大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成27年9月15日(火)9:32 ~ 9:48 於:(参)本会議場議食側廊下ぶら下がり)

1.発言要旨

 飯舘村における土のう袋の流出事案については、12日に福島で公務があった際、私も現地事務所に立ち寄り、実態把握や回収を急ぐよう、また、情報伝達を緊張感を持って行うよう指示したところですが、その後の動きについて報告いたします。
 各現場の状況把握に努め、流出したと思われる土のう袋の数を推計しました。まず、各現場の作業日報や作業員への聞き取り等により、出水当時に農地に置かれていたと推計される土のう袋が17万5097袋と推計されます。次に、現在現地に残されている袋の実数を個別に数え上げた結果、17万4702袋でした。これらの差により、流出したと思われるものが395袋と推定されました。昨日までに314袋を確認しているところですが、引き続き流出した袋の特定及び回収に全力を尽くしてまいります。
 併せて、昨日夜、受注者から以下の2点について報告がありました。先に述べた流出した袋の推計とともに、これらについても事務方で夜通し精査を行った上で、本日早朝、報告を受けました。
 一点目に、昨日までに発見した314袋のうち、飯舘村で発見されたものについても精査したところ、内容物が入っていない又は破損しているものが160袋あることが判明いたしました。
 二点目に、発見した土のう袋のうち、草木類ではなく除去土壌が入っているものが17袋あることが判明しました。うち15袋については内容物が入っていない又は破損していました。
 受注者においては、まず袋の所在の確認や、個数の把握に注力していたことから、袋の内容物の精査に時間を要し、このような結果に至ったとのことですが、重要な事項であり、報告が遅れたことは誠に遺憾です。
 また、当省においても、災害という混乱の中とはいえ、情報把握に時間を要し、結果として不十分な情報提供となってしまったことについて、住民及び関係者の皆様に深くお詫び申し上げる次第です。
 今後、関係者間の連携を更に密にするとともに、事業者からも迅速かつ正確な情報提供が行われるよう、また、流出が起きないような再発防止策を事務方に強く指示したところです。なお、詳細については、この後、事務方から説明いたします。
 今後、COP21に向け、温室効果ガスの大幅削減を実現するための具体的な道筋の議論が活発になっていくと考えられます。このため、単に「温室効果ガスの大幅削減」を実現するだけでなく、中長期的な視点から、我が国が直面する「経済・社会的な課題」の「同時解決」を目指すとの考え方に立って本問題を検討していくため、私自身が、各界の第一人者から、直接、ご意見を伺うこととしました。まずは、大西隆日本学術会議会長、伊藤元重 経済財政諮問会議民間議員のご意見を伺う予定です。私としては、伺った意見を踏まえ、今後の気候変動政策の立案に活かしていきたいと考えています。
 この度、環境省では、災害廃棄物対策に係る技術的・専門的助言や多様な業界の強みを活かした支援を目的として、有識者や業界団体等からなる「災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)」を発足することといたしました。明日、発足式を開催し、私も出席をして任命証書授与を行わせていただきます。なお、今般の台風18号による大雨災害への支援につきまして、D.Waste-Netへの参画予定主体は、明日の発足式を待たず既に一部活動を始めております。

2.質疑応答

(問)フジテレビの加藤です。流出に関してのお話をお伺いしたいのですが、土曜日の福島のぶら下がり取材でもお話があったと思うのですが、今回は情報把握などが遅くなったのは管理不行き届きが原因だと思いますが、どうお考えでしょうか。
(答)出水当時に農地に置かれていたと推定されている土のう袋の数など全容を把握するための精査を進めつつ、流出した袋の所在の確認や個数の把握に注力してきたところでありますが、増水が続くと調査が困難になって、十分な把握が出来なかったことは遺憾に思っております。このような事態が起きないように改善を図ってまいりたいと思います。非常に大変な災害の中、しっかりと把握するようにということでしたが、川の中にあったり、二次災害が起こってしまうかもしれないということで把握が出来なかったということがございました。現地の職員も全力を挙げてまいりましたが、国民の皆さまに一日も早くお知らせすることが、大切なことだと思っております。段取りを踏んで発表させていただいたということであります。
(問)念頭にある再発防止策はないのでしょうか。
(答)流出の範囲や数等について確認や集計の作業を鋭意進めております。当面は流出の未然防止のため、浸水が懸念される場所については安全な仮置場への搬出を優先的に行うこと。工事現場で袋へ入れて、とりあえずはそこに置いて運ぶということになっております。袋にいれたらすぐに仮置場の方へ搬出をしていくということを優先的に行うこと、豪雨や出水が予想される場合はそれに備えて、袋を固定したり、移動したり先々にそのようなことを行うべきであり、数量把握については通常の除染の作業の中で土のうの数と中身に関する情報の確実な把握・記録・集計を確定すること等の対応を徹底することを考えております。

(問)共同通信の阿部です。先ほどの破損ないし袋の中身が無い袋が160個と数が増えましたけれども、周辺の環境への影響についてどのようにお考えでしょうか。
(答)流出した除去土壌も一部あるということで、見込まれるというものの、不幸中の幸いと言いますか、流出した袋の多くは最近刈られた草木でありまして、線量が4年経っており低いと考えられることから、環境への影響が生じる可能性は低いと考えております。

(問)下野新聞の須藤です。13日に大田原市で指定廃棄物のフォーラムが開かれたと思うのですが、そこで一時保管者向けのアンケートが公表されたと思うのですが、一時保管者に対する補償を求める声が多くあって、いくつかトレンドが出ていたと思います。この結果をどう受け止め、今後にどういかしていくかお聞かせください。
(答)13日に開催した「指定廃棄物の課題解決に向けたフォーラム」には、日曜日にも関わらず、栃木県内の各地から100名近くの皆様にご参加いただきました。フォーラムでは様々なご意見・ご質問を頂き、1時間以上延長して意見交換が行われたと聞いております。その中で、指定廃棄物を福島県の帰還困難区域に持って行くべきとのご意見もあったとのことですが、環境省としましては、前々から国会答弁させていただいておりますように、原発事故により大きな被害を受け、復興・帰還に向けた懸命な努力を行っている福島県に対し、他県の指定廃棄物を集約して引き受けるという負担を強いることは、到底理解が得られないと考えているところです。県民の皆様と直接意見交換が行えたことは、大変有意義であると考えております。引き続きこうした場を活用して、丁寧な説明をしていくということ、それからご質問やご意見に真摯に耳を傾けていきたいと考えております。
(問)一時保管者向けアンケートの結果の受け止めと、この後にどう活かすかということについては。
(答)環境省が一時保管者向けに実施したアンケートについて、7割の方からご回答をいただきました。アンケートでは、保管期間の長期化に対するご不安や維持管理への支援に関するご要望をいただいたほか、回答いただいた方のうち約8割の方が、指定廃棄物を「早く持って行ってほしい」あるいは「なるべく早く持って行ってほしい」と回答されました。環境省としましては、今回のアンケート結果も踏まえ、県や関係者とも相談しつつ、引き続き、指定廃棄物の早期処理に向けた取組みを進めるほか、一時保管いただいている方々に、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

(問)河北新報の門田です。宮城の指定廃棄物についてですが、加美町の候補地に向かう道路で土砂崩れがありまして、通行止めになって早急な詳細調査が難しい状況になりましたが、環境省の今後の対応はどのようにお考えになっておりますでしょうか。
(答)非常に大きな災害であり、道路等を始め一日も早い復旧をしていかなくてはいけないと。そしてそのような中で、我々としては出来るだけ早く今までと同じような形の中で詳細調査ができるように努力していきたいと思っております。

(問)地球温暖化のヒアリングの件なのですが、有識者の先生同士の審議会や検討会をそのうちに立ち上げるというお考えはあるのですか。
(答)まず2人の有識者の方々、我が国にとって非常に著名な方々でございまして、こういったご意見を伺ってからいろいろと考えたいと思いますが、ご指摘のような会議の設置を含めて、本問題についてしっかりと考えていきたいと思います。

(問)西日本新聞です。原子力規制委員会の3年見直しの検討チームから報告を受けたと思うのですが、大臣のご所感をお聞かせください。
(答)先日、小里副大臣を座長として、福山政務官を座長代理とする、省庁横断の3年以内の見直し検討チームが最終取りまとめを行って、小里副大臣から報告を受け、了承したところでございまして、この最終取りまとめに基づいて、これに沿ってしっかりと対応を進めて行くように私の方から指示を出しました。