大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成25年5月31日(金)9:03 ~ 9:14  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日の閣議では当省に関係する閣議決定が3件ありました。
 第1に「循環型社会形成推進基本計画」の改定。これは5年に一度のものです。これに基づいて、リサイクルに比べて取組が遅れているリデュース・リユースの取組強化を図っていきたいと考えています。また、有用金属の回収等の取組を進めていきます。これはいわゆる都市鉱山と言われている件です。
 第2に「廃棄物処理施設整備計画」の改定。これも5年に一度のものです。これに基づき広域的な視点に立った強靱な廃棄物処理システムの確保に努めていきたいと考えています。
 第3に「種の保存法施行令」の一部改正です。ワシントン条約における規制対象種が改正されたことを受けて、国内のほうもこれに合わせ、種の保存法に基づく国際希少野生動植物種等を改正する。以上の閣議決定がありました。
 私のほうから1点御紹介させていただきたいと思います。6月29、30日に開催する「地球温暖化防止とサンゴ礁保全に関する国際会議」のプログラムが決定しました。これがポスターです。29日のシンポジウムには、私も参加させていただきます。基調講演はIPCCのパチャウリ議長。インドの有名な方ですが、「気候変動の予測及び海洋生態系に対する影響」について講演をしていただきます。そして、気候変動の影響により国土が消滅する危険にさらされているサンゴ礁の島の現状と対策について、モルディブ、パラオの閣僚を含む方々のパネルディスカッションを行います。このポスターの絵は、沖縄在住の名嘉睦稔先生の版画です。サミットの時も描いてくださいました。会場となりますOIST、沖縄科学技術大学院大学から15キロほどの場所にあります部瀬名岬の豊かなサンゴの海の恵みを描いたものと聞いています。是非沖縄の方々を始め多くの方々の御参加をお願いする次第です。私からは御報告は以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社共同通信の渡邉と申します。よろしくお願いいたします。2点お伺いしたいと思うのですけれども。まず三陸復興国立公園に関してですが、指定の区域も含めて林野火災が続いているというゆゆしき事態がございます。捜査当局などの見立てでは、不審火、放火の疑いも浮上しているという大変ゆゆしき事態ですけれども、当省としても厳正に対処していただきたいと思っています。大臣の受け止めと今後の方針について、お聞かせください。
(答)私が歩いたところからは距離は離れているのですが、これまでに階上町内で20件ぐらいの不審火がある、また不審火との関連も含めて現在捜査中と聞いています。現地に行かれた方はお分かりだと思うのですが、80年来の地元の希望が叶って国立公園に編入されたということで、町を挙げて地域の方々が非常に喜んでいらっしゃっているところに、水を差す事案ですので、警察当局も含め、この原因の究明、放火であるならば、不審火であるならば、犯人の検挙に全力を尽くしていただきたいと考えています。

(問)最後にスーパークールビズに関してお尋ねしたいと思います。今年の特徴として女性に今回から呼びかけていくということなのですけれども、それは結構なことかなと思いますけれども、一方で事例とかを見てみますとややありきたりな感もなくはなくてですね。取材をしていますと、女性の方からやっていますという声も結構聞かれるんですね。莫大とは言えないですが、PR予算も使っている事業ですので、成功するにはやはり納得感のあるメッセージ性というのが不可欠かなと思います。大臣なりの御言葉で、是非女性が協力したいなと思わせるくらいの意義というか、御発言をいただいたりとか、各界、各層から御協力を得られるようなメッセージも一ついただけたらと思います。
(答)これはまさに3.11を受けてエネルギー供給が十分でない状態。また環境省ではニュークリアのパワーに変わって石炭火力を使うということはCO2の排出を抑制していかなければならない。そんな中で暑い夏をどのように快適に多くの方々に過ごしていただくのか。今、女性の方々の社会進出が本当に著しい中で、女性の皆様方の服装というのは我々殿方とまた違って、ノースリーブの服もありますし、もう既に実践されている方も大勢いると思います。そんな中でやはり社会の進出が著しい女性の皆様方が、私たちはこういう取り組みをしていますよ、環境に優しい国を作りましょう。こういうメッセージを女性サイドから発信していただければ環境省としてもこのイベントは成功したといえると思います。押しつけ型ではなくて、独自の発想に基づいて、如何にこの暑い夏、日本の高温多湿な状態を乗り切っていくか。そういうものにしていければと思っています。今日もこの後11時半から六本木ヒルズでスーパークールビズのイベントがあります。米倉涼子さんが来ますので是非どんな格好をしているのか、女優さんがどういう夏の格好をしているのか見に来ていただければ良いと思います。私もこんな暑苦しくない衣装で行こうと思っています。

(問)NHKの横井と申します。よろしくお願いいたします。今日閣議決定された新たな循環基本計画についてお尋ねします。この計画には国民一人当たりのゴミの減量化の新たな目標も盛り込まれていると思います。ゴミの減量化のためには大臣冒頭でおっしゃったとおりまだ普及が十分でないリデュース・リユースの取り組みをもう一度進めていく必要があると思いますけれども、今後こういった取り組みはどのように進めていかれたいか大臣の所感を教えて下さい。
(答)やはり最近の生活行動パターンを振り返ると使い捨てが顕著になってきているのではないか。物の値段が下がって、以前より物を大切にしない。こういうことが根底にあるのだと思うのですが、それではその使わなくなった物が再利用されていけば良い。フリースは再利用、化学繊維ですからされています。やはりいろいろなところでいろいろな製品で使える物はまた使っていくということをやっていかなければならない。例えば、リユース品の利用拡大に向けて、優良なリユース事業者をこれから育てていかなければならないと思います。町にはリサイクル店というのはかなり増えたと思います。背広は7、8年着ると形が変わりますよね。今はズボンも細くなってきているので昔みたいな太いズボンはさすがにはけない。それでリサイクル店に出しますと、何ヶ月か経つと結構お金を振り込んでくれるのです。塵も積もればじゃないですが、数万円になることもあるので、やはりそういう事業者の育成をしなければならない。あるいは、都市鉱山という話をしましたが、小型家電のリサイクル法が4月1日から施行されているので、金属資源の有効利用。これも不正輸出がありますがやはり本来自国内でその物をしっかり回収する。もちろん市町村の皆さんの協力がないと量が集まらないので、御協力をお願いしたい。また、こういう有効活用をやっているよということを発展途上にある、またこれから発展の著しいアジアの国々の方々にしっかりと示していくことも私たちの責任だと思います。環境省の予算は本当に限られていますが、1年間で5、6カ国から各国で5、6人くらいの方の研修を実施する。こんなリサイクルをやっている。こんな廃棄物処理をやっている。これを見ていただいて、自国へ戻って日本はこういうことをやっているということをその国でもやっていただく。循環型社会という言葉も最近、表に出てこないのですが、江戸時代の東京は完全にそこで循環してる町であった。私たちは過去の経験の中で一度はそういう成果を勝ち得ているわけですから、政府全体として積極的に取り組んでいかなければならない問題だと捉えています。