大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣記者会見録(平成26年7月2日(水)10:55 ~ 11:15 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)まず1点御報告です。明日7月3日から4日にかけまして、北川副大臣と共に北海道に出張し、水銀のリサイクル施設と知床国立公園を視察いたします。水銀に関する水俣条約が昨年10月に熊本において採択され、条約を踏まえた今後の水銀対策について、現在中央環境審議会において検討いただいているところであります。水銀や水銀を含有する廃棄物の環境上適正な取扱いについて現場の状況を確認し、今後の水銀対策の検討に活かして参りたいと思います。また、知床国立公園はその周辺を含む一帯が世界自然遺産地域に登録されており、雄大な自然が残る生物多様性の保全上重要な地域であります。特に、エゾシカ対策や適正利用の推進等において、先進的な取組が進められております。豊かな自然と先進的な事例を現場で実際に確認して参りたいと思っております。以上です。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の朝日新聞の香取です。よろしくお願いします。月曜日に宮城県に行かれまして指定廃棄物の5者会談をされたと思いますが、結論としては平行線を辿っていて、環境省が今後方針を示すということになりましたけれども、この受け止めについて伺いたいです。
(副大臣)5者会談、関係者会談も4回を重ねまして集中的に議論をしてもらいました。また、3つの調査候補地、現場視察にも協力いただいて、そういう意味では非常に有意義であったと思っております。ただ他方でもう4回やっておりますから、どうしても論点が出尽くしてきて、そしてそれぞれの主張が平行線を辿っているというような状況に陥りつつあるというのも事実だと思っております。私どもとしては、一時保管の状況も非常に逼迫しておりますので、なるべく早くこの課題を前に進めたいと思っておりますし、そのためにはまずは詳細調査を3箇所で実施をさせてもらいたいという強い思いを持っております。そのために一体どういうふうに今後進めていけば良いかということを、我々環境省の方で一度引き取って検討した上で、なるべく早く環境省のほうでまた御提案をしたいと思ってます。
(問)時期としてはいつぐらいに考えておられますか。
(副大臣)なるべく早くですから、もう7月に入りましたので、当然のことながら今月中にはそれは回答はしたいと思いますけれども。
(問)回答の仕方というのは、また5者会談みたいな形で開くのか、それとも個別に3市長さんにお会いになって回答されるのでしょうか。
(副大臣)回答というか、環境省が今後どういう方針で臨んでいくかという話ですので、我々のほうで検討した上で、それをまず県やそれぞれの市、町に御相談をするということだと思うのですね。ですから、まずそれをした上でその結果どうするということを発表させていただく、そんな形になると思います。
(問)会談の後で村井知事が石原大臣の強いリーダーシップで進めてくれみたいな話があったのですが、そのような回答をされる場合は石原大臣が宮城へ伺ってお話するようなことは考えられてますでしょうか。
(副大臣)知事からの強い要請もいただきましたので、昨日も石原大臣といろいろ相談をさせてもらいました。今後どうするかですから幅広に考えたいと思っていますので、石原大臣にリーダーシップを取っていただくということも非常に重要な観点だと思いますので、それも含めて考えたいと思っています。

(問)河北新報の門田ですけれども、今の指定廃の関係で1点教えて下さい。年度内に候補地を決めるとすると、そろそろ詳細調査の時期のリミットみたいなものを意識しなくてはならないかなと思うのですけれども、井上さん御自身としてはいつぐらいが詳細調査開始のリミットとお考えでしょうか。
(副大臣)詳細調査は候補地を決めるというか、そもそも物理的に詳細調査、積雪の時期になりますとできないという問題があるものですから、そういう意味ではそこを睨んで考えていくと、もうあまり時間が残されていないと思っています。
(問)具体的にいうと、詳細調査はだいたい1地域についてどれくらいのスパンを要して、トータルでいくと、同時並行的にやるのかそれとも一箇所づつ順々にやっていくのか、そこら辺の手順はいかがでしょうか。
(副大臣)具体的なことはまだ考えておりませんけれども、それはなるべく早くやらなければいけないという意味では同時並行でやるということもあり得ると思います。
(問)時期についてはだいたいどれくらいを。1週間とか1ヶ月とか、もしくは2、3日で終わっちゃうのか。
(副大臣)詳細調査ですから、まさに詳細に丁寧にやらなければいけないと思いますけれども、そういう積雪のシーズンという後ろが切れてしまうのであれば、その範囲で短縮してなるべく集中的にやっていくということも考えていかなければいけないと思います。
(問)詳細調査に関しても集約することもあり得るということですか。
(副大臣)それはあり得ると思います。ただ集約というのは、何か粗い調査で良いということではありませんので、期間を短縮して圧縮してやるべきことをちゃんとやるということはあると思います。

(問)共同通信の角ですけれども、中間貯蔵施設の件でお伺いしたいのですけれども、来年1月の搬入開始とか使用開始を目指していらっしゃって予算を概算要求に盛り込むとなると遅くても8月中には合意をしていないといろいろとまずいと思うのですけれども、そこについてはまだ時間があるといえばあるのですが、見通しというか進捗というのはどういう状況なのでしょうか。
(副大臣)これも我々はお願いしている立場なものですから、なるべく早く受入れ合意をしていただきたいという思いではあります。これからという意味で言えば、まずは住民説明会が終わったものですから、いろいろ住民の方々からいただいた御意見に対して国として回答していくということがまず第一だろうと思っています。その上で県や町とこれからどうやって進めていくかということを相談して行っていくということだと思います。
(問)水面下でいろいろ協議をされていらっしゃるでしょうし、これからもされると思うのですけれども、このまま長期化すると住民説明会が終わったのが先月の15日で、1週間ほどごたごたがありましたけれども、その後またちょっとしばらく話が動かない状況になると我々もそうですけれども、住民の方とかは何がどうなっているのかよくわからないというような時期が続いてしまうと思うのですけれども、環境省として何らかのオープンな動きをしていくということは何かあるのでしょうか。
(副大臣)重要なことだと思っています。やはり住民の方々がいろいろ御心配があると思いますので、オープンな形で情報提供を少ししていきたいと思っています。
(問)どういったものをイメージされていますでしょうか。
(副大臣)さっき言った住民説明会での御意見に対するお答えなどはまとまれば、それはオープンにしていきたいと思いますし、いろいろ調整をしていることも少しオープンの場でやっていくということも考えていかなければならないと思っています。
(問)政府全体でパッケージとして、いろいろな要望があってそれに答えなければならない、他省庁との調整もあると思いますけれども、環境省単体でできることはある程度みせていくというスタンスでしょうか。
(副大臣)それは別に環境省単体でできることに限らないと思っていまして、今政府全体で各省庁との調整をしておりますが、それを踏まえて環境省、あるいは復興庁も含めて、我々が地元と直接調整をしておりますから、それを何らかの形で県民、国民の皆様にもわかるような形で示していきたいとは思います。
(問)除染の4市との勉強があって、一ヶ月をめどにまとめたものを出されるとおっしゃったと思うのですけれども、一ヶ月はもう半分過ぎてしまったのですけれども、どういったものをどういった形で出されるのかということをイメージしていらっしゃるのでしょうか。
(副大臣)これはもともと4市のほうからそれぞれ御要望いただいて、それに対して我々のほうが4市の方々にも入っていただいてこれからの除染のあり方を考えていこうという形で始まっておりますから、その要望に対するお答えという形で発表したいと思っています。
(問)それは今あくまで4市と環境省とのことだと思うのですけれども、除染全体の、例えば4市以外の市町村除染をされている所もあるでしょうし、直轄除染をされている所もあると思うのですけれども、そこに対する影響というのはどういうものになるのでしょうか。
(副大臣)あくまで4市の要望に対するお答えということを考えているのですが、市町村が実施している除染という意味では共通する部分が非常に多いですから、4市以外の市町村除染の実施している市町村にも参考にしてもらいたいとは思っています。
(問)まとめられるものの今後のあり方の肝としては、空間線量から個人線量に注目していこうというのが肝になるのですか。
(副大臣)それは重要なポイントだと思いますね。それだけではなくいくつかありますので、今それをまとめている最中です。

(問)時事通信ですけれども、指定廃の話に戻ってしまうのですけれども、宮城が今こういう状況で平行線になっている一方で栃木とか他の地域で、候補地の提示が遅れているような状況があると思うのですけれども、もちろん同時並行的にいろいろ進めているとは思うのですけれども、一番先行している宮城が進まないと他の候補地の議論が進められないという状況があるのかどうか、その辺りの副大臣の認識というのを伺いたいのですけれども。
(副大臣)もちろんそれぞれ重要ですし、急がないといけないとは思っております。ただ、他方でおっしゃるようにそれぞれ関心をもって他地域のいろいろな動きというものを見ていると思いますので、それはいろいろな影響はあると思いますし、あと、正直言って我々のマンパワーも限られるものですから、そういったことの兼ね合いで今の状況にあるということですけれども。

(問)共同通信の楠本です。宮城の指定廃の詳細調査についてですが、今月中に何らかの結論を出すということなのですが、例えば受け入れを拒否している加美町を除く2市町で先行して詳細調査に入るというような選択肢はあり得るのでしょうか。
(副大臣)幅広には考えたいと思ってますが、それぞれ栗原市、大和町も詳細調査受け入れは構わないが、やはり3つの自治体が足並み揃えてということを言っておられるので、それはなかなか考えられないことだと思います。

(問)下野新聞の須藤です。念押しになってしまうのですけれども、さきほどの他の5件の指定廃のことについてなのですけども、それぞれ急がなくてはいけないけれども、マンパワーも限られているところのニュアンスなんですけども、スケジュール感に何らかの影響を及ぼしているという言い方をされているということでよろしかったでしょうか。
(副大臣)何かこっちのほうが大変だからこっちが遅れてしまうということにはならないようにしたいとは思っております。それぞれ重要ですし、それぞれ地元では大変な関心があることですから、そこはしっかりやっていきたいとは思ってます。ただ、それぞれいろいろな課題がありまして、物理的な問題だけではなくて、中身の問題で時間がかかってるということです。

(問)日本テレビの杜です。さきほども出ていました5者会談の関係ですが、加美町がこういうふうに受け入れ調査を拒否している状況のなかで、どんな形で環境省として説得をしていくのかということを教えていただきたいのですけれども。
(副大臣)我々はできる限り説得しているつもりですが、そういう中でちょっと拒否をされておられるので、なかなか苦慮をしております。ですから、知事のいろいろなご意見もありますので、県全体で考えていただくというのが非常に重要だと思っております。県とそれから他の栗原市や大和町あるいは県内の自治体、そういったところが、今一時保管で逼迫しておりまして、何とかして欲しいという声も非常に大きいですから、その中で是非まずは詳細調査を受け入れていただきたいということをまずは丁寧にしていくということだと思います。

(問)河北新聞の門田ですけれども、2市を先行しての調査は今のところ考えにくいというお話でしたが、ということは3自治体の理解を得ない状態で詳細調査に入ることも幅広の選択肢の中には含まれていると考えていらっしゃいますか。
(副大臣)幅広の選択肢という意味では、あらゆることを選択肢として考えていきたいとは思っております。
(問)入っているということですか。
(副大臣)あらゆることを考えていきたいと思っております。ただ、それぞれ市や町、あるいは県の意向というものがありますから、それをあまり無視する形で国が勝手に進めてもそれが上手くいくとは思いませんので、そういったことも含めてしっかり考えていきたいと思っております。

(問)日本テレビの杜です。ちょっと話題が変わるのですけれども、月曜日にがれき処理施設を副大臣は視察されたと思うのですが、特に宮城、岩手はがれき処理もほとんど終わって、残りは福島になってくるわけですけれども、今後福島の災害がれき処理に向けて何か加速化するために考えていることが何かありましたらお尋ねしたいのですが。
(副大臣)これはやはり非常に憂慮しております。どうしても福島県は遅れているものですから、なおいっそう加速化をしていかなければならないと思っておりまして、そういう意味でも中間貯蔵とか、あるいはエコテックの指定廃の処分場ですね、こういったことも進めていかなければならないと思っております。