森里川海をつなぎ、支える都市と地方の関係(地域循環共生圏)とは

 「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトでは、地域の自然環境の保全や再生を進め、そこから得られる恵み を上手に活用することで、地域の社会や経済にも貢献していこうという取組(地域循環共生圏の構築)を推進しています。
 人口減少時代に入り、高齢化や過疎化が進む地方ですが、一方で自然の恵みの宝庫です。その恵みを環境に配慮された持続可能な形で、エネルギー・食糧・観光資源として活用できれば地方を元気にすることができます。
 また、地方は都市に依存していると思われがちですが、実は、都市が地方に依存しているのです。地方の自然の恵みが生み出す多くのエネルギー・水・食糧、そして人材も地方から都市にもたらされています。都市と地方のそういったつながりの大切さに目を向け、都市と地方がお互いに支え合う関係を強固にすることで、複合化する環境・経済・社会の諸問題を同時に解決することができるのではないでしょうか。

地域循環共生圏とは ~地域が自立し、支え合う関係づくり~
地域循環共生圏とは ~地域が自立し、支え合う関係づくり~

 地域循環共生圏とは、地域の資源、自分たちの目の前にあるものの可能性をもう一度考え直し、その資源を有効活用しながら環境・経済・社会をよく使用、資源を融通し合うネットワークをつくっていこうというものです。その視点は、エネルギー、交通・移動システム、災害に強いまちづくり、衣食住の日々の生活者としてのライフスタイル等があります。それらすべてを落とし込んだものが、下図「地域循環共生圏(日本発の脱炭素化・SDGs構想)」になります。これを私たちは「曼荼羅」と呼んでいます。この実現に向けて、関係省庁と連携しながら取り組んでいきます。

地域循環共生圏(日本発の脱炭素化・SDGs構想)

ーサイバー空間とフィジカル空間の融合により、地域から人と自然のポテンシャルを引き出す生命系システム―


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実証事業

 平成28年度から、地域循環共生圏を構築するため、全国10の地域で実証事業を始めました。実証事業では、次の3つの柱を意識して事業を展開しています。
 ・「多様な主体が集うためのプラットフォームづくり」
 ・「持続可能性を担保する資金メカニズムづくり」
 ・「人材育成」
 試行錯誤しながら、各地域の特徴を活かして地域循環共生圏の構築を目指しています。以下では、バリエーション豊かな各地域の取組をご紹介します。

実証地域の取組紹介
実証地域 岩手県 南三陸町 (一般社団法人CEPAジャパン) 石川県 珠洲市 (珠洲市) 神奈川県 小田原市 (小田原市) 滋賀県 東近江市 (NPO法人まちづくりネット東近江) 大阪府 吹田市・豊能群能勢町 (認定MPO法人大阪自然史センター) 岡山県 高梁川流域 (一般社団法人高梁川流域学校) 山口県 椹野川流域 (椹野川河口域・干潟自然再生協議会) 徳島県 吉野川流域 (コウノトリ定着推進協議会) 福岡県 宗像市 (宗像国際環境会議実行委員会) 佐賀県 鹿島市 (鹿島市ラムサール条約推進協議会) 宮城県 南三陸町 (一般社団法人CEPAジャパン) 石川県 珠洲市 (珠洲市) 神奈川県 小田原市 (小田原市) 滋賀県 東近江市 (NPO法人まちづくりネット東近江) 大阪府 吹田市・豊能群能勢町 (認定MPO法人大阪自然史センター) 岡山県 高梁川流域 (一般社団法人高梁川流域学校) 山口県 椹野川流域 (椹野川河口域・干潟自然再生協議会) 徳島県 吉野川流域 (コウノトリ定着推進協議会) 福岡県 宗像市 (宗像国際環境会議実行委員会) 佐賀県 鹿島市 (鹿島市ラムサール条約推進協議会)


地域循環共生圏構築の手引き

全国10地域の実証事業の取組を踏まえて、「森里川海からはじめる地域づくり 地域循環共生圏構築の手引き(ver1.0)」を作成しました。手引きでは地域循環共生圏の構築を進めていくために必要な取組の手法やプロセス、事例、課題解決のヒント、ワークシート等を紹介しています。

【目次】
1. 地域循環共生圏構築の手引き
2. 地域循環共生圏が目指す社会とアプローチ
3. プロジェクトの進め方
4. 実践編(実践のためのヒント)
 4.1 地域の将来ビジョンを描く(プロジェクト構想の検討)
 4.2 プロジェクトを推進する3つの柱(仕組み)を考えよう
 4.3 プロジェクト構想の具体化
 4.4 プロジェクトにおける事業戦略の立案
 4.5 プロジェクトの進捗管理
5 事例集
6 参考資料

【ダウンロード】
概要版(PDF)
全体版(PDF)
・分割版(PDF)
 その1(1~3)その2(4.1)その3(4.2)その4(4.3~4.5)その5(5)その6(6)  

自然の恵みを活かす世代間交流プロジェクト

≪森里川海ふるさと絵本≫の制作

地域の各世代の方々を訪ね、森里川海を「聞き書き」し、森里川海と豊かに暮らす知恵・技術・文化を振り返ります。
・ワークショップ、聞き書きの開催
・絵本に描く
・世代をこえて一緒に楽しむ
第一弾として、『ありがとう あらかわ』が制作されました。


『ありがとう あらかわ―秩父市―』

『ありがとう あらかわ―荒川区―』


 絵本は、荒川の上流と下流であり、姉妹提携都市である秩父市と荒川区それぞれのふるさとの記憶から荒川の恵みと地域の生活を考えるために、「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトの一つの取り組みとして制作したものです。
 絵本づくりは、関東平野を流れる荒川が人々の暮らしにどんな恵みをもたらしてきたのだろうといった思いをめぐらせることからスタートしました。
荒川の恵みとふるさとの記憶を復元するため、地域に暮らす老若男女が集い、それぞれの五感体験・生活体験に関する記憶を語り合いながら、有識者の指導のもとに人々の心の底にしみついたふるさとの記憶を言葉に置きかえていきました。
 絵本は、こうしてつむぎ出された多くの言葉が絵画化され、地域に暮らす老若男女の数々の記憶が凝縮されたものとなったのです。
 また、地域の子どもたちによる「未来の秩父」「未来の荒川区」をイメージした絵画作品が巻末を飾っています。
自然とそこに生きる人々の関わりについて、過去の記憶をたどり未来に思いを馳せることで、現在の私たちの暮らしがより豊かになることの一助になれば幸いです。