大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣・牧原大臣政務官記者会見録(平成26年4月23日(水)13:41~14:00  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)私のほうからPCBについて御報告致します。昨年10月末にPCB廃棄物処理基本計画の変更について、検討を要請をいたしました。本日午前中に、石原環境大臣が北九州市の北橋市長と面会をし、北橋市長から計画変更を受諾する旨の回答をいただきました。北橋市長からは、受諾に当たり、処理の安全性確保、期間内での確実な処理などの条件が示されました。これに対し、石原大臣からは、それらの条件を承諾すると回答をいたしました。なお、明後日、4月25日12時から、こちらは北海道の室蘭市長が石原環境大臣に面会し、同様に計画変更に関する回答をいただく予定としております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の阿部です。よろしくお願いします。先日20日ですか、楢葉町でエコテックに運び込むためのセメント固型化施設の初めての住民説明会が開かれたということで、そこに埋めるわけではないのですが、かなり反発が強かったというふうに聞いておりますが、今後その楢葉町とどう話合いを進めていくかという点と。あと、大熊、双葉のほうは改めてその首長さんなりに、改めて説明をする機会を持つのかどうか、このあたり、見通しを教えて下さい。
(副大臣)楢葉町におきましては、説明会において施設の安全性とか、あるいはそもそもなんで楢葉町かと、そういういろいろな御意見が多くあったということは聞いております。今後どうするかですが、いろいろ住民の皆様からの御心配、あるいは町からの様々な御意見、こういったものをしっかり受け止めて、なるべく地元のニーズに応えることができるようにしたいと思ってます。具体的な手続きについてはよく町と相談して、ただ、いずれにしろなるべく早く進めていきたいと考えております。
(問)まださらに住民説明会を重ねていく方針なのでしょうか。
(副大臣)それも含めて町と相談をしてということになると思います。
(問)大熊、双葉のほうの町長さんとお会いになるとかというような予定はありますか。
(副大臣)大熊町、双葉町に関しては色々調整をしているところですので、今、町の了解を得て、そして例えば議会の説明とか、あるいは住民説明会という、次のステップに進ませてもらいたいというふうには思っております。そのためにどういったことを合意をしていけばいいのかと、そういった話合いをしております。当然のことながら、もう少しそれが煮詰まってくれば、直接お会いをして、きちんといろいろなお話をしたいと思っています。

(問)朝日新聞の青木でございます。特殊勤務手当の見直しについてお伺いしたいのですが、この4月9日で、1万円から6,600円に変わった2つについて、どういう理由で変えたかということを、御自身の口から抱負をお伺いしたいというのと、周知の方法ですね。変えましたという周知はどのように地元にされたのかということについてお伺いしたいのですけれども。
(副大臣)これは元々この1万円の特殊勤務手当が今の状況の中でふさわしいかどうかというような話が従来からありました。だいぶ線量が下がっていたりとか、そういう状況の中で、このままでいいのかということ。例えばその直轄除染の区域と、それから市町村がやっている除染の区域で、この勤務手当分、1万円が違うわけですから、そういう意味ではこの差があまりにあると、逆に市町村除染のほうではなかなか作業員の方を集めることが難しいと。なんとかしてもらいたい。そういった要望も首長さん達からいただいていたところです。そういったところを含めて、検討して実際にどれぐらいの賃金が払われているかとか、そういったことも含めて調査をして、その結果も踏まえて、今回こういう見直しをしたと。あとは、公務員のほうも今もう従来の1万円というのを下げておりますから、そういう意味ではそこも参考にさせてもらってということで今回判断をいたしました。具体的な周知はどうやったかは事務方から説明をしてもらいます。
(事務方)関係団体に、変更の概要等については資料をお持ちして御説明に伺っております。その他、ホームページ、あるいは関係する要領というものも作成いただきまして、既に説明しています。
(問)関係団体は具体的にどこですか。
(事務方)日本建設業連合会と全国建設業協会、この2つに資料をお持ちして、御説明を行ったところです。
(問)それと、線量がだいぶ下がったというお言葉があったのですけれども、今後、未発注地域としてホームページに出ている部分というのは、富岡であったり浪江であったり徐々に原発に近い部分になっていくと思うのですね。地図上で見る限りもそうなのですけれども。はじめに行われた田村市よりも、むしろ当時の除染した線量より高いところに除染をするということになると思うのですけれども、この線量がだいぶ下がったからというような理由と今後線量が高いところでの除染を予定されているということは、若干矛盾しているように思うのですけれども。
(副大臣)そういう意味では、青木さんのおっしゃっている意味でいうと、やはり帰還困難区域は今回1万円のままということにさせてもらいました。
(問)居住困難区域も。
(副大臣)それはまさに線量が高いからということですので、あとは御理解いただきたいのは線量が高い低い、それぞれありますから、それをどこまで勤務手当に反映をさせていくのか。どこかで線引きをやはりしなければいけないものですから、そういう中で総合的に判断したということになります。
(問)あともう1点。先週ですけれども、生活支援チームというところが、個人線量計と空間線量の関係について発表しまして、空間線量×0.7というのが、個人線量にあたるという、この0.7という数字を初めて政府として明らかにした数字になってくると思うのですけれども、こちらを今後除染基準の見直し、0.23の見直しとか、そういう除線を始める対象の、今は0.23ミリですよね、そこに使うとかそういうお考えはありますでしょうか。
(副大臣)これは御承知だと思いますが、0.23というのはあくまで除染の目標数値ではないんですね。
(問)私が今申していたのは、除染をする対象というのが0.23以上のところですという部分がございますよね。ていう考え方についてどう思うのでしょうか。

(副大臣)そういう意味では、我々環境省が設定している数字ではないんですね。ですから、それはむしろ支援チームのほうにお聞きになっていただきたいと思っています。ただ、他方で我々は先日も私が福島へ行きまして、4人の市長さんたちとお話をして、幅広く、いわば除染の数値目標というものも今は示してませんけれども、そういったものをむしろ示してほしいというような要望もいただきました。ですから、いろいろな要望も含めて幅広くこれからの除染のあり方を考えていますから、そういう中で、今回のこの報告、0.7という数字も含めて参考にしながら、どういったことを新しく出せるかということを考えていきたいと思っています。
(問)会見の中で原子力機構の専門家が、科学的にこの0.7という数字は除染基準には適用できないということを明言なさったんですね。そういうことと、今のこの0.7を含めて参考にしたいということとどう整合性をとらせていくのかなと。
(副大臣)ちょっと私はその専門家の方がどういう主旨でどういう表現でおっしゃったのか何も伺っていないのでわかりませんが、そういう意味では、広い意味で全く参考にならないということは、ないとは思いますね。参考にならない数値だったら支援チームがそういった報告をするわけがないと思いますね。

(問)(NHK)中間貯蔵施設の関係で、今日、環境部会のほうで終了後のブリーフで片山部会長のほうが関係法案の処理等含め平成27年1月の搬入開始に向けて、逆算すると今国会で関連する法案は成立しないと、平成27年1月の搬入開始は難しいのではないかという見方を示されていらっしゃったのですけれども、そのあたり現状の地域振興策とか再建策の検討状況を踏まえて今の現状では認識というのは。関連法案の処理というのはどういうふうにお考えですか。
(副大臣)これも片山部会長がどうおっしゃったかというのは伺っていないので、それは別としてですね、ただ私どもが申し上げているのは、やはりまずは中間貯蔵施設の受け入れをしていただくと。その環境が整えば法制化をしていくということでお約束をしておりますから、そういう意味ではとにかく一刻も早く受け入れをしていただきたいと、もうそれに尽きると思っています。
(問)今国会中に処理をしないと、平成27年1月の搬入開始が困難になるのではないかというあたりの展開については、改めてどうでしょうか。
(副大臣)それがちょっとどういう主旨かわかりませんが、27年1月といえばおそらく臨時国会なんかもあると思いますので、少なくとも物理的に不可能だということではないと思いますけど。

(問)読売新聞、稲村と申します。関連してなのですけれども、同じ部会の中で地元選出の吉野議員が関連法については、地元としては先に出してくれたほうがむしろ良いと、理解が深まるのだということもあったのですけれども、地元が施設を受け入れるのを了解してから法制化の作業をするというその理屈として、もう一度説明をお願いできますか。
(副大臣)法制化の中身は、30年以内に県外で最終処分を行うという中身です。ということは、まずは中間貯蔵施設がありきであって、その中間貯蔵施設の更に先のことを法律に書くという内容になります。そうすると、その中間貯蔵施設の受け入れということをしていない段階で、中間貯蔵施設より先のことを言うというのは、これは順序がおかしいのではないかと。そもそも私どもは中間貯蔵施設の建設受け入れをお願いしている立場であって、それがもう建設されるのを前提に法律をつくるというのは、むしろ地元の方々にとってなかなか受け入れがたいのではないかと、我々のほうはそう考えています。
(問)そういう意味で、地元を代表する国会議員の先生が先にやってほしいという意見があることについてはどう受け止めますか。
(副大臣)私も国会議員の先生に限らず、地元からいろいろな立場の方からいろいろな御意見を伺っておりまして、それは意見がある意味割れているんですね。いろいろな意見があるので。ですから、吉野先生のようなお考えの方もいれば、私が申し上げたようなお考えの方もいるので、それを踏まえた上で国としては環境が整えばということで考えを伝えているところです。
(問)そこは逆に環境が整うの環境の意味というのは、そこが完全に受け入れるということが大前提の環境なんですか。
(副大臣)言葉がどうのこうのではなくて、先ほど申し上げたように中間貯蔵施設の30年後の話を法制化するときに、中間貯蔵施設の建設についてまだ宙に浮いた状況で法制化するというのは、かえって建設ありきということで私は良くないのではないかと思っています。

(問)朝日新聞の奥村です。先ほど楢葉の地元説明会のお話がありましたけれども、今回の中間貯蔵の施設に関しては、楢葉のセメント固化とか富岡の民間の施設の受け入れなんかが、セットでないと中間貯蔵に繋がらないと、福島県内で中間貯蔵に繋がらないと思っているのですけれども、国としてもそういうお考えで良いのでしょうか。一体の計画だというお考えなのでしょうか。
(副大臣)そうですね。そこはむしろ地元からの要望で一体として考えてもらいたいということで12月の要請とか2月の2町集約とか、それに対する我々の回答ということで、それはいわばセットになって今までもやりとりをしておりますから、そういう理解です。
(問)ということは、やはり大熊や双葉の中間貯蔵に向けて前進しないと、他の2町が前進したとしても全体としては前進していないというお考えでいらっしゃるということでしょうか。
(副大臣)そうですね。全体としては、おそらくお答えは一緒だと思うのですね。それぞれ今受け入れをお願いをしておりますので、それに対する受諾というのは同じタイミングで、セットになってお答えをいただくことになるのだと思っています。
(問)技術的に一部、つまり、例えば民間の施設での受け入れが先にスタートするとか、セメント固化が早く始まるとかそういうことはたぶんないのですよね。
(副大臣)実際の施設の稼働の話になりますと、更にその先の話になるものですから、ちょっとまだ現状で我々のほうで、我々はお願いする立場なものですから、我々がこっちが先だ後だということではないと思います。
(問)もちろん、数日早いとか、一週間早いとかを申し上げているわけではなくて、その1パッケージとして一緒にスタートするものだと思っても良いのですよね。
(副大臣)いや、ですから施設の稼働ということになりますと、これは建設受け入れがあって特に中間貯蔵はその後、用地買収とか施設整備というものがあるものですから、やはりその後、期間があるのですね。ですから、その更に先のところまで、今同じタイミングなのかどうなのかと言われても、当然それは地元の意向というものがありますから。
(問)大変質問が良くないことがわかりました。計画が動き出すという意味でですね。
(副大臣)おそらく建設の施設の受け入れの御回答という意味では、地元がまとまってお答えをするのだと思っています。
(問)環境省としても地元の皆さんの。
(副大臣)今までの福島のほうは、なるべく県と4町、あるいは先日は双葉郡ということで8町村でしたが、一緒に一体のものとして考えてくれということで我々のほうへ言っておられますから、おそらく建設の受諾に関しても一体となって一緒にお返事があるものだと思っています。
(問)今後の環境省としても、そういうお返事が全部揃わなければ前進させることはないよというお考えになるわけですね。
(副大臣)というか、地元の意向は最大限尊重したいと思っています。