持続可能な
地域の未来づくりに向けた
SDGsリーダー研修

研修地紹介

鈴鹿山脈、愛知川をのぞむ東近江市の光景の写真

東には鈴鹿山脈、西には琵琶湖、湖東平野に広がる近畿トップの耕地面積を誇る東近江市。里山・里地・里湖がひとつの水系でつながる同市は、1,000分の一スケールの日本とも言えます。
ここでは、かつて滋賀県に存在した近江国で活躍した近江商人の”売り手によし、買い手によし、世間によし”を示す経営哲学「三方よし」が今も受け継がれ、地域の恵みや人間関係の豊かさを生かした、市民による循環共生型の活動がたくさん行われています。

東近江市の魅力

(1)持続可能な組織づくり

東近江市にほど近い近江八幡市にあり、県内でも一番の人気スポットとなっている施設を運営する企業は、社をあげてSDGsに取り組んでいます。また、東近江市には、昔の建物を改装して地域住民の憩いの場を提供している施設や、地域の安心・安全の拠点として様々なサービスを提供している福祉モールなど、地域に根ざした取組を展開しているところがあります。規模の異なるこれらの施設の視察を通じて、持続可能な組織のあり方等について学びます。

ラ コリーナ近江八幡(たねやグループ)

ラ コリーナ近江八幡の緑に囲まれた外観の写真

お菓子づくりを生業としている「たねやグループ」。同社はいち早く環境保全の取組みを進め、近年は国連の持続可能な開発目標”SDGs”に社をあげて取り組んでいます。「ラ コリーナ近江八幡」は自然を愛し、自然に学び、人々が集う繋がりの場として設立されたたねやグループの新たな拠点で、今や滋賀県No.1の集客を誇る人気スポットです。

中野ヴィレッジハウス

中野ヴィレッジハウスで開催されているイベントの様子の写真

中野ヴィレッジハウスは歴史の香り漂う「御代参街道」にある、200年の歴史を持つ旧塩倉を改築した新たなコミュニティースペースです。サロン、ギャラリー、カフェとして利用できる建屋とそれに続く約100坪の芝生ガーデン、温室、果樹園、旧肥料倉庫を利用した工房から成り、タイムシェアリングで市民や事業者に提供、市民の憩いの場として地域住民共生の輪を広げています。

あいとうふくしモール

あいとうふくしモールの調理場で料理する様子の写真

あいとうふくしモールとは、地域の安心・安全の拠点づくりとして生まれた福祉モール構想をもとに生まれた、障害があっても、認知症があっても、どのような症状になっても安心して暮らせる拠点づくりに取り組むプロジェクト。モール内には高齢者や障がい者が地域の中で働きやすい空間を目指してつくられた。ファームキッチン「野菜花」、デイサービスなど提供する「結の家」、スローフードが自慢の「田園カフェこむぎ」があります。

(2)地域資源を活かした仲間づくり

東近江市奥永源寺地区には、絶滅危惧種の植物を栽培し、成分を利用したコスメの製造・販売を展開している企業や、たった一種類で多彩な表現を生みだせる積み木を作っている工房、先祖代々受け継いできた「幻の銘茶」を次の世代につなげる取組を展開する団体などがあります。視察を通じて、地域資源を活かした仲間づくりについて学びます。

株式会社みんなの奥永源寺

株式会社みんなの奥永源寺のコスメが展示されている写真

地域おこし協力隊(地域力の維持・強化を図る総務省の制度)だった前川さんが市民の出資で設立した「株式会社みんなの奥永源寺」は、東近江市の花で絶滅危惧種の「紫草(ムラサキ)」の栽培と、コンテンツとしての商品化を手がけています。
長浜バイオ大学と連携して開発したオーガニックコスメは、もはや国内では手に入らないといわれていたムラサキの根(シコン)を主成分とし、人や環境に配慮したライフスタイルを提案するコスメとして注目されています。

クミノ工房

クミノ工房の積み木で遊ぶ子ども達の写真

クミノ工房は、琵琶湖にそそぐ愛知川の源流、東近江市奥永源寺地区にある、とてもユニークな積み木を作る工房です。
「日本の家は木を組んで作るのに木を組んで家をつくるおもちゃはどうして無いのだろう?」こんな素朴な疑問をきっかけに、たった一種類だけど、その組み合わせで多彩な表現を生む積み木「クミノ」を考案しました。『森と人をつなぐカタチ』がコンセプトのそのつみ木は、地元の杉だけではなく、国内各地の山の木を使った展開を行っています。

政所茶生産振興会

政所茶生産振興会近辺の農家と茶畑の写真

「政所茶」は、地域の特産品として室町時代から600年以上の歴史を持ち、全国に名を馳せてきた銘茶。かつて豊臣秀吉も愛したとされ、香りが良く、ほのかな甘みが特徴です。しかし近年は、生業の変化や、生産者の高齢化などにより生産量は減少し続け、今では「幻の銘茶」と呼ばれています。
「政所茶生産振興会」は、この先祖代々受け継いできた政所茶を次の世代に繋いでいきたいという思いから、地元の生産者と地域おこし協力隊、大学生などが一緒になって設立されました。現在、産地の現状調査、耕作放棄地の開墾、茶摘体験ツアー、地域内外での宣伝活動などを実践しています。

公益財団法人東近江三方よし基金

地域活性化及び循環共生型社会の実現を目指して、地域資源をお金でつなぐ仕組みの一つとして市民からの寄附で2017年に設立された公益財団法人です。志のあるお金が地域で循環するローカルファイナンスによって、社会的インパクトの創出を実現する取組を応援します。