大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年6月13日(金)9:46 ~ 9:54  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日の閣議ですが、当方に特段関係する案件はありませんでした。私からは今日多くの紙面に出ております、ニホンウナギのIUCNのレッドリストへの掲載について、一言申し述べたいと思います。自然保護団体、有識者、各国政府の構成員からなる、権威のある国際自然保護連合(IUCN)がレッドリストにニホンウナギを掲載したことは事実です。昨年2月、日本のレッドリストに掲載した時もかなり大きな騒動になりましたが、世界的にもニホンウナギが絶滅の危機にある状況だと評価されたものだと認識をしています。環境省としては、昨日農林水産大臣が会見されていましたが、水産庁が進めている政策をしっかりと推し進めていただくことを期待します。1にはやはり生息環境の改善です。そして、2として国内外におけるニホンウナギの保護管理のための体制の充実で、やはりここまで減ってしまいますと保護管理が重要になってくると思います。3番目は養殖技術の商業利用に向けた調査研究。この3つが一層推進されるように我が省としても協力できるところは協力していきたいと考えています。環境省としても、独自に、今月から河川におけるニホンウナギの生息環境調査を行い、その保全や再生の方策を検討し、ガイドラインとして取りまとめ、生息数の回復に貢献したいと考えています。地域的には色々な取組がなされていますが、ナショナルワイドで一つになって、ということがまだできていません。そのために、ウナギの実態がなかなか解明されていないので、この生息環境の調査を行いたいと思っています。生物学的にみますとニホンウナギは、長期的には危機的な状況にありますが、すぐ明日や明後日、1年、2年で絶滅するわけでは無いのではないかと思っています。しかし皆様方も、この食文化としてのウナギ、7月になりますと土用の丑の日にはウナギを食べよう、といった、この文化をしっかりと守っていくためにも、今、保護に乗り出さなければ、手遅れになるのではないかと思います。環境省としても、関連省庁と連携して、しっかりと食文化を守るために頑張ってまいりたいと考えています。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社読売新聞の稲村です。よろしくお願いします。先程のウナギの調査の件ですけれども、調査の期間は今月からということなのですけれども、いつまで行って、どういう人達が調査に携わるのか、研究者なのか環境省の職員なのか、教えて下さい。
(答)事務的な話ですので、事務方から説明させます。
(事務方)調査については、今月から始めるのですが、2年間くらいかけてウナギの生態の実態とか生息状況などを把握した上で、その対応策、保全策などを検討して、それをガイドラインという形として取りまとめていきたいと考えています。
(問)それからもう1点。全然違う質問なのですが、除染に関する有識者の意見交換が15日に福島市で開催され、井上副大臣も参加されます。今回の開催の背景には、汚染の状況重点調査域の指定基準0.23μ㏜(マイクロシーベルト)、これが実際の除染の目標であると誤って認識されていることへの懸念があると思います。この時期にこの意見交換会を開くねらいと、この施策にどう反映させていくのか、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)これは井上副大臣が4月14日に、福島市、郡山市、相馬市、伊達市の市長さんや市の方々から、今御指摘にありました通り、除染の目標として毎時0.23μ㏜(マイクロシーベルト)があるのだと、短期的に達成すべき目標だというように誤解をされているというような意見が出され、それにも関連して様々な問題意識の御提示がありました。その問題意識に対して、どう国として、お答えしていけばいいのかということで、15日に、有識者との意見交換会を福島市で開こうということになった訳です。また、震災後3年間経ちましたので、4つの市が保有しております個人線量計による測定データをはじめ、様々なデータの蓄積がございますし、福島では県立医大が放射線についてもしっかりとした研究等々を行っていますので、こういうものをしっかりと活用していくべきとの要望があったということもそもそもの発端です。井上副大臣から国と4市がともに勉強、研究していく場を設けましょうというなかで、是非専門家の方々も来ていただき専門家を交えて意見交換を1日やりましょうということになったというのが事の次第です。除染や放射線についての正確な知見や情報が集約され、この懇談会から発信されることを期待しています。

(問)東京新聞の蒲です。東京電力の福島原発の関係で地下水を建屋に潜り込む前に汲み上げて海に放出する地下水バイパスの関係で、昨日、放出しますよというような発表もあったのですけれども、2本のうち1本は基準を超えているのですけれども、全体で混ぜれば濃度が薄まって放出基準を満たすということで放出されている説明なのですけれども、そういう放射性物質が依然として海洋にも放出されてしまうと、前回もお尋ねしたのですけれども環境基本法の中で公害とはという定義がございまして、大気とか水質とかいろいろあると思いますけれども、前回大臣は福島原発事故を公害と考えているかということについては明確に御説明はなかったかと思いますけれども、これは公害というふうに認識してよろしいのか、公害というふうに大臣として思っていらっしゃるのか、もう一回確認したいのですが。
(答)私は災害だと思います。水の放出については、絶対に基準値を上回るものを出すことはあってはならないことだと思いますし、そこについては規制庁がしっかり指導していると考えています。去年ですが、井上副大臣と秋野政務官が同じように放出しているアメリカのハンフォードを視察しまして、そこではトリチウムがやはり問題あるのですけれども、トリチウムが基準値以下であればコロンビア川に放出しているということを見てきたという報告を受けています。