大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成25年10月8日(火)10:24 ~ 10:33  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

おはようございます。本日の閣議では当方に関連する案件が1件ありました。明日から11日まで、水俣市及び熊本市で開催される「水銀に関する水俣条約」の採択・署名のための外交会議において、我が国が同条約に署名することを閣議決定しました。
 私からは、この報告ともう1点。環境大臣特別賞を出したエコツーリズムの先進地である群馬県みなかみ町へこの週末行ってきました。エコツアーのコースとして人気があるロープウェイの山麓駅から一ノ倉沢までの間を歩きました。あいにくの悪天候でしたが、地元のエコツーリズム協議会の部長が案内してくれました。ガイドは25名いるそうですが、リピーターのお客様を増やすべく、この木はどういう木であるとか、この山はどういう山であるかとか、様々な知識を持っている方々で、1回3,500円です。自分たちだけでは気づかない自然の魅力の奥深さを教えてくれました。また、地域の方々が自分たちの町を大変愛しているということも強く感じました。そこまでに至る道のりはなかなか平坦ではなかったというお話も聞きました。一部国道を通行止めにするということに対して理解を得ることが大変だったり、エコツーリズムは地域活性化の有効な手段ですが、やはりこれまでそこで暮らしてる人との軋轢というものもあると。特にみなかみではラフティング等々の川を使ってのアクティビティが日本で先進的に行われています。これも最初のうちは地元の方々に理解されなかったのですが、今では根付いており、ちょうどイベントをやっていましたので、町長と一緒にそのイベントにも参加しました。国立公園におけるこのような取組が全国的に広がっていくように、環境省としてもバックアップをしていきたいと思います。私からは以上2点です。

2.質疑応答

(問)NHKの土井と申します。よろしくお願いします。先ほどお触れいただきました水俣条約の外交会議が9日から開幕ということですけれども、改めてこの会議にどのような狙い、あるいは思いを持って臨まれるか御所感をお願いいたします。
(答)水俣病は、日本が過去の発展、工業化、高度成長の中で、大きな犠牲を払い、いまだに多くの方々が大変苦しまれている。私も現場を歩き、また親子二代の環境大臣という使命を強く感じています。水俣条約の採択により、発展途上にある世界の国々の中で水銀汚染を防ぐ第一歩になるのではないかと捉えています。日本で開催するので、私が議長を務めますが、条約の署名は、岸田外務大臣にも出席していただき、署名をしていただくことになっています。明日には開会記念式典があり、そこで冒頭にお話させていただき、その後熊本市での外交会議、あるいはバイ会談を行います。私どもは今日その条約に署名することを閣議で決定しましたが、次は早期にこの条約を発効させることが大切だと考えています。こういう呼びかけもバイ会談等々で行いたいと思っていますし、我が国の使命は、条約の早期発効に向けて、これから開発を行う、――御存じのとおり、石炭を燃やすと、しっかりフィルターをかけないと水銀は非常に発散します――途上国の支援。水俣と同じような悲劇を二度と世界の国々で起こさないような支援を行っていくことが、これからの日本の使命ではないかと思っています。そういう意識を世界各国の方々と共有する良い機会なのではないかという印象を持っています。

(問)西日本新聞の重川といいます。大臣の日程が明らかにされていないのですけれども、明日はどの時点で水俣入りされるのかということと、長崎の五島へ行かれる案があるように聞いておりますが、それに行かれると間に合わないのではないかと思うのですが、その辺をお聞かせ下さい。
(答)先ほどお話ししたように、予定に間に合うように計画していますが、残念なことに台風がきているので、明日、どのような形で行けるのか、行けないのか、もう少し詳細を検討しないと決まってこないと思います。
(問)重ねてお尋ねですが、午後1時から追悼行事があるようになっているのですけれども、これへの参加はまだ決まっていないということでよろしいでしょうか。
(答)事務方からこの後お話があると思います。まだ飛行機も決まっていません。

(問)日経新聞の浅沼と申します。よろしくお願いします。先日、プレCOPが終わったかと思うのですけれども、北川副大臣等々からいろいろと御報告を出されているかと思うのですが、来月のCOPに向けて改めて、日本としてどういう姿勢を示すのかということを教えて下さい。
(答)我が国の2020年目標ですが、出すのか出さないのか、皆様方から取材していただいていましたが、プレCOPに北川副大臣が出発する前に4大臣で集まり、Jファイルにあるとおり、実現可能な目標を作っていくか調整しようということで関係省庁で合意をしました。そういう立場で北川副大臣が外交会議であるプレCOPに出席したことは、意味のあることだったと思います。プレCOP では、2020年以降の国際的枠組みをはじめとする主要議題等について意見交換が行われ、これから何がCOPで大きな議題になってくるかという論点の整理をしたという話を聞いています。やはり、一番大きなものは2020年以降の話です。例えば、各国が自主的に定める約束を決定する前に、国際的な協議をどうするかという話。今回の成果を本体であるCOP19の成功に繋げていくことができるように、北川副大臣からポーランドに対して、しっかりと協力をするというメッセージを発することができたと聞いています。