大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成27年3月13日(金)8:34 ~ 8:48 於:(衆)本会議場議食側廊下ぶら下がり)

1.発言要旨

 御報告することが3点ございます。
 まず、第一に本日より中間貯蔵施設への搬入を開始いたします。最初の搬入については、大熊町の仮置場にある除染土壌から行うこととしており、本日7時半からその準備作業を開始しました。施設への搬入が開始できることは、福島の除染や復興の推進にとって、大切な、重要な一歩です。搬入を受け入れていただいた県町の方々には、心から感謝申し上げたいと思います。なお、双葉町については、昨晩、13日からの搬入を延期し、25日からにしてほしいとの要請がありました。町内部の調整がついていないとのことであり、そのような中で、環境省として搬入を進めることは本意ではなく、双葉町からの要請を受けとめて、双葉町の搬入については25日に延期させていただきます。双葉町の搬入開始を延期することになったことについては、残念であり申し訳なく思っております。いずれにしても、搬入開始にあたり、一層気を引き締め、中間貯蔵施設の整備や施設への除去土壌等の搬入に万全を期するとともに、地権者の皆様を始め、地元の方々に親身な説明を尽くしてまいりたいと思います。
 次に、第3回国連防災世界会議についてですが、明日14日から18日水曜日にかけて、仙台市において「第3回国連防災世界会議」が開催されます。防災は、気候変動への適応、防災・減災への生態系の活用、災害廃棄物対策などの観点から、環境行政とも密接に関連しております。こうしたことを踏まえ、会議初日である明日14日土曜日、当省の主催で「防災・減災・復興への生態系の活用に関するシンポジウム」を開催し、私が冒頭挨拶を行い、この分野における途上国支援について発表いたします。また、17日火曜日には、仙台市主催で「大規模災害発生時における災害廃棄物対策に関するシンポジウム」が開催される予定です。小里副大臣が出席して基調講演等を行う方向で調整中です。こうしたことを通じて、環境省としても防災分野での知見を共有し、今後の防災対策に活かしていきたいと思います。
 本日、平成26年度補正予算において計上した、原子力災害対策事業費補助金について、原発周辺の14道府県に対して、計90億円を交付決定します。本補助金は、即時避難が困難な病院や社会福祉施設の入所者等の要援護者及び住民が屋内退避するための建物等に対して放射線防護対策、つまりシェルター化を実施するものです。詳細は、この後、事務方に問い合わせていただければ発表させていただきたいと思います。以上です。

2.質疑応答

(問)フジテレビの加藤です。よろしくお願いします。中間貯蔵施設の関連で、先程双葉町のことがありましたけれども、これは25日から搬入開始できるということなのかどうなのかということと、あともう一つ課題、今日から搬入ですけれども、やはり課題は地権者との交渉があると思うのですが、今、保管が搬入できるのが2万立方で、まだまだ多く、試験搬入の量すらもまだ確保できていない状況ですけれども、一部報道ではちょっと地権者との締結もできたという話もありますが、そこらへんの現状はどうなっているのでしょうか。
(答)搬入開始時期につきましては、皆様御存じの通り、両町より強い御要望を踏まえて、鎮魂の日である3月11日を避けて3月13日に搬入を開始するとともに、彼岸の7日間は工事や搬入を停止することとしたわけであります。しかしながら、昨晩、双葉町のほうから13日の搬入開始を延期し、25日からにしてほしいという要請がございました。我々も非常に残念で、福島県の各地で1日も早くそういったものを除去していただきたいという皆様からすれば、今日できなかったことについては大変申し訳ないと、期待を裏切ってしまったという気持ちはございますけれども、なんといたしましても、地元と寄り添って今までずっとそういったことを詰めてきましたので、25日にお願いしたいということですので、町長それから議長のほうから連名で要請文が来ましたので、そこはやはりそれぞれに様々な思いがあり、そういった御努力をいただいている方、ただ搬入すればいいというのは本意ではないものですから、是非一つそういう日に搬入をお願いしたいということで、延期をさせていただいたわけでございます。搬入の場所等の問題が色々ございましたが、たくさんの地権者がおられます。そういった皆様と順次、様々な交渉の過程にあって、1日も早くいろんな皆様と契約をさせていただいて搬入ができるように今後とも努力していきたいと思いますが、そういった意味では決まった方もいるという形の中で、今後こういったものがしっかりと増えていくように、丁寧な説明をさせていただいて、除去土壌等をしっかりとそこに搬入できるように、これからも一生懸命、環境省一丸になって、進めていきたいと思います。

(問)共同通信の角です。おはようございます。中間貯蔵施設についてですが、今日、搬入準備作業が始まったということですけれども、そもそも2011年に政府が出した行程表ですと、1月になる前に完成区域から廃棄物の搬入作業を開始するということになっていました。それが1月中に保管場に持っていければいいのではないかという話になり、それが3月11日になり、3月13日になり、そして双葉町ではそれさえできないという。ちょっと国の行政として、なかなか聞かないぐらい二転三転していると思うのですが、それについての大臣の御見解を教えて下さい。
(答)やはり福島県内には8万箇所以上に様々なこういったものが置かれているということ、中間貯蔵施設を1日も早く動かすということは、福島の復興、復旧にとって非常に大切だということで、我々も努力をしてきたわけです。1日も早く土壌を運んでもらいたいという気持ちもわかりますので、我々も最大限努力をしてまいりました。そういった意味では1日1日変わるごとに、そういった皆様に御迷惑をかけて大変申し訳ないという気持ちでいっぱいです。今日は7時半から搬入の準備を開始しておりまして、本当にそういう皆様にはそれぞれの思いがあるにも関わらず、決意をしていただいたことには本当に有り難い、感謝の気持ちでいっぱいです。けれども、少なくとも双葉町から昨晩そういうお話がございました。我々もじゃあ搬入をすればいいかということではなくて、これから長い期間搬入させていただきますので、本当に皆様の納得がいく上で、搬入をこれからもスムーズにできるよう、信頼関係を大事にしていかなくてはいけないなと、信頼関係を絶対崩さないように最後まで行きたいということで、このように日時がずれたということは、先程も申し上げたように、我々は大変申し訳なく思っておりますけれども、なお努力をしてこの信頼関係を壊さないようにしながら、続けていきたいという気持ちでいっぱいです。

(問)テレビ朝日の吉野です。前日に搬入ドタキャンするというのは信頼関係を壊しているのはむしろ双葉町だと思うのですが、どのようにお考えですか。
(答)それぞれ何千もの地権者など様々な皆さまがいらっしゃいます。もちろん住宅にも農地にも先祖伝来のお墓であるとかそれぞれの思いがございますので、我々の説明が十分ではなかったのかとそのようにも思います。協定を結んでいたから搬入をすぐ進めてしまうのではなく、今少しの猶予をもって搬入をさせていただくということで、双葉町の方からお願いしたいという申し出がございましたので、その気持ちを大切にさせていただきたいと思います。大変申し訳無い気持ちですが、今後ともしっかりと信頼関係を壊さないようにしながら、25日には搬入をさせていただくようにしていきたいと思います。

(問)そもそも信頼関係はあるのでしょうか。
(答)信頼関係がございますので大熊町の方は今日行うことができました。双葉町の方もそういった方々が努力をしていただけると、我々も思って日程を変えさせていただき、それでなければ、今日搬入してしまうということになりますので、そうではなくて信頼関係があるからこそ25日で行いましょう、頑張りましょうということにさせていただきました。その間にも出来る限りのことをさせていただきながら頑張って行きたいと思っております。

(問)NHKですけれども、今日から30年後の最終処分にむけたスタートが始まるわけですけれども、残された時間はもう30年しかないというようにも見えるかと思います。30年後本当に最終処分が出来るのか、これから先の具体的なスケジュールを示していくお考えがあるのか教えてください。
(答)30年後というのは長いとか短いとか、様々な考え方があると思います。我々は入ってきたものに対する状況だとか、この間にも行われる様々な技術開発であるとか、そういったものも提案されており、たくさんのものがきておりますので、福島のためにそういった技術を使ってもらいたいということで、精査しております。どの程度のものになるのかを見極めなければならないですし、たくさんのものから厳選して、少量化して、そしてまた公共事業等に使えるものは分別して、しっかりと使えるようになっていくと、8つのステップの中で出来るものからしっかり進めて、30年後にはしっかりと行えるように、今日、始まったばかりですので、個々具体的に発表するところまできてはおりませんが、今後しっかりと道筋を付けていきたいなと思っております。