大気環境・自動車対策

第4回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会議事録

日時

平成27年6月16日(火) 17:00~18:30

場所

環境省 第2・第3会議室

出席者

(座長)町田信夫
(委員)沖山文敏、落合博明、桑野園子、佐藤敏彦、塩田正純、橘秀樹、船場ひさお、田中充、矢野隆
(環境省)三好水・大気環境局長、早水大臣官房審議官、近藤総務課長、行木大気生活環境室長補佐、松戸大気生活環境室振動騒音係長

議題

(1) 「風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会」における検討結果について(報告)

(2) 今後の進め方について

(3) その他

検討会資料一覧

検討会委員名簿

資料1 「風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会」報告書
資料2 今後の進め方について
参考資料1 風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会開催要綱(第1回検討会資料1)
参考資料2 風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会の開催目的について(第3回検討会資料2)
参考資料3 検討会及び分科会におけるこれまでの検討状況
参考資料4 諸外国における風車騒音に関するガイドライン(橘委員提供資料)

議事

【行木大気生活環境室長補佐】
 定刻となりましたので、ただいまから第4回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会を開会いたします。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、ご出席いただきまして大変ありがとうございました。
 本日の会議は公開とさせていただき、会議資料につきましても公開とさせていただきたいと思います。
 私は、本日の司会進行を務めさせていただきます環境省水・大気環境局大気生活環境室の室長補佐をしております行木と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 着席させていただきます。
 それでは、お手元に配付しております資料につきまして、ご確認させていただければと思います。
 議事次第の下に配付資料の一覧がございます。
 まず、検討会の委員名簿。
 それから、資料1といたしまして、「風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会」の報告書。
 資料2として、今後の進め方。
 参考資料1として、風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会開催要綱。
 参考資料2として、風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会の開催目的について。
 参考資料3としまして、検討会及び分科会におけるこれまでの検討状況。
 参考資料4として、諸外国における風車騒音に関するガイドラインでございます。
 もし不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
 なお、カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。
 お手元に委員名簿がございますが、本日は、新美先生がご欠席というご連絡をいただいております。また、橘先生は5分程度遅れられるということでございました。
 また、今回より、分科会主査を務めていただいております塩田先生に、検討会の委員としてご参画をいただいております。
 開催に先立ちまして、事務局が一新しておりますので、まずご紹介を申し上げたいと思います。
 環境省水・大気環境局長の三好です。
【三好水・大気環境局長】 三好でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【行木大気生活環境室長補佐】 大臣官房審議官の早水です。
【早水大臣官房審議官】 早水です。よろしくお願いします。
【行木大気生活環境室長補佐】 水・大気環境局総務課長の近藤です。
【近藤水・大気環境局総務課長】 よろしくお願いします。
【行木大気生活環境室長補佐】 水・大気環境局大気生活室の松戸です。
【松戸大気生活環境室振動騒音係長】 よろしくお願いします。
【行木大気生活環境室長補佐】 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、開催に当たりまして、水・大気環境局長の三好よりご挨拶を申し上げます。
【三好水・大気環境局長】 改めまして、水・大気環境局長の三好でございます。
 検討会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。
 まず、検討委員の先生の皆様には、大変ご多忙中にご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。また、平素からご指導をいただいておりますことに、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 私から改めて申し上げるまでもございませんけれども、この検討会は、再生可能エネルギーの普及促進の一環といたしまして、風力発電施設が増加するという状況にある一方で、発生する騒音に対する懸念とか苦情というものも検討すべき状況になっておりまして、そのような状況を踏まえまして、風力発電施設の構造や設置場所等の特性を考慮し、発生する騒音等の調査、予測及び評価を適切に行うための手法につきまして検討することを目的に、平成25年に設置されたものでございます。
 この検討会は、前回は、一昨年12月ということでございまして、そこで風力発電施設の騒音等への対策技術についての分科会を設置するということになりまして、今日も分科会主査の塩田委員にご出席いただいておりますけれども、分科会におきまして精力的な議論をいただいておりました。
 検討会といたしましては、前回から期間があいてしまったということになったわけでございますけれども、本日は、その分科会での検討結果がまとまったということでございますので、それにつきましてご報告させていただくとともに、それを踏まえた今後の進め方についてご議論いただければというふうに考えております。
 すみません、ちょっと私、のどを痛めておりまして、お聞き苦しいと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。
 また、今後の進め方ということに関しましては、風力発電施設から発生する騒音等の評価手法は、さまざまな論点もございまして、簡単なテーマではございませんけれども、事務局といたしましては、まず一旦これまでのご議論から得られた知見をお取りまとめいただくとともに、課題等も整理できればというふうに考えているところでございます。
 以上、簡単でございますけれども、私からのご挨拶とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【行木大気生活環境室長補佐】 では、この後の議事進行につきましては、町田座長にお願いをしたいと思います。
 町田座長、よろしくお願いいたします。
【町田座長】 承知いたしました。
 座長の町田でございます。座ったままで、最初の挨拶を失礼いたします。
 早速でございますが、時間も限られておりますので、議事に入らせていただきたいと思います。
 本日は、議事次第にございますように、三つの議題を上げております。どうぞ活発なご議論をお願いいたしたいと思います。
 まず最初、議題(1)ということですが、「風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会」における検討結果について(報告)ということでございます。
 分科会の主査をお務めいただきました塩田委員より、ご説明をお願いいたします。
 どうぞお願いします。
【塩田分科会主査】 風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会で主査を務めました塩田と申します。
 検討結果につきまして、ご報告申し上げます。
 この分科会は、第3回の本検討会での議論を受けまして設置されたものであります。
 平成26年2月から12月まで、計5回にわたり議論をしております。
 本分科会では、騒音の発生メカニズムや対策技術の進捗状況等について把握するため、発電事業者4社、それから製造事業者3社に対するヒアリングを実施し、ハード面、ソフト面、両方の情報を収集した上で議論をいたしました。
 その結果、現行の取組状況を踏まえ、今後、取組対策が必要な事項と調査検討が必要な事項を整理いたしました。
 また、分科会として、特に対応が必要と考える事項につきまして、委員の提言としましてまとめております。この検討会での議論の参考となれば幸いであります。
 以上、簡単でございますが、私からの報告とさせていただきまして、詳細については事務局より説明いただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
【町田座長】 塩田先生、ありがとうございました。
 それでは、事務局から、分科会の検討結果について、詳細のご説明をお願いいたします。
【松戸大気生活環境室振動騒音係長】 それでは、事務局より説明させていただきます。
 資料の1番の風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会報告書を使って説明させていただきます。
 まず、1ページ目なのですけれども、分科会の概要と分科会の調査について記入させていただきまして、概要からなのですけれども、先ほども塩田先生から説明をいただきましたが、この分科会なのですけれども、評価手法に関する検討会、風力発電施設の親検討会と呼んでいますが、そこから、風力発電施設の騒音発生メカニズム等を把握して、対策技術の進捗状況について知見を収集するために発足しました。
 分科会の中では、風力発電施設から発生する騒音について、ナセルやブレードの施設ごとの騒音発生メカニズム及び施設における騒音対策技術等の現状について情報収集と調査検討を行っております。
 2番の分科会での調査についてなのですけれども、先ほど説明いただいたとおり、風力発電施設に関する騒音対策技術等につきまして、風力発電施設の製造業者さんと、風力発電施設の設置事業者様、あと、日本風力発電協会さんからのヒアリングを実施しまして、分科会を進めておりました。
 その結果なのですけれども、現時点で実施されている騒音対策や、今後実施可能な見込みのある技術、円滑な風力発電施設の設置を促進し得る取組が明らかになりました。その一方なのですけれど、現時点ではすぐに実現することが困難な対策を、引き続き調査・検討を継続する必要があることが判明しました。
 ヒアリングで得られた知見は、現状実施されている各種の騒音対策技術や取組を技術的事項、設計・運用的事項に整理するとともに、国、地方公共団体、メーカー、発電事業者等に対する取組・対策が必要な事項と、調査・検討が必要な事項に幅広く整理しております。とりわけ、対応が求められる事項につきましては、「委員提言」として最後に取りまとめております。
 ページをめくっていただきまして、次のページからなのですけれども、以降のページはヒアリングによって得られた知見について、技術的な事項と設計・運用的な事項に整理しています。両方それぞれ現状で対策している事項と、未対策もしくは対策困難な事項に分けておりまして、ナセル減速機等、個別の項目ごとにヒアリングの詳細を記入している形になっております。
 表の先頭にはヒアリングの内容についてまとめを記しておりまして、表の最後に委員からの意見を記しております。これは、表の先頭に書いてあるまとめを主として説明させていただきます。
 1ページ目、(1)番技術的な事項としまして、①番として、機械・筐体に係る騒音低減の取組としまして、最初にまとめで、メーカー・発電事業者等のヒアリングでいただいた意見をまとめた内容なのですけれども、機械音としては"ナセル"、"増速機"、"コンバータ冷却ファン"、"固体伝搬音"の4つに、主に騒音対策が行われていることが判明しました。
 風力発電施設から発生する騒音は、一般的に空力音が支配的でありますが、メンテナンスや追加設備の取り付け、制振装置や遮音性能のある遮音ルーバーの設置等により、卓越周波数においては10dBから20dB低減した事例も紹介されました。
 メーカー及び発電事業者は、苦情発生時において、更なるメンテナンスや防音制振装置の設置を行っている場合もありますが、各部品メーカーに対策を任せているところも多かったです。また、比較的騒音低減対策技術がとられている事例や対応が難しいと判断している事例も見られました。
 今のまとめた内容は、例えば表で言いますと、表の中の増速機のところの一枠目、固体伝搬音に対する機器対策として、メンテナンス・修理による低振動化を実現した、こういう内容等をまとめております。
 ページをめくっていただきまして、4ページ目を見ていただきたいのですけれども、この事項につきましては、委員の提言として表の下に幾つかまとめてあるのですけれども、ナセルからの騒音は増速機の騒音も含まれる。また、施設設置後における追加対策は比較的安価な場合もある。また、増速機は発電施設設置の新設において適正な状況になるようにメーカー対応が必要であるという意見もございました。
 ②番としまして、空力音に係る騒音低減の取組として、メーカー・発電事業者のヒアリングをまとめた内容を、説明させていただきます。
 風力発電施設から発生する特徴的な騒音の多くがブレードから発生する空力音であることから、メーカーにおいても、ブレードに関して多くの対策がとられ、人材及び研究費が多くかけられていることか判明しました。具体的には、出力の向上につながる大型の風車ブレードの低騒音形状の開発や、予測モデル活用による改良等が行われているという話がありました。
 一方、既設の施設に関しては、デバイスの設置等による対策が検討されている事項もありますが、落雷等の環境条件や接合部の強度等の検討が必要でありまして、速やかな実現は難しい部分もあるという意見がありました。
 また、ブレードを製造するための型の製造には、多大な費用がかかりますが、各メーカーともブレード先端の形状や偏差角に伴うエネルギー損失の低減につきまして、検討が行われている例も見られました。一方で、費用対効果の面から、ブレードに関して劇的な改善を見込めなのではないかという意見もございました。
 さらに、発電事業者は要望や苦情発生時の対応を行うことはありますが、基本的には購入時に低騒音型機器の導入を検討することが中心であるとの説明もありました。
 ページをめくっていただきまして、6ページ目。
 表の下の委員意見なんですけれども、この項目につきまして、委員にいただいた意見は、空力音が長距離伝搬することで、受音点の住民にアノイアンスを与えたりしていることから、対策として、ブレード形状の改良や開発が重要であるという意見をいただきました。
 また、ブレードにつきまして、形状の改良等を整理していくと今後の状況が見えやすいのではないかという意見がありました。
 あと、翼全体のプロファイルは、腹面と背面の空気の流れ速度差等について突き詰めていく等、性能向上と併せて騒音低減も図られる可能性があるのではないかという意見をいただきました。
 次のページなんですけれども、③番といたしまして、風車制御に係る騒音低減の取組として説明させていただきます。
 風車制御に係る騒音低減は、騒音自動監視システムや特定条件下において低騒音型の運転を行うことによる対策を行っている事例が幾つかありました。特定方向から風が吹く場合や設置された騒音レベルを超過した際に施設を停止する、または回転速度を制限するシステムを活用しているとの説明もありました。また、そのデータを施設の配置計画に応用することも考えられるんですが、対策を取ると発電量の低減につながる恐れもあり、運転制御システムによる回転数変化のみの対策を積極的に図ることが難しいと判断している事業者もいらっしゃいました。
 さらに、運転制御システム導入につきまして、各社のノウハウが少ない為に、システム自体の保守管理や施設稼働停止の判断根拠のデータが少なくて、施設維持管理費が増大すると考えている発電事業者もいらっしゃいました。
 ページをめくっていただきまして、8ページ。
 表の下なんですけども、委員意見としまして、この項目につきましては、研究開発を行うにあたり、一部品毎ではなく、効率を図る上で施設を一体として開発、対応できるような仕組みづくりをサポートしていく体制の構築があると良いという意見をいただきました。また、継続的に騒音等の影響を低減するように、騒音低減及び経済性を確保した自動監視・制御システムの導入・検討が重要であるという意見をいただきました。
 次に、(2)番としまして、設計・運用的な事項について説明させていただきます。
 まず、①番としまして、設計・計画等の事前になされる騒音低減の取組としまして、メーカー・発電事業者のヒアリングの結果をまとめたものを説明させていただきます。
 設計・計画等の事前に行う取組としまして、風力発電施設における音響データや低周波音等の測定は行われていますが、特に施設と住宅間の離隔距離を取ることを基本として、施設設置を検討している発電事業者が多かったというヒアリング結果がありました。
 また、低騒音型の施設を選択していた発電事業者が多かったです。
 しかし、低騒音型の技術や能力の情報が明確ではなく、発電事業者の立場から、複数の候補から合理的に選択できる環境になっていない。また、新設設備は騒音を含めた環境影響の低減から、地点の選択肢が狭まってきている状況にあるという説明がありました。
 ページをめくっていただきまして、10ページ目をご覧ください。
 表の下から、委員意見としまして、設置にあたっては風力発電施設の特性、地域の特性等現状に応じた対応を行えるように方法を検討する必要がある、という意見がありました。また、施設選定に際して、出力や費用面だけではなく騒音低減も重要な要素であると認識し、仕様等の項目にて検討する必要があるという意見をいただきました。
 また、低周波音等の伝搬は細かな予測計算を行うことで推定すべきであるとの考え方もありますが、この計算を全てに行うのは現状では難しいということから、今後研究を進めていくことが必要であるとの意見をいただきました。
 次のページの11ページ、②番としまして、設置後になされる騒音低減の取組としまして、まとめを説明させていただきます。
 騒音は感覚公害的な問題も重要であることから、地域の暗騒音を踏まえた考え方を整理し、対応には注意していく必要がある。設置後になされる騒音低減の取組は、事後調査、定期管理の実施、データの蓄積及び監視体制の整備、異音等や苦情の発生に即座に対応が行えるように、体制の整備が行われている事例を確認しました。一部には、発電事業者及びメーカーで合同対策が行われている事例もありました。
 また、事後に施設改造等を行う場合、コストの増加や利益減少につながるために、できる限り事前の配置で対応している事例もございました。
 ページをめくっていただきまして、13ページをご覧ください。
 この項目につきまして、委員の意見としては、定期検査等による保守・点検について、一定の精度を維持させる手法があるほうが望ましいのではないかという意見をいただきました。
 次に、(3)番としまして、その他の項目ということで、①番、日本における状況から説明させていただきます。
 EU等を含めました諸外国と同程度の施設を、日本国内で販売しているメーカーもいるとのことでありました。また、風力発電施設は、個別の機器における対策技術はある程度実施されておりまして、機種別の差別化は難しいと考えているメーカーが見受けられました。また、ラベリング制度をそのまま単純に導入しても、効果を直ちに得るのは難しいのではないかという意見をいただきました。
 この項目につきまして、委員意見としまして、風力発電施設のラベリング制度の構築及び導入が実現すれば、性能評価等により施設選定時に選択の販売が広がるのではないかと考えられるという意見をいただきました。
 ページめくっていただきまして、次のページ、14ページからなんですけれども、②番としまして、制度・資金等様々な騒音低減のための取組と題しまして説明させていただきます。
 施設から発生する騒音低減化のため、様々なシミュレーションの実施や、音響パワーレベルの保証等を実施している事例がありまして、研究開発もコンスタントに実施していることが判明しました。
 しかし、騒音低減技術を第一として技術開発することは、国際競争力の確保や発電性能の向上の問題もあるために、現状では困難であるとの説明がありました。
 また、発電事業者において、担当者が複数の環境問題を担当していることから、騒音につきましてですが、専門的な事項の対応が難しく、コンサルタント会社に環境に対する対応を委託し、騒音実態の詳細を把握していない事例もありました。
 次のページへ行っていただきまして、表の下から、この項目に対しての委員意見としまして、機器等の騒音対策の一層の改善を図るため、対策費用及びメンテナンス技術の程度について、明確に整理していくと対外的な説明がしやすくなるのではないかという意見をいただきました。
 続きまして、③番なのですけれども、住民理解のための取組としまして、まとめさせていただいております。
 風力発電施設の設置にあたり、地元住民や設置地区の地方公共団体の理解を得るために、住民説明会の実施や、地元自治会との協定締結などの対策、取組が行われているとの説明がありました。
 また、住民説明会は、特に低周波音の説明が求められることから、現状で、低周波音等の認知度が未だに低く、更なる周知が必要ではないかという説明もありました。
 このため、定期的な施設見学会の開催や、イベント等において、風力発電施設に関する情報の普及啓発も合わせて実施している発電事業者もいることが確認されました。
 また、施設の設置後におきまして、運転状況や不具合の発生状況等を含めた定期的な測定結果は情報公開してはいないのですけれども、地域活動等を通じて、施設の運用につきまして地域住民との情報交換を行っている事業者さんもいらっしゃいました。
 ページをめくっていただきまして、17ページ。
 この項目につきましての委員意見としましては、表の下なのですけれども、施設設置において、発電事業者、地元自治体、住民の中で導入に対する考え方が異なっている場合もある。また、風車との距離によらず問題が発生することもあることから、事業実施に当たり、様々な対応が必要であることを発電事業者に改めて認識してもらうことも必要であるという意見をいただきました。
 住宅暴露側の測定結果を適宜説明すると共に、対策技術につきまして、既に取り組まれている技術や効果がある技術の紹介やアピールを積極的に行っていくことも、住民理解を得る上で良い手法ではないかという意見がございました。
 また、形式的な説明会ではなく、メリット、デメリットを含めた説明を行い、発電業者と住民が納得した形で事業を進める必要があるという意見をいただきました。
 ページをめくっていただきまして、18ページをお願いします。
 18ページからは、分科会での調査で得られた知見としまして、ヒアリング内容を現行の取組、取組・対策が必要な事項と、調査・検討が必要な事項に整理させていただきまして、その中でも取組・対策が必要な事項と、調査・検討が必要な事項を、さらに、技術的な事項、設計・運用的事項、その他に分けてまとめてあります。
 まず、3番の分科会の調査で得られた知見についての(1)番から説明させていただきます。
 (1)番、現行の取組につきまして、この内容で、騒音対策技術についてメーカー及び発電事業者に聞き取りしたところ、ハード面での技術開発のみではなく、苦情発生時における住民対応等、ソフト面についてもメーカー及び発電事業者が合同で取組を行っている事例がある。
 その下の項目も、ハード面とソフト面について内容をまとめてあります。
 (2)番、取組・対策が必要な事項としまして、メーカーや発電事業者からのヒアリングにより、空力音が発生しにくいブレードの開発、ハード面における対策は既に取り組まれているとの説明がありました。現状の技術的問題は、騒音低減化対策は伸び代がもう現在では少なく、さらなる改善を実施するにあたり、費用対効果から相当割高になる場合もあるという意見もありました。
 適切に施設を運営していくためには、引き続き騒音低減化技術を開発していくと共に、地方公共団体及び地域住民を含めた関係者に適切に理解してもらうために、騒音以外を含めた対策を行うことも重要と考えます。
 そのためには、風力発電施設に関する騒音の発生状況や、現在取り組んでいる騒音低減のための対策及びその効果を整理しまして、実現可能な対策に係る知見として取りまとめ、活用していくとともに、広く発信することが重要であるという意見がございました。
 また、具体的に国、地方公共団体、メーカー・発電事業者等に期待される取組としまして、以下の項目を挙げております。
 まず、①番、技術的な事項としましては、19ページに飛ぶのですけれども、風力発電施設設置の機械・筐体に係る固体伝搬音及びブレードに関する空力音等につきまして、現在、販売・活用されている対策による騒音低減効果の整理及び正確な情報発信と、1点挙げられております。
 ②番なのですけれども、設計・運用的事項としまして、風力発電施設のスペックの設定における騒音等の情報の整理や騒音低減性能確保のための保守管理対策。また、個別の設置施設におけるデータ等の収集・蓄積等、4点挙げられております。
 次に③番、その他の説明なのですけれども、制度・資金等様々な騒音低減のための取組としまして、施設設置計画段階における風力発電施設の騒音対策の推進を促進するなど、3点挙げられております。
 また、住民理解のための取組としまして、騒音のメカニズム等の正確な情報の普及啓発等による地元住民の理解促進等、3点挙げております。
 (3)番、調査・検討が必要な事項としまして、メーカーや発電事業者からのヒアリングによりまして、空力音が発生しにくいブレードの開発、ハード面における対策は既に取り組まれていることが多く、製造コストやランニングコストの面から技術開発等による更なる騒音低減化を図ることは容易ではないとの説明がありましたが、技術面、設計・運用面及び制度・資金等を含めまして、メーカー、発電事業者共に、環境意識の向上を行い、引き続き対応可能性を検討していくことが重要であると考えます。
 より一層の風力発電施設に係る騒音低減及び円滑な施設の運用を図るため、国、地方公共団体、メーカー及び発電事業者等において騒音低減に係る技術の開発や運転方法の確立に対し、引き続き検討する事項として以下のとおりまとめてあります。
 まず、①番としまして、技術的な事項として、騒音等の発生が低い機器の開発及び既存施設の導入可能性の検討等で、以下、4点挙げさせていただいております。
 次に、②番、設計・運用的事項としまして、風力発電施設における最新の騒音対策等の情報収集や、情報提供による風力発電施設の開発、販売、利用促進及び運営側における活用の促進等、6点挙げさせていただいております。
 また、③番、その他としまして、制度・資金等様々な騒音低減のための取組としまして、騒音対策を発電事業者の一層の取組を促進するように、合理的な騒音対策の検討を行う等、3点挙げさせていただいております。
 また、その下で、住民理解のための取組としまして、施設設置後に風力発電施設の周辺に住宅等が設置されることの取扱いについて検討する。
 その下の騒音低減技術の取組としまして、事業者が実施している対策技術のうち、他の施設に応用できる事例等を収集・発表できるような仕組みの検討を行うということが挙げられております。
 続きまして、21ページなのですけれども、こちらで、今回特に重要な項目を委員提言として挙げさせております。
 まず、全般の話なのですけれども、機械音や空力音対策による騒音低減化は、一定のレベルまで技術改善が行われており、現在、問題が発生している地域及び今後の施設設置計画がある地域においては、今後、ハード面での対策に加えまして、地形等の条件を踏まえました設置場所の検討の体制整備や発電事業者と住民との円滑なコミュニケーションなど、ソフト面の対策も充実させることにより、総合的な対策を行うことが重要である、という提言があります。
 その下が、メーカー及び発電事業者による、一層の風力発電施設に係る騒音低減及び円滑な施設の設置・運営を促進するため、行政側につきましても、技術の開発や運転方法の改善に関する情報の収集・発信を行うと共に、風力発電施設における適切な環境保全のための方法・方針について諸外国における取組も参考にしつつ、引き続き検討していくことが必要である。
 その下からなんですけど、ハード面につきまして、まず初めに、Swish音に係る対策につきましては他業種の類似事例も参考にしつつ、空気の流れ等も考慮し、更なる低騒音型のブレードの形状の開発を進めていくことが必要である。また、機械音等につきまして、追加対策も有効であると考えられます。
 また、空力音伝搬予測モデルにつきまして、地形や施設から発生する音の周波数、いくつかの気象条件により変化する伝搬メカニズムを的確に予測し、現場状況に即した補正を行えるよう一層の精度向上を図ることが必要であるという提言がございました。
 また、風力発電施設からの騒音に関わりまして、部品等の対策だけではなく、全体をパッケージと見なして、翼、タワー、歯車や電気機器といった多くの機器を一体的な視点から捉えた騒音低減化対策が必要と考えられます。
 また、風力発電施設の設置に当たりましては、低騒音の機器を選定することが重要であるが、騒音特性等を考慮した機器の選定が行われるよう、風力発電施設の騒音をラベリング制度導入等について取組が促進するように議論を行う必要がある。
 また、風力発電施設の設置位置の決定にあたりましては、発電出力、地形及び特に静穏を有する施設、これは病院や学校や住宅等なんですけれども、その距離の考え方の整理や音の伝わり方の検討が必要であると考えられます。
 なお、回転速度の低減により空力音が低下することが知られているので、特定の風向・風速の組み合わせに対する運用制限も有効であります。
 また、風力発電施設保守点検につきまして、騒音等の観点から一定の水準を維持するための取組が必要である。また、その際に、騒音対策につきまして、どの程度費用がかかっているか、メンテナンス技術はどの程度かについて整理し、明確に示すものと考えます。
 また、各種調査を行った上で、将来的な騒音低減技術について、最新の技術内容も踏まえた上で、実現可能な対策であるのか、引き続き幅広に検討する必要があるという提言がございました。
 その下はソフト面の対策なんですけれども、メリット、デメリットを含めた説明会を行い、住民と発電事業者が理解・合意した上で進めることが重要であるという提言がございました。
 以上の委員提言をもちまして、分科会の報告となります。
 また、添付資料としまして、この後、分科会の進め方と分科会の委員の名簿を付しております。
 以上で、分科会の報告の詳細をさせていただきます。
【町田座長】 ありがとうございました。
 今、事務局からご説明いただきましたけれども、冒頭にご説明いただきましたこの分科会でございますが、風力発電施設から発生する騒音について、ナセルやブレード等の施設ごとの騒音発生メカニズム及び施設における騒音対策技術等の現状について、現況がどこまで来ているのかと、そこら辺を重点的に情報収集・調査検討を行ったものでございます。
 それでは、ただいまご説明いただきました検討結果について、ご質問等がございましたら、どこからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。
 桑野委員、お願いいたします。
【桑野委員】 今、委員長のほうから、「現状について」というふうにおっしゃいましたので、この質問は適当じゃないかもしれませんけれども、将来の可能性として、洋上につくるという検討は、どのようにお考えなのか、もし何かありましたらお聞かせいただきたいと思います。
【町田座長】 では、事務局、お願いいたします。
【行木大気生活環境室長補佐】 先生がご指摘のとおり、洋上風力につきまして、現在、検討は進んで、かなり設置されている事例も増えてきております。
 ただ、この検討会は、実は次の議題の中で、過去の検討内容などについてご紹介をしようと思っていたところなんですけれども、現段階で、洋上風力に関連する知見は十分そろっておりませんで、今回のこの分科会の報告の中で、洋上風力にも関連するものは、必ずしも、全くないわけではないんですけれども、基本的には陸上にあるものに対して調査を行っております。
 洋上風力に関する事項につきましては、まだちょっと知見が足りないというのが現状でございます。
【桑野委員】 将来、検討されるご予定があると思ってよろしいでしょうか。
【行木大気生活環境室長補佐】 はい。洋上施設も大分増えてきておりますし、それから、浮体式のものについては、今研究が進んでいるところでございますので、状況を追いながら知見を集めていくことは、事務局としては重要な課題だと認識しております。
【桑野委員】 それから、もう一つお尋ねしたいんですけど、11ページの上のところに、何か異音等の苦情発生時に即座の対策が行えるよう、体制の整備は行われているとあるんですけど、これはどんな対策が行われているんでしょうか。
【松戸大気生活環境室振動騒音係長】 例えば、意見としていただいた内容なんですけれども、11ページの表の中の項目として、風力発電施設の監視体制というところに書いてあると思うんですけれども、例えば24時間体制で異常音の監視をしている。落雷や軸受の異常が発生、もくしは発生のおそれがある場合は、異常信号が発信されて、自動停止やメンテナンスを行っている。
 また、見た目が同じでも、音に変化が生じることがあるため、常駐監視員による音の確認も併せて行うという常時監視のようなものを行っているという説明もありました。
【町田座長】 よろしいですか。
【桑野委員】 わかりました。
【町田座長】 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 田中委員、どうぞ。
【田中委員】 何点かあります。
 21ページに、今回の委員提言ということで、分科会のある種の方向性といいますか、結論といいますか、提言がまとめられております。
 ここに関して、3点ほどお伺いしたいと思いますが、一つは、最初の全般的事項のところに、一定レベルまで技術改善が行われているという、こういう評価がされております。
 他方で、下のほうに、例えばハード面の対策では、ブレードの形状の開発を進めていくことが低騒音化には必要だと、こんなようなことも書いてございます。
 そこで、お尋ねは、まだまだ風力発電施設について、低騒音化、騒音発生の改善は技術的に可能なのか、そういう評価がされたのかどうかということです。もう既にある程度成熟してきて、一定レベルまで来ているという、そういう評価もあるやに読めますが、しかし、他方で幾つか技術的対応も必要だという評価もあるようですので、このことの意味を確認したいというのが1点です。
 2点目は、このハード面の対策の三つ目のところに、部品毎の対策だけではなくて全体をパッケージと見ていく、一体的な視点から考えた騒音対策ということです。これもある種のハード面の対策だと思いますが、ちょっと私はイメージしにくいんですが、個々の騒音だけではなくて、全体を捉えた一体的な対策というのはどんなイメージなのか、この意味を教えていただきたい、というのが二つ目です。
 それから、三つ目は、さらに下、4番目の丸に、低騒音の機器を選定することが重要であるが、そのラベリング制度等について議論を行うと、こういう話があります。そこで現状、つまり、今の日本社会で、日本の風力発電事業者が購入をしている、あるいは設置している発電所ですね、例えば、どの規模のものはどのぐらい騒音が発生する機種である、つまり、大体ですが、最小でこのぐらい、最大でこのぐらいとか、風力発電施設の騒音発生の水準といいますか、そういうものは把握されているのかどうか。
 あるいは、そういうものを把握されているデータがあるのかどうかというようなことです。以上3点、細かなことばかりで恐縮ですが、教えていただきたいと思います。
【町田座長】 今、3点ほどご質問いただきました。1点が技術的な改善・改良について。2点目がハード面、あるいは対策、パッケージについて。それから、ラベリング制度に関する点でございます。
 事務局、どうぞお願いいたします。
【行木大気生活環境室長補佐】 3点いただきました。
 まず、1点目の点でございますが、技術というのは、完璧ということは、きっとないように思っておりまして、騒音対策も、各社さん、かなりいろんなことをこれまでも努力されてこられているということは、分科会の検討の中でも明らかになってはいるわけですけれども、じゃあこれでもうほかにやることがないかというと、そういうわけではなく、分科会の1回目のときには、環境省で行っております騒音対策技術に関連する検討などについてもご報告させていただいておりましたが、環境省地球環境局の事業の中で、風車の騒音対策技術の検証を行ったことがございました。その中でもブレードの形状を変えることで、どのような低減効果があるかというようなことも取り組んでおります。それはまだ、これでという結論が出ているわけではなく、ポテンシャルはあるけれども、まだ技術的に検討していくことが必要ということも出ておりまして、一定の進展はあるけれども、終わりということではないと、そういうことだと思っております。
 それから、2点目の点でございますが、これはヒアリングの中で、いろいろな製造事業者さん、電気事業者さんのお話を聞いたわけなんですけれども、製造事業者さんの中で、一体として、この部品だけではなく、全般的な製造を担っておられる会社もあれば、個別の部品については、ほかの企業さんにつくっていただいたものをまとめるというようなことをされておられるところもありまして、そういったような場合、個々の部品を組み合わせるような場合ですと、その個々の機器に関しては、それぞれの検討がなされていて、それを組み合わせて風力発電施設とした場合にどうなのかということについて、必ずしも、とられた対策が進められているわけではないというようなことも浮かんできております。それを記載しておりました。
 それから、3点目の点でございます。
 この点ですが、以前も田中委員よりご指摘をいただいている点でございますが、現状、風車からどのぐらい音が出ているのかということにつきましては、過去、この検討会の中でも多少報告をいただいているというのがありますが、少し時間もたっておりますし、最新の情報を集める必要があろうと思っております。
 それで、議題(2)のところでご説明を詳細にさせていただければと思っておりますけれども、実際に今、風力発電施設からどれぐらいの音が出ているのかといった辺りにつきましては、データを収集して、ご報告させていただきたい。この先、この検討会の中で報告させていただくようなこととしたいと思っています。
【田中委員】 ありがとうございます。特に3点目のことです。例えば2,000kwの発電施設に対して、例えばメーカー側はこのぐらいの音を、予測といいますか、カタログ上では確保している。これは、ある距離から測定したときには、このぐらいの音が出るとしている。
 ところが、実際にその施設が稼働を始めてみると、あらかじめ予測といいますか、メーカーが記載している数値よりも大きな音が出たり、あるいは小さな音が出たり、こういうことがあろうかなと思うんですが。
 そこでお尋ねしたいのは、つまり、今、日本で実用化されている風力発電施設は、大体どのぐらいの音が出るものか。つまり発生側でです。
 そういうデータがあれば、それは目安になるわけですね。1,000kw規模のもの、500kw規模のもの、規模別に何かこう区分ができないだろうか。
 しかも、それがわかると、一番騒音の小さなものではこのぐらいの音を確保しているメーカーもあれば、一番大きなほうではこのぐらいと、そういうデータがあるかどうか。私は、この分野は、あまり距離感というか、土地勘がないのでよくわかりませんが、そういうデータがあるかどうか。
 つまり、データの所在があるかというお尋ねでもあるんですけど、いかがでしょうか。
【町田座長】 今のご質問について、事務局、お答えをお願いいたします。
【行木大気生活環境室長補佐】 実測ということですと、後ほど、議題(2)の中でも少し紹介させていただこうと思っておりましたが、平成22年から24年に、橘先生に行っていただいた戦略指定研究の中でも、風車からの実測値を集めていただいた例はございます。
 ただ、今、田中先生がお話しの点は、規模ごとに、最小・最大でどのぐらいということなのかということでございまして、そこに関しては、現段階では整理したデータというのはないので、できるだけ参考になるようなものを集めて、ここでご報告できるような形にさせていただければと思っております。
【田中委員】 実測する前のデータというのはないのでしょうか。実際に稼働する前の、つまり施設のカタログ値のようなものですね。
【行木大気生活環境室長補佐】 現状では、今、最新の状況としては、ないので、次回の検討会で、できますれば、その辺りを整理してお示しできるような形にさせていただきたいと思っております。
【町田座長】 ありがとうございました。
 それでは、橘委員、お願いいたします。
【橘委員】 今のお話は、まさにエミッションとアイミッションで、この委員会は、どちらかというと、アイミッション、暴露側をどう保全するかということがポイントだと思うんですけど、今、田中先生のお話はエミッションのほうで、これは、恐らくご存じだと思いますけれども、風車1基1基がどのくらいの音響パワーを出しているかというのを測定する規格として、IECの61400のパート11というのがございます。
 それの翻訳JISとして、JIS Cの1400のパート11があります。IECがバージョンアップされたので、去年JISもバージョンアップして、今はもう工技院のほうに行っているんじゃないかな。
 これは、要するに、あるエミッションのデータを標準的な方法でとるということで、ひとまずはパワーレベルの測定方法が決まっているわけですね。ただ、私の記憶がおぼろになったんですけど、この分科会で、メーカー、あるいは事業者の方のお話を伺っていて、本当にそれで測定しているのかどうか、はっきりしませんでした。いわんやノイズラベリングの段階には今なっていないような気がするんですね。
 それから、ある事業者さんがおっしゃっていたのは、低騒音型を入れたいんだけど、最後は値段で決まっちゃうんだよってなことをおっしゃっていた。また、メーカー側が出しているデータが、現場で実現されたかどうかのチェックの体制もあまりよくできてないんじゃないかという印象を受けました。
【町田座長】 ありがとうございました。
 どうぞ。落合委員。
【落合委員】 WGでハード的な対策からソフト的な対策まで幅広く検討されていて、いいと思うんですけども、一番優先される課題というのが、風車音の苦情の原因となるような音の発生なんですね。
 それについて、苦情の発生源が主にどんなものなのか、その対策はどうなっているのかというところは検討されたのでしょうか。
【町田座長】 事務局、よろしいですか。
【行木大気生活環境室長補佐】 どのような形で苦情が出ているかといったようなことにつきましても、ヒアリングの中では挙がってきてはおります。いろいろな事例があって、風車ができることでメリットのある方、ない方によって、その距離と苦情に関しての関連を調べた結果、あまりきれいな関連を見出すことはできないという話とか、あと、今申し上げましたとおり、風車ができることに対してのメリット、デメリットなどでも、また苦情の出方というのは変わってくるというようなお話ですとか、そういったものはいろいろとヒアリングの中で出てきております。
【落合委員】 実際に私が聞いた範囲では、ナセルから出ている純音成分が嫌な感じがするとか、あるいは、戦略研究ではSwish音の苦情が多いとか、そういう話が出ていたと思うんですけども、そこら辺についても十分検討されたということですね。
【行木大気生活環境室長補佐】 そのとおりでございまして、Swish音という音は、やはり特徴的なので、それに関連したアノイアンスが挙がっているということ、場合によってはノイジネスのほうにも影響しているのではないかというようなことも挙がっておりました。
【町田座長】 それでは、沖山委員、どうぞ。
【沖山委員】 前の審議会の中でも、有意音となるSwish音が問題になったのですが、これは確実に低減技術が進んでいるということでよろしいんでしょうか、どうなんでしょうか。
【町田座長】 低減技術についてですが、何かコメントはございますか。
 それでは、塩田委員のほうからお願いいたします。
【塩田分科会主査】 私のほうから、主査をしたもので。
 今の問題は、技術開発が非常に重要なので、国内でも、Swish音を低減するための現場実験等とか、いろいろと実施しております。
 海外でも、そういうことをやり始めているというようなことも聞いておりますので、今後、ブレードの形状とか、それによって、Swish音がゼロになるということはないと思いますが、その形状によって、音圧が非常に低くなっていくだろうということになれば、今まで言われていた苦情のようなものが減っていくのではないかなと思いますし、また、国内の実験的な検討等から、海外の情報とかを照らし合わせると、期待可能かなというふうには思っております。
【町田座長】 よろしいですか。
【沖山委員】 わかりました。
 私は、コンサルに身を置いておりますが、低騒音のものを選ぶという提言を、事業者さんにはお話ししているんですが、そのデータが幾つかある中で、本当にこれは、パワーレベルなんだろうかと思われるものもあり、どこではかったんだかよくわからないデータがいっぱい出てくるんですが、何かそういうことの議論はありましたでしょうか。
 機種を選定するのにコンサルの立場から、こういう機種を選んだらいいんではないでしょうかという助言をするのに、よくわからないデータが多いような気がするんですが。その辺はどうなんだろうかなという思いをちょっとお話しさせていただきました。
【町田座長】 今のご質問について、ご意見ございますか。
 塩田委員、お願いします。
【塩田分科会主査】 まさしくそうだと思います。というのは、今まで風力発電の方々は、その音響パワーレベルとか言ってきたので、今まで私たちが思っている音響パワーレベルの定義と違います。
 IECのものを見ていると、やっぱり「見かけ」って実は書いてあります。見かけの音響パワーレベルと。実際の音響パワーレベルではないので、それで、各メーカーごとに、それぞれの値が出てくるというような状況になっているのではないかなというふうに思いますが。
【町田座長】 橘委員、お願いします。
【橘委員】 あれはアパレントと書いてありますけれども、点音源とみなして計算した音響パワーレベルという意味です。
 本当のパワーレベルを計ろうとすると、風車の周りにぐるっと測定点を置いて測定する必要がありますが、そんなことはできませんから、そういう一定の約束でやろうということで、本当のパワーレベルじゃないという言い方は正しいかもしれないけど、それしかないのですね。
【塩田分科会主査】 それで「見かけ」という。
【橘委員】 見かけ。普通のものでも、本当の真値というのはわからないので、よくアパレントという言葉をつけるんですけどね。
 それはともかく、意見を言っていいですか。
【町田座長】 はい。
【橘委員】 Swish音は、乱流中でああいうものをぶん回す以上、これをなくすことはできないと思います。ただ、環境省の研究費による研究だったと思いますけど、ブレードの先端にぎざぎざをつけたり、少し荒らしたりすると2dB、3dB程度減らすことができる。
 3dB下がれば大成功だと思うんですけどね。それにしても、5dB、10dB下がるものではないわけです。外国でもいろいろやっているけれども、そんなに画期的に下がるものはない。
 それに対して、純音成分、これは聞こえるとものすごく気になります。Swish音のほうは、必ず風車騒音にはあると考えるべきですが、純音成分は出ない機種もある。もちろん、お金にも絡んでくるでしょうが。
 ウーンというような純音成分というのは、場合によってはなくせるわけです。そういうふうにこれらの音の違いを考えて、アイミッションのほうの保全目標を考えていったほうがいいと思います。
【町田座長】 ありがとうございました。
 どうぞ、船場委員。
【船場委員】 私も、分科会の委員だったものですから、ちょっと一言だけ、補足のような形で。
 印象のような話になってしまうんですが、たくさんのメーカーさんとか事業者さんのお話を聞かせていただいて受けた印象というのが、とにかく各社さんばらばらなんですね。本当にそれぞれでして、とても細かくいろいろ努力されて、研究開発されているところもあれば、メーカーさんの規模からいったら、もっとやればできるんじゃないかなと、正直言ったら、思うようなところもあったりとか、そういう意味で、最初に田中先生がおっしゃった、まだ余力はあるのか、伸び代はあるのかという話になるかと思うんですが、いいところを全てきちんとピックアップできていけば、まだまだ低騒音化ができる可能性というのは残されていると思うんですけれども、それが一つの風力発電施設という形で取りまとめられるときに、なかなかまだうまくいっていないというのが一つの状況かなというふうに印象を持ちました。
 だから、とにかく、各社のレベルがどうのというか、何しろやっていることがそれぞれなので、対策についても、本当に各社さんでやっているという感じでした。
 私が感じたのは、さっき、必ずしも低騒音化というところで選択されていないというお話があったりとかして、騒音に関する研究をやろうとしている担当の方が、必ずしも会社の中で優遇されていないというか、どんどんその研究を進めなさいという感じでバックアップされていないような状況がすごく感じられたんです。
 なので、ある研究者さんというか、ご説明に来てくださった方は、説明の機会をいただいてありがたいという感じで、本当にうれしそうにお話ししてくれた方がいたのが非常に印象的だったので、そういう意味では、本当にまだまだ余力、伸び代はある。
 そのような伸び代の部分がいっぱい出てくるような、いろんな意味での体制づくり、応援してあげるような仕組みというのもあっていいんじゃないかというお話も、分科会の中では出ていたと思うんです。
 こういう報告書にまとめると、なかなかそういったニュアンスの部分が伝わりにくいかなと思いましたので、ちょっと補足させていただきました。
【町田座長】 ありがとうございました。
 なかなか議論が尽きないのでございますが、時刻的なこともございますので、ひとまずここで、この最初の議題については止めさせていただきまして、次の議題に移りたいと思います。
 議題(2)今後の進め方についてということで、事務局からご説明をお願いいたします。
【行木大気生活環境室長補佐】 それでは、議題(2)につきましてご説明させていただきます。
 前回の検討会から少し時間があいておりますので、経緯から少し振り返りたいと思います。
 参考資料1をご覧いただければと思います。
 参考資料1は、第1回目の検討会でお配りいたしております、この検討会の開催要綱でございます。
 この検討会のそもそもの目的でございますが、風車から発生する騒音等による生活環境への影響を未然に防止するため、設置に当たっては、音源特性や計画地周辺の状況を十分に調査し、環境に及ぼす影響を事前に予測し、その影響をできる限り回避・低減するための適切な評価の実施が求められている。
 それを背景といたしまして、風車の構造や設置場所等の特性を考慮し、発生する騒音等の調査、予測及び評価を適切に行うための手法について検討するため、設置するということが目的となっております。
 また、その検討の内容といたしましては、風車から発生する騒音等の調査、予測、評価の手法の検討。それから、その設置を計画する際に実施すべき騒音等の調査、予測及び評価の手法について検討するとされておりました。
 その後、検討会の議論の中で、もう少し開催の目的について整理をというご指摘もありまして、次に、参考資料2をご覧いただきたいと思います。
 この資料は、第3回検討会の資料としてご用意させていただいたものです。
 最初の二つのパラグラフにつきましては要綱と同じなんですが、三つ目のパラグラフです。この検討会においては、一般的な風力発電施設からの騒音の測定手法等について、幅広く検討を実施している。
 一例としましては、風力発電施設から発生する騒音等の測定を行う際の風雑音の影響を低減するための手法、予測式を使用する際の留意事項の整理、それから評価を行う際の残留騒音の取扱い方や対策手法の検討などを行うものであると、そのように整理させていただいております。
 参考資料3をご覧いただければと思います。
 これは、検討会、それから分科会のこれまでの検討状況を整理したものでございます。
 こちらの検討会につきましては、平成25年5月の第1回検討会におきまして、その時点での風車に関連する騒音等の評価手法に関する研究・調査結果の現状について、報告させていただき、それから評価手法などについてご議論をいただきました。
 それから、第2回目には、風力発電事業者、それから地方公共団体からのヒアリングを実施し、第3回には、ヒアリングにより得られた意見、それから、今後の方針についてお示しし、議論をいただきまして、分科会を設置するに至ったわけです。
 分科会につきましては、今ほど、議題(1)でご説明があったとおり、騒音対策技術についてご議論をいただいておりました。
 それでは、資料2をご覧いただければと思います。
 今後の進め方の案といたしまして、非常に粗いものではございますけれども、事務局の案を提示させていただきました。
 先ほど述べましたとおり、平成25年度以降、2年をかけて、検討会、分科会でさまざまなことをご議論いただいておりました。
 事務局といたしましては、いろいろとわかってきたこと、それから課題として浮かんできたこともございますので、年内に、この後2回ほど検討会を開催して、ここまでの議論を一旦取りまとめてはどうかと思っております。
 年内の次の検討会、第5回の検討会といたしましては、これまでの議論の中で、先ほど田中委員のご指摘もあったところなんですけれども、風力発電施設から実際どの程度騒音が発生するのかというご指摘がありましたので、その点についてのデータを整理して、お示しするようなことをしたいと思っております。
 また、一旦議論をおまとめいただくに当たり、そのまとめの骨子案をお示しして、ご議論いただきたいと思っております。
 年内2回目、通算第6回の検討会では、取りまとめの、いわば報告書の案をお示しして、ご議論をいただきたいと思っております。
 無論、これで検討会の議論を終了するということではありませんで、いわば中間報告書といたしまして、一旦議論を取りまとめいただいて、明らかとなっている点、それから課題などを整理して、公表をさせていただき、その上で、引き続き検討を進めさせていただければと思っております。
 発電施設からの騒音等につきまして、さまざまな論点がありますが、この検討会の中では、参考資料2に一例としてありましたとおり、風力発電施設から発生する騒音等の測定を行う際の風雑音の影響低減手法ですとか、予測式使用の際の留意事項など、測定手法等に関して幅広く議論をいただいてきておりました。
 資料2の裏側をご覧いただければと思います。
 これまで検討された事項としておりますが、この検討会、分科会で議論いただいたこと、それから、この検討会に報告をさせていただいた環境研究総合推進費を用いた戦略指定研究ですとか、平成24年度の環境省の影響調査の結果、それによる知見なども踏まえまして、ここまで検討をされた事項のうち主要なものを整理すると、カテゴリーとしてはこのようになるのではないかと、事務局として考えたものをお示しいたしました。
 まず(1)ですが、風車騒音の感じ方等によるこれまでの研究では、先ほども触れましたが、環境研究総合推進費を用いました戦略指定研究といたしまして、風力発電等による低周波音の人ヘの影響評価に関する研究を、橘先生を中心に、平成22年から24年度に行っていただいたものがございました。
 この研究では3本の柱がありまして、まず、風車騒音の実測、それから、次に、近隣住民を対象とした社会反応調査。それから、三つ目として、人間の低周波音に関する感覚の実験室での調査を柱に行われた研究でした。
 それから、平成24年度の環境省の影響調査の中では、その時点での最新の研究などを対象といたしまして、風力発電施設等における騒音、低周波音の発生、それから伝搬状況のメカニズムに関する研究や健康影響に関する研究を収集して、整理しておりました。
 今ご紹介しました二つは平成24年度までのものでして、今年も2年に一度開催されています風車騒音に関する国際学会が開催されたところでもありますし、その後、現時点まで研究も進んでいるとは思いますが、大まかに申しますと、これまでの研究としては、一つの整理として、発生源側に関連する研究、騒音等の実測、発生メカニズム、調査・予測手法等といったものと、あと、それから受音側に関連する研究といたしまして、人の聴覚に関するものですとか、社会反応調査とか、健康影響などに、二つに分けるということができるかなと思い、このように書いております。
 続きまして、(2)風車騒音の感じ方等に関する特徴です。
 ここまでもSwish音の話などが出ておりますけれども、橘先生の戦略指定研究の中で触れられておりますが、日本は、風力発電施設の適地となる場所が一部に集中しております。その結果、従来、あまり人口密度も高くなくて、静穏なところが多いというような特徴もございます。
 それから、風車から発生する音の特徴といたしまして、Swish音、振幅変調音と呼ばれる特徴が、特定の音があるというのは、本日も議論があったところですが、それがほかの音よりも耳につきやすいという点がございます。そういった点、風車騒音に対する対策を考える上で非常に重要な点になると思いまして、2番にこのように書いております。
 それから、(3)、(4)は、調査、予測、評価の手法についてでして、(3)は設置前に行うべきもの、(4)は設置後に行うべきものとして分けてはどうかと思いました。
 この手法に関連する事項につきましては、例えば第1回検討会で報告した平成24年の調査結果などもありますし、これまでの検討会で議論があったところです。
 ここでは、調査、予測、評価を行うに当たって捉えるべき地点ですとか、地域、それから調査の期間、調査を行うに当たり必要な手法ですとか、風雑音の影響を低減するための手法、それから評価を行う際の残留騒音をどう扱うかといったような点を含めた留意事項。それから、予測手法としては、NEDO方式、ISO方式などがありますけれども、それぞれの留意点を含めて、特徴などの整理をするということを念頭に置いて記載いたしました。
 それから、(5)番のところ、これは騒音低減化のための対策でして、今ほど議題(1)でご報告いただきました分科会において議論いただいた事項で、対策技術的な事項、設計・運用的なもの、コミュニケーションや研究等といったような事項があるかと思います。
 それから、(6)番は、風車の騒音に関連しまして、今すぐに結論は出ないけれども、引き続き検討が必要な事項は今後の課題として整理をし、必要なデータ等を集めて、検討していくことが重要かと思いまして、ここに記載いたしました。
 これまでの議論の中で、いろいろと課題もいただいてきておりますので、このような形で記させていただきました。
 以上、繰り返しですけれども、資料2の裏側、「参考」としましたものは、これまで検討会、分科会において、報告、議論された事項から主なものをあらあら整理すると、カテゴリーとして、このようなリストになるのではないかと事務局において考えたものをお示しさせていただきました。
 議題(2)につきまして、事務局からの説明は以上でございます。
【町田座長】 ありがとうございました。
 検討会及び分科会におけるこれまでの検討状況を踏まえまして、今後の進め方についてご提案をいただきました。
 それでは、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。
 矢野委員、どうぞ。
【矢野委員】 今までの議論を踏まえて、私の私見ですけども、ちょっと述べさせていただきますと、人間側の影響については、戦略指定研究のほうで相当精緻に、データ数もかなりありますから、世界的にも誇れるような研究成果が得られると思います。あと、幾らデータ数を増やしても、あまり変わらないと思いますので、影響のほうに関しては、大体、これから10年かそこらぐらいはそれで行けるんじゃないかなというふうに思っています。
 ただ、今度は、環境アセスメントとかを考えると、物理量が、どれだけ住民のほうに暴露されるのか。そこを押さえないことには、なかなかアセスメントはうまくいかないんじゃないか。
 そういうことのお話を伺っていると、音源側の特性ですよね、それが、どうもちゃんと測定というか、評価されてないというふうなことでありましたので、まず音源側の特性をちゃんと、ISOだとか、JISの--IECですか、ちゃんとした規格にのっとったデータを示してもらうように啓蒙すること、啓発することが重要である。
 それがそろいましたら、今度は、予測方法の開発をやはり急がないといけないんじゃないかなと常々思っています。
 いろいろと予測方法はあるんですけれども、日本の場合には、地形だとか植生だとかが非常に複雑ですので、伝搬特性とか、その辺りが非常に煩雑になってきますので、予測方法の開発というのは、これから非常に重要なテーマになるのではないかと思います。
 影響側のほうがありますから、それに基づいて、基準値か目標値かわかりませんけれども、それを設定することは可能であると思います。
 近いうちには、WHOでも、各国の風車騒音の調査データを集めて、報告が出ると思いますので、そういったものを参考にされるといいかなと思います。
 以上、私の個人的な意見ですけれども、述べさせていただきました。
【町田座長】 ありがとうございました。
 事務局、よろしいですか。
 よろしければ、佐藤先生、お願いします。
【佐藤委員】 今、矢野委員から、今までの研究の成果で、暴露量と健康影響との関係については、風車の場合ですか、かなり詳細なデータが集まっているということで、暴露量、アイミッションの評価ができれば、リスク評価がそこから自動的に導かれるような印象を受けましたけれども、私というか、世間の認識としては、その辺のアイミッションと健康影響との関連というのが十分に周知されていない。よって、不安が生じているというふうに思っているのですが、その辺についてはいかがなんでしょうか。
 その関係性について、そのデータについては十分な周知方法等はされているんでしょうか。
【町田座長】 事務局、お願いします。
【行木大気生活環境室長補佐】 ご指摘のとおり、アイミッション、つまり健康影響に関連する情報について周知を図っていくことも非常に重要なことと考えておりまして、私どもも、これまで低周波音ですとか、それに関連するものについて、ガイドブックなどをつくって公表するということをこれまでもやってきておりますが、まだまだ十分でない点もあろうかと思っておりますので、引き続き、その辺りもしっかりやっていきたいと思っております。
 それから、一つ関連すると思いますのでお話をさせていただくと、環境省の研究総合推進費を使いました戦略指定研究といたしまして、平成25年から27年にかけまして、現在、久留米大学の石竹先生を中心に、「風力発電等による低周波音・騒音の長期健康影響に関する疫学研究」を進めていただいているところです。そのような研究の結果も踏まえて、きちんと周知についても頑張っていきたいと思っております。
【佐藤委員】 もう一つよろしいですか。
【町田座長】 はい。どうぞ、佐藤先生。
【佐藤委員】 私は健康影響のほうが専門なもので、もう一つ、意見を述べさせていただきますけれども。
 やはり、従来の疫学的研究というのが各国でも行われておりますけれども、多くの方が懸念されているような風車から発生する音と健康影響については、先ほどもご発言がありましたけれども、低周波音についての懸念が大きいわけですが、低周波音の健康影響については、これまでの疫学研究では、ポジティブ、即ち、何らかの関係が見出されるというのはなかなか少ないわけでございます。というのは、低周波音の健康影響は従来の疫学研究の方法論では検出しにくいものを対象としているため、これまでやられた疫学研究から、ネガティブという関係性を十分に証明できないのではないかという懸念がありますものですから、やはりその辺を今までとは異なる手法で、より安全だと、健康影響についてはこのレベルだったら問題ないということをきちっと伝えていかなければいけないと思います。
 つまり、科学者が、これは安全だと言っても、受け取る側が安心を得られなければ、そこには必ず何らかの不安が生じ、そしてその不安が健康障害を生じるということがございますので、我々はただ安全だと結論のみを伝えるのではなくて、住民に安心を与えるような方法というのも考えていかなきゃいけないなとは思っております。そのためには、やはりリスクコミュニケーションが大事だということでございます。
【町田座長】 ありがとうございました。ご意見として承ってよろしいですね。
 それでは田中委員、どうぞ。
【田中委員】 ありがとうございます。
 資料2の裏側が、今回の検討会のある種の骨子になるかなということで、ご提示があったかなと思いますが、あくまでこれまで検討された事項ということですので、いいかと思いますが、気になるのは、一つは、今日ご報告があった分科会のまとめです。
 騒音対策技術に関する分科会の、言うならば、結果をうまく生かしたらどうだろうか、という点です。
 大きくは、この(5)の中に入るかもしれませんが、対策技術の現状とか、実際の課題、改善に向けた課題とか、いろいろあるかと思いますので、そこはぜひ盛り込んで、せっかく1年かけてヒアリング等をやったので、これは盛り込む必要があるかなと思いました。これが1点目です。
 それから、2点目は、先ほど矢野委員からも出ましたし、私も同じ問題関心なんですが、音源側というか、発生する施設そのものの問題もある。例えば、メーカーによって、測定の方法だとか、どういう音が出るかという把握方法もばらばらであったり、あるいは認識もかなり違っていたりする。だから、本来は、こういう公害問題といいますか、ある種の発生源に起因する環境問題は、まず発生源対策をきっちりするし、発生源施設そのものが一定の水準を確保していく、そういうことがこの種の対策の基本にあるのがよろしかろうと思うんです。
 とすれば、そこのところをそろえていく、標準化していくとか、騒音測定の標準化、施設そのものの、例えば出荷段階、あるいはカタログ値として張り込むとき、表示するときの標準的測定方法とか、そういうものをしっかりとしていくことが大事で、そういう、ある種のベースをそろえるということについて、言及できるといいなというふうに思いました。
 これが、(3)の設置前段階における調査・予測及び評価の手法に入るのか、あるいは、これとは別項目で、そういう項目を立てたほうがいいのか、というふうに思います。
 それから、3点目は、長くなって恐縮ですが、(5)のウ.のコミュニケーションというような話がありました。これを技術、対策、低減化のための対策のソフトな面だと思いますので、これはこれで、やむを得ない騒音はいろいろあるし、人によってうるささの感じ方も違う。確かに感じ方によっては、場合によっては騒音と思わない、あるいは納得することもあり得るということで、直接騒音の低減ではないけれども、騒音問題の解決につながる方策だなというふうに思います。こういう項目のくくりがいいのか、つまり騒音低減化のための対策というくくりがいいのか、もうちょっと外側に出したほうがいいのか、という点は要検討かと思います。
 以上、何点か申し上げました。
【町田座長】 事務局、何かございますか
【行木大気生活環境室長補佐】 ご指摘を踏まえて、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【町田座長】 それでは橘委員、どうぞ。
【橘委員】 今の参考のところで、盛りだくさんなんですけれども、この中で、一番大事なのは、評価の手法、具体的に言えば、風車騒音をどのような騒音インジケーターで表すか、これを決めておかないと、事前調査もできない、予測計算もできない、事後調査もできない。
 この後の議題にも関係するかもしれませんけれども、これをまず決めておかないと議論が先へ進まないんじゃないか。これをあと--今日が第4回、あと何回あるんですか。
【町田座長】 2回です。
【橘委員】 あと2回。とても無理だと思います。だから、どの辺でお茶を濁すつもりか、と関係者にいつも嫌みを言っているんですけど。
 本当に我々が協力する上で、どの辺まで、いつごろまでに明らかにするのかをはっきりしていただかないと困ります。むなしいことになるんじゃないかと心配です。ネガティブなことを言いましたけれども。
【町田座長】 何か、ございますか。
 事務局、お願いします。
【行木大気生活環境室長補佐】 お茶を濁すことなく、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
 先ほども説明の中で触れたつもりで、わかりにくかったかもしれませんが、この2回で検討を終えるという意図でこの資料を用意したわけではなくて、あくまでも一旦、ここまでわかったこと、それからここまで課題となっているということが浮かび上がったことを整理をして、進めていきたい。
 先生もご指摘のとおり、いろいろ難しい課題もたくさんございまして、全てを片づけようと思いましたら、おっしゃるとおり、とても年内に2回では無理だと思います。そうして時間がたっていってしまうというのもよろしくないと思っておりますので、まず、中間的に、これまでの議論を一旦まとめさせていただいて、先生ご指摘のインジケーターなどにつきましても、含めて、しっかり議論をいただいて、関連する事項といたしまして、今日も参考資料4でお読みいただいておりますが、諸外国の状況のお話ですとか、今回、分科会で明らかになった技術の最新の状況とか、いろいろ明らかになってきたこともございますし、騒音の扱いといったような、現段階で非常に重要ですし、インジケーターを考える上で大事ですけれども、まだデータの収集が必要といったような点もいろいろあろうかと思います。
 この評価手法等について、さらに議論を進めていただいて、一度、年内2回ぐらいの中で、明らかになった点は明らかになった点として、課題とすべき点は課題として、一旦取りまとめさせていただき、引き続きご議論いただくようなこととさせていただければと思っております。
【町田座長】 ありがとうございました。
 どうぞ。塩田委員。
【塩田分科会主査】 今までの議論を踏まえて、私が不安に思っているのは予測手法です。予測手法は、いろいろなところで、いろいろと提案が、実はなされていますけど、実際に、計測値が、その計算したとおりになっているのかどうかの、比較データを実は見たことがありません。予測式を利用して、「こうなりました。」と言っているけど。それで、本検討会で、この予測手法を中に入れる必要はありますか。これ、予測手法がないと評価できませんか。わざわざこの検討会で予測計算する必要ありますか。
【町田座長】 どうぞ、事務局。
【行木大気生活環境室長補佐】 この検討会の中で予測手法を使って計算してというところは、現段階で考えていないんですが、これまでの開催目的を検討いただきたい事項の範囲の中で、設置前の調査、予測手法、評価手法などについてもお考えいただきたいと思っております。
 矢野先生からも先ほどご指摘がありましたが、現在、予測手法を、いろいろ使われているものがあるんですけれども、一方で、日本は、地形ですとか植生などがちょっと欧米とは違うような状況もあって、今使われてもので果たしていいのかという議論は、とても重要な課題だと思っておりまして、今この段階で、それを評価する重要なデータは、残念ながらないんですが、私どもとして、その辺りもしっかりこの後検討していかなきゃいけない事項だと思っております。
 一方で、この検討会の中で手法をどうするかということなんですが、どこまで明らかになっていて、どこが課題なのかという点を、ぜひここで、この先ご議論いただければと思っておりますが、いろいろと難しい点はある。だけど、ここがわかっている点がもしあれば、それを含めさせていただくようなことができれば一定の参考になるのではないかと。
【塩田分科会主査】 実はそれを心配しております。
 というのは、もしかしたら、この予測手法を紹介することになると思いますが、利用する可能性が高いと思います。結局、報告書を環境省で出せば。というのは、前の低周波音の手引書と同じように、「環境アセスメントには使わないで」と言っても利用するわけですから。一生懸命、収集して環境アセスメント学会で紹介しました。公的な機関で紹介しただけのつもりだけども、利用する人は利用するということになると思います。
 そうすると、基本的に、予測計算後にしっかりと現場で計測を行う。例えば、発生源の近傍でも計測を行い、受音側でも計測を行うような、そういう義務づけみたいなものをしっかりしておかないと、結局は、そういうようなものが使われて、最終的に数値だけがひとり歩きするのではないかなと、そういう心配があって、この検討会では、紹介することもないのではないかなというふうに思いました。「参考」というところに入れても利用するのではないかなというような感じもするのですが、いかがですか。
【町田座長】 いろいろと懸念される事項をご紹介いただいていますけど、何かございますか。
 どうぞ、お願いします。
【早水大臣官房審議官】 今後、取りまとめる方向について、いろいろとご意見をいただいておりますが、環境省の中でも、今後どうしていくかという議論をいたしました。この検討会自身も、かなり長い期間、検討をいただいておりますし、また、関連する研究も過去に行われているものもあります。
 先ほど、佐藤委員からもお話がありましたが、要するに、一方で、知見はあるんだけれどもあまり周知されていない部分があり、あるいは、いろいろと知見はあるんだけども、実はこういう問題があるとか、そういう問題点が整理されていないとか、いろんな情報が偏っている状況にあるのではないかと思います。そういう状況にあるのであれば、これまで研究いただいていた、あるいは検討会で議論をいただいていたもの、あるいは分科会でヒアリングした結果などを、とにかく1回まとめて、限界があるところについてはきちっと限界を書いて示してはどうか。例えば、こういう方法があるけれども、これは使えないとか、こういう点を気をつけなきゃいけないとか、そういう留意点を出す。あるいは、ここについては、こんないろいろな知見があるけれども、これはこんなところだと。これはまだこういう課題があるということで、どこかで1回まとめた上で、問題点なり課題は整理する。
 ただ、それは、1回、世の中に出すということで、もし、またさらに、それに対してご意見があれば、それに対するものを、また、その後で検討するというような形で、1回とにかく外に出せるもので整理したほうがいいんじゃないかというのが、事務局側の見解でございます。そういうことで、今回、提案させていただいております。
 ですから、今後は、その中身を議論いただく中で、報告書の中身ですね、それをどこまでどういうふうに書くかということについては、まさしくご意見をいただければと思います。そういう意味で、一応一旦整理をして、まとめて外に示さないと、我々行政としてもよくないんじゃないか、ということで考えたということでございます。
【塩田分科会主査】 わかりました。
【町田座長】 どうぞ。
【桑野委員】 先ほど、落合委員からも、苦情の原因についてのご質問がございましたけれども、私も、橘先生を中心とする戦略指定研究に参加させていただきまして、風車に対して、うるさいと言っている中には、音だけではなくて、風車が見えることによる影響があるということもわかりましたので、そういった点も今後検討していく課題かなと思っております。
 それを予測するということはちょっと難しいかと思いますけれども、いつになるのか知りませんけど、基準値とかを決めるときには、そういった問題も考えていかないといけないのかなと感じております。
【町田座長】 ありがとうございました。
 実は、予定の時刻を回りましたけど、若干延ばしてもよろしいですか。
【行木大気生活環境室長補佐】 はい。
【町田座長】 どの程度でしょうか。大体決めたほうがよろしいかなと思うんですが。
【三好水・大気環境局長】 じゃあ先生方のほうで。
【町田座長】 よろしいですか。
【三好水・大気環境局長】 ご予定もあることで。
【町田座長】 そうですか。
 それでは、今いろいろとご意見をいただいておりますので、今後の検討事項につきましては、事務局で整理いただきまして、その結果を検討会にご報告いただければと思います。
 それでは、その他の議題に行きたいと思いますが、何かありますか。
【行木大気生活環境室長補佐】 事務局といたしましては、次回の日程について、後日、先生方とお諮りをしたいという点なんですが、申し訳ありません、参考資料4として、橘委員に資料をご用意いただいていました。
【町田座長】 先ほど、佐藤委員のほうからも、健康影響のレベルというものは、ある程度きちんと検討したほうがいいだろうと、そういうお話もございました。今日、参考資料といたしまして、橘委員のほうから、お手元にございます「諸外国における風車騒音に関するガイドライン」という、ペーパーをいただいております。
 橘委員、ご説明をお願いできればと思います。
【橘委員】 まず、健康影響についてですが、諸外国でも健康影響について決めたものは何もございません。
 健康影響については、もう去年になりますか、ヘルスカナダ、カナダの厚生省ですか、あそこから大規模な調査の結果が出ていまして、結論を煎じ詰めて言えば、「風車騒音が直接的健康影響の原因となるというエビデンスはないが、アノイアンスの原因とはなり得る。」ということで、これは今までもいろいろ言われていたことをコンファームしたような結論です。
 今日配っていただいているのは、環境省から依頼を受けたわけじゃなくて、日本音響学会の編集委員会から依頼を受けて、解説としてまとめたもので、今年の4月号に掲載されています。題名はひとまず「諸外国における風車騒音に関するガイドライン」としてありますけど、「ガイドライン」という言葉が非常に難しくて、日本でいえば、環境基準的なものか、騒音規制法的なものか、ガイドラインなのか、単なる目標、指針なのか、これは国によって随分違うようです。だから、その辺はまとめ切れていません。時間もございませんので簡単に。日本でも風車騒音が環境アセスメント法の対象に含まれて、もう本当は動いていなければいけないのですが、そういう状況にあるので、何か決めなくちゃいけない。そのためには、外国の規定も横目に見ながらやらなきゃいけないんじゃないかというので、まとめてみたということです。
 2ページ目に、表がございますけれども、これは風車騒音先進国と言ってもいいかと思いますけど、北欧、ヨーロッパ、ニュージーランドなど、それからアメリカのいろんなところまで、中には本当に考えているのかというような規定まで含めて、とにかく一覧表をつくりました。
 地域をどういうふうに分けているか、時間をどう区分しているか、数値をどういう指標で与えているか、そういうことがこの一覧表になっております。
 それから、一番右の備考のところに、TAとかIMとか、書いてございますけれども、これは、tonal audibility、さっきの純音成分について規定しているか、していないか。IMはインパルス、衝撃性について、あと、セットバックを決めているか、振幅変調音があるときに、それをどうペナルティーとして決めているか、というようなことを一覧にしてございます。
 評価手法としては、ほとんどの国が、いわゆる騒音レベル、すなわちA特性音圧レベルを使っています。ただ、ほとんどはアプリオリに使っておりまして、風車騒音というのは低周波音だというようなことを言われているのにもかかわらず、全部A特性でやっている。そこで戦略指定研究では、本当にそれでいいのかというので、評価実験をやりました。結果的には、それでまずくはないという結論になっております。
 それから、風車騒音を低周波音問題として、特殊な騒音だとして扱っている国は一つもございません。ただ、デンマークでは室内の騒音について、周波数を低周波数領域に限定した騒音レベルというのを使っていまして、これだけが唯一の例です。
 だから、そろそろお化けが出るぞ的な低周波音問題からの脱却を考えたほうがいいんじゃないかと思います。
 それから、評価騒音レベルというのを使っている国がありまして、これはあくまでA特性音圧レベルが基本で、それに振幅変調音とかトーナリティなどをペナルティーとして入れていくというやり方ですね。
それから、限度値のレベルを決めるときに、暗騒音+α方式と呼んでいますけれども、いわゆるバックグラウンド、風車が回っていないとき、飛行機も自動車も飛んでいないような静かなときのレベルに対して、一定の値、例えば5dBを足したものを目標値にするとか、そういう決め方をしているところが幾つかございます。
 それから、風速に応じて目標値を決めている国もあります。これは、予測のときには使えるでしょうが、実際のアイミッション評価には使えないと思います。時々刻々変化する風速で目標値が変わっちゃうなんていうことは、とても行政的にはやっていけないんじゃないかと思います。
 それから、これから議論をしなきゃいけないのは、基準とする値の呼び方です。環境基準の場合には、「基準値」と言っていますけれども、「騒音限度値」というのか「ガイドライン値」というのか、何というのか。数値を決めるとすれば、そういう議論が必要で、国によって随分違っているようです。
 それから、時間帯の区分。これは日本では道路交通騒音については夜・昼、航空機騒音では昼・夕方・夜という区分をしていますけれども、風車騒音の場合には、戦略指定研究の結果でもわかるように、夜間の影響というのが非常に大きいわけですね。
 風車というのは、運転のしかたを変えて騒音の出方を変えられるものであれば、昼・夜という決め方もあると思いますけれども、この辺も議論しなきゃいけない。ただ、多くの国では、昼・夜の別に決めています。おもしろいのは、イギリスでは、夜のほうが大きくてもいいという数値を出しているんです。なぜかというと、夜は家の中に入るから。普通は逆なんですけどね。夜のほうが睡眠影響なんかが出るということで。
 それから、ステークホルダーの区分をしている国もあります。風車施設によって、メリットを受ける人、受けない人で基準値を変えている。これは、心理的に、「今日もちゃんと風車が回っている」ということでベネフィットを受ける人にとっては、それほど悩ましい音ではない。これはわかるような気がしますし、オランダにもそういう社会調査結果がございます。そんなところまで踏み込んだ基準を決めている国もございます。
 もう時間がございませんからやめますけれども、私なりの考えですが、それでは日本でどうすべきかというようなことを、最後の「考察」というところに書きましたので、ぜひ後でお読みください。
【町田座長】 ありがとうございました。
 時間の関係もございますので、ご一読いただければと思いますが、この件について、何か一つだけ、ご質問がございましたらお受けしたいと思いますが。
 佐藤委員、どうぞ。
【佐藤委員】 ありがとうございました。
 私も、実はこれを見て、各国のガイドライン値、指標値が、どういった根拠、つまりアイミッションと健康影響の関係でやっているのかということを、もしわかったらお聞きしようと思っていたんですけれども、それを踏まえて、今回の、もし日本でガイドライン値なりをつくるとしたら、これは日本における関係性を用いてつくるべきとお考えでしょうか。各国のレビューなりをしてやったほうがいいでしょうか。
【町田座長】 橘委員、ちょっと、コメントいただければと思います。
【橘委員】 これは、お役所の人を前に口幅ったいんですが、日本では、環境行政と都市計画というか、土地利用政策と環境政策のかみ合い方が諸外国と随分違うわけです。
 例えば、ドイツなどではアウトバーンの周辺何mは家を建てちゃいけないなんていうことを決めているわけです。それから、イギリスなんかでも、鉄道沿線にはこういう建物を建てちゃいけないというようなことをやっているわけです。これは日本でできるか。
 その辺の制度が全然違いますから、ここにまとめた外国の例を、そのまま日本に持ってきても相当無理があるのではないか。やはり日本独特の風土条件があります。だから、やはり日本で考えていかなきゃいけないと私は思います。
 ただ、数値なんかは、ある程度参考になるかと思います。
【町田座長】 ありがとうございました。
 事務局はよろしいですか。
 それでは、今日は、いろいろと、ご意見等をいただきました。本日の議論の結果を踏まえて、次回以降の検討会の準備を事務局のほうでお進めいただきたいということと、時間が限られておりましたので、追加のご意見等がございましたら、直接、事務局のほうにご連絡いただければと思っております。
 座長不手際のために予定時刻を大幅に越えてしまいました。
 予定された議題はこれで終了となりますので、マイクを事務局にお返しいたします。
【行木大気生活環境室長補佐】 それでは、以上で第4回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会を終わらせていただきたいと思います。
 長時間のご議論、どうもありがとうございました。