大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年7月8日(火)10:29 ~ 10:43  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日の閣議では、当省に特段関係のある案件はありませんでした。私からは1点、宣伝をします。今年11月に持続可能な開発のための教育、いわゆる環境教育に関するユネスコ世界会議が、日本の岡山と名古屋で開催されます。国内においても、いわゆる環境教育のより一層の理解の向上に向けて、積極的な取組を行っていきたいと思っています。そのため、これをテーマとして「自由俳句」と「写真」を広く募集します。親しみやすい表現手法による作品を募集し、いわゆる環境教育の国民の皆様の関心や認知度を高めていきたいと思っています。余談ですが、「自由俳句」で入選された方々は、ペットボトル等の下のところに作者の名前と作品が載るということも予定しています。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の朝日新聞の香取と申します。よろしくお願いします。2点お伺いします。1点目は新潟水俣病についてですけれども、水俣病の特措法に基づく被害者手帳の交付を受けている姉妹が公健法に基づく患者認定申請を行いました。これに対して、新潟市はこれを受理して認定審査に向けた手続きを進める旨を表明しております。これは昨年12月4日に環境省が通知で出した被害者手帳の交付を受けた人は公健法上の認定申請をすることができないというような通知に対して、相反していると理解できるのですが、今後どのような対応を環境省としてされるのでしょうか。
(答)この点については、「水俣病被害者の救済は地域における紛争を終結させることと表裏一体であり、救済を受けた者にあっては、仮に既に受けた救済に関わる給付を返納した場合にあっても、一度集結した紛争を再度起こすこと自体が排除されたもの」という法令解釈があります。国としてこの解釈を変更するということは考えていません。
(問)そうすると何か地方自治法における、指導だとか、勧告のようなことはされるのでしょうか。
(事務方)現時点で新潟市に対して何らかの対応をするとかしないといったことについて、現時点では判断していません。
(問)もう1点、原子力防災担当をされているということでお伺いしますが、先日の国会で決まった原子力規制委員会委員に9月に就任が決まっている田中知教授についてなのですけれども、日本原燃と三菱FBRシステムズから今年前半まで報酬を受け取っていたというもので、金額も申告されていないようなのですけれども、これに対して規制委の中立性や独立性、透明性が東日本大震災後の福島第一原発事故の教訓として上げられていますけれども、これをどう担保するのかということの、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)一部報道において、委員に任命されました田中先生の原子力事業者との関係が取りざたされており、日本原燃などを含む事業者の技術的な委員会において、田中先生が委員を務めている経歴やそれに関わる報酬があったことは政府としても既に承知しています。そのいずれにしても報酬の金額が少額であり、また専門技術的な立場から助言を行うような内容であるため、委員に就任いただく上で全く問題が無いものと政府としては判断しています。

(問)共同通信の角です。よろしくお願いします。福島県の中間貯蔵施設について、いくつかお聞きしたいと思います。先週末、石原大臣が派閥の勉強会だったと思うのですけれども、いくつか御発言されたと伺っております。1つは、内閣改造を見据えてのことだと思うのですけれども、御自身の卒業が間近であろうというような御発言をされたということで、一部地元から反発もあるようですけれども、これについての真意をまずお聞かせ下さい。
(答)一般論を申しただけでして、改造があると必ず卒業する人、留任する人がいるということです。私がどうなるかということは任命権者である総理が決めることだと思います。
(問)あと2点。中間貯蔵施設の地元との交渉について論点がいくつか、5つ、6つほどに整理されてきたというような御発言があったということと、最終的な状況が提示されるのがお盆までにという御発言があったと伺っています。このことについて、もう少し詳しくお聞かせ願えますでしょうか。
(答)中間貯蔵に関わる諸課題について、先月知事からも迅速に示してほしいという御要望をいただきました。事務的にずっと調整をしており、その中で論点が絞られてきたが、その論点一つ一つで合意できているもの、できていないものがあります。しかし、パッケージで回答してもらいたい、という御要望を受けていますので、パッケージで示して御理解を得る努力をしていかなければならない。何度も申していますが、県、両町の皆様等に対してできるだけ早くお示しできるようにしなければならないと思っています。
(問)スケジュール感としては遅くともお盆までにというお考えでよろしいでしょうか。
(答)知事からも6月23日に、しっかりと迅速に示してほしいとの御意見があった。県外最終処分場の法制化の問題、借地権等の土地の取扱いの問題、財政・予算が関連する生活再建、地域振興。知事はこの4つの論点をお示しになられましたが、この中でも細かく分けるとだいたい5つ、6つくらいの課題ではないかと思います。それについてもやはりパッケージでお返ししなければならない。詰まっているところは詰まっていますが、環境省だけでは財政的にかなり巨額な金額になりますので、財政当局としっかり調整しないとお示しすることができないというのが現状です。
(問)スケジュール感としてはお盆までにはお示ししたいということで。
(答)できるだけ早く、それよりも早くお示しできればと思っています。しかし、何回も言いますとおり、一つ一つの回答ではなく、全部まとめたパッケージでという御要望がありますので、その御要望に添う形で今調整をしています。

(問)朝日新聞の奥村です。先ほどの質問に関連してるんですけども、先週の井上副大臣の記者会見の中で、井上副大臣が地元からはパッケージとご要望があって、環境省としては、整ったものから少しずつでもお伝えできるものはお伝えしていきたい、というご趣旨のお話がありました。今の大臣のお話ですと、環境省としてあくまでもパッケージで一括してお示しになるということですけども、環境省として整ったものから一部でも地元にお示しになるということはあるのでしょうか。
(答)調整ですが、さきほど申し上げたとおり項目が整理されてきており、知事から要望のあった4項目と照らし合わせて、一部御納得いただいているものもあることは事実です。しかし、新しい提案もたくさんさせていただいており、これを踏まえ最終的なパッケージをお示しすることが責務ではないかと考えています。

(問)時事通信の斉藤です。昨日、鹿児島県の甑島を国定公園にしてほしいとの申し出をおこないましたけれども、これについて大臣のご所見をお願いします。
(答)私も訪ねたことがありますが、現在は県立自然公園で県の方々がしっかりと管理をしています。これがいわゆる断崖絶壁の写真です。これを見てもすごいなとお思いの方もいらっしゃると思いますが、そばで見るともっと迫力があります。これ以外にも「砂州」といって、砂が滞留しているものがあり、砂州と島の間に湖があります。こういうランドスケープがあるようでない。また、これは「カノコユリ」というユリで、(たいへんきれいですが、)花屋で売っている花ではなく、まさにこの写真のように自生して咲いています。こういうものが、なかなかあるようで無いと思います。こういう自然をどのように守っていくのかということで、県としては国定公園として、国もしっかり関与していただきたいという申し出をいただきました。国としてはパブリックコメントを実施し、その意見等を踏まえて中央環境審議会への諮問の準備を速やかに進め、できましたら年度内には指定したいと考えてます。

(問)福島民報の渡部です。中間貯蔵施設に戻ってしまいますが、パッケージはなるべく早くというお話ですけれども、地元的にはやはりそういうふうに示した段階で良いかと思いますけれども、住民説明会をもう一度やるべきだという声が依然として強くあります。大臣等の出席を求める声も多いところですが、住民説明会の再度の開催に関してはどのようなお考えでしょうか。
(答)そういう御要望は首長の皆様からはいただいていません。必要があれば行いますし、まだそういう話もありません。その前にとにかく全部まとめて示してくれと言われている以上は、財政を伴う部分が大変難しい部分ではありますが、出来る限り努力をして示していく、そして御理解をいただくということを、今、全力で進めているところです。

(問)河北新報の若林と申します。指定廃棄物の件でお伺いします。今月中に宮城県内の全市町村長を集めた会議を開催するという意向を環境省から地元自治体のほうに伝えていらっしゃるようですけれども、この会議に大臣は御出席される御意向があるのかということが1点と、手続きとしてその市町村長会議を踏まえて今月中に詳細調査の方向性を示という段取りという理解でよろしいでしょうか。
(答)市町村長会議は招集するとかしないという話は、私はまだ聞いていません。この件は県としっかり調整して進めていかなければならないと思っています。
(問)今までそうでしたけれども、昨日加美の町議会に、町長が、加美が環境省からそのような意向を示されているという説明があったようなのですけれども。
(答)先ほど申したように、市町村長会議がまた新しく開かれるというような報告はありません。