望月大臣記者会見録(平成27年6月12日(金)9:03~9:19  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日の原子力災害対策本部及び閣議において、平成25年12月に閣議決定されました「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」の改訂が決定されました。これは、先日、与党から総理に申し入れられた「与党5次提言」を反映する改訂となっており、環境省関係では、除染、中間貯蔵施設、汚染廃棄物処理、放射線健康管理についても盛り込まれています。この改訂された指針も踏まえて、引き続き、福島復興の加速に向けて全力を尽くしてまいりたいと思います。
 続きまして、環境省では、昨年度より推進している「ウォータープロジェクト」の一環として、この度「JAPAN Water Style」を提案します。渇水、洪水、水質汚濁などが顕著になる中、健全な水循環を維持・回復するには、水源地や水環境を「守り育てる」活動や、消費地まで「送り届け」られた水を楽しみながら「有効に使う」活動や、使った水を再使用したり環境負荷を少なくして海に「大切に還す」活動への国民の理解と参加が不可欠です。「JAPAN Water Style」は、我が国の優れた水循環を官民が連携して支えていくプログラムであり、賛同する企業や地方自治体では、商品やサービスを通じて、国民の皆様に、水との新しい向き合い方である「Water Style」を提案していただきます。国民の皆様には、毎日の生活の中での購入や使用に当たり、「Water Style」を積極的に認識して、取り入れていただけるよう、お願いいたします。
 温室効果ガスの削減目標とエネルギーミックスを確実に達成するためには、一昨年4月の関係大臣会合で決まっているように、電力業界の実効ある地球温暖化対策の枠組が構築される必要があります。これに関連した説明事項が二点あります。
 まず、「西沖の山発電所(仮称)」の計画段階環境配慮書について、現時点において枠組は構築されていないことなどから、現段階において計画を是認しがたいとの環境大臣意見を、本日付けで提出します。今般、削減目標の政府原案やエネルギーミックスの原案がまとまりましたが、電力業界の枠組は未だ構築されておらず、このまま石炭火力発電所の立地が進めば、国の削減目標等の達成があやぶまれるためです。
 また、こうした枠組の早期構築に向けて、環境省としても検討するよう2月に事務方に指示し、これまで有識者から意見を伺う等の検討を行ってきました。有識者のご意見を踏まえると、電力システム改革による適正な競争を通じた電源の低炭素化や高効率化が進むよう、この枠組は、①業界としての具体的目標が定められ、国の削減目標達成を確実なものとする、②全ての対象事業者が公平に参加し、フリーライダーを出さない、③2030年度に向けて着実にCO2削減が進む進捗管理がされる、といったポイントを満たす必要があると理解しています。電力業界に対しては、こうしたポイントを満たす実効的な枠組をできるだけ早く構築するよう期待しております。また、事務方にも、電力業界に、枠組がこうしたポイントを満たすよう求めること、枠組が確実に構築され機能するための対応・政策を検討することをさらに指示したところです。

2.質疑応答

(問)幹事社のテレビ朝日の吉野です。よろしくお願いします。温室効果ガスの削減目標についてですが、2013年から電力業界に対しては枠組みを作りなさいと言ってきている中でなかなか進捗していないという古くて新しい話なのですが、今後更に電力業界に枠組み作成を促すために、どのようなことをされるのか教えてください。
(答)環境省の事務方に対しては、電力業界の実行ある温暖化対策の枠組みが確実に構築され、機能するための対応・政策を検討することを追加で指示しました。その趣旨に沿って、様々な観点から検討されたいと、我々としては今までの業界の自主的取組をしっかりやっていただけるということを期待してやってまいりました。様々な要因があって遅れているのだろうと思いますけれども、日本の温室効果ガス削減の数値目標もだいたい出てきたところでございまして、これをしっかりと国際的にも守っていかなくてはいけないと国としての責務がございますので、こういったことが非常に大きな要因の一つとなります。その約束を守るためには、しっかりと業界としてもやっていただきたいと我々のほうは今までよりも強い希望を述べさせていただいた、というところでございます。
(問)千葉市長のほうから指定廃棄物に関してなのですが、候補地にされましたけれども、再協議を求めたいという正式な申し出がありました。これに対する環境省の今後の対応をお聞かせください。
(答)10日の午前に熊谷市長が環境省を訪れられまして、市議会の決議を尊重し、指定廃棄物排出自治体内で管理を行うための再協議を求めることについての申し入れがございました。環境省からは、千葉市議会の決議を真摯に受け止め、対応は今後検討すること、市民の方々へのご説明の準備に当たり、千葉市に多大なるご協力をいただいていることへの感謝、住民の方々へのご説明も早期に行いたい旨を回答しました。熊谷市長からは、4月24日に詳細調査候補地を提示した際にも、早期に住民にご説明することについてご要請をいただいており、環境省としましても、一日も早く、市民の方々に誠意をもってご説明すべく、精一杯努力してまいります。

(問)ブルームバーグニュースです。石炭のことに戻るのですが、2番目のところに現時点において計画を是認しがたいことの理由の一つに枠組みが構築されていないということを挙げられているのですが、そうすると枠組みができるまで現在いくつか計画が上がってきているものが大量にあると思うのですけれども、それらは全て受け入れられないという考えなのか、それとも対策をしっかりと取って計画書の中にも入っていれば考えるということになるのか、詳細を教えてください。
(事務方)国の目標との整合性との審査というのは、案件ごとに厳格にやっていくということでございます。枠組みができれば、そこに参加して対策をとってくださいと、できるまでの間は近くに環境保全措置を自主的にとってください、というものでございます。例えば自主的に埋め合わせとなるようなスクラップを持ってくると、こういう対策をとっていれば、それは対策と認めるということはございますが、新規参入の方々については枠組みに参加していただくということがない限りは、そういうことを認めることは難しいと判断しております。

(問)朝日新聞の石井と申します。これまでの配慮書では、できるまでは天然ガスに同等 分クレジットを買ってくるなど、いわば代替の上で認めていたということだったと思いますが、今回少しフェーズが違うといいますか、是認できないとなったのは、今までとどう違うのか、これからどう変わるのか教えてください。
(事務方)枠組みについて、これを構築するということが基本にあったわけです。今までについては政府目標がないところで、枠組みもできていなかった。ですから将来、枠組みができればそこに入ってください、という議論をしていたわけですが、政府の約束草案の原案ができたということで、枠組みを作って対策をするのが待ったなしの状況になっております。あくまで暫定的なもので枠組みができる間のつなぎの措置ですので、これから先は枠組みを作って、それを実施していくことをきちんとやっていただくということが基本になると思っています。

(問)電気新聞の山下と申します。そうなりますと、枠組みを出せば今回の環境配慮書に対する環境大臣意見はもう一回出し直すということになりますか。
(事務方)環境影響評価の手続としましては、配慮書に対する意見は今回の環境大臣意見ということををもって了するということでございますので、この先の手続を進めていく、あるいはもう一回遡っていただくということを、法律上やっていただくということは必要ないということでございます。あとは現段階において、計画は是認しがたいということでございますので、おっしゃった条件が変わってくれば、今後は別の判断もあり得るということでございます。

(問)千葉日報の石井と申します。千葉市の指定廃棄物の問題について伺いたいんですけれども、千葉市の熊谷市長は環境省の情報の出し方について、難色を示した、選定経過の元データを出して欲しいという声が上がっているんですけれども、昨日の環境委員会でもあったと思うんですが、この元データについて公表なさる考えはありますか。
(事務方)おっしゃっておられるのは選定の対象となった683のデータのことかと思いますが、情報公開に際して、色々と検討しなければいけないようなことについて、例えばプライバシーの配慮とか、風評被害が生じるのではないかということに対して、十分検討させていただきたいと思っております。

(問)NHKの橋本です。改めて石炭火力についてなんですけれども、これまでCOP20のリマでの会合ですとか、いろんな国際会議に大臣自身も参加されてきて、海外の交渉の場でも石炭火力に対する強い風当たりというのも肌で感じられてきたかと思うんですけれども、そうした国益も踏まえて改めて石炭火力を温暖化対策に向けてどうすべきか改めてお考えをお願いします。
(答)様々な御意見をいただきました。我々もバイ会談をはじめ国際会議に何回も出させていただいて、CO2の削減ということを考えると、やはり石炭火力はCO2の排出が非常に多いことから、石炭火力発電所はなるべく増やさないようにしていこうというのは、国際的な話し合いの中では、良く出る話でございます。ただ実質的には、それぞれの国全体でどれくらい減らしていくかということになると、特に元々資源の無い日本では、原子力、石油、ガス、水力、様々なものを組み合わせたベストミックスでエネルギーというものを考えて行くこととしております。しかしながら石炭はその中で非常に大きな割合を占めるということで、我々としては、国際的に約束をしていく状況の中で、やはり石炭を減らしていかなくてはならないということであります。ただ発展途上国には、日本の高効率の石炭火力発電所とは全く違う、効率の悪い、CO2のたくさん出るような石炭火力発電所がたくさんございますので、我が国の知見といいますか、テクノロジーをしっかりと輸出をして、世界の排出削減に貢献するということもございますので、そのバランスが非常に大切だと思っております。ただ、私たちの国がその中で、約束を守っていかなければならないという状況を考えると、業界の皆さんに自主的な枠組みを構築をしていただくこととしておりましたが、今まで見てまいりましたところ、まだそういったものが出てこないということで、今回こういう喚起をさせていただいた、という状況でございます。

(以上)

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