大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成27年3月20日(金)8:58 ~ 9:15 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 報告をまずさせていただきます。本日、8府省の共同請議によりまして、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」が閣議決定されました。地方環境事務所等が担ってきた、フォークリフト、ブルドーザーなどの特定特殊自動車の使用者に対する排出ガスに係る技術基準への適合命令などの事務を、自治事務として都道府県に移譲するものです。
 2つ目ですが、本日、「中間貯蔵施設整備等影響緩和交付金」の交付決定をしたので、お知らせします。この交付金は、中間貯蔵施設の整備等による影響を緩和するためのものであり、福島県に650億円、大熊町に461億円、双葉町に389億円を交付し、基金を設置していただきます。今後30年間にわたって、県町それぞれのニーズに基づき、ソフト・ハードを含む生活再建や地域振興に係る幅広い事業に活用していただきたいと考えています。
 3つ目です。先月、自民党のプロジェクトチームより、原子力防災体制の更なる充実・強化に関する提言をいただいており、私としても、「提言に沿って進めていきたい」旨申し上げておりました。これを受けて、小里副大臣を座長とした検討チームにおいて検討を行った結果、本日付で、内閣府の規定を改定し、ワーキングチームの名称を、「地域原子力防災協議会」と変更しました。また、同協議会の活動として、避難計画の策定支援・確認に加え、①防災訓練の実施、②訓練結果からの反省点の抽出、③更なる計画等の改善を追加し、各地域の原子力防災対策の継続的な充実・強化を実現する改善のサイクル(PDCA)を導入いたします。これらにより、引き続き国が前面に立って、自治体を積極的に支援してまいります。さらに、災害対策基本法に基づく国の「防災基本計画」にも、これらの取組が明確に位置付けられるよう、準備が進められているものと承知しております。

2.質疑応答

(問)おはようございます。朝日新聞の香取です。よろしくお願いします。発表事項について2点、こちらが用意したものについて1点、質問させていただきたいと思います。まず発表事項について、中間貯蔵の関係で交付金の交付が本日決定したということで、この意義付けと期待するところを教えて下さい。
(答)中間貯蔵施設整備等影響緩和交付金ですけれども、これは中間貯蔵施設の整備等による影響を緩和するための生活再建や地域振興の事業を進めていくためのものです。生活再建や地域振興の事業を早期に進め、福島の復興を推進していくため、速やかに交付手続を進めていくことが重要であると考えています。
(問)もう1点、地域原子力防災協議会の設置ということで、これによって期待される効果とかですね、そのことのねらいみたいなものを教えていただきたいのですが。
(答)これは、やはり原子力の万が一事故が起きた場合、住民の皆様の生命、身体、財産を守ることは国の責務であると考えていまして、この責務を果たす上で、避難計画等の緊急時対応を、国が地元の事情を熟知する自治体と一体となって、仕上げるという取組が、最も着実で、効果的であると思っております。この取組を、各地域でよりしっかりと定着させていきたいと思っております。
(問)最後に1点なのですが、昨日アメリカのオバマ大統領が連邦政府の温室効果ガスの排出量の4割削減というような目標を発表したのですけれども、それについての評価と、日本も政府の実行計画というものを作っていたと思うのですが、それの現状と、今後どのように深掘りしていくかというのを教えて下さい。
(答)昨日のオバマ大統領の内容について詳細について、私もまだ把握しているわけではありませんけれども、そういった行動をやはり大統領自らがとっていくということは評価に値することではないかと思っております。我が国においては、平成25年3月政府が定めた当面の方針において、新しい温暖化対策計画ができるまでの間は、京都議定書目標達成計画と政府の率先実行計画について、同等又はそれ以上の取組を継続していくこととしております。今後決まります、新しい温暖化対策計画の策定に伴って、政府の率先実行計画も見直していきたいと思っております。

(問)共同通信の角です。おはようございます。中間貯蔵施設の交付金についてですけれども、搬入も地元が受け入れたわけですけれども、一方で双葉町についてはまだ搬入が始まっておりません。そういった状況で交付決定するということについて趣旨を教えて下さい。
(答)我々としては、双葉町は様々な事情の中で25日に搬入させていただくという、お約束をしているわけでして、それを信じて、粛々と実行していきたいと思っております。何としても事業を進めていくということを念頭におけば、こういう交付金を交付させていただくということで、中間貯蔵施設の影響を緩和していかなくてはならない、それから生活再建や地域振興を進めなければならない。こういったことが早く決められるということは、地域にとって安心というか、復興のためには非常に良いことではないかと思い、今回こういう形で決めさせていただきました。やはり1日でも早くできることはしていく、ということが重要ではないかと思います。
(問)追加なのですけれども、交付金の使い道について、自由度が高いということですけれども、一方で国民の税金なわけでして、きちんとまさしくその影響緩和策に使われているかどうか、ということはある程度は監督、指導して、透明性を確保していく必要があると思うのですが、これについてどのような取組をされるのでしょうか。
(答)これは大切なことだと思います。今、御指摘いただきましたように、原資は国民の税金ということになりますので、我々もそこはしっかりと進めていかなくてはならないと思います。これについては既に交付要綱を整備しておりまして、福島県、双葉町、大熊町にはこれをしっかりと通知しております。その中で、県町のニーズに応じた幅広い事業を実施できるように、今お話ございましたように最大限の自由度をということでお渡しするわけですけれども、一方で毎年度の事業計画をしっかりと確認をする、それから事業結果を全て公表いたします。そして、予算の適正な執行及び透明性の確保を図るように、どこから見ても間違いの無い執行をしていただいているということを広く公表させていただくという形にしております。

(問)日本テレビの杜です。よろしくお願いします。中間貯蔵でお尋ねなのですが、交付金の金額がこの金額で決まった根拠についてももう少し具体的にお聞かせいただけますか。
(答)昨年の8月の段階で、福島県に650億円、大熊町・双葉町に850億円を直接交付するということは決まっておりました。今回、両町にこういう形になりましたが、もちろん両町とも同じテーブルで相談させていただいて、両町の人口や、搬入する除去土壌等の貯蔵予定量なども勘案して、大熊町に461億円、双葉町に389億円を交付すると、そういった数値をちゃんと照らし合わさせていただいて、納得の上でこういう形にさせていただきました。
(問)判断の材料としては人口と除去土壌の搬入量の2点ということですか。
(答)主にはそういうことです。
(問)あと、もう一つ。地域の原子力防災のことなのですが、改善のPDCAサイクルを導入するということですけれども、概ねの期間というのはどれくらいを考えていらっしゃいますでしょうか。
(事務方)期間とおっしゃるのは、活動の期間ということでしょうか。
(問)訓練の実施から計画の改善まで、一連の1サイクルにかかる期間を考えています。
(事務方)たぶん地域ごとにまちまちになると思います。地域原子力防災協議会は、実際には例えば川内地域原子力防災協議会とか、伊方地域原子力防災協議会とか、地域ごとに設置をするということになります。ですから各地域ごとに計画作りの進捗状況とかも違いますから、それに応じて活動のサイクルはまちまちになってくると思っています。

(問)地域原子力防災協議会の件で先ほどの説明で川内や伊方などの地域ごとの協議会になるという御説明でしたけれども、県境を越えた広域の防災というのも今後必要になってくると思うのですけれども、高浜原発であれば京都府舞鶴市に極めて近いわけですし、人口も多いわけですが、そのあたりは入るのでしょうか、入らないのでしょうか。
(事務方)内閣府としましては入ると思っておりまして、基本的に今のワーキングチームでやっている自治体の構成で考えております。具体的には各地域にどのようなメンバーでやるのかは自治体にそれぞれ相談をして、メンバーを決めることになりますが、今考えているのは高浜地域であれば、京都府と福井県と滋賀県が参加しておりますので、その3者は内閣府としては協議会に同じ場に入っていただきたいと思います。そのような関係者による調整の仕組みが出来ることが大事だと思います。

(問)朝日新聞の奥村です。今の質問の関連になるのですが、若狭湾に関してはプラントの集中で全体的に考えた方がよいのではないかということもあると思うのですが、協議会での扱いはどのようになっているのか教えてください。
(事務方)福井のエリアは分科会に分けて進めている現状ですが、地域協議会を作る際には御質問の点も踏まえて、あのエリアでどのような構成メンバーで行えばよいかというのは今後相談していくと思います。個別の地域についてどのようなメンバーでやるかまではまだ考えが進んでおりません。
(問)大臣にお尋ねしたいのですが、地域防災の観点からすれば、地域一連として考えることになれば非常に画期的なことだと思うのですが、意味合いや意気込みを教えてください。
(答)地元のことが一番よくわかっている、地元の皆さまにまず立ち上げていただき、それからまた出来る限り関連のある皆さまの御意見に耳を傾けることが大切であります。地域地域により事情が違うとは思いますが、ワーキングチームという位置づけをしっかりとしたものにしていくということで、今回このような地域原子力防災協議会を作らせていただいて、国がしっかりと前面に立って、地域に寄り添って、地域だけでは出来ないものについて一緒になって防災計画を作っていきたいと思います。各地域からもぜひ国が積極的に関係してもらいたいという要望がございましたので、ワーキングチームと全然違うものではありませんけれども、新たなる形で位置づけをしたということで、意義のあるものではないかと思います。