大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣・牧原大臣政務官記者会見録(平成26年5月14日(水)11:52 ~ 12:07 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)それではまず私から、1点目ですが、4月27日から5月3日まで、オンカロ最終処分予定地、スリーマイル島原子力発電所等を訪問し、放射性廃棄物の処分と住民とのコミュニケーション、原子力防災等について意見交換を行いました。オンカロ最終処分場予定地では、地下420m地点までトンネル内を移動し、強固な岩盤の中でも安全性に配慮されている様子が確認できました。意見交換では、30年近くの長い時間をかけて地域とのコミュニケーションを行い、処分場予定地を選定してきたこと、国民の政府に対する信頼性が高く、安全性評価に対する理解が得られていることなどの説明を受けました。スリーマイル島原子力発電所では、1979年に事故を起こした2号機の建屋や中央制御室の視察を行いました。意見交換では、事故から10年以上かけて地域で粘り強く活動していくことで、原発に対する理解が高まっていったこと、事故により連邦緊急事態管理庁(FEMA)が設立され、常に原子力防災体制の検証を行っていることが強調されました。詳細については、別途お配りしている報告概要を参照していただきたいと思います。
 次に、除染につきまして、福島県を除く汚染状況重点調査地域の58市町村を対象に、平成26年3月末時点での除染の進捗状況の結果をとりまとめました。東日本大震災から3年が経過し、また、福島県外の各市町村は、主に平成23~25年度の期間で除染を進めてきたことから、今回は、除染対象となる施設等の進捗状況に加えて、除染実施計画の完了状況についても調査しました。まず、除染対象となる施設等の進捗状況につきましては、特に今回は住宅の除染で大きな進捗があり、実績割合は前回調査の59%から87%へと大きく増加しました。また、森林を除く他の施設等においても、約9割以上の除染が完了していることが分かりました。除染実施計画の進捗状況については、58市町村のうち、16市町村において、除染等の措置が完了し、また、26市町村において概ね完了していることが分かりました。このように除染は着実に進展しているものの、いくつかの市町村は計画期間内で予定していた除染が完了せず、平成26年度以降も延長して除染を実施する予定となっており、残念に感じております。これらの市町村については、現在の計画に定める除染等の措置が期間内に完了するよう、環境省としても引き続き必要な支援をしていきたいと考えております。
最後に一つ。16日金曜日に、国会の条件が整うことを前提として、浮島政務官とともに福島県浪江町を訪問いたします。先般、地元から「除染を終え、3年ぶりに田植えができるようになる水田がある。田植えの手伝いとともに、浪江町をPRしてほしい」との連絡があり、応援に駆けつけるものであります。今回の田植えは、浪江町が「復興の見える化」の一環として、除染を終えた水田で実施するものと伺っております。秋の収穫の際は、全量全袋検査による放射性物質の測定も行われ、今後の本格的な営農再開に向けて、今なお避難されている農家の方々も勇気づけるものであります。環境省としては、浪江町の除染を鋭意進めていくとともに、福島の農水産物の風評被害の払拭など、除染から復興につながる活動でも福島を応援していきたいと思います。私からは以上です。

(政務官)5月2日からアラブ首長国連邦、そしてケニア、ナイジェリアに出張して、アブダビ会合及び世界経済フォーラム・アフリカ会議に出席をいたしました。アブダビ会合は、本年9月の国連気候サミットのための準備会合でありまして、気候変動枠組条約の交渉とは独立した位置付けのものではありますけれども、各国や国際機関のリーダーにより、今後の気候変動に対する具体的な行動について議論が行われました。私からは先般御紹介したFun to Shareのキャンペーンを日本発のキャンペーンとして紹介をし、低炭素技術や経験の共有の重要性を指摘させていただきました。また、ケニアでは、環境・水・天然資源省の長官やUNEPの事務局の次長等と、気候変動政策や水俣条約に関する会談を行いました。ナイジェリアでは、世界経済フォーラム・アフリカ会議に出席し、我が国の環境政策の経験について発言をさせていただいたほか、ナイジェリア環境大臣らと会談を行いました。今後も、日本が誇る優れた低炭素技術の活用等について世界に効果的に発信していきたい。このように考えているところであります。

2.質疑応答

(問)NHKの土井です。除染の関係で福島県内の4市との勉強会なのですが、設立からちょうどまあ1ヶ月、設立の表明からちょうど1ヶ月かなと思うのですけれども、現段階での勉強会の開催状況や検討状況として除染作業後の線量の目標などの議論があったと思いますけれども、その辺りの現状を教えていただければと思います。
(副大臣)当初発表したときに申し上げたように、事務方の勉強会ということでやってもらっております。その結果を踏まえて報告書の形にして来月中くらいにはお示しをしたいということで、今鋭意作業をしております。
(問)中身の議論のほうでは、その辺りを今ちょうど、議論の対象になっているというようなテーマはありますでしょうか。
(副大臣)それぞれ4市からも具体的な御要望をいただいているものですから、それを幅広に今検討しておりますけれども、ちょっとまだ検討中なもので、具体的にどういうところをどこまで盛り込めるか、これから。

(問)宮城県の河北新報のものですけれども、指定廃の関係で、国と県と候補3地域の審議会の、初会合を26日ということで調整を進めているようなのですけれども、その日程についてはほぼ固まったと理解でいいのか、ということと、あとは、国の初会合にあたる体制はどのような人たちがいるのか、教えて下さい。
(副大臣)26日について、内々になのですが、御存じのようですから一応それでお話いただいて調整しているというように聞いてます。私が伺おうかと思っております。

(問)(共同通信)中間貯蔵施設の関係なのですけれども、昨日福島県知事の会見で、交付金について住民説明会の時にそのアウトラインを示してほしいというような御発言があったそうですけれども、環境省としてそれについては可能なのかとか、前向きに検討しているとか、ちょっとそれは無理ですよとか、どういう感じなのでしょうか。
(副大臣)ちょっと知事の会見の中身を私は知らないのですが、いずれにせよですね、県や町と相談をしながら、まず私どもの考えを地元にお伝えして協議をしていくということと、それからそれを住民の方々にお示しするかどうかと、そういう段階、それぞれありますから、そういったことも含めてちょっと御相談させてもらいたいと思います。
(問)先月に地元に要請に行かれたときは受入れの判断までには、概要を示すというような、御提案だったと思うのですけれども、昨日の知事の会見では住民説明会の時には具体的な中身を示してほしいということを、何か環境省に要望しているというようなお話だったと。
(副大臣)住民説明会で、住民の方に対してということなのですかね。私もちょっと昨日の会見を存じ上げないので。
(問)県に示してくれと昨日は言っていました。
(副大臣)県にということであればですね、今、住民説明会、5月の下旬くらいからスタートを考えておりますので、いずれにせよそれくらいのタイミングではお示しをし相談をしていかないと、なかなか遅れてしまうと思ってますので、なるべく早く示して行きたいとは思っております。
(問)では今の時点で、県に対して、5月下旬くらいの時点で交付金について具体的な中身を示せるものなのですかね。
(副大臣)5月下旬になるかはっきりとした期限を別に切っているわけではありませんけれども、なるべく早く、我々の考えというものをお示しした上で、よく相談をした上で、それで最終的な受入れの判断までには、やはりその判断の材料としていただこうというふうには考えております。
(問)県にとりあえず、5月の末なのか6月の頭なのかはわかりませんけれども、先んじて示す国の考え方というのは、スキームという理解でよろしいですか。要するにその住民説明会として、要望を把握しないとそのどういった事業が必要になるかわからないということで、事業として積み上げないと予算が組めないとか。そうするとまあ全体的な規模感が出ないと思いますけれども。その規模感についても県には住民説明会の前に何らかのものを示せるのですか。それともあくまでその考え方とかそういうものにとどまるのですか。
(副大臣)両方あると思ってます。全体の規模感をどういうふうにするかという話と、それからその個別の積み上げですよね。一体どういうことを望んでおられるのかということで、その両面からですね、住民説明会で住民の方々の意向を伺って、それを反映したいという思いと、他方で国のほうで、あるいは県や町のほうで、どう考えているかというそこの調整をしていくということで、これは同時並行してやっていくしかないと思っています。いずれにしろなるべく早く、我々、調整を進めたいと思っております。

(問)共同通信の斉藤といいます。政務官に質問なのですけれども。温暖化の関係ですね。海外に御出張されて、国際的に日本はその温暖化対策関係でどういう役割を求められているのか、御感想を伺いたいのと。あと、9月の気候サミットでは野心的な取組を各国表明して下さいと言われているようなのですけれども、そこへ向けて日本はどう準備していくのか教えて下さい。
(政務官)やはり日本の高い技術、それから経験ですね、こういうことに対する期待というのは非常に大きかったというふうに思います。他方でアル・ゴアさんなんかともお会いをしたのですけれども、火力発電にシフトしているという現状については、大丈夫かというような懸念も伝えられましたので、この原発事故も踏まえて日本がどういう対応するのかについては、世界に注目をされているので、やはりその中で新しい低炭素技術も活かしたエネルギー体制というものを構築していかなければいけないなと、感じた次第でございます。9月の気候変動サミットはCOPの交渉とは別の立場ではありますけれども、やはり日本として様々な、L2-Tech(エルテック)とか、大臣を先頭に様々なキャンペーンを展開しているところでありますのでそういうような取組を御紹介して、今申し上げた経験と技術の共有というものについて応えるようなことを言っていければいいなというふうに思っております。
(問)技術と経験の期待が大きいということは、具体的にどこかの国から言われたとかという、よければ事例はありますか。
(政務官)例えばですね、様々な方、かなりの方と会ったんですけれども、IRENAの事務局長とか各国のペルーの大臣だとかそういうところといろいろ会っている中で、一般論として日本のそうした経験、技術を是非教えてもらいたいというような期待があったということです。私も真っ先に発言をさせていただいて、「Fun to Share」を紹介する中、経験と技術とそしてアクションを共有して、未来を共有しようということを申し上げましたので、そうした期待が各国に植え付けられたのなあというふうにも思っております。
(問)温室効果ガスの削減目標については、20年まで3.8%の見直しなり、あるいは20年以降の新枠組みの仕上げに向けての希望感というか、新しい動きについて何か期待するようなお話がありましたか。こういう目標を持ってほしいとかですね。
(政務官)まだ各国とも悩んだり苦しんだりしている状況ですので、とにかく今年のリマ、来年のパリで、パリでは合意をしていくということになりますので、そういうことについてとにかく、ちゃんとやろうということが、パン・ギムン事務総長以下呼びかけがあって、我々としてもそういう大きい目標は共有するが、個別については日本はどうするのかという話は特段聞かれなかったというところであります。