大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成27年4月10日(金)9:00~9:19  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、環境省組織令の一部を改正する政令等が公布されます。これにより自然とのふれあいを推進する様々な業務の国立公園課への集約などを図ります。また、この業務を一手に担う室として、環境省組織規則の改正により、国立公園課に「国立公園利用推進室」を設置します。初代室長は女性レンジャーです。より多くの国民の皆さまに国立公園に親しんでもらうため、女性や母親の視点も活かして、国立公園の魅力の向上に努めてまいります。

 本日の閣議において、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」が決定されました。この政令は、現在89種の国内希少野生動植物種に、小笠原諸島と奄美・琉球に分布する41種を追加指定するものであり、5月1日から施行いたします。2020年までに、国内希少野生動植物種を300種程度追加するとの目標の達成に向けて、残り約260種の追加に取り組んでまいります。

 来週13日月曜日より、中間貯蔵施設の立地町である、大熊町及び双葉町の全町民の方を対象とした、生活再建相談窓口を福島県内の4箇所に開設します。復興庁をはじめとする関係府省との連携の下、福島県や大熊町・双葉町と協力して、ワンストップで町民の皆さまの様々な相談に応じてまいります。

2.質疑応答

(問)幹事社の時事通信です。幹事から2点お伺いします。昨日15年度予算が成立しましたが、この件について大臣の御所感をお聞かせください。

(答)昨日の参議院本会議で、平成27年度予算が成立しました。環境省としては、一般会計、エネルギー対策特別会計、及び東日本大震災復興特別会計を合わせ、9859億円を計上しております。今後は、東日本大震災からの復旧・復興、再生可能エネルギーなどの各地域の資源を活用した街づくり、低炭素技術の開発・普及や国際展開、原子力規制の厳格な実施や原子力防災対策の充実・強化などの重要施策をしっかり進めるため、予算の適正な執行に努めてまいります。

(問)もう一点、地球温暖化に対してなのですが、約束草案の検討の議論が進んでいるところだとは思いますが、各種報道が出ておりますが、現在の検討状況と政府内で2013年度を基準年に約束草案を作るべきではないかという意見を述べることについて大臣のお考えをお聞かせください。

(答)政府として、報道にあるような温室効果ガス削減目標を打ち出す方向で調整に入った事実はありません。我が国の新たな削減目標については、政府として、しっかりしたものを作る必要があり、関連審議会で丁寧な議論が行われているところです。今後とも、COPの決定、各国の動向や将来枠組みに係る議論の状況、エネルギー政策やエネルギーミックスに係る国内の検討状況等を踏まえて、新たな削減目標をできるだけ早くとりまとめることを目指して、検討を深めていきたいと考えています

(問)2013年を基準年にすることに大臣のお考えがあればお願いします。

(答)報道にあるような事実はありません。

(問)下野新聞社の須藤です。塩谷の指定廃棄物関連についてお伺いします。来月に本省主催のフォーラムが開かれるとは思うのですが、そのことに関しまして、先日、塩谷町の見形町長と住民による反対同盟の方で、当局としては参加せず、住民の参加は妨げないけれども、町と反対同盟としては参加せずに、高原の自然をアピールし、反対するようなフォーラムをぶつけてくるというようなことを確認いたしました。このことについての御所感と今後の対応策について教えてください。

(答)ご指摘のような報道があったことは承知しています。このフォーラムは、栃木県の指定廃棄物の課題について、地元の方々をはじめ、県民の皆様に直接ご説明し、ご質問やご意見に直接お答えするために実施するものです。環境省としては、指定廃棄物の処理について、地元の方々のご理解が得られるよう、ひとつひとつ丁寧にご説明することが重要であると考えております。今回実施するフォーラムのみならず、ご説明の機会をいただけるよう引き続き、努めてまいります。いろいろ記事では読んではおりますが、栃木県の指定廃棄物の課題は、詳細調査の候補地となっている塩谷町だけではなく、県全体の課題です。そのため、今回、地元の方々をはじめとする県民の皆様に直接ご説明し、ご質問やご意見について直接お答えする場を設けるものであり、フォーラムは予定どおり開催したいと考えております。

(問)広く県民に知らせるという目的であるために塩谷町から一切の参加がなくても、一定の県内全体からの参加があれば一定の目的は達成したということでよろしいでしょうか。

(答)そのようなことではなく、丁寧な説明ということでございます。しっかりと確認したわけではありませんが、全ての方がフォーラムに出ないわけではなく、来たいと言う人を抑えてまでということはありませんというようなことが記事には書かれておりましたが、1人でも2人でも、できうる限りたくさんの人、来たいという方がいる限り、塩谷町だけではなくて、全ての県民の皆さまにこういった機会を作り、意見を伺えることは有意義ではないかと思っております。

(問)朝日新聞の奥村です。宇都宮のフォーラムについてお尋ねします。申し訳ないのですけれども、塩谷町はこのフォーラムにおいて議会の方でも、意思表示があって、環境省にとっては厳しい議決であると聞いているのですが、それに関しての御所見をお聞かせ下さい。フォーラムに関しては仙台で既にありまして、いらっしゃっていた事務方の方は一所懸命に御説明されておられたのですが、指定廃棄物の担当チームだけで、除染など特に批判の集中する特措法関係の質問にはお答えできないという話があり、環境省全体として参加した方がよいのではないかという御批判がありました。加えて政務がなぜ参加しないのか、大臣が来て説明するべきではないのかという批判が強くありました。これについてもお願いいたします。

(事務方)町議会の議決につきましては直接お伺いしたわけではありませんので、つまびらかなことは分からないのですが、町議会としても参加はしないといった報道を目にしたことはございますが、それ以上のことは分かりません。宮城県の県民向けフォーラムの関係で除染の御意見が出たことは事実でございます。特措法の話も含めて、今日は特措法の御説明に来たのではありませんとは申し上げましたが、特措法の中での各県処理の関係について宮城県外のところで処理をすべきであるという御意見はたくさんいただきましたが、それにつきましてはきちんと御説明をしていたつもりでございます。除染の関係の御意見をいただきましたので、しっかり預からせていただいて、きちんと担当の部署にお伝えしますと、申し上げました。フォーラム自体は事実関係をしっかり皆さまに御説明をして丁寧な説明をさせていただくということでございますので、まずは事務方でやらせていただきたいと思っております。

(問)最終的には法改定を求める声が非常に強かったので、最終的には事務方のみなさんには答えられない、答えにくい問題に対しての批判であると思うのですが、大臣のお考えをお伺いします。それに加えて、宇都宮の次回のフォーラムについては幅広に環境省全体として御参加があると考えてよろしいでしょうか。

(答)今回初めてこのようなフォーラムを行うことにより、県民の皆さまから様々な御意見をいただき、足りないところは分析をして、しっかりと対応していかなければなりません。前の政権で決めたことではありますが、我々は一貫して指定廃棄物については各県内でしっかりと処理をする考えです。福島県の方ではいろいろと御指導いただいて努力してきたところ、除染も進み、中間貯蔵施設も一部ではありますが進んできまして、福島の皆さまに希望が出てきたところで、大変苦労している皆さまに対して福島でというようなつもりはございませんので、県内処理の方針は変えるつもりはございません。フォーラムに参加する予定についてですけれども今のところございません。やはりフォーラムの内容をよく聞いて、特に技術的な問題が多いものですので、我々が行くことで意見の食い違いによって混乱を招くことがないように、フォーラムの報告を聞いて、引き続き大臣としてさまざまな政策判断をさせていただきたいと思います。

(問)共同通信の角です。よろしくお願いします。温暖化対策の件でお伺いしたいんですけれども、温室効果ガスの削減目標について、経産省の方でエネルギーミックスの議論が煮詰まってきていると思うのですが、本来温室効果ガスの削減目標を決める際に非常に内向きな電源構成の議論が決まってから、それに付随して決まってくるというものではなくて、もう少し野心的な数字を環境省として積極的に打ち出していくという戦略的な振る舞いが必要なのではないかと思うのですが、大臣のお考えをお聞かせください。

(答)我が国として野心的な数字を出していきたいと、特に環境省の場合には世界の標準をなるべく下回らないようにという形を目指しております。それから、三菱総研から色々な数字も出てきて皆様に公表しており、これも我々は参考の一つとしますが、実際に我が国がどういう方向に進んでいくかというのは、環境省だけで決められるものではございません。もちろん他の省庁が、自分のところの省庁でまとめたものだけで決められるものでもございません。そういったことをすりあわせて、現実的に世界の国はどこもそうなっています。実際に数字を出したらそれを必ず守って、そして世界全体がどういう形で進んでいくかということに資するものでなくてはならないと思っております。今ご指摘のようにできる限り野心的な数字が出るように、中環審とか産構審とか様々なところですりあわせをして頂いておりますけれども、環境省としてこれからしっかり進めていきたいと思います。

(問)民主党政権時代に25パーセントという野心的な数字が出たんですけでれども、今回当然そのような数字を見た上で野心的な数字というと非常に大変だと思うんですが、それはそれなりに見劣りしないものが野心的だいうことでよろしいでしょうか。

(答)これはなかなか難しくて、我々も25パーセントの当時の数字というのは、私は国会議員としてすごい数字だなということで聞いておりました。実際に具体的に数字が守られて進んでいくかと。責任ある政治というのは、約束の数字を出したら実際にそれを守れるようにしていく、国際的な立場にある日本の国として守っていかなくてはならないことですから、数字が一人歩きすることのないように、しっかりと詰めて皆様にご報告する必要があるなと、それもなるべく早くそういう数字を出していくように努力をしていきたいと思っております。