大臣談話・大臣記者会見要旨

北村副大臣記者会見録(平成26年10月16日(木)16:22 ~ 16:31  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

 (副大臣)冒頭私のほうから2点御報告を申し上げます。
まず、韓国のピョンチャンで行われております生物多様性条約第12回締約国会合に出席をしてきましたので、その状況を簡単に御報告を申し上げます。一昨日、大変過酷な日程だったのですけれども、夜8時に出発して、金浦空港に着いたのが10時半です。それから3時間もかけて、夜中の2時に着くというような大変な状況でしたが、閣僚級会合に参加してまいりました。閣僚級会合はまだ今日まで続いておりますが、ユン大臣を始めとする、議長国韓国のリーダーシップにより、充実した議論が行われておりました。また、私自身も資源動員に関する閣僚級の非公式会合に出席し、今次COPで資源動員の最終目標を是非合意し、愛知目標の達成に向けて努力していくことの重要性などを訴えてまいりました。また、会議の間には、先程も申し上げました韓国のユン環境大臣や、中国のウー環境保護部副部長、国連開発計画のクラーク総裁を始め5つのバイ会談を行うなど、生物多様性分野における国際協力に向けた関係の強化を図ってまいりました。特に今回の会議を通じて、生物多様性が世界の環境問題の中で非常に重要な問題として認識をされ、あるいはそれぞれの国々で評価をされ理解をされて、充実した生活を支える分野で極めて重要な課題だという認識を皆様持っておられることに、改めて私自身も感銘を受けてきたところです。今回のCOP12を通じて、我が国は愛知目標の中間評価を踏まえた国内の施策強化や生物多様性日本基金による途上国支援など、引き続き、地球規模の生物多様性の保全と持続可能な利用の実現のために積極的に貢献していきたいと考えております。
 もう1つは、新宿御苑がデング熱で、9月7日から閉園をされておりました。これまでの対応としては、殺虫剤の散布や幼虫対策の効果等を確認するためのいろいろな手法を取ってまいりましたが、園内の蚊の捕獲調査においては大幅な減少が見られ、いまや、採集した蚊からはデングウイルスが確認されなくなりました。採取される蚊自体も少なくなりましたし、捕獲した蚊からも陽性の反応がなくなったということで、明日10月17日、新宿御苑全体の開園をすることになりましたということを、まずは冒頭御報告申し上げます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の共同通信の堀野と申します。新宿御苑の開園のことで一点お伺いしたいんですけれども、過去2週間の調査で陽性の蚊が見つからなかったということなんですが、その他に当初は専門家の方からもお話を聞いたりして、総合的に判断されるということでしたが、そのような結果なんでしょうか。
(副大臣)専門家の意見は十分お聞きしているんですが、現実の問題として蚊そのものが10カ所の場所を設けて捕っているのですが、やっと捕まえたというか、いた蚊も陰性反応でですね、これならという判断を専門家の意見を聞いた上で開園を決断したということでございます。

(問)時事通信の斉藤です。COP12の件なんですが、途上国の方から生物多様性に関わる対策費用を先進国の方からもっと拠出してほしいという話が出ていて、なかなか先進国との間が埋まらないという話も出ておりますが、副大臣はこれについてどういうご感想をお持ちでしょうか。
(副大臣)閣僚級非公式会合では17、18カ国おられたでしょうか。その中で途上国の方々からも積極的に、各国順番で発言がありました。私も一番最初に手を挙げたんですが、順番にしてくれということで、10番目ぐらいで、日本としての立場を申し上げました。途上国の方々からは、COP11で2倍にする、というようなことは暫定目標としてあるけれども、しかし、それだけでは足りないんだと、条約20条では先進国は途上国を支援するという中身になってるじゃないか、条約の中身になってるじゃないかと、したがって現実の問題としてその対応は、2倍にするだけではなくて、17年にはさらにそれを2倍にするということを次のCOPでは考えるべきだという途上国の意見でありました。しかし一方、先進国は、EU、イタリアの代表もそうでしたし、スイスの代表もそうでしたが、これ以上のことは現実的ではない、したがって前回決めた暫定目標の枠組の中で実現をしていくのが大事という主張であります。私は加えてこれに政府資金だけではなく、民間の資金も含めて今回のCOP12で先進国も途上国も譲り合って最終合意をすることが大事なのではないかと申し上げてきたわけであります。私は残念ながら国会の関係もありまして、1日残して15日だけで帰ってきたわけですから、16日の会議には出られなかったのですが、なんとかまとめることに期待をしますということをバイ会談の席でも申し上げ、あるいは閣僚級会合でも申し上げました。ただ途上国のみなさんも、それだけで現実の姿が動かないという実態は決して望むことではないという主旨の意見もありましたので、私はなんとかまとまることを期待をして帰ってきました。