望月大臣記者会見録(平成27年9月29日(火)10:48 ~ 11:05 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日は特に報告する案件はございません。

2.質疑応答

(問)読売新聞の野崎です。2点確認したいことがございまして、1点目は先日、中国とアメリカの首脳会談があり、共同声明が発表されて、その中で中国が温室効果ガスの排出量取引制度の導入を表明し、途上国の気候変動対策に金融支援を行うなどを明らかにしました。これについてご所感をお願いいたします。
(答)中国が2017年に国内排出量取引の開始を計画していることは、2030年までにCO2排出量をピークアウトする等の目標を達成するための対策の一つであると受け止めています。国内排出量取引は、費用対効果の高い対策を促しつつ、確実に排出削減につなげられる有効な手法であり、環境省としては、産業・雇用への影響などを含めて検討を行っているところです。中国における排出量取引の導入の動向等についても、引き続き注視してまいります。
(問)2点目は先日、国連サミットが開催されて、2030年までの世界の開発目標を定めた「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」が採択されました。貧困の撲滅のほかに気候変動の対策や海洋資源保全など、環境に関する目標も多く含まれていますが、大臣のご所感を伺わせてください。
(答)「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されましたことは、環境省としても歓迎します。本アジェンダは、2030年までの国際目標であり、17のゴールと169のターゲットから構成される「持続可能な開発目標(SDGs)」を中核としています。17のゴールのうち、気候変動など12のゴールが環境関連となっており、今後、アジェンダの実施に向け、国際的な議論への貢献、国内外でのアジェンダの実施に向けた既存施策の点検等を進めていきます。

(問)朝日新聞の香取です。米中の会談の関係で2点お伺いしたいのですが、まず1点目は先ほどお話しのあった、国内排出量取引制度ですが、日本もかつて、EUに続けとばかりに研究を進めていて、環境省を中心に旗を振ってきていて、確実に削減する有効な手段だということだったと思うのですが、現在国内でその議論がほとんど行われておらず、どういった点が難しいのか教えてください。
(答)排出権取引は各国でやるという気運が高まっており、様々な組織など構築されつつあるような気がしますけれども、環境のものが投資に利用されるのはいかがなものかといった様々な問題があり、そのような経過があったのかと思います。排出量取引につきましては、費用対効果の高い対策を促すといいますか、非常に高い費用でCO2を減らすよりも、安いところで減らして、それを利用できる形になりますので、非常に費用対効果の高い対策であり、数字を出して、それを守るためにそれぞれの取引をするわけでありますから、確実に排出削減につながっていく有効な手段と思っております。一時、不幸な経過というものがあったということも、その点は精査しながら、産業や雇用への影響もございますので、こういったことも含めて、検討を行っていきたいと思っております。
(問)重ねてこの質問のフォローアップなのですが、排出量取引に関しては経団連が導入に非常に激しく反対しておりますが、どのように調整していくのかお聞かせください。
(答)枠をはめられると産業の発展に支障が出るであるとか、色々な労働組合などの団体の皆さまからも働く場所を減らさないようにしてもらいたい、といった申入れ等もございました。経済の発展や雇用の問題といったこともございますが、安心・安全な社会をつくるためには環境の問題は避けては通れません。それから、今お金を掛けるのと、後で掛けるのを考えると、色々なところを見て回りましたが、今、やるべきことをしないとかえって高くつくと考えるということもあります。非常に大切なことであって、しっかりと精査していきたいと思います。
(問)別件で、同じ米中会談の中で出てきた声明に入っていたのですが、中国の途上国援助の関係で気候変動の資金も出しますよと、それについてはアメリカの石炭火力を最貧国以外には輸出しないことと同じような方向を向いて中国もやっていきますよというような声明を出していて、以前にアメリカの環境保護庁長官が来られたときも、同じような質問をされたと思うのですが、日本とは異なる立場であるということについてどのようにお考えでしょうか。
(答)この問題は非常に難しい問題でございます。アメリカやイギリス、定かではないものですから慎重に発言させてもらいますが、特にアメリカの場合には、石炭火力は最高の技術をもってしても、CO2がLNGの倍は出るということで、どちらかといったらこれを造ることは避けたいというようなお話があったと思います。地球規模の排出削減を実現する必要についてはアメリカとも共有はしています。そういったことであっても、我が国の最高のテクノロジーを使っていただければ、東南アジアなどの様々な途上国でその技術を使っていただいて、造り変えていただければ、世界全体のCO2排出を減らすことが出来るという考え方をもっておりますが、その点については一切造らない、造らせない方がよいという考えと若干の齟齬があるような気がいたします。どちらにいたしましても、地球規模のCO2排出量を減らしていくということでございまして、達成するためには様々なアプローチがあると認識しております。世界全体でのCO2排出削減に向けて、アメリカと中国の話し合いも受けまして情報共有や施策の連携を図ってまいりたいと思っております。

(問)米中声明の関係で何点かお伺いしたいんですが、先程の答弁の中で大臣から、排出量取引についてもう一度精査をしたいというお話がございました。これはどういった席で精査をしていくことになるのか、何か決まっていることがあったら教えてください。
(答)これは、そういうような形を米中の会談等でやっていこうという話であって、そういった世界の首脳が、様々な方法でCO2の削減を行っていくということですので、我々も情報をしっかりと頂いて、効果的な方法を検討していきたいという話でございます。費用対効果の高い対策を実施して確実に排出削減をする、有効な手法であるということは認識していますが、環境省としてはこのことだけを則って進めるというよりも、産業とか雇用などの影響等ございますので、そういったことも含めて検討してまいりたいと思っているところでございます。
(問)この関連ですけれども、経団連の一部には産業や雇用の影響が大きいので反対の声があったことは事実だと思うのですが、その半面、中国のような隣国で非常に巨大な炭素の市場が出来ると、それによって日本がある意味ビジネスチャンスを得るというようなところもあると思うのですが、そのあたりは損になるものではなくて、ビジネスチャンスなんだという観点で経団連など産業界へ何か働きかけていきたいというお考えはございますでしょうか。
(答)ビジネスチャンスというのは、世界規模で排出量取引の市場が出来るのではないか、それがビジネスチャンスになるのではないかという話もございました。環境省としては経済産業省と違って、少なくともCO2の削減ということが大目標であって、そちらについては金融であるとか経済であるとか、そういった皆さんの考え方があると思います。経済界にとって良い面もありますし、場合によっては枠をはめられますから、反対ということもあるかもしれません。我が国のCO2の削減、世界規模でのCO2の削減に資するものであるかということを目標にして、精査をしていきたいと思っております。
(問)何点もすみません。最後ですけれども、今回の米中の声明が年末のパリの合意に向けてどんな影響を及ぼすと考えていらっしゃるか、大臣のご所見をお教えください。
(答)世界の2大排出国である米中首脳が共同声明を発表したということにつきましては、COP21における新たな国際枠組みの構築に向けて良い影響を与えると、我々は期待をしております。我が国としても、全ての国が参加し、公平かつ実効的な枠組みの構築に向けて引き続き積極的に国際交渉に貢献するとともに、約束草案に基づき国内対策を着実に実施していくこと、26%の削減をしっかりとここで打ち出すわけでございまして、これを守っていかなければならないということを考えますと、着実に実施していくことが大切であると思っております。

(問)1点だけお尋ねしたいことがございます。指定廃棄物の関係で昨日、宮城県内の候補地の栗原市と大和町が、村井知事の方に市町村長会議の開催を申し出たそうです。これについてどのように考えていらっしゃるかというのをお聞きしたいのですけれども。
(答)昨日、宮城県知事に対して詳細候補地のある栗原市長と大和町長から要望があったということについては承知をしております。宮城県においては、これまでに市町村長会議は7回開催して議論を重ねてきたほか、昨年の8月に知事が詳細調査の受入れを県内の総意として取りまとめていただいたことを踏まえまして、その月に詳細調査を開始したところではあります。しかし、知事にまた要望があったことであり、対応につきましては県の方に申し出があったということでありますので、県から具体的な話を伺った上で検討してまいりたいと思っております。

(以上)

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