大気環境・自動車対策

九州新幹線(博多・新八代間)に係る環境省からの要請に対する関係箇所からの報告

平成27年5月15日

 平成23年3月12日の九州新幹線博多・新八代間の開業に伴い、その沿線において新幹線鉄道騒音に係る環境基準の達成状況を確認したところ、同基準が達成されていない地域がみられた。
 そこで、平成24年2月16日付けで、国土交通省及び関係する福岡県、熊本県及び福岡市に対し同基準の達成に努めるよう要請を行ったところ、建設主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び営業主体である九州旅客鉄道株式会社から同省を通じて、また、各県市から報告があった。その概要は次のとおりである。

1.独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から国土交通省を通じての報告

(1)音源対策について

 レール削正、防音壁嵩上げ、干渉型防音壁または吸音板の設置を実施した。また、音源対策以外にも屋内環境が保持されるよう家屋の防音工事を実施した。
 騒音低減技術の開発に努め、実行可能なものは積極的に導入を図ることとしており、今後も引続きその推進に努める。

(2)土地利用の適正化について

 環境基準の円滑な達成に資するため、新幹線沿線の土地利用、地域開発計画の適正化を図るよう関係地方公共団体に要請した。

(3)環境保全について

 音源対策完了後は騒音測定を実施し、環境基準の達成状況を確認した。また、営業主体に対し、鉄道施設の適切な維持管理を行うよう調整を図っている。

(4)関係地方公共団体との連絡調整について

 関係地方公共団体と機会あるごとに連絡調整を図っている。

2.九州旅客鉄道株式会社から国土交通省を通じての報告

(1)音源対策について

 車両および借り受けた鉄道施設の適切な維持管理に努め、環境の保全を図っている。また、騒音低減技術のうち導入可能なものは積極的に導入の検討を行っていく。

(2)土地利用の適正化について

 今後、協議の要請があった場合は、沿線地域において原則として住居地域の指定は行わないことが望ましいこと、市街地開発事業が計画される場合には、新幹線鉄道騒音防止の観点から騒音の悪影響を受けやすい土地利用を避ける必要があることを、関係地方公共団体に要請していく。

(3)環境保全について

 必要に応じて、騒音・振動等の環境の状態のモニタリングを行うとともに、車両および借り受けた鉄道施設の適切な維持管理に努めた。今後も引き続き環境の保全を図っていく。

(4)関係地方公共団体との連絡調整について

 沿線地域の環境に配慮し、関係地方公共団体との連絡調整に努める。

3.地方公共団体からの報告

(1)監視測定について

 新幹線鉄道騒音に係る環境基準の達成状況を把握するため、騒音測定調査を実施した。

(2)沿線の土地利用の適正化等について

【福岡県】
 関係部局及び市町村と連携して、必要に応じ、沿線住民の生活環境の保全について検討することとしている。

【熊本県】
 関係市町に対して沿線の土地利用の適正化を図るよう協力を要請した。

【福岡市】
 沿線地域の用途地域選定及び市街地開発事業計画にあたり、関係部局へ配慮を依頼した。

(3)環境基準の地域類型指定について

【福岡県・熊本県】
 今後とも見直しを含め適切に地域類型の当てはめを行っていく。

(4)環境状態のモニタリングについて

 今後も、新幹線鉄道騒音・振動調査等に努め、必要に応じて適切な環境保全対策を講じるよう要請をしていく。