大臣談話・大臣記者会見要旨

北村副大臣記者会見録(平成27年2月26日(木)10:31 ~ 10:40  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)私のほうから簡単に冒頭、御報告をさせていただきたいと思います。例年2月から5月に我が国へ飛来してまいります黄砂について、本年も2月22日夜から24日にかけて、西日本や北陸・関東を含む広い範囲において、初めての黄砂の飛来が観測されました。環境省では、日常生活の参考にしてもらうため、全国11箇所に観測機器を設置し、1時間ごとの観測データをホームページで提供しているところでございます。また、黄砂の飛来状況や成分などの実態調査や、健康影響に係る調査研究を進めています。国際的には、日中韓三カ国環境大臣会合の合意に基づき、三カ国による共同研究を進めています。具体的には、観測データを共有することにより、各国のシミュレーションモデルの改善をしたり、植生回復技術のレビューにより、砂漠化地域の効果的な対策強化に取り組んでいます。引き続き、国民に対する的確な情報提供や調査研究を進めてまいりたいと考えております。

2.質疑応答

(問)幹事社のNHKです。幹事社から1問お伺いします。地球温暖化に関してなのですけれども、今週、欧州委員会が2050年までの温室効果ガスの排出量の長期的目標として2010年比で60%削減するという目標についての提案をされたとの報道がありました。これを受けての今の受け止めと今後の取組について改めてお伺いできますでしょうか。
(副大臣)私も新聞でまず知りまして、事務方から状況を聞いているところですが、25日に欧州委員会が提案した文書に含まれるEUの約束草案は、昨年10月の欧州理事会で決定された、温室効果ガスの排出量を2030年に1990年比で少なくとも40%削減するとの目標を国連に提出する形式で改めて示したものと受けとめております。また、今回新たな提案として、2050年に2010年比で少なくとも60%削減することを世界全体の長期目標として、パリで合意される法的文書に盛り込むべきだと書かれております。欧州委員会のこのような提案は、COP21で合意する新たな国際枠組みの議論の促進につながっていくものと思っております。我が国としても全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組み構築に向け、引き続き議論に積極的に貢献していきたいと考えているところであります。

(問)共同通信の川口です。お答えでもあったEUの欧州委員会の話ですが、2050年までに10年比で世界全体で60%削減しようという提案ですが、こちらは副大臣としてどのようにお考えですか。賛成されますか。
(副大臣)欧州委員会は、独自の考え方やあるいは解析の方法をもって提案をされたわけであります。日本は日本の約束草案をしっかりまとめていけるようなあらゆる準備をしていかなくてはならないと考えています。欧州委員会の提案に対しては、現時点で日本として意見を申し上げることは差し控えます。
(問)欧州委員会の分析で各国がどのくらい長期的に排出量を減らしていけばよいか、グラフを作ったのですが、日本の分に対してはグラフから計算をすると、大体2030年に30%ぐらい減らすようなグラフになっているんですが、そのことに対してはどのようにお考えですか。
(副大臣)欧州委員会の分析の仕方で発表されて、それを分析すると30%ぐらいになるのではないかという御指摘でありますが、欧州委員会が公表した各国の削減シナリオは、欧州委員会が独自のデータ解析を行い算出されたと承知しています。事務方においてその分析をしている最中であります。どんな前提でどんなデータでそのようになったのかを事務方で分析しているところです。いずれにしても、我が国としては、COP21に向けて、新しい削減目標と具体的な行動計画をできるだけ早期に策定をしていくということであります。

(問)今の質問に関連して、個人的な御感想として、その数字について、それだけ深掘りしなければならないことに対しての御所感を教えてください。
(副大臣)COP21に向けての議論のひとつの提案ということであって、議論が加速していくことにつながればと思います。それはそれとして、日本独自の諸手続を経て、早期に約束草案をまとめられるような努力をしっかり続けていくに尽きるということであります。
(問)その数字で厳しいなどということはあるでしょうか。
(副大臣)欧州は欧州委員会、EUはEUでの考え方だろうと、そのデータもよく分析しなければコメントする立場にありません。
(問)EUは2度目標を前提に提案をされているとは思うのですが、このことについて日本はどのようなポジションをとるのでしょうか。
(副大臣)新たな長期目標について、欧州委員会は1990年比2050年においては世界半減目標と整合するものと説明しているわけでありまして、我が国はCOP20でも望月大臣が表明したとおり、2050年までに世界全体で半減、先進国全体で80%削減という目標をかねてから掲げているところです。COP21における枠組みに長期目標をどう位置付けるかについては様々な議論があるところでありまして、欧州委員会の提案も含め、検討を深めていきたいと考えています。