大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成25年4月2日(火)9:01 ~ 9:13  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 閣議に先立ち、日本経済再生本部がありました。石炭火力の問題については、これまで茂木大臣、また当省の局長と経産省の局長とで話をしている最中ですが、これに関連して私から発言をいたしました。これを御紹介いたします。
「石炭火力は、最新鋭技術でもLNGの2倍のCOを排出する。産業競争力会議でも佐藤主査がコスト、安定供給、環境の3つのEの実現が重要課題と言っておられたが、まさにそのとおりだと思う。そのような観点から、環境アセスの際のCO対策の明確化について、茂木大臣とも連携し、5月を一つの目途にできるだけ早く結論を出す。期間の短縮も図る。エネルギー・環境は日本にとって最も有望な成長分野の一つ。国内で、地域の創意工夫を活かした自立・分散型エネルギー社会を作り、そこで鍛えられた世界一の環境技術を海外展開する。そういう発想での成長戦略を環境省としても作ってまいりたい。」
この旨発言しました。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の小林と申します。今月幹事社です。よろしくお願いいたします。先程のそのアセスの関係なのですが、昨日の規制改革会議でも、BATを導入の際にあらかじめ技術基準を明確にするという話がありました。これはその申請時の基準を明確にしてくれということなのですけれど、これについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)そこでまさにせめぎ合っているところです。局長級会合で、電力会社はやろうと思えばできるが、新規に参入するようなところは、新技術と言っても、なかなか難しいものがあるとの議論があるというような話は聞いております。まだ結論は出ていなくて、その点も含めまして、5月を一つの目途に早く結論を出す。総理の方からは、前倒しできるならば前倒ししてくださいと指示をいただいています。
(問)手続期間の短縮なのですが、去年の段階で既にかなり大幅に短縮したと認識しておりますけれど、さらに短縮というのは可能なものなのでしょうか。
(事務方)去年の迅速化会議の結果から出したものより、さらに、例えば自治体などと相談をしたいと思っておりますけれども、大まかな考え方は去年示したものが基本的な線だと考えています。つまり国の審査と自治体の審査を並行で実施するというのがメインになると思います。その部分については、自治体とさらに相談したいと思います。
(答)そういうところで少しでも時間を稼ぐことができるのかできないのか。環境省だけでは決められません。アセスですので、現場があります。これもできるところは、詰められないかという話も並行して行っているところです。
 議論の中で、既に示している内容に対して、短いとか長いとか話はきていますか。
(事務方)短縮化を図っていただきたいというお話だけがきております。
(問)そもそもの考え方をお伺いしたいのですけれども。このままこの問題に関しては、COの排出というのがなし崩し的に遅れていってしまうのではないかと考えられなくはないと思うのですけれど、その辺は大臣のお考えとしてどの程度歯止めををかけなければいけないものかと、以前環境省のレゾンデートルだというふうにおっしゃってましたけれども、その考えは今も変わらないということでしょうか。
(答)日本経済再生本部でお話したことを、そのまま読ませていただきましたが、冒頭で、「石炭火力は最新型のものといえどもLNGの2倍のCOを排出する。」これを枕詞のようにいつもどんな会議でも付けています。SOxとNOxの抑制とCOの排出を混同されている方も多いので、産業競争力会議でも民間の方々から強く御要望があるのかなと思って、単身乗り込んでいったのですが、取りまとめられた産業界の方が、声をそろえて3E+Sという話をされました。そこの認識は大分、産業界の方にも伝わったのかなと思っています。そんな中で今最終的な調整をしています。これから新しいものを作るとしても、2019年くらいです。それまでまだ6年ありますので、それまでのイノベーション、技術革新の期間というものがあります。これを入れるのか入れないのかという部分も大変大きくて、今この辺の最終的な詰めをしております。せめぎ合いをしている最中です。

(問)テレビ朝日の真鍋と申します。よろしくお願いします。指定廃棄物の最終処分場に関してお話をお伺いしたいのですが。先週から市町村長会議が始まりました。宮城が皮切りだったのですが、副大臣からどのような報告を受けてらっしゃいますでしょうか。
 そして、もう1点、その場で出ました地元の声として、地域振興策、要するに受け入れるにあたって、どのようなことを国は地元にしてくれるのか、この声があったということですが、今後の他の県でもこの声は多数出てくるかと思います。
 これに対して、どのように考えているのか、どのようなご用意があるかお聞かせ下さい。
(答)先月28日に宮城県で開かれた市町村長会議では、環境省の説明した最終処分場の安全性については、市町村長の方々から一定の理解は得られましたが、じゃあ今後どうするのか、というようなお話があったと言うことも聞いています。市町村長の方々との意見交換は、宮城では2回目ですが、他のところは、これがスタートだと考えています。今後とも市町村長の方々の意見も伺いながら、またそれに対してどういう答えができるのかということも御説明しながら、早期に最終処分場が整備できるように準備していくしかないのではないか。そのような報告を井上副大臣から受けています。
(問)特に地域振興策に対する大臣としてのお考え、御用意というものはありますでしょうか。
(答)御要望については、迷惑施設ですので、真摯に受け止めていかなければならないと考えております。まだ1回目ですので、具体的に何、というところまで詰めた話をしておりません。こういうものというような話はこれから出てくると思いますので、立地をする市町村によって、御要望も、――場所が限定されてくると――、また変わってくると思いますので、具体的に何ができるのかということを検討させていただきたいと思います。

(問)NHKの間嶋です。また石炭火力の話で恐縮なんですけれど、昨日の規制改革会議の見解の中で、2番目のところでBATだけで十分ではないか、その個別事業に国が温暖化計画との整合性を求める必要はないんじゃないかというような意味も含んだかなり厳しい見解が示されていると思います。大臣今おっしゃったように、経産省と今後せめぎ合いということだと思いますけれども、3E+Sの中で環境大臣としては特にどのあたりを大切にしてとりまとめに向かっていきたいとお考えになっているかお願い致します。
(答)私共としてはさっきもちょっとお話をさせていただいたように、新規の建設が始まるまでには期間がかなりあります。5年以上あります。その間、私たちが、環境に配慮しなさい、COの排出を削減しなさい、ということを言い続けないと、イノベーション、その分野での進歩というものが多分ないんだと思います。CCSを2019年に実用化して、すぐ組み込むというにはちょっと時間が足りない。しかし、それ以外のことも含めてですが、進歩は必ずあると思います。目標を掲げればその目標に近づく努力を日本人は勤勉にやります。そういうところで、私たちは踏み込むことが大切であり、そういうことを強く要望をさせていただく。それを組み込むことができれば基準というものが上がりますので、その結果、技術開発も進む。私は文系でありますので、技術的にどんなものがこれから出てくるのかということは予見できませんけれども、思わぬ技術革新というものも可能になるかもしれません。CCSにしても結局場所ですよね。それをじゃあ閉じ込めてどこにしまうのか、といったそういう色々なテクノロジー、イノベーションというものは、これから目標を厳しくすれば間違いなく出てくるのではないか。私共は環境省ですから、3Eのうち、environmentを強く言っていますが、産業界の方々のペーパーの中で、また、産業競争力会議の中で、産業界の委員の方々が、御自身の言葉でこの3つのE、2つのE、安定供給と、廉価なものというだけではないと皆さん異口同音に言っているということが、その先に進む上で、もう一つ重要な部分ではないか、と認識をしています。