大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年6月10日(火) 9:47 ~ 9:56   於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日の閣議では、「平成25年度国会事故調フォローアップ報告書」を、国会に提出することを閣議決定しました。私から1点御報告ですが、先週金曜日と日曜日、放鳥トキの孫の世代となるヒナの初めての巣立ちが3羽確認されました。また、平成20年の放鳥開始以来、野生下での繁殖も進み、佐渡のトキの定着数が75羽を数えることになりました。当面の目標は「2015年頃に60羽以上の定着」というロードマップを考えていたのですが、1年早く達成できたことは、やはり佐渡の地域の皆様方のトキに対する愛情、御協力の成果ではないかと思います。当面の目標は達成されたのですが、絶滅の恐れはあり、これから野に放たれたトキはだんだんリング等も付けにくくなり、近い血縁での交配が起こらないとも限りません。そのため、保護の取り組みは着実に気を緩めずに進めていかなければならないと思います。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)読売新聞です。稲村と申します。よろしくお願いします。まず指定廃棄物についてお伺いします。指定廃棄物の最終処分場の件で、先日宮城県で政府と地元自治体と5者協議が開催されました。しかしまだ詳細調査には入れなくて、膠着状態が続いているように思います。また栃木県でも候補地の選定が遅れていることに対して、井上副大臣が先日知事と会談して陳謝もされました。全体的に処分場を予定されている5県について、いずれも遅れが目立っていて実現の見通しが立っていない状態ですが、改めて大臣の現状認識について、認識をお願いします。
(答)指定廃棄物は、かなり遮断型で安全性が確保できるものを作って、外界に対する影響は無いのですが、やはり迷惑施設である以上、風評被害が懸念されており、どの地域も反対と言っています。特に前政権下で強引なやり方をしたことによって生じたアレルギーというものがあり、丁寧に進めるしかないという立場で、井上副大臣、また浮島政務官が取り組んでいるところです。宮城県は、今御質問にありましたとおり、5月26日に引き続き、昨日、宮城県の候補地の所在する3市町、県、国による第2回の会談が実施されました。その場において、井上副大臣からは詳細調査に入らせていただきたいという話をしましたが、その前に、井上副大臣と浮島政務官が3箇所の現地視察を行った上で、3回目の会議を6月16日に行うことが決まったと聞いています。それによって、理解が進むことを期待をしています。副大臣、政務官が現地に入って見せていただく日程が決まったということには、大変感謝を申し上げたいと思います。一方、栃木県についても井上副大臣が県庁を訪問し、福田知事に、市町村長会議で決定した選定手法に従って、丁寧に作業を進めており、まだ絞り込みに時間がかかっているというお話をしたと聞いています。引き続き、丁寧に調整を進めて、早急に指定廃棄物の処理が進むよう取り組んでいきたい。やはり迷惑施設ですので、「はい、わかりました」というふうには中々いきませんので、丁寧に進めていくしかないのではないかと思います。
(問)もう1点、中間貯蔵施設の件です。住民説明会の日程が半分終わり、ようやく先が見えてきたように思います。住民の意見もほぼ出そろってきたような感じもしますけれども、改めて大熊、双葉の二町に特化した極めて自由度の高い交付金の内容、まだ政府が明らかにしていない地域振興策や生活再建策を提示するタイミングはいつなのか、説明会終了後のスケジュール感について伺いたいと思います。
(答)いろいろな意見が出ているということは、昨日に決算委員会でも質問があり、代表的な例を示しました。やはり地域の方々にとっては、住み慣れた、あるいは先祖伝来の土地を離れなければならないという思いが強いなと感じている。(地域の方々は)それに対して、どういうことを国、町、県が行うことができるのかということに感心がある。これもだいぶ詰まってきているので、住民説明会が一通り終わり、整理が終わった段階で示したいと考えています。

(問)東京新聞の蒲です。一連の福島第一原発から、放射性物質が海洋とか海とか、内陸とか河川とか広範囲に汚染している状況について大臣として、これを公害というふうに認識しているかどうかということをお尋ねしたいのですけれども。
(答)公害というよりも、事故による放射性物質の拡散という事実を国としてしっかり協議する必要があると捉えています。
(問)公害ではないという考えですか。
(答)公害の定義がどういうものなのか、その定義によると思います。

(問)日本テレビの杜と申します。2点、お伺いしたいと思います。1点目なのですけれども、原子力規制委員会の新しい人事案について担当である大臣が、総理などと話して決めたと。そのプロセスに規制庁が事務方としてサポートしているということを、規制庁側も明らかにしていますけれども、具体的に規制庁からどのようなサポートを受けたのかということをお尋ねしたいと思います。
2点目は、中間貯蔵施設の住民説明会についてなのですけれども、先週末でも会場から、大臣が直接出席をして説明をしてほしいという住民の要望がありましたけれども、今後出席する予定はないのでしょうか。また出席しない場合、なぜ出席しないのでしょうか。以上2点をお尋ねしたいと思います。
(答)1点目の、私が誰とどういう話をしたかということは、行政の事務の一環なので、コメントは差し控えさせていただきます。
 2点目について、住民説明会での話は全てメモで見ていますので、どういう意見が多かったのか、どういうところに不安があるのか、懸念があるのかを整理して、それに対する回答策を作っていくことが必要ではないかと思います。