大臣談話・大臣記者会見要旨

小里副大臣記者会見録(平成26年11月13日(木)15:41 ~ 16:00  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)今日は3つ御報告申し上げたいと思います。御案内のとおり、11月2日、3日の2日間にわたりまして、石川県の志賀原発で事故が発生した想定のもと原子力総合防災訓練を実施しました。私は現地本部長として参加をしたわけであります。色々な目的があったわけですが、関係機関の連携の確認をはじめ、初期の目的は達成できたと考えております。ただ一方で、テレビ回線の不具合や連絡不足、あるいは天候異変といった思わぬ事態が発生しまして、一部混乱を来したのは事実であります。その訓練の経緯をよく検証をして今後に活かしていかなければならないと思います。そこにこそ訓練の意義があるのだと、私は講評でも申し上げたわけでありますが、それぞれしっかり検証して、今後の訓練がより実践的な訓練になるようにしっかり活かしていきたいと考えるところでございます。どうせ事故は起こらないという考え方は絶対にダメでありまして、今後に事故はあるという前提でしっかりとより実践感のある訓練を行っていくように、という指示をしたところであります。
 栃木県におきまして、11月9日に、指定廃棄物に係る市町村長会議を開催いたしました。市町長の皆様方には、大変お忙しい中お集まりいただきまして、熱心な御議論をいただいたきまして感謝申し上げているところでございます。また、会議の場では、特措法の基本方針の見直しを行わないこと、そして福島県で集約処理することは到底理解が得られないことを、明確に環境大臣から申し上げたところであります。また、最後に皆様も聞いておられたと思いますけれども、知事の方から、今までの会議において、色々な意見はあったけれども、仕方ないかということでみんな受け止めたのだと、そういう旨の発言もあったところでございまして、全体として御理解が進んだものと受け止めております。
 また、中間貯蔵施設への輸送につきまして、昨日、輸送連絡調整会議を開催いたしました。輸送基本計画案に対する各市町村等からの御意見を踏まえた輸送基本計画の修正案を説明しました。その中で、概ね1年程度を予定しておりますパイロット輸送において各市町村からそれぞれ1,000立方メートル程度を搬出することなども説明いたしました。各市町村等からは、今後の輸送の実施に向けた様々な御意見をいただたわけですが、輸送基本計画の修正案については、おおむね御了解いただけたと受け止めております。近日中に輸送基本計画を確定して公表したいと思っております。その後、輸送連絡調整会議も活用しつつ、関係機関とよく相談しながら、輸送の具体的な内容を規定する輸送実施計画を年内を目途に策定したいと考えております。また、併せて「仮置場等での保管の継続に関する市町村説明会」も開催しまして、市町村の皆様に仮置場等での除染土壌等の保管の継続についてお願いをいたしました。今後とも各市町村の御理解が得られるよう、誠意をもって個別に説明を申し上げてまいります。以上です。

2.質疑応答

(問)日経新聞の浅沼です。どうぞよろしくお願いします。指定廃棄物についてまず2点お伺いします。まず1点が副大臣からもございましたけれども、栃木で先日市町村長会議がありまして、その中で福田知事から御提案があったかと思うのですが、最終処分を外してはどうかというようなお考えがあったかと思うのですが、これに対しての。最終処分という言葉を無くしてですね、最終処分化では無くするというお話があったと思うのですけれども、これに対して副大臣のお考えと御回答はいつまでにされるのかというのを教えて下さい。
(副大臣)要するに、減衰していくのだから、最終的には全部除いてなり、原状回復をしてほしいというお話だったのですね。知事の御指摘は処理施設を最終処分場にしないという御提案にも通ずるわけであります。非常に重要な御指摘だと受け止めております。例えば、国の有識者会議の場で検討を含めて議論をさせていただきたいということでありまして、そのように大臣からも指示があったところでございます。
(問)これはいつぐらいまでにどういう形で検討されるとお考えでしょうか。
(副大臣)まだそこは具体的なスケジュールというものは、申し上げる段階に来ておりません。大臣から指示があって、その議論を進めるというところでございます。
(問)2点目は、宮城県の指定廃棄物の詳細調査についてなのですけれど、雪が降る時期が迫ってきてかなりデッドラインに近づいているかと思うのですけれども、現在の状況を教えて下さい。
(副大臣)これはだいたい御案内の通りかもしれませんけれども、詳細調査は8月の下旬から進めてまいりました。文献調査から始まって、あるいは現地踏査ですね、そしてボーリング調査に入ろうとしたわけであります。しかしながら、住民の皆様の座り込み等がありまして、実施をできていない状況でございます。その前段として特に座り込みをされたところの加美町の町長からは、副大臣室に来られたときにいろいろお話がございました。そのお話を重く受け止めて、特に事前通告に重きをおいたお話でしたので、それを踏まえて事前通告を申し上げた上でボーリング調査を始めようとしたわけですが、ああいう結果で、残念に思っております。ただこれも、丁寧な対応を心がけてきた一つの結果でありまして、今後ともしっかり説明を心がけながら、なんとか前に進めていきたいと思っております。
(問)あともう1点、大臣、副大臣のほうから御説明がありましたけれども、仮置場についてなのですが、昨日の御説明ですと延長の継続を求められたのですが、具体的な時期の明示が無かったわけですが、それについての副大臣の受け止めをお願いします。
(副大臣)これは中間貯蔵に関するところですね。これは中間貯蔵施設を鋭意、手続を進めております。要するに仮置場が解消されるということは、これが全部運び出されて原状回復がされるということになりますとですね、その前提として中間貯蔵施設への搬入が進まないといけないわけでして、中間貯蔵施設の方の整備がどんな風に進んでいくのか、用地買収の問題をはじめ、いろいろ課題がありますから、そこは中々いつまでという日にちは明示できないということになります。

(問)河北新報の門田と申します。宮城の指定廃についてなのですが、ボーリング調査について衆議院が解散した場合に、政務三役がいなくなってしまうと思うのですけれども、その場合の対応はどのようになりますでしょうか。
(副大臣)再三申し上げてきたとおり、雪の降る前に終えたいということで、そうなると、実態としては11月中に終了させないといけないわけですが、状況としては極めて厳しい状況にあるということは申し上げざるを得ません。しかしながら、引き続き、あきらめること無く、どうすればいいのか、よく考えていきたいと思っております。衆議院解散というのは今の時点では仮定の話でありますから、そこに絡めての話は避けたいと思いますが、しかし世の中がどういう状況になっても、我々はこの問題については責任を持っておりますから、しっかりと与えられた環境の中で最善を尽くしてまいります。
(問)仮定の話で申し訳ないのですが、与えられた環境が19日に解散して投開票の日程になると、雪が降ってしまって調査ができない状況になるとストップすると思うのですが、そういう場合はどうお考えでしょうか。
(副大臣)解散等の話は別にして、雪との関係で申し上げますと、厳しい状況であるのは認めざるを得ないわけですが、その中で対応はよく考えていきたいと思います。もうしばらく待ってください。
(問)もう一点なのですが、栃木県の市町村長会議で最終処分地にはしないということと、検討したいという大臣の発言がございましたが、ほかの宮城県をはじめ4県についてはどのようにお考えですか。検討をしたいという自治体からの希望があった場合はそれは同様に環境省としても検討するのでしょうか。
(副大臣)現状回復の話ですか。
(問)栃木の指定廃で最終処分地にしないという要望をほかの4県でも同様の要望が出た場合ですね。
(副大臣)要望があれば同様に国の有識者会議の場での検討を含めて議論はしていくということになろうと思います。

(問)朝日新聞の奥村と申します。昨日に栃木県で有識者会議があったそうで、今ありました現状回復案については、福田知事の方から受入れやすい環境を作ることの一環であるというお考えがあったそうなのですが、環境省としてもこの現状回復案というのは地元が受け入れやすい環境の一環だと思っておられるのでしょうか。
(副大臣)そこまではまだ詰めておりません。私自身の所見も持ち合わせておりません。
(問)そこに未来永劫あるのはずっと将来に負担を持たせることになると、反対を言われる方もおられるのですが、どうお考えでしょうか。
(副大臣)知事の御指摘はお気持ちとしてもよく分かりますし、非常に貴重な御指摘だと受け止めております。これを受け止めてこれから先、どう捉えて検討を含めた議論をしていくのか、これからの話ですね。あまり予断を与えることは今はまだできません。
(問)引き続き栃木のことで当日、町民のみなさんを中心にデモがありました。これも改めてということになると思いますが、反対の声があることをどのようにお考えで、これからどうしていくか教えていただきたいのですが、環境省のみなさんは指定廃棄物というのは非常に低いレベルのもので、安全に行うと再三説明されてますが、なかなかそういったことは、風評被害の面からも理解されていないとお見受けするのですが。
(副大臣)そうですね。お伺いするたびに住民のみなさんが、非常に心配しておられると痛感しております。こういうお気持ちというのはしっかり受け止めないといけないし、だからこそ丁寧に説明をしたり、丁寧な対応を心がけてきたつもりです。これまでの姿勢をしっかり維持してやっていきたいと思います。

(問)時事通信の相京です。先ほどのお話の中で、指定廃棄物の関係で、ほかの4県についても有識者会議などで議論して検討していくというお話でしたけれども、福島県でエコテックでの指定廃棄物の最終処分の議論があると思うんですが、それも含めて議論していくという理解でよろしいでしょうか。
(副大臣)エコテックは少し趣が違いますよね。御案内のとおり、福島県内とそれ以外の分というのは性格が大きく異なります。性格が大きく異なるものとして議論をして、今まで対応していますので、エコテックの部分がどうなるかというと、今のところは従来の方針をしっかり守って進めていくとしか申し上げようがありません。いろいろな御意見があれば、受け止めながら検討していきたいと思います。