大臣談話・大臣記者会見要旨

北川副大臣・浮島大臣政務官記者会見録(平成25年10月17日(木)10:24~10:40  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)皆さん、おはようございます。それでは私のほうから、先日、石原大臣のほうからも皆さんに会見をされたと思いますが、先週、熊本・水俣で行われました「水銀に関する水俣条約外交会議」に出席をいたしましたので、この件と、そして就任早々プレCOP、ワルシャワに参りましたので、この2点について皆様方に私のほうから申し述べさせていただきます。
 まず、水俣の水銀条約に関しましては、今回世界の水銀汚染を防ぐための大きな一歩でもありました。この会議、多くの国、特に92の国、地域が署名をされましたので、改めて歓迎をしたいと思っております。今後は、この条約の早期発効を目指して、条約に対応するための国内の法制度の準備、また水銀汚染の進む途上国の支援、水俣病の情報発信などに、取り組んで行きたいと考えております。私個人といたしましても、初日の水俣デーに参加をさせていただきました。夏を思わせるような大変暑い日差しの中で、献花、また折り鶴を献上する。こういうセレモニーがありまして、シュタイナーUNEP事務局長と石原大臣がともにこの熊本で折られた折り鶴を、お供えをされるというセレモニーを見させていただいて感慨無量でありました。特に23年前、私も大臣秘書官として当時の水俣に行かせていただきまして、23年経って、まだ埋立て中であったかもわかりませんが、その地があのように整備されて、地元の水俣の方々が植えられた木が立派に育ちまして、多くの国々の方々を招かれて、あのような式典が開催されたということでありましたので、改めて感慨無量と同時に、地元の水俣でこういう多くの国の方が参加をされて、国際会議が開かれるということの意義を感じたところでありました。その中で語り部の皆さん方の貴重なお話を聞かせていただきました。また、地元の水俣病に関する、今、患者の方々も含め、要望等、意見も賜りまして今後ともこの水俣問題に真剣に向き合い、医療、福祉、地域振興を引き続き取り組んでいかなければならないという決意を新たにしたところであります。今回、私のほうは初日の水俣デーに出させていただいて、その後はこちらへ戻って参りましたので、後のセレモニー等については、火曜日に大臣のほうから発表されていると思いますので、私のほうからはこの水俣条約外交会議については、この辺の報告とさせていただきます。
 続きまして、プレCOPの出張報告でありますが、1日の夜に出発をして、2泊5日という強行スケジュールでありましたが、私にとっては初めてのCOPの会議でありまして、準備会合とはいえ、今回ワルシャワ(COP19)の議長、コロレツ大臣の計らいといいますか、冒頭から経済界、ビジネス界の方とのセッションから始まりました。そういう点においての今までにない形でのスタートでありまして、その中でこの温暖化の防止をしていくには非常に密接な関係にある経済界、こういう方々の理解と協力も必要だというスタートでありました。もう皆さん方も御承知のようにこのCOP19につきましては、議長の意向もそうでありましたが、パリのCOP21に至るまでのプロセスの中での大きな重要な会議であるということでもあります。そういう点でもこれまで通り主要経済国は、日本を含め、今までの主張、今後の枠組みについても、公平なルールのもとで進めるべきだという主張をされました。途上国等はやはりそれぞれの国に応じた差異のある対応というか、義務を伴う責任というものは先進国が負うべきである、こういう主張をなされてきました。いずれにしてもCOP21までのプロセスをきちんと決めていきたい、という議長の最後のまとめにありましたので、我々日本としても、それに協力しながらこのCOP19に臨んでいきたいと思っています。いずれにしても、温暖化問題について、日本が環境先進国として世界に恥じない形でこれからも取り組んでいく必要性を感じたところでありまして、報道の皆さん方にも御協力をいただいて、今後日本の国益にかなう形の中でこの温暖化問題に取り組んでいかなければならないと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。以上、この2点で報告させていただきました。

2.質疑応答

(問)幹事社のNHKの横井と申します。よろしくお願いします。北川副大臣に水俣条約の外交会議の関係で2点御質問させて下さい。先ほどお話しいただいた中で、語り部の方とか水俣病患者の方との意見交換を会場でされたということだったのですけれども、率直に意見交換をされてどのように受け止められたかということを伺いたいのと、水俣デーの日だったと思うのですけれども、坂本しのぶさん名義で水俣病被害の全容解明についての要請書を受け取られていると思うのですけれども、この内容を今どういうふうに受け止めていらっしゃるかということの2点をお伺いできますでしょうか。
(副大臣)いろいろな方とお会いさせていただいて、お話もさせていただき、また要望、意見も聞きまして、改めて長い歴史を感じながら御苦労されてこられた方々がおられるのだなということを率直に感じ、これからも国としてこの問題に取り組んでいく必要性というものを強く感じたところです。また、坂本さんからの要望をいただいたわけでありますが、内容については従来からいただいていた要望でもありまして、環境省として、また国としても出来うる限りその意見というものを尊重しながら対応していかなければならないと思っております。

(問)時事通信社の村山と申します。北川副大臣にプレCOPについてお伺いしたいのですが、先ほどもお話がありましたが2020年までの日本国内の削減目標に関して、公式、非公式も含めて会合の中で外国の要人の方との間でこれに対するやりとりというのは滞在中ございましたでしょうか。
(副大臣)具体的に2020年まで日本がどうして欲しいとか、どうすべきだという話はありませんでした。ただ、会議の本番ではなく、関係国のアンブレラグループの会議の中では(2020年以降の目標について)不確定要素がある数字をあえて出すのが良いのかどうかというような意見がありましたところ、(それに関して)我が国としても今年になって安倍総理の指示の下、(達成が困難な)25%削減という数字は取り下げる方向ですということを、その会議の中では私のほうから言わさせていただいて、それについて各国は特段御批判も無かったし、どうのこうの言う意見はありませんでした。そういう意味ではこの25%というのを取り下げることについては国際社会の中である程度理解は得られるのではないのかなと思います。今後の対応について日本に対してはっきりと数字を、とかいう話は、私には無かったと思います。
(問)御発言の中で確認させて下さい。不確定要素のある数字をあえて出すのが良いのかどうかという意見がアンブレラグループの中であるという御紹介があったのですが、これはアメリカの方から北川副大臣にお話があったですか。
(副大臣)そうではなくて、会議の中で、不確定要素があるというか、どういう言葉で言ったのかわからないのですが、不確定要素のある数字をあえて出すのが良いのかどうかという意見だったと思います。プレCOPの会議の中でも様々な国が意見を言う中で2、3そういう意見もありました。今後、日本が数値目標も含めて出していくのであれば、やはりより慎重に実現可能な数字というものが逆に求められるかなという感じは受けました。

(問)読売新聞の寺垣です。不確定要素のある数字というのは、原発の比率が決まってない数字を出すのはという。
(副大臣)これは日本だけの問題ではなく、世界のそれぞれの国々が(ということです。)。今回も枠組みは決めるけれども、やはり自分の国で独自の方向で出すべきではないかという意見が多くでていたようです。

(問)プレCOPの中で2020年以降の枠組みについてのお話は伺ったのですけれども、これ以外にも様々な課題があると思うのですが、実際、会議の現場に行ってみて、温暖化交渉を巡る国際社会の関心がどのような点にあると御自身お感じになられたかお願いします。
(副大臣)今回、特に最初にビジネス界をお呼びしての会からスタートしているので、金融、お金の支援とかですね、個別具体的にどういうことで温暖化に取り組めるのかとか、そういう話がかなり出ていたように思います。ですから、日本としても二国間クレジットや今回税制でも出す、脱フロンとかいろいろな形で温暖化を防止出来る方策があるので、各国もそういう点を考えられてはどうかと話をさせていただきました。
 島嶼国に関しては、先進国の資金それから技術供与を求める意見が強くありました。ただ、全体的にみて1990年レベルから比べると2010年の排出量全体の(先進国と途上国の)比率とか枠が随分変わってきていますので、変わってきているという認識を開発途上国も含めてされているかというと、なかなかそうじゃないなという感じは受けました。