大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成25年5月7日(火)9:58 ~ 10:12 於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。私はご存じのとおり、昨日、一昨日と日中韓環境大臣会合に北九州へ行き、議長を務めました。国民の皆様方に大変関心の高い越境大気汚染について、新たに三カ国による政策対話を設置するという合意をとりまとめることができました。新たな一歩がスタートできたのではないかと思います。
 24年度末時点の災害廃棄物の処理の進捗状況が連休前にとりまとまりましたので、御報告をさせていただきます。
 被災地全体では、13道県245市町村のうち約3分の2の160市町村で処理が完了しました。特に被害の大きかった3県、処理率ですが岩手県が49%、宮城県が65%、福島県が40%に達し、特に宮城県については、中間目標値59%を大幅に上回り達成しました。
 岩手県・宮城県については、仮設焼却炉、破砕・選別施設の設置がすべて完了し、県内処理を最大限進めています。また、多くの関係者の御協力により、16都府県、70件を超える広域処理が実現し、県内処理とあわせてすべての処理先の確保ができました。受入に多大な御尽力をいただいた地方公共団体、企業の方々を始め、御理解・御支援をいただいた全ての方にこの場をお借りして、心から厚く御礼を申し上げます。
 引き続き、目標期間である平成26年3月末までに、できるだけ早く処理完了を目指して、着実な推進をしていきたいと思います。
 福島県については、一部本年度内の終了が困難と見込まれていることから、国の処理の加速化に全力で取り組むとともに、夏頃を目処に全体の処理の見通しを改めて発表したいと考えています。
 詳細については、この後事務方から御説明をいたします。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)共同通信社の渡邉と申します。お疲れ様です。順を追ってまずTEMMのお話がありましたので少し関連して、お尋ねしたいのですけれども。本会合の中で中国の副大臣の適切な時期、いらっしゃらなかった事に対して、大臣のお言付けということで少しコメントがあって、また適切な時期に二人の大臣とお会いしたいと、直接意見交換したいという伝言がございましたけれども、これは何か対応方針とかありましたら。また関連してなのですけれども、同じ副大臣が中国の国内での環境の問題を少し言及しながら、PM2.5なども含めてですが、長期に渡って積み重ねた環境の矛盾が集中的に今現れているという旨の危機感の表明といった感じのものがあったのですけれども、どのように受け止めてらっしゃったてるかお願いします。
(答)1点目の話ですが、あのような席でそういう発言があったことには、私ども正直言って初めて聞いたときびっくりしました。これは中国側からの大きなメッセージとして受け止めました。ですから、このメッセージの具体性、そして実現性について、現在事務方に提示をして、先方はどういう意図、またどういうスケジュール感を持ってこういう事を言っているのかということを、調査しているところです。
 2点目ですが、共同記者会見の席だったと思います。李副大臣から、先進国が100年かけて行った経済発展を30年で行っており、そのため今中国国内の環境の現状が厳しい状況にある。この旨の発言があったと記憶をしています。大気汚染については、石炭に依存したエネルギー構造、それに自動車も増えたということも仰っていたと思います。そして急速な工業化、都市化などが原因となっているのではないでしょうか。印象に残ったのは、先日行われた全人代でのスローガンの中に生態文明、エコロジカル・シビライゼーションですか、そのことを何度も今回の会見や、TEMMの会合等で李副大臣が口にされていたことが非常に印象に残りました。そして、はっきり仰っていましたが、グリーン化をしなくて未来は開けないというような趣旨の御発言をされていたということも記憶していますし、中国の国民の方々が環境問題の重大さに今は全員気づいているというような御発言もあったと記憶しています。私としては、中国が経済発展に伴う環境問題に真剣に対応しているからこそ、あのような国際会議の席で、自国の抱える矛盾、現況について率直にお話があったのではないか。持続可能な経済発展、環境の両立に日本としてお役に立つことがあるならば、これからも協力を惜しまない。そんな印象を持ったところです。
(問)最後に、廃棄物の発表がありましたけれども、福島、やはり今後は岩手と宮城に一定の道筋がついた格好になったのかなと思うのですが、一方で福島県を今後加速化していこうというのがございますが、どういったことでそれを実現していきたいかという大臣のビジョンなどがございましたらお願いしたいと思います。
(答)一言で言うと、地元の方の協力がないと出来ない。地元の方々の協力が得られていない現状で、他の2県あるいは全てを完了した13道県の160市町村と差が出ているのだと思います。実態としてどの程度遅れているのか、またどの程度のスピードになるのかということのとりまとめを夏までにという指示はしています。
詳細は事務方から。
(事務方)大臣が申し上げたとおり、とにかく仮置き場あるいは仮設の処理施設の立地をするため、きちんと地元の理解を得ていく。そこを全力でやっていって夏頃までになんとか処理の目処を立てたいということでございます。
(答)結局、仮置き場が恒久の置き場になってしまうのではないか、という不安がやはりあるとの声が聞かれる。しかし、そうじゃないんですよ、ちゃんと中間貯蔵施設を作ります。今農家の軒先に置かれている、それだけで足りない部分もやはり各市町村に作っていただかないことにはものが進まないのです。そういうことを省をあげて説明をしているというのが現状だと思います。
夏のいつぐらいになりますか。
(事務方)なるべく早くとは思っていますが、そこはまだ今作業中ですのでとにかく全力をあげて早く見通しをつけたいと考えています。
(答)わかり次第みなさま方に提供できるようにいたします。

(問)TBSの砂沢と申します。がれきの広域処理に関連して、岩手や宮城の施設をもっと有効活用して長めに使って、たとえば広域処理をやめてそちらへ回した方がよいのではないかという声もある。地元ではここでもっとそのまま使ってくれた方がよいのではないかというような声もありますけれども、こういう声に対して何かお考えどうでしょうか。
(答)私も同じような声を聞きましたが、仕組み上は仮設という形で、建設しています。しかし、今後各自治体の首長さんたちが話し合って、こうした施設を利用しようということになれば、我々は仕組みが仮設だから撤去しますということにはならないのではないか。がれきの量があるから、焼却ができるのであって、絶対量が減ると、ダイオキシンの関係などがありますので、大きな焼却施設で少し燃やすというのは非現実的です。まさに地域の方々のこれからの取組、その前にこれから1年間くらいは仮設の施設で引き続いて、処理をしなければならないがれきがありますので、これが終わるめどが立つ前後で、たぶん地方自治体の首長さんや議会の方々がご相談をされ、またこちらにお話があるものだと認識をしています。

(問)テレビ東京岡田でございます。今ちょうど時期的に御省の中ではちょっと前に話題になった話かもしれませんが、首都圏の住宅の除染がちょうどピーク、もしくはこれからピークを迎えようとしている段階だと認識しています。さっきちょっと前に話題になったという話をしましたが、住宅の除染に関しましてはご存じの通り、高線量メニュー、低線量メニューで2つメニューを分けていて、去年秋以降、低線量の土の除去がないメニューだと、割と不十分なんだよねという市町村からの申し出がいろいろあったと思うのですが、結果大きな方針の転換がないまま、今各地で自治体による住宅の除染がピークになっているという中で確認です。低線量メニュー、特に土のメニューが含まれない低線量メニューにつきましては、これは変更するつもりがないということでよろしいのでしょうか。もう1点、福島県内の地域でもいろいろな地域があって、正直測定してもそんなに値のでないところから、家の周り中除染の基準レベルを超えているところまで千差万別の中で、結果土の除去まで自分でやらないと下がらない家は、負担を自分でなさっていると、外形的には住民が負担と責任を背負う形になってしまっているというケースも散見されるのですが、これに関して救済の余地はないのでしょうか。2点以上お願いします。
(答)ミクロの点については、コメントを差し控えますが、ともかく除染については24年、25年の2年間行って、線量がどの程度下がるのか、今ご質問がありましたような2次除染をやってくれというような声もありますけれども、影響と効果、こういうものを測って下さいという方もいます。表土を剥いだ場合の集積された土壌は線量が高くなる、これも仮置き場に置かれているというのが現状です。これも全てボトルネックになっています。中間貯蔵施設のボーリング調査もスタートしますし、これからこの27年の初頭に搬入できるように全力で、努力をしていますが、これは国会審議の中でも議論になっておりますように何万立米になるかによって、その輸送にかかる時間というものも計算すると莫大な時間になる。こういう複合的な方程式を解いていく必要があると考えています。