大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣・牧原大臣政務官記者会見録(平成26年8月22日(金)12:13 ~ 12:33  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)私の方から2点報告をさせていただきます。まず、広島市における土砂災害の件につきまして、このたびの豪雨による土砂災害の被害につきましては、被害を受けられた方々に心から御見舞い申し上げます。環境省といたしましては、被災した住民の皆様が一日も早く日常生活を取り戻していただけるよう、所管する災害廃棄物の処理について、しっかりと対応してまいりたいと思います。まずは救命救急活動が最優先でありますけれども、環境省といたしましても既に東日本大震災、そして伊豆大島での大規模土砂災害での災害廃棄物処理を支援した職員を広島県に派遣したところであります。仮置き場の確保や、補助金の支出など円滑な災害廃棄物の処理に向けて、技術的財政的な支援をしてまいりたいと考えております。
2点目ですが、来週月曜日25日に栃木県塩谷町に出張し、見形町長と面会をするとともに、詳細調査の候補地の現地を視察いたします。先月30日に栃木県における指定廃棄物処分場の詳細調査を行う候補地として、塩谷町の寺島入を提示させていただきました。今回の選定の経緯につきましては、先月30日に訪問した際、及びその翌日に開催された市町村長会議において御説明をさせていただきましたが、まだまだ我々の説明が至らない部分もあったと考えております。25日は、選定経緯について、より丁寧に説明すべく塩谷町長を訪問させていただくとともに、それに先立ち、寺島入の候補地も視察したいと考えております。私からは以上です。

(政務官)私のほうからも、土砂災害の被害にあわれた皆様に心より御見舞いを申し上げます。昨日ですが、産業技術総合研究所・福島再生可能エネルギー研究所と柳津西山地熱発電所を視察させていただきました。この視察をとおしまして、再生可能エネルギーネットワークの構築と、大型の再エネ発電所の維持管理技術・ノウハウの重要性を改めて認識したところでございます。環境省では、「再生可能エネルギー導入加速化プログラム」に基づき、浮体式洋上風力発電の実証や、蓄電池を活用して再エネの出力変動を緩和する技術の実証等を進めてきました。加えて今年度からは、潮流発電の実証や、離島における再生可能エネルギーの導入普及などの施策を戦略的に展開しているところでございます。今後いっそうの再エネ技術の開発と普及を推進してまいりたいと考えております。なお、来週の29日金曜日午後には、4月以来私のところで開催しております「地球温暖化緩和策勉強会」の一環として、東京工業大学を訪れ、人工光合成の研究をしておられる石谷教授のお話を伺い、研究施設を見学させていただく予定でございます。以上です。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の時事通信相京です。よろしくお願いします。副大臣政務官には、内閣改造が3日にあるということで、今回最後になるかもしれないですが、在任期間を振り返っての御所感を一言ずついただければということと、井上副大臣には加えて、中間貯蔵施設で最後の調整が続いているところですけれども、受入れの日程の表明に関する報道とかもある中ですけれども、今後の日程感を含めてですね、内閣改造後もどのように取り組まれていくお考えかということをお願いします。
(副大臣)内閣改造、人事のことはどうなるかわかりませんけれども、私も一昨年の12月から1年8ヶ月となります。1年8ヶ月の間、特に福島県につきまして中間貯蔵施設の整備であるとか、除染とか、その他の5県を含めて指定廃棄物処分場の整備とこういった重要な課題を担当してきたと思っております。ですから、それを残された期間の中でなるべく前に進めるということ。それからどうなるかは分かりませんけれども、私が今の立場を離れるとしても、いずれにせよ政治家個人としてはこういった問題についてはこれからも携わって、しっかりと被災者の方々の気持ちに応えられるように頑張っていきたいと考えています。
(政務官)人事のことですから分かりませんけれども、私は去年の9月の末に就任させていただいて以来、改めてこの環境問題の重要性を本当にかみしめたところでございます。地球温暖化はやはり人類そのものの存続にも関わってくるかもしれませんし、近年相次ぐ大規模な自然災害というものはやはり温暖化の影響を私達がひしひしと感じ始めている段階でございまして、これは地球規模で取り組んでいかなければいけない。そしてその場において日本がリーダーシップを発揮していくということで外交面でも力を入れさせていただき、この面では技術や経験を含めて日本がもっともっとリーダーシップを発揮していくことで貢献をしたいと思っております。また、動物の殺処分ゼロプロジェクトと、自然再生エネルギーのプロジェクトと2つのプロジェクトをさせていただいて、それぞれこの分野はこれからもライフワークとしてやっていきたいというふうに思っているところであります。

(問)下野新聞社の須藤でございます。よろしくお願いします。先程、現地視察の説明がありましたけれども、改めて現地を見る意味についてと、あと反発が現地から色々ありますけれども、どういうポイントを御覧になりたいかというのを伺えればと思います。
(副大臣)現地の視察と詳細な説明ということは、当初伺ったときからお願いしておりまして、それを受け入れていただけるということですから、大変有り難く思っております。やはり現地というのは見てみないとわからないということもありますから、非常に重要なことだと思っております。県や町の方々にも同行していただいて、現地を見ながら色々と地域の事情というものを教えていただこうと思っております。そういう意味ではですね、こういったことを踏まえて、少しでも地元の皆様に理解をいただけるようしていきたいと思っております。
(問)3点目なのですけれども、提示の時に説明が至らない部分があったというのは、先程御発言ありましたけれども、どの辺りが至らなかったというようにお考えでしょうか。
(副大臣)伺った時もそうですし、先日御要望に環境省の方に来られた時にも、色々意見のやりとりがありまして、ただ御要望の時は確か15分くらいしか時間が無かったものですから、色々御意見いただいたのですけれども、時間が無くて答えきれなかったというところもありますので、そういったところも含めてなるべく丁寧に、いただいた御意見、御質問には全て答えられるようにしたいと思います。

(問)福島民友の菅野と申します。幹事社さんの質問の中で井上副大臣が答えられていない部分があったので、そこも含めて聞きたいと思います。内閣改造というのは人事なので、それについて聞くのは止めますけれども、とりあえず日が迫っているのは来年度予算の概算要求を出すのが今月末だと思うんですね。そういうのも踏まえながら中間貯蔵施設の議論について、環境省側、政府側として3,000億円程度の交付金を県や市町村側に提示したというところまでは今の現状で、これから今月末、どのようなスケジュールになっているか、政府としてどのような動きになるかということをお伺いしたいのですが。
(副大臣)これはいろいろな諸事情があります。概算要求もあれば、内閣改造もあれば、あるいは地元も県知事選を控えている、あるいは県議会を控えている、そういったいろいろな事情がある中で、やはりなるべく早くしっかりこの問題を進めていかなければならないと思っております。私どもといたしましては、3,010億円も含めて国としての考え方をパッケージとしてまとめて、そしてそれを地元に提示させていただいたというふうに考えておりますから、地元のほうからなるべく早くお答えをいただきたいというふうに考えております。

(問)河北新報の門田ですけれども、井上副大臣に教えていただきたいのですが、今週宮城の3市町を回られまして説明もあったと思うのですけれども、それを終えての感想と今後のスケジュールについてお伺いしたいのですが。
(副大臣)3市町を訪問させていただきまして、大和と栗原からは3市町足並みを揃えてという条件付きではあるが詳細調査を受け入れると、正式にお答えをいただいて、そういう意味では非常に有り難かったと感謝をしております。残念ながら加美町に関しましては詳細調査反対だということでありましたけれども、引き続き地元の御理解をいただくように努力をしていきたいと思います。ただ、他方でやはり意見のやりとりをずっとやり続けるわけにもいかないという事情もあります。そういう中で詳細調査をスタートさせるということ、これを決断をさせてもらって、そして既にスタートいたしました。あとは、今やっているのは文献調査でありますとか、立入りの許可の申請でありますとか、そういったいわば東京でできることですから、現地に入って現地の調査をいつどういう形でやるかということ、これを本当に考えていかなければならないのだと思います。いずれにせよこれはいつも申し上げているように、積雪の問題がありますから、現地の調査は11月の中頃までに終了させなければならないということで、現地の調査もおそらく1、2ヶ月かかるということであれば、逆算していくとやはり来月中くらいには現地の調査にも入らなければならないというふうに考えております。
(問)そうすると、副大臣はリミットは9月の下旬というようなお話をされていましたが、それでないと年内には終わらないということでしょうか。
(副大臣)物理的にそこがデッドラインになってくるということだと思います。
(問)もう1点なのですけれども、大臣も副大臣も住民の理解を重要視されていましたけれども、今の段階で宮城県としての住民の理解、あとは加美町としての住民の理解というのは十分得られたという感触でしょうか、それともまだまだ足りないなという感じでしょうか。
(副大臣)もちろん宮城県、また加美町全ての住民の方が賛成するということは難しいことだと思います。でも、一人でも多くの方に御理解をいただきたいという努力を続けていくということだと思っております。宮城県全体という意味で言いますと、むしろ一次保管が逼迫していて、早く安心で安全な処分場を整備してもらいたい、そういった住民の方々の声があるのも事実だと思いますので、加美町の方々、あるいは栗原や大和も含めて、そういった地域の方々の御理解も得られるように、これは引き続き努力していくしかないと思っております。そのためにもやはり詳細調査を行って、詳細調査を行えば詳細なデータなども入手することができますから、そういったものに基づいてしっかり説明していくということも重要だと考えております。

(問)千葉県の千葉日報の石井と申します。先日、千葉県の指定廃棄物の一次保管場について、今年度中に撤廃すると、国のほうの最終処分が決まらない場合に持ち込んだ廃棄物はそれぞれの自治体で持って帰るという方針が出されました。それに伴って国のほうに対して出た質問なのですけれども、今後のスケジュールが一体どういうふうになっているのか、それと、そもそも最終処分場を指定して地元の合意が得られたとして、建設工事にどの程度時間がかかるのか、それによって千葉県のデッドラインがいつなのか、それと柏市のほうは新たな場所をつくらなければならなくなる可能性もあるという点について財政支援を求める声もあるのですけれども、この3点についてどのようにお考えでしょうか。
(副大臣)千葉の件に関して、県や一次保管していただいている自治体から正式に国に対してそういう質問はありましたか。
(事務方)実際に事務的にはそういったことで、もし処分場が来年の4月までにできない場合に備えてということで、まだ、できれば造ってほしいけれどもという条件付で、それに備えてということで元に戻すということについての御相談はありました。それにつきまして財政的支援という話もお伺いしておりまして、それにつきましては今前向きに御相談を申し上げているところです。
(副大臣)我々の理解ですと、千葉県のほうも一次保管が非常に逼迫して御苦労いただいている。ですから、なんとかして進めていかなければならないと思っております。ただ、他方で千葉県の場合は他の県と違いまして、民有地も含めて検討をしてほしいという御要望もいただいているものですから、大変恐縮ですが少し時間がかかっているという状況です。今年度中というお話ですが、私どもとしては前政権の時につくった日程であって、我々がそれをそのまま引き継いでいるわけではないということ、これも前回申し上げているとおりです。新しい選定プロセスの中で、特段期限を切るのではなくて、地元の意向を最大限尊重しながらしっかり進めていくという中でやらせていただいております。ただ、そうは言ってもお困りなのは事実だと思いますので、そういったところは今事務方から申し上げたように協議をしながら、相談をさせていただきながら、我々として出来る限りのことをやらせていただきだいと思っています。
(問)そうなると、年度末のタイムリミットというのはあくまで前政権ということで、場合によっては年度をまたぐ可能性もあるということでしょうか。
(副大臣)そうならないように努力をしていきたいということです。

(問)NHKの橋本と申しますが、広島市の土砂災害のことなのですが、震災での経験ですとかあるいは大島の件ですとかそういったものを地理的な条件は違うと思いますが、活かせるようなことはないかとかその辺はどうお考えでしょうか。
(副大臣)まさにそういったことを私も考えておりまして、やはり国として出来る限りのことをしたいと思っております。まず問題になるのは、仮置き場の確保だと思うのですね。まずは迅速に災害廃棄物を移動しなければなりませんので、これは東日本大震災や伊豆大島で私どもも支援をした経験がありますから、そういった知見を活かして県や市とも相談をしながら行っていきたいと思っております。さらに先の段階になりますけれども、例えば地元でなかなか処理が難しいということであれば、広域処理という話も出てくるのだと思います。もし地元からそういう要望があれば、これも私どもは経験がありますから、いろいろなアドバイス、支援をしていきたいと思っております。さらには、財政負担の問題もあると思いますので、災害廃棄物の処理事業の補助というのも、これは国が2分の1補助をして、残りの地方負担の8割については交付税措置がなされますので、実質地元負担は1割で済むというようなスキームもあります。これも地元の御要望があれば、しっかりそれを対応していきたい、とにかくできることをやっていきたいと思っています。