大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年5月13日(火)9:54 ~ 10:04 於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日の閣議では、当方に特段関係する案件はありませんでした。私と井上副大臣とで、明日14日に山梨県の中央新幹線、いわゆるリニア新幹線の実験線を視察します。御存じのとおり、現在環境省において、リニア新幹線の環境影響審査を実施中です。今回の視察も踏まえて、6月上旬に環境大臣意見を提出したいと思っています。詳細については、事務方からお聞きいただきたいと思います。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)NHKの土井です。よろしくお願いします。昨日発売の漫画雑誌に掲載された美味しんぼの関連でまた伺いたいのですけれども、内容のほうで、災害廃棄物の広域処理を受け入れた大阪で焼却場の近くに住む住民に放射線だけの影響とは断定できないが、鼻血や目、喉や皮膚などに不快な症状を訴える人が約800人いたとか、福島を除染して人が住めるようにするなんてできないと思うなどの描写がありました。災害廃棄物の処理と除染を進める環境省としてこの描写に対する御所感をまずお聞かせ下さい。
(答)今朝、たまたまワイドショーを見ていましたら橋下市長が出ていまして、因果関係は全く無く非常にけしからん、というような趣旨で御発言されていました。個別の漫画の事について、逐一環境大臣が論評するということは、差し控えさせていただきたいと思っています。環境省としてはホームページを使って、除染や健康に関する正しい情報をしっかりと発信するということに尽きるのではないかと思っています。
(問)関連しまして今大臣に御発言いただいたように、福島県や大阪府、大阪市が、内容について抗議文を出版社に対して送付しました。一方で、原作者は自身のブログの中で、取材ですくい取った真実をありのままに描くことがどうして批判されなければならないのかわからないなどと述べています。この件に関しては大臣御所感は如何でしょうか。
(答)私も科学的な因果関係については、放射線の専門の医療機関の方から、去年の段階でかなりお話を伺っています。そういう中でそのような因果関係は無いというお話を聞き、また、それが医学界の通説として定着している中で、何故このような事が起こるのか、福島県民の皆様方の想いを思うと、大変遺憾なことと言わざるを得ないのではないかと思っています。

(問)インターネットメディア、IWJの石川と申します。よろしくお願いします。大臣が先週の会見で発言されたことについて事実関係を確認したいのですけれども、風評被害を起こすことはあってはならないとか何を伝えようとしているのか全く理解できないというような、先週の「美味しんぼ」の関連なのですけれども、それについて、この作中に出ている前双葉町長の井戸川さんに昨日取材をしたのですけれども、その中で井戸川さんがこの鼻血をはじめ、体の不調を訴えていることは紛れもない事実ですというコメントをしていまして、前双葉町長は個人の人権の侵害にあたるというようなコメントをされております。この件について大臣に申し入れる可能性もありますというようなこともおっしゃってますが、まずはこの点について御見解をお聞かせ願いたいと思います。
(答)一般論で恐縮ですが、放射線に関する有識者の方々、特に福島医大の皆様方がこの事案について、3.11以来、懸命に取り組まれています。その先生方の話も聞かせていただき、私の意見ではなく、医学界の専門家、特に福島の皆様方の健康をしっかりと守っていこうという方々の話として紹介したところです。個別の漫画等について、何がどうしたというようなことの論評をすることは、官房長官も申していますとおり内閣として行うつもりはありません。また新たな事案が発生しましたら、その時その事案に対する考えを申し述べたいと考えています。
(問)もう1点、最後に少しだけ。この件で自民党が野党だった2012年に国会の予算委員会などで山谷えり子議員ですとか、熊谷大議員とか、今現職である森まさこ大臣とかが国会のほうで福島等の健康調査について鼻血が出ているという住民の声を聞いているということで、当時の民主党政権の対応を問いただすような質問をしていました。このことを考えると鼻血の描写に関する風評被害についての大臣の認識がちょっと変わったのかなと思っているのですけれども、この食い違いというのはどういうことなのかちょっと御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
(答)認識は私は変わっていません。今、御指名された方々が何と発言したのかは、現在私は持っていませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

(問)フリーランスの木野と申しますよろしくお願いします。環境省の5月8日の今の「美味しんぼ」の件なのですが、放射性物質対策に関する不安の声についての中で、放射線被ばくが原因で住民に鼻血が多発しているとは考えられませんという記載があります。これは、まず1点、多発しているとは考えられないというのは、多発していないという断言をするのとは違うと思うのですが、この辺についての見解を一つお願いできますか。それからもう1点、多発の事実を要するに、把握していないようにもこの文章からは思えるのですが、実際に多発しているかどうかというのを調査する考えというのはございますでしょうか。これは放射線の因果関係とは別にして、そういった体調不良とか事実出ているかどうかというのを確認する考えというのはございますでしょうか。以上お願いします。
(答)先程も申し上げたとおり、私の意見を申しているのではなくて、専門家である、この問題に従事してきた医療関係の方々の話を御紹介していますので、詳細は当省の専門の部局である環境保健部のドクターからお話したいと思います。
(事務方)環境保健部で放射線の健康管理を担当していますが、今回の見解については、鼻血の多発は考えにくいということですが、これについては従来UNSCEAR(アンスケア)の国連科学委員会の見解でも鼻血などの確定的影響は認められていないという見解等です。従来の被ばく、そういった症状が出る線量というのは数百mGy(ミリグレイ)とかですので、そういったレベルの被ばくによって生じるもので、今回の福島県の県民健康管理調査でそのような被ばくをした方々は認められていませんので、そういったことから鼻血の多発は考えにくいというふうにしています。
(問)もう1点のその実際の因果関係は別にして、多発をしているかどうかという調査なりそういった把握はされる予定は何かあるのでしょうか。
(事務方)私どもとしては、従来福島県立医大や福島県内の医療機関、医師の先生方等に話を聞いている中では、特段のそういった鼻血が多発している、特に放射線の障害が疑われるような鼻血が多発しているというような話は聞いていませんので、現時点で特にそういったことは考えていません。