岡山県 岡山平野 地盤環境情報 令和4年度

1.概要

(1) 地盤沈下等の概要
岡山県の調査によれば、本地域中の吉井川河口部にあたる岡山市東区では昭和44年頃から地盤の沈下がみられた。しかし、平成元年頃にはほとんど沈下が停止し、平成6年以降は計測を中止している。
(2)地形、地質の概要
岡山平野は高梁川、旭川、吉井川などの河川によって形成された沖積平野である。また、海岸部では児島湾周辺に大規模な干拓地が造成されている。地質は、中世代の花崗岩類を基盤として、数十mの第四紀堆積物が分布し、海岸部や干拓地には軟弱な沖積層が分布している。 

2.地下水採取の状況

統計資料によれば、近年、平野部の揚水量(上水道用)は変化がなく、現在130千m3/日前後である。

3.地盤沈下等の状況

局部的に顕著な沈下の生じた吉井川河口部の岡山市東区では、昭和44年8月~平成5年3月の約24年間に、累計で7.7㎝の井戸の抜け上がりが観測されている。この地区で沈下速度が大きかったのは昭和44、45年頃で、平成元年頃にはほとんど沈下が停止し、平成6年以降は計測を中止している。 

4.被害

地盤沈下による被害としては過去に沈下量の大きい地区で、打ち込み井戸パイプの抜け上がり、水田の水はけの悪化がみられたが、現在では顕著な被害は認められない。

5.対策

(1) 監視測定
水準測量は行っていないが、岡山市内では2ヶ所に沈下計を設置し平成5年度まで測定を行った。また井戸の抜け上がり量の調査を1ヶ所、平成4年度まで実施した。 
(2) 地下水などの採取規制
岡山県公害防止条例を全面的に見直し、岡山県環境への負荷の低減に関する条例を平成13年12月に制定した。この中で、「地盤の沈下の防止」として地下水を採取したことにより地盤沈下が生じている地域において、生活環境が著しく損なわれ、又は損なわれるおそれがあると認めるときは、その地域における地下水採取者に対し地下水採取制限等を勧告、命令することができることになっているが、これまでのところ措置を講じた事例はない。

6.詳細情報

その他の「詳細情報」を、下記のエクセルファイルからご覧になることができます。