報道発表資料
環境庁は、今般、両生類及び爬虫類について、レッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)の見直しを行った。レッドリストは、レッドデータブック(絶滅のおそれのある野生生物の個々の種の生息状況等をまとめたもの)の基礎となるものであり、これ自体が法的規制等の強制力を伴うものではなく、絶滅のおそれのある野生生物への理解を広めることを目的としたものである。
環境庁では、平成3年度に取りまとめた動物のレッドデータブックを新たなカテゴリーにより見直すため、哺乳類、鳥類といった分類群ごとに、専門家による検討会を設置し、平成7年度から順次見直し作業を進めており、今回、両生類及び爬虫類について、レッドリストの見直し作業が終了したため、公表するものである。これは、動物分類群の中で最も早い公表となる。
このリストでは、新たなカテゴリーにより、絶滅のおそれがある種(絶滅危惧[1]類及び[2]類)として、両生類ではイシカワガエルなど14種、爬虫類ではヒメヘビなど18種を掲げている。
今後、環境庁では、このリストを基に、両生類及び爬虫類のレッドデータブックを作成することとしている。
なお、植物のレッドリストについては、現在作成中である。
1.レッドデータブックの見直しについて環境庁では、平成3年度に取りまとめた動物のレッドデータブックを新たなカテゴリーにより見直すため、哺乳類、鳥類といった分類群ごとに、専門家による検討会を設置し、平成7年度から順次見直し作業を進めており、今回、両生類及び爬虫類について、レッドリストの見直し作業が終了したため、公表するものである。これは、動物分類群の中で最も早い公表となる。
このリストでは、新たなカテゴリーにより、絶滅のおそれがある種(絶滅危惧[1]類及び[2]類)として、両生類ではイシカワガエルなど14種、爬虫類ではヒメヘビなど18種を掲げている。
今後、環境庁では、このリストを基に、両生類及び爬虫類のレッドデータブックを作成することとしている。
なお、植物のレッドリストについては、現在作成中である。
(1) 目的・経緯
野生生物を人為的に絶滅させないためには、絶滅のおそれのある種を的確に把握し、一般への理解を広める必要があることから、環境庁では、昭和61年度より「緊急に保護を要する動植物の種の選定調査」を実施し、その結果をレッドデータブック「日本の絶滅のおそれのある野生生物 脊椎動物編、無脊椎動物編」として平成3年に取りまとめた。しかし、IUCN(国際自然保護連合)で採択された新しいカテゴリーの考え方に基づき、また、生息状況や生息環境の変化に関する最新の知見等を踏まえ、レッドデータブックの見直しを行う必要がある。
このため、環境庁では平成7年度より、哺乳類、鳥類といった分類群毎に見直し作業に着手し、今般、両生類及び爬虫類についてレッドリスト(レッドデータブックの基礎となる絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)をとりまとめたものである。このほかの分類群についても、次のスケジュールで見直し作業を進めているところである。
なお、植物のレッドリスト及びレッドデータブックについては、現在別途作成中である。
【動物版レッドデータブック見直しスケジュール】
○両生・爬虫類、鳥類 H7~H9
○哺乳類、魚類 H8~H10
○無脊椎動物 H9~H11
(2) 調査方法と調査体制 動物版レッドデータブックの見直しについては、環境庁自然保護局に、「絶滅のおそれのある野生生物の選定・評価検討会」を、その下に「レッドデータブック改訂分科会」、「両生・爬虫類分科会」等を設置し、作業を進めた。(関連する検討会等の委員は別紙1参照)
今回の両生・爬虫類の見直しにおいては、既存知見による評価を基本とし、それを補うために必要に応じ若干の現地調査を行った。
2.レッドデータブックのカテゴリーの改訂
平成3年の動物版レッドデータブックにおいては、IUCNによるレッドデータブックに準じ、定性的要件に基づくカテゴリー区分により評価を行った。
今回の見直しでは、1994年(平成6年)にIUCNが採択した、減少率等の数値による客観的な評価基準に基づく新しいカテゴリーに従うこととしたが、我が国では数値的に評価が可能となるようなデータが得られない種も多いこと等の理由から、定性的要件と定量的要件を組み合わせたカテゴリーを策定した。新たなカテゴリーの概要は次のとおり。(カテゴリーの詳細は別紙2参照)
【新たなカテゴリー】 | 参考;現行カテゴリー | |||||||||||||||||
|
絶滅種(Ex) -
絶滅危惧種(E) |
3.改訂版両生類・爬虫類レッドリスト(別紙3)
改訂版の両生類・爬虫類レッドリストは別紙3のとおりである。なお、レッドリストに掲げられた種数は、以下のとおり。
【両生類】 | 【爬虫類】 | |
○「絶滅」 | 0種( 0) | 0種( 0) |
○「野生絶滅」 | 0種( -) | 0種( -) |
|
○「準絶滅危惧」 | 5種( 8) | 9種(13) |
○「情報不足」 | 0種( -) | 1種( -) |
○「地域個体群」 | 4 ( 5) | 2 ( 0) |
注)( )は現行レッドデータブックにおける種数。ただし、今回カテゴリーの定義を変更しているため、あくまでも参考数値である。
4.今後の保護対策
今回の結果については、広く普及を図り、絶滅のおそれのある野生生物への理解を求めるとともに、関係省庁や地方公共団体等にも配布し、各種計画等における配慮を求める。
また、レッドリスト掲載種の中でも特に絶滅のおそれの高い種について、さらに生息状況等に関する詳細な調査を実施し、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存法」に基づく国内希少野生動植物種の指定を検討していく。
5.レッドデータブックの作成
現在、レッドリスト掲載種について個々の種の特徴や生息状況等の概要について記載したレッドデータブック「日本の絶滅のおそれのある野生生物-両生・爬虫類編-」の作成作業を行っており、今年度末を目途に公表する予定
添付資料
- 連絡先
- 環境庁自然保護局野生生物課
課長:小林 光 (6460)
担当:植田、長田(6465)