持続可能な
地域の未来づくりに向けた
SDGsリーダー研修

研修地紹介

いすみ市に広がる稲穂の垂れた田んぼの風景

いすみ市は、豊かな海山川がもたらす自然の幸に恵まれる一次産業が盛んな田舎都市です。
過去には献上米であった「いすみ米」、贈答用として人気が高い「岬梨」、全国トップクラスの水揚げ高と品質を誇る「イセエビ」、日本二大たこである「真だこ」などをはじめとして、温暖な気候と肥沃な大地、黒潮と親潮が交わる日本トップクラスの磯根により、非常に高品質な農水産物が生産・水揚げされており、まさに食の台所です。
また、東京からもJR特急で70分、車で70〜80分と近いため、毎年、多くの若い老若男女が、自然豊かな環境を求めて移住しており、「行ってみたいまち、住みたいまち、子供に優しいまち、高齢者にやさしいまち」を目指しています。

いすみ市の魅力

(1)食と農業

いすみ市は、肥沃な耕地の広がる農業の盛んな地域です。この土地に惹かれて移住・就農し、独自の栽培方法や販売ルートで、新たなビジネスを始めた人、また、有機無農薬米栽培や集落営農などで地域の持続可能な農業に貢献する農事組合法人など、いすみ市には情熱をもって農業に取り組む方々が大勢います。今回の研修では、そうした特色ある取組にチャレンジしている農業経営者を訪問します。

高秀牧場

牧場を背景にした高秀牧場ミルク工房の馬上(まがみ)店長の写真

高秀牧場さんは、自然資源を無駄にしない「循環型酪農」に、地元農家と連携して取組んでいます。また、チーズやジェラートで6次産業化を推進。カフェを併設する牧場は、人気スポットとして市外からも多くの人が訪れています。

農園タロとあき

農園タロとあきの青木昭子(あきこ)さんが見学者に野菜の説明をする様子

農園タロとあきの青木太郎・昭子ご夫妻は、無農薬・無科学肥料の野菜を栽培。都内のレストランに直販するなど、独自の販売ルートを開拓し、いすみ市の地域特性を活かした営農を行なっています。

ファームヤード石野

ファームヤード石野の石野(いしの)さんが見学者にトマト栽培の説明をする様子

トマト専門農家の石野さんは、農業経験が全くない中で2007年に就農。研究と工夫を重ね、千葉県唯一の栽培方法とつくるトマトは、CLUB RED*のシェフたちからも高い評価を得ています。
*若き才能を発掘する日本最大級の料理人コンペティションRED U-35において優秀な成績を修めた若手料理人と歴代の審査員が集うコミュニティ

農事組合法人みねやの里

みねやの里の矢澤さんがマイクを持って説明している写真

みねやの里さんは、集落営農により、地域が一体となって環境に配慮した農業経営を継続的に実践。有機無農薬米栽培のほか、新規就農者への支援、循環型酪農に取組む地域の牧場との連携など、地域の未来を考え、新たな取組にチャレンジしています。

(2)水産物と観光

いすみ市は、全国トップクラスの水揚げ高と品質を誇るイセエビだけでなく、日本の二大タコとも称される高品質なマダコがこれからシーズンを迎えます。12月下旬からいすみ市沖で漁獲されるマダコは、イセエビをエサにしていると言われ、その味は一度食べたら忘れられません。
今回の研修では、これらの価値ある地域資源の活用方法等について、地域関係者の話を聞きながら、ともに考えていきたいと思います。
また、いすみ市は、地域連携活性化事業の一環として跡見学園女子大学と連携しており、漁師が自分たちの生活を守っていくための船の上以外の普段見えない仕事や漁へのこだわりなど、資源循環型漁業を体験した大学生が、漁師とともに地域の歴史などを説明しながら案内するガイドウォークを実施し、海の男の仕事の魅力をお伝えします。

(有)アルファ

休憩用のテーブルとイスが並んでいる海の直売所アルファさんの外観の写真

(有)アルファさんは、工場直送の魚の干物や海産乾物などを販売。ロッジ風の建物で、アジの干物づくりが体験できるなど、いすみ市の地域資源である水産物を活かした観光地化に一役買っています。

(有)丸大水産

イセエビの生簀の前に立つ丸大水産の社長と専務の写真

水産仲卸業の丸大水産さんは、いすみ市内にいけすを構え、イセエビをはじめ、あわび、サザエ、蛤などの海産物を全国の市場へ出荷。買い手のニーズに合わせた販売に取組んでいます。

(3)人のつながり

いすみ市は、宝島社発行「田舎暮らしの本」の住みたい田舎ベストランキングにおいて、3年連続で、首都圏エリア総合第1位に選ばれています。個性あふれる移住者の方々が非常に多く、地域住民も含めてお互いにサポートしあいながら、各自のペースで新しい生活をスタートさせています。今回の研修では、移住して起業した方々や支援者から、起業時のことや事業を継続させている現在のことなど、体験に基づくリアルなお話を伺います。

創造系不動産

創造系不動産の高橋社長の写真

「建築と不動産のあいだを追究する」をコンセプトに、建築家とのコラボレーションに特化する不動産コンサルティング会社を経営。
空き家活用や空き家バンクシステムについて研究・実践を行っています。いすみのほか、北海道、富山など各地で地域創生に関わる活動を展開。
ここいすみ市での活動は、地方ビジネス創生プロジェクト「いすみラーニングセンター」で、東京から地方の暮らしやビジネスの可能性を学ぶスクールを開始し、また定期的な「いすみ空き家巡り」ツアー、「いすみ経営者合宿」を開催。これらを通じ、空き家活用や人材育成、ローカルビジネスを実践しています。

カフェgreen +(グリーンプラス)

カフェグリーンプラスの御田(おんだ)さんの写真

移住者の御田さんご夫妻は、いすみ市で畑つきエコアパートとカフェを経営。カフェでは、自然栽培・有機無農薬の野菜や自家製発酵食品を使ったメニューを提供しています。

古民家シェアハウス 星空の家

古民家シェアハウスの三星(みつほし)さんの写真

大学卒業後、東京での会社員を経て2011年、千葉県いすみ市へ移住。
古民家シェアハウス「星空の家」、「星空の小さな図書館」、「星空スペース」を立ち上げ、2018年に株式会社スターレット設立。「今あるモノで、まだないコトを」テーマに、都会といなかを橋渡し中。
移住者同士のコミュニティだけでなく、地元の人とつながりを大切にした暮らしを実践しています。

磯木淳寛氏

「小商いで自由に暮らす、房総いすみのDIYな働き方」を刊行した磯木(いそき)さんの写真

2013年にいすみ市に移住。2017年に『「小商い」で自由にくらす~房総いすみのDIYな働き方』(イカロス出版)を刊行し、Amazon.jpの「社会と文化」「経済学」の2部門で1位を獲得。また、公立中学と高校に、社会に新しい価値を提案する人を地方から育むための特別授業「房総すごい人図鑑」を持ち込んで実施。その活動資金をつくるため、地域の祭りを題材に開発した「ほらやっさカレー」も好調。