大気環境・自動車対策

第3回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会議事録

日時

平成25年12月10日(火)  17:00~19:00

場所

環境省 第一会議室

出席者

(座長)町田信夫
(委員)沖山文敏、落合博明、桑野園子、佐藤敏彦、橘秀樹、田中充、新美育文、矢野隆
(環境省)小林水・大気環境局長、真先総務課長、山根大気生活環境室長補佐、桑原大気生活環境室振動騒音係長、九反田総務課企画法令係長

議題

  1. (1) 前回議事録(案)の確認について
  2. (2) ヒアリングにより寄せられた意見及び今後の方針(事務局案)について
  3. (3) その他

検討会資料一覧

資料1
第2回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会議事録(案) (委員限り)
資料2
風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会の開催目的の再整理について
資料3
ヒアリングにより寄せられた意見及び今後の方針(事務局案)について
資料4
風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会の設置について
参考資料
第2回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会議事要旨

議事

  • 【桑原大気生活環境室振動騒音係長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第3回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会を開会いたします。
     委員の皆様におかれましては、ご多忙にも関わらずご出席いただき、大変ありがとうございます。
     なお、局長の小林でございますけれども、他の公務が入っておりまして、若干遅れての出席となります。あらかじめ申し添えさせていただきます。
     本日の会議につきましてですけれども、公開とさせていただき、会議資料についても公開とさせていただきたいと思います。
     私、本日の司会進行を務めさせていただきます水・大気環境局大気生活環境室の桑原と申します。よろしくお願いいたします。
     それでは、本日の委員の先生方の出席状況についてお知らせさせていただきます。
     本日は、船場委員からご欠席との連絡を受けておりますが、他の委員の皆様にはご出席をいただいており、会議の定足数に達していることを報告いたします。
     続きまして、お手元に配付しております資料についてご確認をさせていただきます。
     まず、A4、1枚ものの配席図。それから議事次第と書かれたもの。それから資料1として、第2回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会議事録(案)、こちら委員限りの資料とさせていただいております。それから資料2、風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会の開催目的についてといったようなタイトルのついたもの。それから資料3として、ヒアリングに寄せられた意見及び今後の方針(事務局案)についてといった資料、A4版で3枚程度のもの。それから資料4、風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会の設置についてというA4版で2枚のもの。それから参考資料といたしまして、第2回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会議事要旨といったことでお配りさせていただいております。過不足等ございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思います。
     なお、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、ご協力をお願いいたします。
     では、この後の議事進行につきましては、町田座長にお願いしたいと思います。
     町田座長、よろしくお願いいたします。
  • 【町田座長】 承知しました。座長の町田でございます。
    それでは、第3回の検討会をこれから開催させていただきます。本日の議事につきまして、活発なご討論、よろしくご協力のほどお願いをいたします。
    それでは、議題の順番にのっとりまして、これから行いたいと思いますが、まず議題の(1)でございます。前回議事録(案)の確認について、事務局からご説明をお願いいたします。
  • 【桑原大気生活環境室振動騒音係長】 資料1として、前回の議事録(案)を添付させていただいております。こちら、委員会限りの資料として提出させていただいております。議事録(案)につきましては、以前に頂戴いたしましたご意見を反映させたものになっておりますが、さらに修正等がございましたら、12月17日、来週火曜日までに事務局にお知らせいただければと思います。
    以上でございます。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    ただいまご説明頂きました議事録(案)につきまして、何かお気づきの点等ございましたら、事務局までお知らせをいただければと思います。
    続きまして議題(2)ヒアリングに寄せられた意見及び今後の方針(事務局案)についてでございます。
    それでは、事務局、よろしくお願いいたします。
  • 【山根大気生活環境室長補佐】 第3回、今回の検討会を開催するに当たりまして、本検討会について多方面からご質問等を頂戴していましたが、検討会の開催目的や検討事項等につきまして、明確にした上で検討を進めていきたいというふうに考えております。
    まず、資料2のほうの検討会の設置の目的について再確認をしたいと思いますので、そちらのほうをご覧ください。
    本検討会でございますけれども、風力発電施設につきましては、騒音等による生活環境への影響を未然に防止するため、設置に当たっては、音源特性や計画地周辺の状況を十分に調査するとともに、環境に及ぼす影響を事前に予測し、その影響をできる限り回避・低減するための適切な評価の実施が求められているというところでございます。
    そこで、風力発電施設の構造や設置場所等の特性を考慮し、発生する騒音等の調査、予測及び評価を適切に行うための手法について検討するため、風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会を開催しております。
    本検討会におきましては、一般的な風力発電施設からの騒音の測定手法等について、幅広く検討を実施しているところでございます。
    一例といたしましては、風力発電施設から発生する騒音等の測定を行う際の風雑音の影響を低減するための手法、予測式を使用する際の留意事項の整理、評価を行う際の残留騒音の取り扱い方や対策手法の検討などを行うものであります。
    資料2につきましては、簡単でございますが、本検討会の目的等について説明させていただきました。
  • 【桑原大気生活環境室振動騒音係長】 引き続きまして、関連のある事項ですので、資料3についてもあわせてご説明をさせていただければと思います。
    資料3については、前回の第2回検討会において、事業者様と地方公共団体様からヒアリングを実施したところでございますけれども、さまざまなご意見等を頂戴いたしました。これらのご意見等について事務局で整理を行い、それらのご意見等について有識者の先生方のご意見を伺いながら検討したところ、騒音政策全体として検討すべき項目等もあることから、幅広に議論を行っていただきたいと考えております。
    それでは、ご意見等に対する考え方等について、資料3に沿いましてご説明させていただきます。
    まず、資料3でございますけれども、ご意見等については大きく五つに分類させていただいております。一つ目として測定手法、二つ目として予測手法、三つ目として評価手法、四つ目として対策手法、最後に、五つ目としてその他に分類してございます。
    それでは、順次ご説明をさせていただければと思います。
    資料3の1ページ目、1.測定手法でございます。
    まず、(1)、ヒアリングに寄せられた意見についてということで、平成24年度請負業務報告書72ページでは超低周波音の影響が小さいとしているため、風力発電所の建設に当たっては超低周波音の測定等を行わなくてもよいとの解釈ができるのかといったご意見等が寄せられております。
    これについてでございますけれども、超低周波音について、平成24年度請負業務報告書72ページで「環境省戦略指定研究では、超低周波音及び低周波数騒音の可聴性等について実験室における聴感実験が行われており、一般的な風車騒音では、数10Hz以下の周波数成分は聴覚(感覚)閾値以下であることが確認されている。」としているが、伝搬経路の状況等、種々の条件が異なることから、測定等を行うことが必要であると考えられる。なお、地形等がどのように超低周波音の伝搬に影響するかなどについては、今後追加的な調査が必要であると考えているとさせていただいております。
    続きまして、(2)でございます。平成24年度請負業務報告書では調査地点を周辺住居等とすることとしているが、民家から距離がかなり離れている場合の対応について。また、学校や病院、老人ホームなどをどの程度の範囲で調査すべきなのかといったご質問が来ております。
    これにつきましては、調査地点については、平成24年度請負業務報告書の考え方に基づき、最近接住居や学校等が存在する地点や風車騒音の影響が最大となる地点を少なくとも選出することが適当とさせていただいております。
    続きまして、(3)測定手法について、どのような事業者でも適切に評価可能となるような、明確な手法の定義づけをするべきとのご意見が出ております。
    これについてでございますけれども、測定手法については、平成24年度請負業務報告書の考え方に基づき、本検討会でさらに整理を行い報告書に示すとさせていただいております。
    (4)調査期間について、現在は主に強風日を含む2日間で48時間連続を想定している。平成24年度請負業務報告書では、調査期間を1週間程度、季節毎に変動がある場合は季節毎としているが、今後この調査期間についてどのように扱えばよいのかといったご質問でございます。
    こちらについては、調査期間についても、上記の測定手法と同じく、平成24年度請負業務報告書の考え方に基づき、本検討会でさらに整理を行い報告書に示すとさせていただいております。
    続いて、めくっていただきまして、2ページ目でございます。
    (5)事後調査で風車騒音のみを測定する方法について、具体的に示すべきといったご意見をいただいております。
    こちらにつきましてでございますが、風力発電施設稼働後の風車騒音の測定については、風力発電施設の停止時と稼働時の騒音測定結果を比較し判断するという形で記載をさせていただいております。
    続きまして、2.予測手法でございます。
    こちら、(1)様々な予測手法があるが、それぞれの特徴や使用されている事例について示すべきとのご意見をいただいております。
    こちらについては、予測手法については、平成24年度請負業務報告書に記載されているが、ポイントになる事項について整理をし、よりわかりやすい表現に見直しを進めるという形にさせていただいております。
    (2)予測地点は原則、調査地点と同じでよいかというご質問でございます。
    こちらについては、原則、同じ地点とするとさせていただいております。
    (3)予測時期を定格出力時とする場合、定格出力で発電する風速には幅がある(例:12m/s~25m/s程度)。一方で、音響パワーレベルは風速に大きく依存するため、定格出力時の音響パワーレベル等というよりは、どの風速時にするということが重要であるといったご意見をいただきました。
    こちらについてでございますけれども、予測時期について、音響パワーレベルは風速に依存するため、それが最大となるようなデータが必要であるが、この内容が平成24年度請負業務報告書には記載がございません。このため、今後、風力発電施設の製造メーカー等に風速に係る情報提供をお願いしていきたいとさせていただいております。
    続きまして、3.評価手法でございます。
    まず、(1)騒音の評価や対策を行う上で、基準となる値が必要ではないかというご意見でございます。
    こちらについて、本検討会では風力発電施設について、環境基準とは別に目標となる値の設定の必要性についても、検討することが必要であるが、その際に、目標となる値の設定については、日本の住宅における遮音性能や疫学データ等の様々なバックデータについて、さらに充実させ、信頼性を確保することが重要であることから、これらの知見の収集が必要であり、引き続き検討を行うとさせていただいております。
    続きまして、(2)環境基準との整合を確認する場合は暗騒音と予測値を合成した値で評価している。平成24年度請負業務報告書の目標値は予測値(風車から発生する音のみ)との関係をみているが、仮に、どちらか一方が数値を超えた場合の対応方法についてどうかというご意見でございます。
    こちらにつきましては、(1)の調査検討と併せて、今後検討を進めるという形にさせていただいております。
    続きまして、3ページ目に移ります。
    (3)発生音の評価を超低周波音ではなく可聴域の騒音とすることや低周波数の成分も含めてA特性で評価しているが、超低周波音の調査・予測・評価について、明確な基準等を示すべきというご意見でございます。
    こちらについてでございますけれども、風車騒音の評価方法について、平成24年度請負業務報告書73ページで「一般環境に存在する多様な音について超低周波音領域までの低周波数成分を含めて評価した場合でも、A特性音圧レベルが適していることが見いだされている。」としていることから、A特性音圧レベルを軸にして、今後の検討を進めるというふうにさせていただいております。
    続きまして、(4)海岸や樹木周辺では暗騒音による影響が大きいが、そのような場合の取扱いについてどうするべきかということでございます。
    こちらにつきましては、残留騒音による影響が大きい場合は、平成24年度請負業務報告書にも記載があるとおり、現況の騒音レベルを悪化させないようにすることを目標とするという形で記載させていただいております。
    続きまして、4.対策手法でございます。
    まず、(1)についてでございます。風力発電施設の騒音発生メカニズム解明と発生原因に対応した対策技術の動向及びその導入可能性と効果の検証が必要ではないかというご意見でございます。
    こちらにつきましては、騒音の発生メカニズムや対策技術については、対策分野の有識者等からなる分科会を設置して、検討していくとさせていただいております。
    (2)でございます。環境保全措置について、事例・手法をガイドライン等にしてほしいというご要望でございます。
    こちらにつきましては、風力発電施設の環境保全のあり方については、上記分科会において検討を行うとさせていただいております。
    それから、(3)でございます。受音側の対策として、防音工事での対応が可能かということをいただいてございます。
    こちらにつきまして、受音側の対策の事例について、上記分科会において検討し、提示していくとさせていただいております。
    最後、5.その他についてでございます。
    まず、その他の(1)基準値が設定されることにより、それ以上の回避・低減努力が後退してしまうおそれが想定され、数値による規制ではなく、地域の合意形成を得ることについてはどうかというご意見でございます。
    こちらにつきましては、事業者が地域との合意形成を図ることは大変重要であると考えている。その取組を促進させるために、合意形成に関わる基準値設定のメリットやデメリットについて整理し、合意形成に至るまでのプロセスに注目して検討を進めていくとさせていただいております。
    (2)でございます。地域計画の段階において、地方公共団体や地域住民がどのように土地利用したいのかによって柔軟な対応のできる制度を考えるべきである。全国一律の数値だけでなく、地域住民の合意形成等を考慮することも考えられ、静寂な環境を保全するという考え方について、環境基準との整合面で問題はないかというご意見でございます。
    こちらにつきましては、地域の土地利用や類型指定等についても、先ほどの(1)の調査検討とあわせて、今後検討を進めるとさせていただいております。
    続きまして、4ページに移ります。
    (3)諸外国の事例で、暗騒音レベルが高い地域は暗騒音+5dB(A)を適用しているが、このような考え方を導入しないのかというご意見についてでございます。
    こちらにつきましては、平成24年度請負業務報告書にも記載があるとおり、暗騒音に加える一定の値(増分)を決定するには、地域ごとの暗騒音の実測調査、環境騒音に関するマスキング効果などに関する聴覚生理・心理学的検討、あるいは社会反応調査による検討が必要であると認識しているとさせていただいております。
    (4)夜間の寝室における許容値について、日本特有の環境(住環境)や最新の知見との整合について教示願いたいというご要望でございます。
    こちらにつきましては、夜間の寝室における許容値について、ご指摘のとおり、日本の住環境特有の特徴もあり、今後も住環境の知見を収集し、評価の方法等に考慮、検討してまいりたいとしております。
    続きまして、(5)でございます。超低周波音の測定について、信頼性の確保が必要と考えられる点。(現在、超低周波音を測定する計量器は計量法の検定対象外)であるとのご意見でございます。
    こちらについては、超低周波音の計測器の信頼性確保については、今後の検討課題としたいとさせていただいております。
    続きまして、(6)でございます。風車固有な音などが存在した場合について、その感受性等の違いによって問題はないかというご質問でございます。
    こちらについては、風車固有な音の感受性について、平成24年度請負業務報告書74ページで「振幅変調音のような特殊な音が存在した場合、ノイジネス(やかましさ)も増大する傾向がある」としていることから、感受性等との問題についてはさらに検討をしてまいりたいとさせていただいております。
    それから、(7)でございます。風車固有な音の影響について、風力発電施設との距離、また暗騒音レベルによって変わることが考えられ、一律の対応を行うことができるのかというご意見でございます。
    こちらについて、風車固有な音の影響についても、先ほどの(6)と同様に記載されているとおりであり、適用についてさらに検討してまいりたいとさせていただいております。
    (8)昼間と夜間で騒音の基準値に違いを設けることについてということでございます。
    こちらにつきましては、これまでの騒音行政において、昼間は会話影響、夜間は睡眠影響に着目してきたが、平成24年度請負業務報告書73ページで「風車騒音は、その大きさは会話に影響を与える程度ではなく、環境省戦略指定研究で行われた社会反応調査の結果でも、夜間の睡眠に対する影響が大きな問題であることが示されている。」としている。今後、平成24年度請負業務報告書の考え方を尊重しつつ、さらに検討を行ってまいりたいとさせていただいております。
    以上、資料3のご説明とさせていただきます。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    前回の検討会におきまして、いろいろとご意見をいただきました。それを、その他を含めまして5項目に整理をし、まとめていただきまして、今後の方針について事務局案をご提示いただいております。
    それでは、それぞれの項目について、これから質疑応答をしていきたいと思います。これらの内容につきましては、今後の検討会の進め方、あるいは今後の論点の整理についても関係してくる問題だろうと思いますので、どうぞ活発なご議論をお願いいたします。
    それでは、5項目ありますので、まず第1項目の測定手法あるいは第2項目の予測手法についてご意見いただければと思いますが、どなたでも結構でございます。
  • 【橘委員】 事務局案ということで承りましたけれども、私、この3年間、環境省の戦略指定研究をやってきた責任もありますので、その観点から意見をちょっと言わせていただきます。
    全体にも係る問題なんですが、例えば1の(1)で、最後に、追加的な調査が必要であるとか測定等を行うことが必要であると言っているんですけれども、それをしないとこの結論が出ないのか。これをやっていると、百年河清を俟つじゃないけれども、いつまでたっても行政が歩み出せないということになるんじゃないかと、ちょっと心配しております。
    3の評価手法の(3)、3ページのA特性云々のところで、ここではA特性でひとまず進めるべきだというようなことが書かれています。これは戦略指定研究の結論でもあるわけです。低周波音というのは、前にもここでもお話ししましたように、非常に曖昧な概念で、ちょっと定義が難しいんですけれども、少なくともその中の超低周波音に限定して言えば、我々の戦略指定研究の結論では、感覚閾値以下であるということ。それが本当に無害であるかどうかと言われれば、これは完全な証明はできません。これは、法律の分野の言葉で「悪魔の証明」みたいなもので、ないということを証明するのは大変なことです。
    多くの外国の研究論文で報告されていますが、風車から低周波数の音が出ていることは事実だけれども、非常に特徴的、特別にレベルの大きいものが出ているわけではなくて、第1回目だったかな、ここでも説明しました通りです。しかし、風車騒音は可聴性の騒音で、状況によっては非常に気になる音です。風車騒音は非常に喫緊の課題ですよね、行政が風車騒音に何とか乗り出さなきゃいけない。知見が十分たまったらやろうというんだったら、何年かかるかわからない。今は、そういう状況じゃないと思うんです。
    であれば、1の(1)と3の(3)がちょっと矛盾している。やっぱり行政としてどう踏み出すかというのは、ある程度、もちろん非常に慎重に検討する必要があるとは思いますけれども、いつまでたっても決まらないというのでは困る。
    それから、戦略指定研究では、報告書とは別に、研究のアウトカムとを文書で提出することが義務付けられていて、我々の研究の結果を行政にこういうように反映させたほうがいいんじゃないですかというリコメンデーションをつけてあります。こういう場でも開示していただいて結構ですので、環境省のほうでご判断ください。ほかにも幾つかありますけど、長くなりますので、ひとまず。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    今意見の中にありましたが、例えば測定手法の1の(1)、今後追加的な調査が必要の事務局案について、事務局のほうでご意見ございますでしょうか。
  • 【眞先総務課長】 総務課長の眞先でございます。
    橘先生のおっしゃる、まさに今後追加的な調査が必要云々という、そこの記載についてでございますけれども、今後、私どもこの検討会で、報告書として一応のスタンスをまとめにいこうかというふうに考えておりますが、その際に、個別のここに書かれております追加調査の方法をどういうふうに扱っていくのかということも明確にしていきたいなというふうに思っています。
    先生のおっしゃるとおり、調べるべきものを、いつまでもここを調べていたら、いつまでも結論が出ないというお話もごもっともかと思いますので、一定の報告書の取りまとめに当たって、その時点でどこまで言えるのか、これをむしろ積極的に考えていくという姿勢で対応したいと考えております。次回以降になると思いますが、また報告書の議論等の際に、個別の点についてどこまで、例えば追加で、さらにプラスで何かやる必要があるかどうかというところの記述をすべきかどうかと、こういったところの議論の中でスタンスを明確にしていきたいなというふうに考えてございます。
    それからもう1点、リコメンデーションの話でございますが、これについては、また取り扱いについて検討させていただき、またこの検討会においても、十分それをまた生かしていただくことが適当かと思いますので、今後前向きに対応していきたいというふうに思います。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    ほかにご意見、いただければと思いますが、いかがでしょうか。
    どうぞ、落合委員。
  • 【落合委員】 測定手法の(4)ですが、現在は主に強風日を含む2日間で48時間連続を想定しているということですけれども、実際に、風向きが違えば影響範囲も違ってくるわけですね。それから、実際に実施された事例等を拝見しても、日数は2日間とっているんですが、必ずしも、風が非常に強いところをとれていない場合もありますし、そういう意味からしますと、季節により風向の違うとき、それから少し長期間とって、その中からやはり強風のところを選ぶというような方法が適切なんではないかと思います。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    なかなか、風があると測定が難しいということはございますね。欠測値等も出るかと思いますが、しかし、風がないと風車が回らないということもあります。大変難しい点だと思います。
    ほかにいかがでしょうか。
    橘委員、どうぞ。
  • 【橘委員】 戦略指定研究の測定では1カ所を120時間、5日間連続でやりました。それでも、風車が思うように回ってくれなくてデータがとれないケースもありました。
  • 【町田座長】 事務局からございますか。
  • 【桑原大気生活環境室振動騒音係長】 測定時期についてでございます。橘委員、落合委員のほうからご発言いただいたところでございます。事務局といたしましても、これまでの騒音と違って、非常に風が強いときに対象となるものが回って音が出るということで、これまでの騒音ですと、そういった風が非常に強いようなときというのは、測定の時期から外すといったような考え方でやってきたところでございます。非常にそういった意味では、自然相手の測定ということもございますので、今、お二人の委員の先生からいただいてご意見を踏まえまして、今後、報告書の中でどれだけ記載できるか検討していきたいと思います。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    ほかにご意見ございましたら、お願いします。
    冒頭に、1.測定手法、2.予測手法までと申し上げましたけども、3.評価手法、4.対策手法、5.その他を含めまして、全体でご意見いただければと思います。
    桑野委員、お願いします。
  • 【桑野委員】 3.評価手法の(1)ですけれども、最初に橘先生がおっしゃったように、この最後に、さらに知見の収集が必要だと書かれています。遮音性能については多分いろんなデータがあると思いますけれども、疫学データについてもっと調査をされるとか、そんなご予定がおありなんでしょうか。
  • 【町田座長】 事務局、お願いします。
  • 【桑原大気生活環境室振動騒音係長】 疫学データのことについてのご質問でございます。橘委員を代表とする3年間の研究の後ということで、今般、低周波音に関する疫学的データということで、環境総合推進費を使って、今、調査を開始しているといったような状況にございます。
  • 【町田座長】 桑野委員、よろしいですか。どうぞ。
  • 【桑野委員】 5.その他の(6)ですけれども、振幅変調音に関してですが、これはやはり振幅変調していると、ノイジネスは増加すると思いますが、基本的な聴覚的なデータはいろいろあると思いますから、そういうデータも収集されたらいいんじゃないかと思います。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    それでは、田中委員、お願いします。
  • 【田中委員】 ありがとうございます。3.評価手法のところです。(1)あるいは(2)も若干関係していると思うんですが、基準となる値が必要ではないか、こういう考え方が示されて、たしか前年度の報告書では、目標値というキーワードが使われていたと思いますが、そういうものがあるという考え方を前提にこの検討会で議論すると、こういうことがあったかと思います。
    そこで、(1)の意味合いというのは、なかなか、微妙な記述ぶりで読みにくいんですが、結論としては、目標となる値の設定については引き続き検討を行うという、そういうふうに読めるんです。あるいは値の設定の必要性について引き続き検討を行うのか、その値を置くということの必要性を検討するのか、またはその値そのものを引き続き検討するのか。これが一つ、ちょっと読みにくいので、何を検討するんですかというのが、お尋ねの一点目です。
    二つ目は、どちらかというとこちらの幾つかのところに、今言った検討するとか、先ほど橘先生がご指摘された追加的な調査が必要だとか、そういう文言があり、他方で報告書に示すという考え方があります。これは、報告書を一応書くというか、まとめるということが前提にされていると思いますが、追加的に、また引き続き検討を行うというのは、その報告書の作成に向けて検討するのか。あるいは報告書を1回出した後の、つまり事後の報告書後の検討課題として整理したという意味合いなのか、その点が読みにくいので教えてくださいという、この二つです。
  • 【町田座長】 それでは、今の2点について、お願いします。
  • 【眞先総務課長】 大変申し訳ございません。確かに読みにくい、誤解を招く表現かなというふうに、ちょっと読んでいて思いました。
    まず、3の(1)の今のお話でございますが、まず意味合いとしては、24年度の報告書において示されているいわゆる目標値、この取り扱いについて、この検討会では、まさに行政としてどのように位置づけることが必要か、この点について、まず必要性について検討したいと。その上において、行政においての目標設定との関係で、仮にその値を置くんでしたらどういう値が要るかと、二つやっぱり問題点はあろうかと思っております。したがって、まずはその入り口として、行政としてまずどのように位置づけることが必要か、適当であるかと。この検討をしなければならないと、こういう認識でございます。
    今般、ここに書いてある(1)の引き続き検討を行うという意味合いは、今日の会議では引き続き検討を行わせていただくという趣旨でまずは書いてございます。したがって、先ほど来話が出ております報告書をまとめるという話がありますが、その報告書をまとめるに向けて、まずは引き続き検討させていただいているということでございます。
    ただ、問題意識の背景としては、ここにあります、いろんなバックデータも、行政的な位置づけを考える上では意識に置いておくことが必要かなという意味合いで、若干そういったことも実は書いているので、ちょっとややこしくなっちゃっているのは確かにそのとおりでございまして、したがって、最終的なこの検討会の報告書の取りまとめに当たって、まさに先ほど私が申し上げたその目標となる値というのは、そもそも行政的にどういうふうに扱うことが適当かという点と、それから、仮に扱うとしたらどういうふうにするのが適当か、さらにその際に、そのバックボーンとなるようなさまざまなデータ収集というのは、やはり不断の努力として積み重ねていくことも必要でございますから、そのこともあわせてやはり付議していくことも必要だろうという、そういうことを全部どしゃっと一度に書いてしまって、ちょっとわかりにくくなってしまっていると考えております。
    したがって、今のところは、まずは、今日の時点では引き続き検討させてくださいという意図というふうにお受け取りいただくとありがたいかなということでございます。
  • 【田中委員】 とてもクリアになって理解ができました。
    それと、24年度の報告書でまとめた目標値という、一応それはそれとして検討会報告がまとまってはいるけれども、そこを一応踏まえながら、行政として目標を置く必要があるか、あるいは置く場合にはどういう位置づけで置くのか、さらに、置くとしたらその場合の目標値の水準はどうあるべきかと、そういう2段階に分けてまず検討するという必要があるんだと、そういう認識を示したということですね。その上で、ここは、引き続き検討を行うというのは、報告書の作成に向けて検討も行うし、そこでまとまらなければ、それは残された課題としてさらに追加的な、先ほど言うような継続課題にすると、そういう意味と理解してよろしいですか。
  • 【町田座長】 事務局、お願いします。
  • 【眞先総務課長】 まさにそういう認識でございます。
    なお、一言少し付議をさせていただきますと、私ども騒音行政に携わっている者としまして、騒音規制法に基づく、いわゆる規制としての値、それから環境基準というものも持ってございます。これらのものと、そもそも、今、目標とされているものは、位置づけをちょっとやはり異にするものだろうというふうに考えてございますので、そこの取り扱いをやはり慎重にせざるを得ないということをご理解賜って、その上で、なおかつ有益なデータもあるということを前提にしつつ、これをいかに関係される方々に適切な形でお伝えすることができるのかというのが、この行政上、課せられている大きな課題ではなかろうかと思ってございます。
    そういった意味で、誤解を招かないように、趣旨を明確に伝える必要があるという認識のもとでおりますものですから、口頭で申し上げるよりも、しっかりとしたテキストの形で、報告書の形で取りまとめさせていただくことが適当だろうと、このように考えてございます。
    したがって、この点に関して、検討に時間がかかっていることについてはお詫び申し上げますが、このような事情で慎重にやらさせていただいているということをご理解賜れば幸いでございます。
  • 【町田座長】 田中委員、どうぞ。
  • 【田中委員】 今の追加ご説明で、また、さらに理解が深まったわけです。ありがとうございます。私、理解するところ、風力発電施設については、騒音規制上の、ある意味何らかの規制値は置かれていない。他方で環境基準というのは置かれていて、環境基準と、今検討している目標値との関係も、これからさらに検討、整理をしていく必要があると、そういうご趣旨があったかと思います。
    確かに風力発電施設に対して受音側といいますか、生活空間側で受ける音のレベルというのと、それから発生する発生する音のレベルという、恐らく発生源での対応の仕方と、それから受音する場合の対応、対策の仕方とあると思うんです。何か後ほどのほうにも、対策手法に関する検討会も置かれるということが書いておりますので、そういうそもそも発生源の段階できちんと対応した上で、受音側で対応する。そして、全体として生活空間を良好なものに、健全なものとして確保していくと、そういうことだと思います。ですので、ぜひ、そこのもともとの発生源の対応も考えていくということは必要かなと思いました。よろしくお願いいたします。
  • 【町田座長】 事務局、お願いします。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。まさに田中委員のおっしゃるとおりでございまして、私の説明が少し足りていなかったかなと思いました。4.にあります対策手法の部分についても、この位置づけを考えていく上で必要なことではなかろうかと、このようなことで、今般、分科会の設置について提案をさせていただいていると、このような次第でございます。
    さらに言いますと、5.のその他のところにも問題提起がございますけれども、例えば地域性の考慮をどうしたらいいのかとか、そういった問題も、いろいろ難しい問題が絡んでいるものですから、これらの点も含めて全体の体系、うまくバランスをとりつつ整理をしていくことが大事ではなかろうかと、このようなことでございます。ありがとうございました。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    それでは、橘委員、お願いします。
  • 【橘委員】 今の田中先生のお話を受けてですけれども、騒音の場合に、例えば自動車をとると、単体規制というのがあって、いわゆるエミッション・レギュレーションをやっているわけですね。ある決められた測定方法で測って、この値以上だったら商品として売っちゃいけないということになっているわけですね。飛行機についても航空法で同じような規定があります。それと同時に、アイミッション側での環境基準というのがある。両側でやっているわけですね、行政として。エミッション・レギュレーションのほうはもうペナルティー付きですから、厳密に言えば、違反していれば使っちゃいけない、売っちゃいけないことになるわけです。
    いつも例として出すのですけど、新幹線については環境基準がありますけど、エミッション・レギュレーションはないんですよね。だけれども、アイミッションについて環境基準があるがゆえに、鉄道事業者も大きな努力をした結果、開業当時に比べてものすごく静かになっている。まだまだ問題があるとしても。ところが、在来線については両方ないという状況です。これはもういつも言うように、先進国では日本だけです。
    話を元に戻しますが、風車の場合に、風車自身に騒音規制法をかけるという手もあるわけですよね。単体規制ですね。それから、アイミッション側に、今、これから議論する環境基準なのか目標値なのかわかりませんが、なんらかの基準を考えたらどうかということですよね。外国のいろいろな例も調べましたけれども、ノイズリミットという用語が出てきますが、これがレギュレーションなのか、ガイドラインなのか、もっとやわらかいものなのか、そこらが国によってちょっと違うようで、オーストラリアやニュージーランドではかなりきついものにしています。ペナルティーがついているように。法律体系は私も素人なので、新美先生の前ですけど、法律体系としてどういうシステムを考えるのか。できれば、風車についてもエミッション・レギュレーションをやってもいいんではないかと。原理的にはですね。今すぐできるかどうかは別としまして、そういうことを考えます。
    それから、その前に発言しようと思っていたことは、これは環境省にお願いなんですけども、3.評価手法の(2)以下にも出てきますけど、環境基準との整合というのが風車騒音の場合に大きな論点になっていまして、アセスのときに「騒音に係る環境基準」で設定している住宅地の夜中、45デシベルを下回っているからというのが一つの理由になっていますけれども、ここでやっぱりはっきりさせていただきたいのは、環境基準の概念、これはいろんな環境基準があって、それぞれ多少違うかもしれませんけれども、その概念をはっきりさせることと、それから、平成10年にできた「騒音に係る環境基準」が、今議論している風車騒音に適用できるものなのかどうなのか、この辺をはっきりしたほうがいいと思うんです。
    この騒音に係る環境基準のときに、私、専門委員会の委員長をやりましたが、そのころ風車騒音のように社会的なバックグラウンドの全然違う騒音は全然考えていなかったんです。ダイレクトに言えば、道路交通騒音を主とする、いわゆる公害型の騒音を、とにかくひとまずここまで下げようという目標として決めた値だと思っています。ここまで音を出していいなんていうことは一切言っていないわけです。その辺をはっきりさせておかないと、いつまでたってもこの問題は進まない。環境基準があるのに目標値を別に設けるのかなんていう議論になっちゃうわけです。その辺をはっきりしておかなきゃいけない。環境省もそろそろ腹をくくってほしいんです。
  • 【町田座長】 事務局、ご発言、お願いできますか。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。大変重要な問題をご指摘いただいたと思っておりますので、本検討会でどこまで取り扱うかという話とはまた別の話として受け止めるところもあろうかと思いますので、またよく検討させていただきたいというふうに思ってございます。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    新美委員、どうぞお願いします。
  • 【新美委員】 その他の(1)と(2)に関連して、伺います。両者において合意形成という言葉が使われているんですが、合意とされるものの中身はそれぞれ違う用に思います。(1)で言っているのは、業者と地域住民との合意形成ですね。ところが、(2)でいう土地利用とか類型指定というのは、事業者とは関係ない。自治体でどうするかの問題であって、同じように合意形成という言葉でくくってしまうと、誤解しやすいと思います。
    それから、先ほどの橘先生や田中先生の話とも絡むんですけども、地域計画としての土地利用は、環境基準よりも厳しい目標値を設けることもあり得る。特に静穏を要するところは、自治体がこうすると言えば、それはそのとおりになるわけです。したがって、どういう地域計画を自治体でつくるのかということをきちんと議論して、その上で、それを土台として個別の案件についての合意形成を目指す。そういう段階を踏んだ議論をするべきではないかと思います。
  • 【町田座長】 前回のヒアリングにおきましても、事業者のほうから合意形成というお言葉が出ておりました。
    それでは、今のご意見に対して、事務局、お願いいたします。
  • 【眞先総務課長】 まず、言葉の使い方で、(1)と(2)、確かに違う意味の内容でしたが、合意形成という言葉を使ってしまいました。意見のほうの文言にそのまま流されてしまったきらいがありまして、ちょっと配慮が足りず申し訳ございません。
    それから、いわゆる地域の取り扱いというものについては、やはりかなり複雑なシステムということになると思いますので、この辺りはそもそもその目標となる値をどのように取り扱うかという議論とあわせ持った形で、どの程度の話として地域を意識することが必要かというのはおのずから出てくると思いますので、その際に、本検討会でどこまで検討すべきかというのが見えてくると思います。その際に、またちょっと詰めた議論をしていければというふうに考えてございます。
  • 【町田座長】 よろしいですか。
    ほかにいかがでしょうか。
    落合委員、どうぞ。
  • 【落合委員】 先ほどの橘先生のご意見に関連してなんですが、最近、低周波音もそうですし、低い周波数の騒音もそうなんですけども、とても静かなところに設置されて、苦情が出てくるものが多くなっています。例えば空調室内機、ボイラー、ヒートポンプの給湯器、これらは睡眠に影響がある場合もあると思うので、今までとちょっと違った考え方をしなければいけないんではないかと思います。
  • 【町田座長】 よろしいですか。それでは、事務局、お願いします。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。風力発電施設に限らず、静かな地域、静かな場所に設置されるものが醸し出す騒音に対する問題というご指摘だと思います。本検討会は、一応対象を風力にしていますので、また別のお話として考えていく必要があろうかなというふうには思ってございますが、確かに今のご指摘は重要なご指摘でございまして、これは風力の報告書の取りまとめを考える上においても、先ほど新美先生からご指摘があった地域の話とかなり連動する話だと思いますので、そういった視点でちょっと捉えて考えてみたいと思います。ありがとうございます。
  • 【町田座長】 沖山委員、どうぞ。
  • 【沖山委員】 振幅変調音のお話が先ほどありましたけれども、今、思い起こしますと、昭和55年に環境省が示したカラオケ騒音防止条例の指針なんですが、桑野先生、難波先生のご研究で有意音、無意音というのがありまして、曲目がわかるとレベルが低くても睡眠に影響があるという内容で、その場合は、カラオケ機器の使用禁止という規制があるんです。実際に体験したのが、1階がカラオケスナックで、2階、3階がマンションの住宅で、3階に壁を伝わった音が聞こえまして、騒音レベルは26~32デシベルぐらいなんですが、ここの住民は、カラオケの曲目がわかるとどうしても眠れないという状況でした。ところが、台所の換気扇を回しましたら、無意音ですか、それでマスキングしたんでしょう、眠れるようになったという事例もありましたので、もしその振幅変調音が有意音的なそういう存在であれば、ただ数値だけではなくて、聞こえる、聞こえないという事実もあったということも踏まえて、そのような評価もあってもよいのではないかと思ったので、あえて申し上げました。
  • 【町田座長】 ありがとうございます。
    橘委員、お願いします。
  • 【橘委員】 今の話とも関連するんですけども、我々の報告書にも書きましたけど、風車騒音にはいわゆる振幅変調音、swish音が含まれています。これはもう風車が回る以上、必ずといっていいほど出る音だと考えたほうがいいわけです。
    それとは別に、純音性の成分があって、これは風車の種類、あるいはメンテナンスの程度によっても随分違うようです。我々も、最終的には全国29の風力発電施設周辺の164のデータを見ますと、ほとんど何も見えないものもあるし、ピッと出ているものもある。これ、音で聞いてみますと、非常にクリアに音質がわかるんです。ピッチがわかる。しかし、この音は風車の選定あるいはメンテナンス、それで何とかなる場合もある。swish音のほうは、指向性がありまして、風車がどっちを向いているかによって違います。羽根の方向に強く出やすいようです。
    振幅変調音は風車が回る以上、ほとんど常に出る音で、これが非常に気になる。1秒おきぐらいにシュッシュッシュッシュッという感じが。これは今、沖山委員もおっしゃったような歌とは違いますけれども、非常に気になる音なんですよね。ですから、ニュージーランドやオーストラリアの規格では、このような振幅変調音が認められる場合にはペナルティー6デシベルまで考えろとしているわけです。オーストラリアはどうだったかな。とにかくペナルティーを考えろと。
    純音成分についてもそうです。ただ、純音というのは、今言ったように、常に出るとは限りません。いずれにせよこのような音によって、片仮名でアノイアンスと、日本語にいい言葉がないのでしようがないんですけれども、ノイジネスといってもいいかもしれませんけど、そういうものが高まるという前提で考えていかなくちゃいけない。ただ、これから議論する何とか値、目標値なのか何かわかりませんけれども、それは実際面を考えて時間平均値、いわゆる等価騒音レベルでまずは出すべきだと思いますが、それプラスそういう風車特有の条件を考えて議論しなきゃいけないと、そう思います。
  • 【町田座長】 桑野委員、お願いします。
  • 【桑野委員】 今のお二人のご意見にも関連するんですけれども、いろいろなところで環境基準との整合性という言葉が出てまいりますけれども、環境基準にしても一般の自動車を中心とする環境騒音を対象とした環境基準と、それから航空機騒音を対象とした環境基準、新幹線騒音を対象とした環境基準、みんな別々にあるわけですよね。ですから、風力発電施設に対する環境基準、環境基準という言葉を使うかどうかは別として、そういうものがあってもいいのではないかと思います。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。風車騒音問題を議論するうえで、一つの方向性をご教示いただいたように思います。
    事務局、何かございますか。
  • 【眞先総務課長】 なかなか重たい宿題かなというふうに思っておりますが、先ほど田中委員、橘委員からもお話がありました、重要な問題なんですが、まずはこの検討会において、どこまで今の時点で我々としてそのものが、何らかのメッセージが出し得るかという点をまずは検討させていただいて、その上で、いろいろ寄せられましたご意見については、私どもも重く受け止めさせていただいてというような形にさせていただきたいと思っております。
  • 【町田座長】 橘委員、どうぞ。
  • 【橘委員】 夜間の寝室における許容値って何でしたっけ。5.(4)、これももう何回も議論したと思うんですけれども、実際、風車騒音の影響というのは夜間、特に睡眠時が非常に強いということは、戦略指定研究で、桑野先生、矢野先生が分析された中でも出ています。ですから、個別の苦情対応のときには、もちろん家の中で非常に詳細に測ることもできる。どこで寝ているんですか、枕元はどこですかぐらいまでやってもいいと思うんです。しかし、
    一般環境のモニタリングとして考えた場合には、家の中がすごく大事であることという前提、これはまさにそうなんですけれども、一軒一軒の家の中にマイクロホンを突っ込むということは、原則的にできないんです。
    ですから、これはもうそろそろ結論を出しておいたほうがいいと思うんだけども、「何とか値」を決める場合には、屋内のことを考えながら、それをいつも言うハウスフィルター、要するに建物の防音性能、遮音性能を加味した上で屋外で評価する。これ以外ないと思うんです。物理的に言えば室内、小さな部屋の中で、特に波長の長い低周波数の音をはかるというのは、本当に至難のわざなんです。同じ部屋の中でもちょっとした場所でもの凄く違います。
    そういう論文も出ています。不可能だとまで書いてある論文もあります、部屋の中で測るというのは。もちろん測れば測れるんですよ。音圧レベルは出てくるんですけど、それが何を意味しているかというのは非常に難しい。そういうことで、(5)の話はもうそろそろ結論を出しておいたほうがいいんじゃないかと。建物の中が大切であることを十分考えながらも、建物内外のレベル差を考えながら屋外で評価せざるを得ないと。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    矢野委員、どうぞ。
  • 【矢野委員】 また蒸し返して悪いんですけども、3.評価手法の(1)ですね。それに関して、先ほど課長さんのほうから言われまして、目標値を定めていくという方向でここでは検討するというふうに理解してよろしいでしょうか。
  • 【眞先総務課長】 ちょっと繰り返しになりますが、先ほどちょっと私が申し上げたのは、現在の騒音行政におきまして、騒音規制法に基づく騒音規制と、それからあと環境基準というものがございます。それとはまた別のものとして、どう今回の検討を踏まえた上で行政的なものを位置づけていく、どのような形で何を位置づけていくことが必要かということについては、まずはそのシチュエーションと慎重な議論が必要だということを申し上げて、その上で、仮にそれを策定する必要があるとしたらどういったものが必要か、この二つの要素の検討要素があろうということを申し上げました。
  • 【矢野委員】 これは、例えば3の(1)だと、その目標値という、はっきりしたものを決めましょうという意見ですよね。一方、5の(1)は、基準値をつくってもらったらむしろ困るというふうな意見だったと思うんです。それは、両方検討していくというと、どっちになるかちょっとわからないというふうな印象を持ったものですから、先ほどの課長さんのご発言は、どちらかというと前向きなご発言だったかなというふうに理解したんですけども、そういうふうに理解させてもらってよかったでしょうか。
  • 【眞先総務課長】 すみません。私、まずその必要性については慎重な議論が必要だと、慎重な検討が必要だということを申し上げたものですから、今、現段階で必ずしもこっちがいいということを申し上げているつもりでは、実はなかったのでございます。今の段階では、まさにニュートラルというふうにお考えいただいて結構だと思います。
  • 【町田座長】 それでは、先ほど橘委員からご意見いただきました寝室等、屋内での評価という点ですが。この件について、事務局、どのようにお考えでしょうか。そろそろ結論を出すべきじゃないかというご意見をいただいておりますが。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。24年度の報告書にもしっかり、今のお話は書いてあったかと思います。それもご配慮させていただいております。当然そのことを踏まえた上で、評価手法について、個人のお宅に入りマイクロホンを仕掛けるというのは、それは不可能だと思いますので、外部で評価のための測定をするという手法は、当然一般的にそうだろうと思います。
    今般、報告書をまとめるに当たって、この辺りの手法について、なるべく一定の、いわばこういったやり方でいきましょう、というものをまとめさせていただく。今までの話について一定の結論を、私どもとして現段階ではありますが、こういった形でやりましょうということを示す意味で意義あるものではないかと思っておりますので、今のお話も含めて、報告書の中でしっかり位置づけていくことになろうかな、というふうには考えております。
    なお、外で評価するに当たっては、実際に家の中で寝ている方にどの程度の影響が出るかというのは、やはり遮音性能の話がどうしても出てまいりますものですから、その辺りのデータについては、また別途、不断の努力をして、知見の収集というのは必要であろうと、こういうふうに考えております。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    どうぞ、橘委員。
  • 【橘委員】 ちょっとすみません。この辺は、本当は落合委員が一番詳しいというか。
  • 【町田座長】 ちょうど今、落合委員のご意見を伺いたいと思っておりました。
  • 【橘委員】 デンマークでは標準的な遮音性能を決めているんです。ところが、それが日本にすぐ適用できるかどうか。それから、落合委員もデータを幾つかお持ちだし、我々も戦略指定研究で測ったものを持ち寄ってあれしたんですけど、何かモデルができるんじゃないかと思ったんだけども、まだちょっとデータ数が足りない、十分ではない。
    だから、もし早急に、環境省がちゃんとそういう研究プロジェクトでもやってくれれば、数年でできるかもしれない。ただ、それまでには、ある仮説でもいいと思うんです。物理的にそんなとんでもないものになるはずがないので。もう数十ヘルツなんていうのは遮音性能ゼロ、あと少し上がって頭打ちになるのが物理的に自然ですから、そういうモデルを考えればいいんです。場合によってはこの検討会でできないこともない。
  • 【町田座長】 どうぞ、落合委員、お願いします。
  • 【落合委員】 戦略研究のほうでだいぶ低い周波数のデータもとられて、それから私が前にとったデータ、それから、環境庁のころに低周波音の家屋内外レベル差のデータがありまして、それを重ねてみますと、概ね6.3ヘルツ以下ぐらいは内外レベル差はほとんどなくて、それ以上になると、周波数が倍になると大体5デシベルぐらいの割合で増加する傾向にあります。
    デンマークの内外レベル差の元になった結果だったと思いますが、我が国の結果と比べてみますと、デンマークはそんなにたくさんデータはないんです。それをもとに標準的な内外レベル差を決めているんですが、周波数特性は結構でこぼこしている。我々のほうがデータがたくさんある気がしますので、そのデータを睨んで、標準的な内外レベル差の周波数特性を引けるんではないかと思います。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。事務局、ご意見ございますか。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。遮音性能に関する有益なデータ、ぜひ活用してまいりたいと思いますので、また別途ご相談をさせていただければというふうに思います。ありがとうございます。
  • 【町田座長】 それでは、田中委員、お願いします。
  • 【田中委員】 矢野委員から、先ほどの基準値の話のもう一回確認があって、それで行政としては、その目標値なるものについては少しニュートラルに、前広に考えたいと、そういうような趣旨のお話があったと思うんです。
    私の理解では、風力発電の環境影響評価、アセスメントをする上で、やっぱりそういう基準があったほうが、お互い住民にとっても、事業者にとっても、やりやすくなるというのは望ましいだろうと思うんです。ただそのときに、先ほど橘委員がおっしゃられたようにレギュレーションというんですか、発生側でやっぱりきちんと抑えるということも必要だし、たしか前回のヒアリングの際には、兵庫県でしたか、同じような敷地境界で発生源を測定して抑えるという、そういう取組をしています。そういう手法が可能であればそれはそれとして、発生側でもきちんと把握をし、低減努力をし、またそれが影響が出てくる段階で、受音側がですね、評価をするという必要があればさらに保全措置を講じていくと、そういう構えがいいんではないかと思うんです。
    そのときに、やっぱりその目安となるものがあったほうが促しやすいし、場合によっては、環境に配慮した施設建設という面では望ましい。そのことをここでは引き続き検討していくということになっていますが、いろいろ確かに従来から検討してきている、あるいは運用してきている環境基準であるとか、あるいはほかの施設との関係、いろんな論点が出てきて、にわかには結論が出しにくいということもあります。場合によっては、それはそれとして非常に重要な問題でもありますし、それこそ引き続き分科会をやるか何かわかりませんが、そういう検討の場を設けてもいいのかもしれません。大事な問題だというふうに思いました。
  • 【町田座長】 ご意見いただきましたけど、事務局、いかがですか。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。まさにいろんな視点から、見方を代えるというのはできようかと思いますので、私どもとしては24年度の報告書で一定のご提案をいただいているのは受け止めておりますが、その上でどういうふうな形で活かしていくのが最適かということを、少し慎重に検討させていただければ、というふうに思います。
  • 【町田座長】 まだ若干、この議論の予定の時間がございますので、どうぞご自由にご発言いただければと思いますが。
    沖山委員、どうぞ。
  • 【沖山委員】 皆さんのご意見はごもっともだと思うんですが、少し先のことを考えまして、私、非常に苦情処理を長くやってきたものですから、恐らく、これからできる風車というのはいろいろ技術革新があって、低騒音に力を入れているんだろうと思います。だから、ここで決めた、数値等が、既設の風車の測定結果に対して、どのような評価をするのかというのが、問題になるんではないかというような気がします。
    それで、例えば在来鉄道騒音もそうなんですが、いろいろ指針ができるんですが、それを古いものに当てはめ問題になることがあります。在来鉄道騒音の指針の場合は新しくできる場合に当てはめ、在来の場合は現状より悪くさせないというようなことになっていますが、もしここで数値を決めて、何か古い風車に対して測定をして、それ以上オーバーしたらどうだという、そういう議論とか苦情が出るような気がするんですが、その辺のお考えはどうなんでしょうか。今後の考え方です。
  • 【町田座長】 新しい目標値、名称はともかくとしてつくった。しかし、既存不適格という問題が発生するとどうなんだと、いうご意見かと思いますけど。
  • 【眞先総務課長】 今後の検討会で、そもそも、今議論になっていますものをどのように考えていけばいいのか、というのを精査していただく過程の中で、今の話はどの程度考慮すべきかというのがやっぱりあると思いますので、恐縮ですが、またいずれかの機会でということかなというふうに思います。
  • 【町田座長】 そろそろ最後のご意見を頂きたいと思います。
    橘委員、どうぞ。
  • 【橘委員】 今の問題は、本当に一番難しい問題だと思うんですけども、例えばさっき言った自動車の単体規制の場合には、何年かごとに厳しくしているわけですよね。ただ、昔の車は走っちゃいけないかって、そんなことはないわけです。だから、だんだん厳しくしているのに、実際測ってみると道路騒音が下がらないというのは、一つの理由は年式の古い車も走っているから。改造マフラーを付けた車などが走っていることにもよりますが。
    何も既得権ということじゃないんですが、既存の風車をどうするかという点については、やっぱり段階的に対策を立てるという行政のシステムとして、むしろ環境省あるいは法律の専門家で考えていただきたい。いきなり、今、何か目標値を決めて、それに反する風車はスパッと全部営業停止というわけにはいかないでしょう。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。まさにご指摘のとおりでございまして、何か一つ目標値をバーンと決めて、それでスパッとというのは、ちょっとさすがにこれはいかがなものかなという気がいたします。
    したがって、何か決めるに当たっては、当然ひとり歩きしないといいますか、これはこういう場合に適用する、というところをしっかり明確に打ち出していかないと、大変具合が悪いことになるんだろうと。意図しない形で用いられることが一番具合が悪いだろう、というふうに思います。したがって行政的にその数値、あるいは何らかのメッセージを出すに当たっては、その位置づけというのをやはりしっかりしたものにしておかないと具合が悪いというふうに思ってございますので、慎重な検討をお願いしたいということでございます。
  • 【町田座長】 ほかにご意見等ございますでしょうか。いかがですか。
    どうぞ、新美委員、お願いします。
  • 【新美委員】 4.対策手法の(3)のところで、受音側の対策として防音工事で云々というような話があるんですが、これとの絡みで、後から近隣に張りついてきた者に対してどう対応するのかというのもきちんと考えておく必要があろうかと思います。受音側の対策としては極めて難しい問題のように思います。
    諸外国でこういうことがあまり問題にならないのは、ゾーニングがきっちりしているからだろうと思います。ある地区が静穏であることが必要だとしたら、自動車も道路も全部同じように騒音を出さないようにすると徹底してやっているものですから、後から居住するなど張りついてきた人は、そのことを知った上で、居住してくるということになるんです。ところが、我が国の場合には、そういったゾーニングがしっかりしていないものですから、所有権の絶対性という理念もあって、後で張りついてきた者にどうやって対策を立てるかが難しい問題として登場してくる。新幹線でもそうですし、いろんなところで問題になっている。風車もそういう問題が出てくることは十分予測できるので、これをどうするか、少し議論しておく必要があるように思います。
  • 【町田座長】 事務局、お願いします。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。大変重要なご指摘だと思います。今般の方針において、発生源側ではなくて、受音側のという話になってございますので、今の問題は大変、実は鍵になる話だろうと思っております。そういった点で地域の話との絡みというのは、この視点でやはり見ていく必要があるんだろうなというふうには感じております。重要なご指摘、ありがとうございます。
  • 【町田座長】 ほかにございますでしょうか。いかがですか。大分幅広い観点からご意見等をいただいておりますが、よろしいですか。
    どうぞ、橘委員、お願いします。
  • 【橘委員】 これは非常に悩ましい点なんですけど、暗騒音の問題があります。暗騒音という言葉は概念を規定することが非常に難しいんです。近くを車が通った、セミが鳴いたまで暗騒音だと言っちゃうと、大変大きなレベルになってしまう。日本だとほとんど、地方部だとセミが鳴くと60デシベル以上ありますから、それ以下であればいいのかって、そんなこととてもないわけです。同じ地域でも小川のせせらぎが聞こえるところだと、もうそれで暗騒音が高いんですよ。
    だから、個々の点で測定して暗騒音が決められるかというと、決してそんなことはない。だから、非常に難しい問題です。風車騒音のリミットとして暗騒音プラス5デシベルとしているのは、外国にもそういう例が幾つかあるんですけど。この暗騒音というのは残留騒音というべきで、セミの音だとか車の音だとか、そういう音源が特定できる音がない状態で残っている騒音、ノイズフロアみたいなものです。それと比べなきゃいけない。
    暗騒音を風車騒音以外の騒音としてしまうと、地点地点で、サイトウさんち、タナカさんちで違うんですよ、暗騒音は。風が吹いたらいろんな音が出て暗騒音が高くなるので、風が強い日には風車騒音も大きくてもいいというのを、北欧なんかでも決めていますけど、これも風で発生する音は地点によって大きく異なるので、ナンセンスです。
    一方、たとえば京浜工業地帯に風車を建てるということを考えた場合、非常に静かなところの基準を持ってきてもしようがないですし、その辺も議論しないといけない。
  • 【町田座長】 なかなか難しい問題がたくさんありますね。今のご意見に対して、事務局いかがでしょうか。
  • 【眞先総務課長】 ありがとうございます。ある意味、本検討会の、先ほど目標となる値について随分ご議論ございましたが、本検討会においては今の先生の話も含め、いろんな技術的にどう調査をするのか、どう測定するのか、どう予測してどう評価するのかというやり方をしっかり技術的にまとめて、これをしっかり世の中に示していくと。そのやり方を、わかりやすい形でやっていかないと、誤解が入ってしまうとちょっと具合が悪いので、その辺をきちんとお示ししていくことは相当意義があることだろうというふうに考えてございます。したがって、そういう点について、やはり本検討会での報告書の意味は相当高いのではないかというふうに思ってございますので、ぜひ報告書の中身、わかりやすく誤解のないような形になりますよう、また先生方のご協力もお願いしたいということでございます。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    議題(2)につきましては、そろそろ予定の時刻が来ました。
    それでは、次の議題(3)その他に移りたいと思います。
    その他なんですが、先ほど議題(2)の中の資料3、ページで言いますと3ページになるかと思いますが、対策手法の項目のところに、分科会の設置という文言があったかと思います。これについて、委員の皆様方にお諮りをしたいと存じます。
    それでは、お手元の資料4をお目通しいただければと思います。
    先ほど、ご意見の中にもエミッション・レギュレーションの問題、あるいは発生源側、あるいは受音側等々いろいろな問題を各方面からお話をいただきました。それで、まずは環境基準というものが現実にあるわけですけども、それとどのように、関連性を持たせて目標値等を決めていくかという問題もあります。目標値となるかという問題もありますけども、その値の設定等もこれから検討していかなければいけないんだろうと思います。
    そこで、現状どこまでその技術が進んでいるのかというところも、これは環境影響評価を考える上で大変重要な話ではないだろうかということで、資料4にございます風力発電施設に係る騒音対策技術等に関する分科会の設置要綱(案)の内容で、分科会を設置をするということのご提案でございます。お目通しをいただけたかと思いますけれども、1ページ目に目的、、3ページ目にはまだ「案」ということでございますが、名簿が記載されております。このような内容で分科会を設置したいと考えております。
    これについて、何かご意見等ございましたら、お願いしたいと思います。
    沖山委員、お願いします。
  • 【沖山委員】 今、さっと読まさせていただきました。先ほどからいろいろな課題がございますので、これをこの検討会で全てやるというのは大変難しいと思いますので、この分科会を設置するということは非常によいことだろうと私は思います。賛成だなと思っております。
  • 【町田座長】 ありがとうございました。
    ほかにご意見ございますか。
    (なし)
  • 【町田座長】 この分科会で議論をしていただきまして、やはり環境影響が実行可能な範囲で、できる限り回避または低減されるということは大変大事なことだと思いますので、この分科会におきましては、予定としてはメーカーや設置事業者とのヒアリング等々を予定して、その成果をこの検討会にて再度議論すると、こういうことで進めていきたいというふうに考えております。
    それでは、沖山委員のほうからも賛成、異議がなしということでご発言いただいたかと思いますので、この検討会でこの分科会の設置をご承認いただいたと理解してよろしいでしょうか。
    (異議なし)
  • 【町田座長】 ありがとうございます。
    それでは、ほかに、事務局、何かございますでしょうか。
  • 【桑原大気生活環境室振動騒音係長】 特に、他にはございません。
  • 【町田座長】 それでは、予定の時刻より若干早いんですけれども、一応本日の予定された議題はこれで終了いたしました。
    どうぞ、田中委員。
  • 【田中委員】 今の分科会の設置もあるんですが、今後のスケジュールの見通しは、大体どんな流れになるんでしょうか。
  • 【町田座長】 事務局、お願いします。
  • 【眞先総務課長】 分科会のほうの議論を進めさせていただきたい、と思っています。なので、分科会がどのぐらいの時間がかかるのか、まだわからないので、何とも言えないのですけれども、少なくともこの検討会の第4回は、分科会の状況も見つつある程度のところ、年度内には少なくとも4回目は開きたいなというふうに思ってございます。そのぐらいの感じでございます。
  • 【田中委員】 年度内に第4回ということで、2月か3月かの年度の終わりのころだと思うんですが、先ほどちょっと話が出た、報告書というのが話題に出たわけですが、これについての時期というのはいつごろになるんでしょうか。
  • 【眞先総務課長】 そこについては、まだ私どものほうから、いつ目処というのは申し上げにくいかなと思っております。要は、検討次第といったら変ですけれども、そういうふうに考えています。
  • 【田中委員】 当初、たしかスタート時点で1年間、年度内にはと、たしかそういう話があったものですから、その方針が今の話を聞くと少し先延びすると、そういうお話に理解したのですが、およそいつごろというのが共有できれば、こちらも目処がつくなと思った次第です。
  • 【眞先総務課長】 すみません。努力目標には変わりはないのですが。
  • 【町田座長】 どうぞ、橘委員。
  • 【橘委員】 この間、あるマスコミ関係者と話していたら、この検討会が頓挫しちゃったというふうに世の中ではとられているようなので、絶対にそういうことがないように、よろしくお願いします。
  • 【眞先総務課長】 承知いたしました。
  • 【町田座長】 ほかにご意見ございますか。全体の進め方等も含めまして、よろしいですか。
    (なし)
  • 【町田座長】 それでは、今日用意した議題、全て終わりましたので、進行を事務局にお返しいたします。
    お願いします。
  • 【桑原大気生活環境室振動騒音係長】 町田座長、ありがとうございました。
    それでは、最後になりますけれども、水・大気環境局長の小林より、一言ご挨拶申し上げます。
  • 【小林水・大気環境局長】 水・大気環境局長の小林でございます。今日、また遅刻をしてまいりまして、いろんな会議が重なりまして、恐縮でございます。
    今日、大変この遅い時間に、また年末押し詰まりまして、お忙しい先生方にお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。
    今の会議でも出ておりました、第3回目の検討会ということで、かなり幅広の議論をしていただきました。確かに前回から大分間が空きまして、今日の議論にも表れていたわけでございますが、前回のいろんな議論を聞いた中でも、これはもう、もともと先生方ご承知のとおり、評価手法に関する検討会だということで、アセスメントも始まっておりますので、それに役立つようにということで、アセスのほうの部隊とも連携をして、専門的な我々がやるかということで、この会議をお願いしたわけでございますが、議論を始めてみますと、まさに今日の会議がそれを物語っていたと思いますが、騒音全般の基準ですとか規制の問題、それと、また今、新しく出てきている風車の問題、これがまた今、ご承知のように温暖化対策についても、いろいろ温暖化の進行が懸念される中で、再生可能エネルギーをどうしていくかということが、原発との問題も絡みまして大変大きな課題になっております。そういう意味で、ますます注目も浴び、重要性も増しているということであります。そういう中で、しっかり環境にも配慮してもらい、また地域の納得もいただきながら、どうやっていけばできるかということで、使命は非常に重くなっていると思うわけでございます。
    ただ、評価手法ということで開始をしましたこの検討会でございますが、関わってくるものは非常に多いし、多岐にわたると、またそれぞれが非常に深い問題があるということが明らかになったと思います。そういう意味で、今後の道行きについて、いま一つちょっとはっきりしたお話ができなかったのは恐縮でございますが、この間も我々環境省の中でもいろんな角度から検討してきた、その結果を今日お示ししたということでございます。それに対して、また専門家の先生方から、大変また、より一層幅広く、また深いお話をいただきました。ちょっとこの検討会の当初の目的というのがございますので、技術的な対応というところは、ぜひ今日、分科会の設置もお決めいただきましたので、それを視野に入れながら、評価手法というような切り口で何を出していったらいいのかということは、これは極力速やかに出していきたいと思います。
    それで、今日も議題になりました基準の問題、基準も既存のものをどうするかというお話もございましたが、これも従来の意味の目標である環境基準的なものと規制基準で、また考え方も全く違ってまいります。規制についてはもちろん、いきなり現実に動いているものが倒れてしまう基準というのは、行政としては考えられないわけでございますので、ただ、地域全体の目標であれば、全体が共有していくということが必要かもわかりません。そういう意味で、一つ基準と申しましても、どう位置づけのものにしていくのか、それからほかの従来の環境基準なり、規制基準とどういう整理するか、そんな課題もあるかなというふうなことを、今日も遅れてきた私ではございますが、感じたところでございます。
    そういう意味で、ちょっと論点を整理させていただいて、全部が全部ここでというわけにはいかないと思いますので、この検討会で何をお願いして、当初の目的を達していただけるようにするのかということ、それから、ここでご指摘があったさまざまの課題、ある意味で積み残してきた課題がご指摘があるということだというふうに認識しておりますので、これについてはどういうふうにしていくのか、これについてもしっかり向き合っていきたいというのが今日、総務課長なりからご説明したスタンスでございます。そういう意味で、この分科会をスタートさせながら、全体をどうしていくかということについても、それが終わらなければということではなくて、少しずつ今日の論点なども整理させていただいて、またご相談をしていけるようにというふうに考えておりますので、どうか今後も引き続きよろしくお願い申し上げます。
  • 【桑原大気生活環境室振動騒音係長】 以上で、第3回風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会を終了させていただきます。
    長時間の議論、どうもありがとうございました。