大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成25年5月14日(火)8:37 ~ 8:46  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。私の方から1点御報告をさせていただきたいと思います。
 2011年から2020年までは「国連生物多様性の10年」であり、「愛知目標」の達成に貢献するため、生物多様性の様々な問題に取り組むことになっているということはもう皆様方、御承知のとおりです。
 我が国でも、2011年9月に「国連生物多様性の10年日本委員会」が設立されまして、委員会が推奨する連携事業の認定や、子ども向け推薦図書の選定など、多様なセクターの連携により様々な取り組みがこれまでも進められてきたところです。
 来週の23日の木曜日ですが、経団連会長である米倉さんが委員長をしてくださっているこの委員会の第3回が開催されることとなりました。国会の状況が許せば、私も委員会に出席する予定です。
 環境省としては、愛知目標の達成に向け、委員会の活動と連携し、国民一人ひとりに生物多様性に関する理解が広がるように、このような場を使わせていただいて最大限、求めていきたいと考えています。私からは以上です

2.質疑応答

(問)幹事社の共同通信の斉藤です。地球温暖化の関係で質問します。先日ハワイの観測所で、二酸化炭素の大気中濃度が400ppmを超えたということで、科学者などから懸念が出ています。日本でも既に昨年400ppmを超えているのですけれども、改めて現在の温暖化の進行の状況について受け止めとか御認識を伺いたいのが一つと。その上で日本は温暖化対策の計画がない状態が続いておりますし、目標も中途半端な状態です。これから目標作りや計画作りは何をベースにしていくのか、どうあるべきだと考えているのかポイントを教えて下さい。
(答)このニュースは私も見ました。アメリカの海洋大気局、ハワイ島のマウナロアですか。絶海の孤島の山の上ですから比較的外部の影響がないとされる地点において、400ppmを5月に超えた。日本では今年に入って400ppmを超える日が続いている。率直に申しまして、ここまで来たかと。マウナロアにおける1990年の平均値が355ppm程度、これは20年前です。10年前の2000年が370ppm。ですから10年間で、20~25ですか。そうしますと学者の方々が、生態系が大きく崩壊する限界、地球環境が生存に適しなくなるという450ppmという数字に到達するまで、ざっくり言って、これまでの上昇速度でいくと、20年後ぐらいにはそういう事態になってしまう。そういうものに対して私たちはどう取り組んでいくのか。今御質問がありましたとおり、京都議定書の後、2013年から2020年は我が国は計画を持っていません。その一方で、COP3(で採択された京都議定書)をカナダが脱退した。カナダはマイナス6パーセントを標榜していたのですが、結果としてはオイルサンド等々の採掘等々で一時プラス30とかそういう数字になっている。これは先進国ですよね。G8の1カ国です。その中で特に、2000年以降ですね、新興国並びに途上国側は、先進国の経済発展が温暖化を結果として推進してきた、自分たちにもその権利があると、強く言っている。そんな中で、我が国による取組も非常に大切だと思います。しかし、世界全体で、CO2の濃度を下げる、温室効果ガス、二酸化炭素の排出量を下げていくということをしないと、ハワイの高い山、マウナロアで観測されたというこの事実に、解答を見いだすことができない。日本としても、しっかりとした目標を立て、この議論をリードしていく。アメリカが御存知のとおりですし、カナダもこういう事態になっていますので、日本が踏みとどまらないと、この問題の解決にはなかなか至らない。そういう印象を持っています。総理からは25%削減の目標をゼロベースで見直すと指示されている。これは当然、原子力発電所が大飯しか稼働していない、そして新安全基準が7月18日にできて、その新安全基準に適合していると思われる施設しか、再稼働の申請が出てこないという状況を見ると、どういう数値を作ることができるのか。これはまた11月という期限があることです。大変難しいとは思いますが、今お話があったような事実をしっかりと認識した上で、対処していかないと、私たちの子どもや私たちの孫に対して大変申し訳ないことを招いてしまう。こんな印象を持っているところです。

(問)西日本新聞の安部と申します。水俣病の件なのですけれども、先日の会見でも質問が出たと思うのですが、明後日で判決が一ヶ月になるのですけれども、大臣が指示された運用のあり方の具体化のめどについてですが、先日めどについては、今のところないということだったのですが、大臣としていつ頃までには、というようなところでのお考えがあるのかないのかというのが1点と、大臣が指示された運用のあり方の具体化ということなのですけれども、これが具体化された場合に、現行の認定審査では水俣病として認められていない方々で、新たに溝口さん、Fさんのように水俣病と認定される可能性が出てくるようなものになるのかどうなのか。その点についてお聞かせ下さい。
(答)後段のほうからお答えしますと、結論が出ていない以上は、どういうことが予想されるかということは、今の段階では何もお話をさせていただく要素がないということはご理解いただきたいと思います。一週間近くたちましたけれども、結論は出ていないという現状に変わりはありません。そして、運用の知見というのは役所よりも、やはり現場に多く蓄積されているのだと思います。県にある運用の知見の集積、こういうものもしっかりと話を聞いた上で、結論を出すよう努力をしていきたいと考えているところです。