と、いかなる方法がふさわしいのか、よく考えながら、相談しながら進めていきます。

(問)まだ確定はしていないのでしょうか。
(副大臣)まだ確定はしていません。

(問)2問目ですが、初回の6月29日ですが、こちらは取材の方を遠慮してくださいとの文言が入っていたのですが。
(副大臣)1回目の町内自治会連絡協議会ですが、そちらの方からそのようにしてほしいという意向が示されたということです。地域のご意向を尊重したということです。

(問)とはいえ、第1回目ですので、取材をするなと言われると、なかなか納得出来かねるところがあるのですが。先方がどういう理由で取材をしてもらいたくないとおっしゃったのか、そこまで把握されてますでしょうか。
(副大臣)そこは市当局が間に入って、協議会側のご意向を把握した上で、そういう措置になっているわけです。直接、理由を我々は聞いておりません。想像できるところはありますが、それを申し上げて語弊があるといけませんので。

(問)共同通信です。中間貯蔵に戻るのですが、このストックヤードをご覧になってパイロット輸送が当初の見通しより少し遅れていて、その先の本格稼働に向けては地権者との交渉がなかなか進まない状況だと思うのですが、実際にご覧になってどのように感じたか、あるいは何を指示されたか教えて下さい。
(副大臣)昨日は現場の方々に指示をする場面では無いわけですが、非常に丁寧に作業をやっておられることを確認し、またその労をねぎらったところです。進捗については、パイロット輸送については一年かけてやるということになっておりますので、これが遅れているのかどうなのか、それはこれからの判断になるのだろうと思います。ストックヤードとしては二回の発注をもとにして、4万m3にあたる分が確保されつつあります。ただ43市町村から1000m3程度ということでございますから、4万3000m3程度ですね、実際は4万5000m3程度になるということでございますが、さらに第三回の発注を予定しております。この作業を行っております。この夏場には公告、工事が出来るのではないかと思います。これを合わせますと、5万m3程度分が対応可能ということになりますので、パイロット輸送分はしっかりと確保出来るということです。
 一方の用地交渉については、一生懸命作業を急いでおります。2400名の地権者がいて、およそ半分がはっきりしていないわけです。しかし、地権者をはっきり対象者を確定させるという作業は別途作業班を作って、やっておるわけです。もう一方の地権者がはっきりしている分については、鋭意交渉の作業を進めております。その中で例えば、これまでのところ、物件調査をお願いした方々の9割くらいから、物件調査をしていいよ、という御返事をいただいているとのことです。この種の公共工事の進捗状況としては、そういった面では進んでいるところもあるということであります。それぞれ人員を確保しながら、しっかり作業を進めていかなくてはいけないと思います。ただ先を見れば山ほど作業は残っているわけであります。相当これは加速をしていかなくてはいけないと思っております。