平成１６年度悪臭防止法施行状況調査について

平成１７年１１月２９日（火）
環境省水・大気環境局大気生活環境室
　室長：瀬川　俊郎（内線６５４０）
　室長補佐：波多野　実（内線６５４１）
　担当：藤田　宏志（内線６５４２）

１　調査の目的

　悪臭防止行政の一層の推進を図るため，毎年度，全国の都道府県，指定都市，中核市，特例市及び特別区に対して，悪臭苦情の状況，悪臭防止法に基づく各種措置の施行状況等について調査を行い，その結果を取りまとめているものである。

２　調査結果

（１）悪臭苦情の状況

[1]苦情件数の推移

　平成16年度の悪臭苦情件数は19,657件であり，5年ぶりに減少した。（図1）。また，前年度と比較すると，4,930件，約20.1％の減少となった。

（件数）

（年度）

図１　苦情件数の推移

[2]都道府県別の苦情件数

　平成16年度の苦情件数を都道府県別に見ると，上位5県は東京都，愛知県，埼玉県，神奈川県，大阪府であった。これら上位5都府県で総苦情件数の40.2％を占めており，都市部における苦情の多さが目立った。その一方で，苦情件数を前年度と比較すると，47都道府県中34都道府県で苦情が減少していた（表１）。

表１　都道府県別苦情件数の対前年度増減状況（単位：件）

[3]発生源別の苦情件数

　平成16年度の苦情件数を発生源別に見ると，「野外焼却」に係る苦情が最も多く，4,591件で全体の23.4％を占めた。第2位は「サービス業・その他」の3,230件（16.4％），第3位は「個人住宅・アパート・寮」の 2,277件（11.6％）であった（図2）。
　前年度と比較すると，「野外焼却」（前年度10,902件）に係る苦情が大幅に減少した反面，「サービス業・その他」（同2,763件）に係る苦情が増加した。また，工場全体の苦情件数も，前年度の3,015件から3,625件と増加した。

（件数）

図２　発生源別苦情件数の推移

[4]規制対象とそれ以外の苦情件数の比較

　平成16年度の総苦情件数19,657件のうち，悪臭防止法の規制対象となる規制地域内の工場・事業場に対するものは8,530件（43.4％）であり，規制地域外の工場・事業場に対する苦情（2,635件，13.4％）及び「個人住宅・アパート・寮」，「下水・用水」など規制対象外の発生源に対する苦情（8,492件，43.2％）が残りを占めていた（表2）。

（２）悪臭規制等の状況

[1]規制地域の指定状況

　悪臭防止法に基づく規制地域を有する市区町村は，平成16年度末現在，1,606市区町村で，全国の市区町村数の63.1％にあたる（表3）。市町村合併の影響で，昨年度と比較して規制地域を有する市区町村数は減少したが（前年度1,808市区町村），全市区町村数に対する割合は増加した（同57.2%）。

[2]悪臭防止法に基づく規制措置等の状況

　平成16年度中に，規制地域内で悪臭防止法に基づく措置等を行った件数は，表4のとおりであった。
　平成16年度に行われた立入検査は4,936件（前年度7,691件），報告の徴収は1,005件（同1,063件），測定は198件（同243件）であった。また，測定の結果，規制基準を超えていたものは67件（同70件）であったが，法に基づく改善勧告（同4件）及び改善命令（同0件）は行われなかった。これらの措置のほか，悪臭防止に関する行政指導が6,933件（同11,278件）行われた。

（３）臭気測定業務従事者（臭気判定士）の状況

　平成８年に創設された臭気測定業務従事者（臭気判定士）の数は年々増加しており，平成16年度末現在の臭気判定士免状の取得者数は2,289名となった（前年度2,224名）。

ダウンロード用PDFファイル 平成１６年度悪臭防止法施行状況調査について（お知らせ）[33KB]