大臣談話・大臣記者会見要旨

北川副大臣・浮島大臣政務官記者会見録(平成26年8月27日(水)16:27~16:52  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)皆さん御苦労様です。私のほうからは多いのですが4点報告をさせていただきます。後ほど、浮島政務官のほうから2点御報告をさせていただきます。
まず、私のほうからはESDに関しまして、今年の日本が提案して開始された「国連ESDの10年」が最終年を迎えるわけですが、今年の11月に我が国の岡山市及び名古屋市で世界会議が開催されます。この世界会議の3ヶ月前プレイベントといたしまして、24日に岡山市において、ESD活動を実践する市内の公民館関係者の方々14名もの方に参加をいただき、車座ふるさとトークを開催させていただきました。「地域に根ざしたESD活動」のテーマどおり、参加者の方々からはESDの先進的な取組を直接伺うことができ、また有意義な意見交換ができました。ESDは環境問題だけではなく、平和や人権等幅広く扱い、互いの関連性や多様性を認めながら、持続可能な社会づくりを担える人材を育成するものであります。環境省では、この最終年にあたり、私が座長を務め外部有識者等の参画も得て、5回にわたり懇談会を開催させていただき、今後のESDの推進方策について検討を行ってまいりました。この懇談会の報告書の概要をお配りしておりますが、その中の2枚目に図を示しておりますが、大まかに4つの課題が示され、それに対応する形で、4つの推進方策として、まず1番目として「人材の育成」、2番目として「教材・プログラムの開発・整備」、3番目として「連携・支援体制の整備」の3本柱と、横断的な取組として「ESDに係る取組の効果的な推進・継続方策」を盛り込んだところであります。特に委員の方々からは、3番目の連携・支援体制の整備について、NPO、教育機関、行政や事業者等様々な主体による連携・ネットワーク化の促進支援が必要である、しかし、現在では不十分と強く指摘され、今後、文部科学省をはじめ、関係府省、事業者、NPO等の民間団体等が参画できる全国的なネットワーク機能の体制整備等の必要性をその中でも盛り込ませていただいております。本報告書の内容に基づき、平成27年度以降の環境教育・学習に係る各種施策を推進する予定でありますが、当然来年度に向けての予算要求におきましても、この内容が大きく反映されており、中核となる人材育成やネットワークづくりのため数億円規模の予算要求を行う予定であります。また、本懇談会の成果は、世界会議の場で広く国内外に発信をしていきたいと考えております。更に、世界会議以降のESD活動をどう発展させていくか、ESDの取組を全国規模で展開し、継続させていくためには、施策の進捗や効果を評価していく仕組みも重要であり、世界会議の動向も踏まえ来年を目途に学識経験者等の参加も得て、仕組み作りに向けた検討を行ってまいりたいと思っております。今後、本報告書の内容を大いに活用し、人材育成を通じて持続可能な地域づくりに貢献するとともに、世界における持続可能な社会の実現をリードしていきたいと考えております。後ほどまた事務方のほうからこの報告書について詳しく説明をさせていただきたいと思っております。
次に、2R、リデュース・リユース、の推進についてでありますが、私は副大臣就任前、党の環境部会長をしておりまして、この時から、これからの循環型社会形成のためには、3Rがありますが、まずリデュース・リユース、この推進を訴えてまいりました。「隗より始めよ」、ということで、私が座長を務めた「『国連ESDの10年後』の環境教育推進方策懇談会」においても、リユースびんを使用してまいりました。また、グリーン購入法の基本方針の中でも、配慮事項ではありますが「会議等で飲料等が提供される場合は、可能な限り、容器包装の再使用を行うこと」と盛り込まれており、こうしたことから、本日付けで環境省の会議における使い捨ての容器利用を減らし、リユースびんやリユースカップ等の使用を推進するよう、各部局に指示したところであります。まずは環境省の内部からもう一度原点に帰り、こういった取組を進めて行き、実務上の課題を整理しつつ、ゆくゆくは政府全体、社会全体に取組を広げていきたいと考えております。
次に、先日発表させていただきました8月18日から21日にかけてのベトナムの訪問についての報告をさせていただきます。まず訪問させていただきましたハノイ市において、クアン天然資源環境大臣とバイ会談を行わせていただきました。クアン大臣からは、これまでの環境省による支援について感謝が伝えられるとともに、今回の二国間の環境協力について引き続き積極的に推進することを双方で確認できました。その後開催された「第1回日本・ベトナム環境政策対話」にも、トゥエン副大臣が出席をされ、私とともに環境政策対話を行わせていただき、その中で二国間協力の状況について進展を確認するとともに、JCMの活用を含む気候変動対策、改正環境保護法の実施支援、廃棄物管理の強化などの環境協力についての意見交換を行わせていただきました。また、日本の廃棄物団体連合会加盟企業とベトナム政府の環境局長等との懇談会を主催するとともに、ホーチミン市ではティン人民委員会副委員長とバイ会談を行い、今後のJCM等を通じた環境協力への支援のお願いをいたしました。今回のベトナム訪問が、今後の協力の強化につながることを期待しているところであります。
最後に4点目でありますが、8月23日に長崎県雲仙市で行われた国立公園「雲仙」指定80周年及び島原半島世界ジオパーク認定5周年記念式典に出席させていただきました。天気のほうも心配していたのですが、雨も止んだ中で実施されました。今回は地元自治体の方々や観光関係者の方々が一堂に会し、国立公園とジオパークの活用について議論するための下地ができたことを大変意義深く思っております。私のほうからは以上の4点になります。

(政務官)私のほうから御報告させていただきたいと思います。昨日でございますが、仁志田市長をはじめ伊達市の方々のご厚意で、保原高校美術部の皆様が書かれた絵がここにありますけれども、この仮置場に絵画を掲示するというものに参加をさせていただきました。本当に参加をさせていただきましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。あいにくの雨だったのですけれども、市長そして保原高校の皆さん、地域の代表の方々とともに提示をさせていただくことができまして、雨でちょっと暗かったのですけれども、絵を掲げたとたんに周りがぱっと明るくなったのがとても印象的でございました。また、みんなの笑顔がとても印象的なことが忘れられません。また、仁志田市長さんからも御発言がありましたが、なかなか暗くてイメージが悪いからなるべく明るくしたい、なるべく多くの方に見ていただきたいということで沿道から見れるように、また阿武隈急行からも下りのほうから来たときには見れるようにということで、ちょうど真ん中にこの4枚の絵なのですけれども、設置いただいたものでございます。私も保原高校におきましては「がれきに花を咲かせようプロジェクト」の一環として今回は2作目のものでございます。私も先月15日保原高校美術部に行かせていただきまして、ここの花は私も塗らせていただきました。久しぶりに美術部の学生さんたちに御指導いただきながら、本当に緊張して塗らせていただきましたけれども、ほんのちょっとのこの1つの花を塗っただけでも、自分の作った作品というか、関わった作品が提示されるということにすごく私も喜びを感じて、生徒達とも昨日話したら、やはり自分達はこの復興に向けて頑張っていきたいという表れでもあるし、自分達の描いた絵で一人でも多くの方の笑顔が生まれたら本当に自分達も幸せである、これからも頑張っていきたいと生徒さんもおっしゃっておりました。私もこれからもたくさんの皆さんの御理解をいただきながら除染を鋭意進めるとともに、1日も早い復興に向けて全力を尽くしてまいりたいと思っております。
2点目でございますけれども、明日28日ですけれども福島県に出張させていただきまして、土湯温泉バイナリー発電事業の起工式に出席させていただきます。我が国はアメリカ、インドネシアに続きまして世界第3位の地熱資源国でありまして、約2万8千の温泉があります。本事業はこうした地域の再生可能エネルギーの有効活用に資するものでありまして、また、被災地における復興事業としてもとても意義があるものと考えておりますので状況を視察させていただきたいと思っております。また、土湯温泉バイナリー発電事業起工式の後でございますけれども、三春町に設置されました被災ペットを収容しているシェルターの視察を行わせていただきたいと思っております。命の大切さ、そして殺処分ゼロもお伝えさせていただいているところでございますけれども、譲渡の取り組み等のいろいろな課題もあると思います。それらを把握させていただくとともに、今後の施策の検討にさせていただきたいと考えているところでございます。

2.質疑応答

(問)時事通信の斉藤です。お願いします。今日がおそらく内閣改造前の最後の定例の会見になるかと思いますので、在任期間を振り返っていただいて感想などをいただければと思います。
(副大臣)私のほうから、今月いっぱいで約11ヶ月になりますが、就任早々10月1日の夜からワルシャワのプレCOPに出席という大変慌ただしい中でのスタートでありまして、あっという間に11ヶ月が過ぎたなというのが正直な感想であります。その中でも帰国後すぐに水俣における水銀条約の調印式、その行事の中で水俣に訪問させていただき、長年の懸案である水俣問題の歴史、そして環境省のこれまでの取組、また患者の皆様方の想い、関係者の方々の想いというものも感じさせていただいて、水俣問題の重要性というものを再認識いたしました。また、その後生物多様性の関係で豊岡への出張とかコウノトリを見ながら、すぐ近くの山里にシカが下りてきた現状を見させていただいて、先の通常国会で成立をした鳥獣保護法の改正、これの必要性というものをその時に感じさせていただきました。様々な出張がありましたが、2月にはESDに関して東北でのイベントに出席をし、大変な雪の中で交通機関の混乱にも巻き込まれてやっとの思いで東京へ帰ってきたという経験もございました。3月には霧島の国立公園の80周年記念式典にも出席をさせていただいたり、また5月の水俣の慰霊式にも出席をいたしました。なおかつ国会終盤にはボンでのADP会議にも出席しました。同じ温暖化の関係では3月に国内で気候変動の世界会議が行われました。今の長い雨の異常気象ですね、こういうものをみると国内で気候変動や温暖化の問題がクローズアップされていない点について残念に思うと同時に、3月から私はずっとFun to Shareのバッジを付けているのですけれども、こういう国民運動を今後展開しながらよりいっそうこういう環境への必要性を国民の皆様へ訴えていかなければならないということを感じました。環境行政の中で携わらせていただいた仕事を思い起こすとこの時間ではしゃべれないくらいだと思いますが、11ヶ月を振り返ってたまたまうちの親父が24年前に環境庁長官をさせていただき、退任をした後に「省見て 道誇らかに 歩み来し 君のありせば任なし了えぬ」と、1つの任務を終えるという中で様々な方々のお世話になった、そして歩んできた仕事の道のりというのは誇れるものであるということを詩に詠みましたけれども、私もまったく同じ心境でありまして、記者の皆さんはじめ、環境省の多くの方々の支え、また国民の皆様方の私どもに対する理解、そういう協力の中でこの仕事ができてきたのだなということを1年を振り返りながら感じているところであります。本当に1つずつ全部が巡ってくるものですから、また改めてゆっくりとお話できればと思います。
(政務官)約11ヶ月を振り返ってということでありますけれども、本当に皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にこの環境行政に携わらせていただき、本当にたくさん学ばせていただくことがありました。自分の中で1ついつも思っていたのが、1日1日を大切に、そして自分のできることを全力を尽くす、そして1つ1つの案件を丁寧に、そして現場の皆様の声をなにより大切に、そして丁寧にということを自分のモットーにしてまいりました。そして、できたら1週間に1回、2回は被災地に入らせていただきたいという願いはありましたけれども、国会等の状況もありましてなかなか週に1回、2回というのは叶わなかったことはありますけれども、出来る限り被災のほうにも、現場のほうにも行かせていただきました。今、副大臣がおっしゃったように1つ1つを語り出したら本当に時間が無いくらいなのですけれども、本当に一言でこの11ヶ月を振り返ると現場がいかに大切か。現場に入って現場のお声を聞く、そのお声を聞いてできないこともたくさんあります。すぐにできないことのほうが逆に多いかもしれません。でも、その現場のお声をいただき、できないことをできないではなくて、できないからこそ何をしなければならないのか、何を変えていかなければならないかということを常に考え、そして前進をしていかなければならないということを日々学ばせていただき、勉強させていただいたところでもございます。実は昨日も保原高校に行く前に浪江町に入らせていただき、5月に田植えをさせていただきました、その時にトルコキキョウの種も植えさせていただいたのですけれども、その時に約束したお婆さんとか、田植えをさせていただいたお爺さん、お婆さんとその時もいろいろと話をさせていただいたのですが、絶対に来てねと言われまして、絶対に来るよと握手をしてお約束もさせていただきました。昨日は朝早くに行かせていただきまして、その田植えの状況がどのくらい伸びているかということを雨は降っていたのですけれども、皆様にもきていただきまして、それからまた再び田植え場に入って抱き合いながらちょっとこれを抜いて持って帰って乾燥させて部屋にずっと飾っておいてよとか、また稲刈りの時には絶対に来てねとかお婆さんとも約束させていただいたトルコキキョウを花束にしてプレゼントをいただいたりとか、やはりこういう絆、一人一人を大切にしていくそういう絆が大切です。やはりこの絆をこれからもしっかりと引き継いでいかなければならないと思っているところでございます。本当にこの1年間は様々な出張をさせていただきまして、漂着物、これも見ないと現場がわからないということで見させていただき、これもしっかりと引き続き対処をしていかなければならない、またオリンピック・パラリンピックがくるにあたり美しい日本、美しい自然、これをしっかりと海外の方へお伝えしていくためにも守っていかなければならない自然をしっかり残していかなければならない、また副大臣が御担当だった教育もそうですけれども、子ども達に自然があって当たり前でない、私も環境教育という面で子ども達といろいろ携わらせていただき、学校にも行き、そして自然の場にも触れさせていただきましたけれども、子ども達が目を輝かせながら自然が、こんなきれいな水が、川があって、当たり前じゃなかったんだということを現場に行って学生を見て、やっぱり今はIT化になってみんな携帯を持ちながら夏休みもほとんどゲームをしていたという子ども達も多くなってしまっているのですけれども、やはり子ども達が現場へ出て、子ども達も自ら学んでいく心で感じ取っていく、そういう教育もしっかりしていかなければならない、とにかく11か月間を振り返りますと、現場がいかに大切か、そしてその声をいかに反映して政策としてつくっていくかという重要性を再び学ばせていただきました。これからも皆様一人一人のお気持ちを大切に、また現場第一主義で頑張っていきたいと思っているところでございます。

(問)栃木県の下野新聞社の須藤です。指定廃棄物の関連なんですが、25日に副大臣現地入りされたと思うんですけども、その後に見方町長から住民説明会を一変して拒否するとの意向が示されましたが、それに対する御所感をいただけますでしょうか。
(政務官)この候補地になった皆様方には、とても大変な思いをされているというふうに思っております。我々国といたしましては、しっかりとした安全対策、これをしっかりと御説明をさせていただき御理解をいただく、まずそこが大切だと思っております。これからも御理解をいただくためには、しっかりとした地質や地盤といった候補地の詳細なデータをしっかりと把握していないとやはりできないところもありますので、御理解をいただきながらボーリング調査などをしっかり行って、安心であるということと、まず御理解をいただくことが大切だと思っておりますので、丁寧に御説明をさせていただきたいと思っております。
(問)住民説明会を拒否する理由として、調査が既成事実化されてしまうというような趣旨の理由をあげられているんですけれども、もちろん丁寧というのは前提ですけども、改めて、疑問とか不安とかを氷解させるために何が必要かをお願いします。
(政務官)しっかりと疑問に対しましては、こちらといたしましてもしっかりと疑問を払拭できるように、またしっかりとした御説明を、また払拭に対してもすごく難しくてできないこともあると思います。でも環境省といたしましては、しっかりとそのいただいた御質問に対して宿題に対してお答えをしながら、平行してしっかりとまた丁寧に御説明させていただきたいと思います。