大臣談話・大臣記者会見要旨

北川副大臣・浮島大臣政務官記者会見録(平成25年11月13日(水)17:22 ~ 17:36 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)今日は御承知のように仙台でアジア国立公園会議がありまして、今その最中でありますので、記者の皆様方もそちらへ行かれている方、また来週といいますか、もうCOPが始まっておりますので、そちらへ行かれている方もたくさんいらっしゃると思いますが、その中での会見であります。よろしくお願いします。

 私のほうからはまず2点、申し述べさせていただきます。先週の土日、11月の9日、10日と、国連生物多様性10年委員会第3回生物多様性全国ミーティングに出席をさせていただきました。場所は兵庫県の豊岡市でありまして、土曜日に各自治体のネットワーク会議がありました。発足当初は113であった自治体が、現在130まで増えたわけでありますが、この生物多様性の問題をこれから継続的に取り組んでいくためには、やはり自治体の皆様方の理解と協力が必要でありますので、9日のセッションでも私のほうからは、今後、より多くの自治体の方々に参加をしていただいて、これからこの生物多様性の10年、愛知の大会から、COP10から次に向けての課題もありますので、その御協力もお願いをさせていただきました。あくる日の大会においては、涌井委員長代理、経団連の自然保護の会長であります損保ジャパンの佐藤会長もお見えをいただいて、発表をしていただきました。また、私のほうは土日とかけまして、実際豊岡市で取り組んでおられますコウノトリの野生復帰、これまで実際に放鳥されたのが確か28羽、そして今現在準備されているのが98羽、こういうコウノトリを育成をされておられまして、それに対して地域の方々がNGO、そして行政の方の協力の中でここまできたという話でありました。非常に地域が一体となって取り組んできておられまして、それと同時に豊岡市自体が大正の時代から町作り、整備をされるにあたって、地元の篤志家の方の融資によって下水道が整備をされたり、町も整然と整備をされておりますので、ある意味住民が協力をしあって、行政に協力をして町作りや町の政策を一緒に進めてきたという、土台があったということを認識をさせていただいて、改めて豊岡がこのコウノトリの放鳥といいますか、再生に取り組まれた結果が出たのかなという思いでありました。今後、こういう形で自治体が協力しあっていくことの大切さというものを見させていただきました。翌日には山陰海岸国立公園のほうも見させていただいて、豊岡の玄武洞等も含まれておりますので、今後ジオパークという中でこの山陰海岸の国立公園というものを整備していくことも重要であります。なおかつ、COP10の中でも謳われておりますが、この国立公園の海面積と面積を広げていくということもありますので、山陰海岸の海域部分を若干広げて、国立公園の指定地域を広げていくという取組にも、これから取り組んでいくということであります。
 また昨日は国連大学のほうで第1回アジア国立公園会議開催記念国際シンポジウム、生態系を基盤とした防災・減災というものに出席をさせていただきました。環境省が今、三陸海岸復興国立公園という取組、こういうことを発表させていただいて、自然公園というものがこれから減災・防災にも寄与していくという話もさせていただきました。後のパネルディスカッションの中において、涌井さんと9日、10日と私も一緒でしたので、涌井さんのほうからこれからの自然というものは減災と防災と同時に克災、自然が災害を克服をしていく力があるという話もありまして、私のほうからは自然の持つ復活力といいますか、こういうものを活かしていく、これからの三陸海岸国立公園の防災・減災、こういう取組も環境省が積極的に行っていきたい、そして、アジアの中でリーダーシップを発揮して、今日から始まっておりますアジア国立会議を機に、来年の世界国立公園会議、オーストラリアでありますが、これに向かっていきたいという話をさせていただきました。
以上2点、私のほうからは御報告させていただきました。

(政務官)私のほうからは、本日午前中に福島県立医科大学にお邪魔をさせていただき、意見交換、視察をさせていただいてまいりました。この大学のほうにおかれまして、健康管理の観点から本当に御尽力をいただいていると伺っておりまして、本日は直接お話を伺うことができたと同時に、改めて県民の健康管理の重要性を認識してきたところでもございます。また私自身も甲状腺エコーの検査も受けさせていただきまして、WBCも今日はさせていただいてまいりました。県民の皆様方の健康を見守るという観点から本当に大切なことでありまして、この健康管理は国民の関心が本当に高いところでもあります。そのため、環境省といたましても、先日の11日の月曜日に専門家会議を開催いたしまして、井上副大臣と私が参加をさせていただきまして、そのあり方について専門家の皆様から御意見、御議論をたくさんいただいたところでもございます。今後とも現場のお声をしっかりといただきながら、国としてできる限りの支援を講じてまいりたいと思っております。以上でございます。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の中村と申します。よろしくお願いします。副大臣にお伺いします。生物多様性の全国ミーティングで豊岡市に行かれたという話でしたが、自治体の協力の大切さというのをお感じになられたということですが、それをうまくするには、どういうふうにしていけばいいか、現地でお感じになられたことはありますでしょうか。
(副大臣)現地で中貝市長と直接話をさせていただいて、政治のリーダーシップと同時に行政全体のモチベーションといいますか、それをどう引き上げていくかという話もありました。市長がやはり職員の皆さんと一緒にやっていく上において、職員の皆さんに対して、褒めると言ったらおかしいですが、「よくやったな」という、そういうことを実感してもらうことが非常に重要だなという話をされておられました。やはり行政が一体となっていくと同時に地域の皆さんとの信頼関係ですね。特に豊岡はコウノトリというシンボルがあったので、生物多様性というものについての取組は非常に積極的にまた協力的に進められてきたのですが、自治体ネットワーク会議に参加していた130の自治体のうちこられていたのが半分くらいだったのですが、自治体の方数人と話をした中で、豊岡のようなシンボルになるものを何を持ってくるかということが一つの課題だという話もありました。涌井さんとも個人的に話をした中で、それぞれの地域にいろいろな伝承といいますか、その地域に根ざした歴史や文化があるので、その中から市民の皆様にうったえていく、生物多様性に関わりのある何かを見つけてそれをうったえていく、そういう物をまず探すことではないかなという話もありましたので、そういう点も踏まえて、シンボルのようなものをどれにするのかということと同時に直接携われる行政の方のモチベーションをどう引き上げていくのかというところがキーポイントかなと思います。
(問)一昨日の専門家の会議とか今日の医科大学の御視察とかで、今の福島の県民の方の健康管理の課題みたいなものは何かありますでしょうか。
(政務官)今日もそうですけれども、前回の専門家会議でも一番話題になったのは、被ばく線量のデータの一元化をどうすれば良いかということで議論がございました。本日も県外へ出ていって就職された方々をしっかりとフォローしていくことが大切であるということのお話がありましたので、この件に関してもこれから議論を深めて、どうやったらしっかりとフォローアップしていけるかとの観点から検討してまいりたいと思います。

(問)NHKの間嶋です。副大臣にお伺いします。緑の贈与に関してなのですが、税制改正に向けて財務省の反応が厳しいとも伺いますけれども、今の手応えと今度の対応について。
(副大臣)公明党さんのほうはこの議論は先行されていますが、自民党のほうは今日の部会でこの税制の話しが出たところですから、今後部会において税制全般と同時にこの緑の税についてどういう議論が出てくるかというのことを精査しながら、今後環境省としても取り組んでいきたいと思っておりますので、まずは今後の党の議論だと思います。私が部会長のときは積極的にやりたいと思っていましたが、部会長代わりましたので。部会長の意もお聞きして。
(問)では、年内入れられるようにやっていくということでしょうか。
(副大臣)そうですね。党の議論と同時に省としても取り組みたい意向はありますので。

(副大臣)先ほどの自治体の質問でもう一つ付け加えるとすれば、成果をどう検証していくかというところですね。生物多様性を取り組んでいる、では、その自治体がどういう成果が出てきたか。結果というものを重要視することで、当日もそういうシンポジウムを行っていましたので、豊岡もそういう話をしておられました。経済的効果とか。実際見に行って、城崎温泉がありますよね、豊岡市が今までの出石町、城崎町など全部が合併して一つの市になったので、これまでの行政体が分かれていたのが一つの市になったことによって、やりやすい部分が出てきたということですよね。出石のそばがある、城崎の温泉がある、そして豊岡のコウノトリ。土曜日にコウノトリを見に来て、城崎の温泉に泊まり、出石のそば、これは全部豊岡市の税収になっていく。今まででしたら、出石だ、城崎だと地域の争いがあったのに、一つになったことにより相乗効果があるという話です。かなりの方がこのコウノトリの育成されているところを見学に行かれていましたからね。