報道発表資料

平成12年12月15日 この記事を印刷

平成12年光化学大気汚染の概要−緊急時発令状況、被害届出状況−

環境庁は、光化学オキシダント注意報等の発令状況、光化学大気汚染によると思われる被害届出状況について、毎年、その発生のおそれのある4〜10月の間を対象に、全国の都道府県からその状況の報告を求め、取りまとめている。
 平成12年の光化学オキシダント注意報の発令延日数(都道府県単位での発令日の全国集計値)は、259日であり、昨年の100日と比べ、約2.6倍に増加した。光化学オキシダントの濃度は、気象条件等に大きく影響されるため、年により大きく増減するが、本年は過去10年間で最多の発令となった。これは、平年に比べて、この間の日照時間が長かったことが一因と考えられる。
 また、平成12年の光化学大気汚染によると思われる被害届出人数は、1,479人であり、昨年の402人と比べ、1,077人増加した。被害届出人数についても、年ごとの増減が著しいが、発令延日数と同様に、過去10年間では最多の届出人数となった。
 なお、この被害届出人数の大幅な増加には、5月30日の宮城県における集団被害を含む1,149人の届出が影響している。
環境庁では、平成8年6月より関東地域1都7県において、大気汚染物質広域監視システム(愛称:そらまめ君)を運用し、本年6月中旬からは、環境庁及び国立環境研究所のホームページ上で、当該地域の大気汚染情報(1時間ごとの速報値)及び光化学オキシダント注意報等の発令状況について、一般への提供を開始したところである。
 環境庁としては、今後、本システムの全国展開を進め、大気汚染物質の広域的な監視の充実を図るとともに、大気汚染防止法、自動車NOx法等に基づき、光化学オキシダント生成の原因物質である窒素酸化物、炭化水素類の一層の削減等に努めていくこととしている。

1.注意報等発令状況

 平成12年においては、22都府県で光化学オキシダントに係る注意報の発令があり、その延日数は259日であった(表−1)。これは昨年の100日(19都府県)と比べ、約2.6倍の増加であった。光化学オキシダントの濃度は、気象条件等に大きく影響されるため、年により大きく増減するが、本年は過去10年間で最多の発令となった(表−2図−1)。これは、平年に比べて、この間の日照時間が長かったことが一因と考えられる。
 ブロック別では東京湾ブロック(1都6県)で151日の発令があり、全体の58%を占めた。都道府県別では、埼玉県の40日が最も多く、次いで茨城県、東京都、及び大阪府の23日、栃木県の21日、千葉県の18日の順であった。また、月別では7月が最も多く、76日の発令があり、以下8月(67日)、6月(64日)の順であった。本年も、昨年に引き続き、平成元年以来2度目の10月に入ってからの注意報の発令を記録した。(表−1図−2)。なお、本年は警報の発令はなかった。

2.被害届出状況

 平成12年の光化学大気汚染によると思われる被害者については、12都府県で届出があった。その人数は合計で1,479人にのぼり、昨年の402人(6府県)に比べ、大幅に増加した。被害届出人数についても、年ごとの増減が著しいが、発令延日数と同様に過去10年間では最多の届出人数となった。(表−2)。この結果には、5月30日の宮城県における集団被害を含む1,149人の届出が大きく影響している。
 都府県別に見ると、前述の宮城県の1,149人が最も多く、次いで福島県の104人、大阪府の55人、神奈川県及び三重県の48人の順であった。月別に見ると、宮城県で届出のあった5月が1,230人、6月が136人となっており、5月と6月に被害が集中していた(表−3)。
 集団被害発生(20人以上)は9件あり、集団被害届出人数は被害届出人数の89%を占めた。
 被害届出者の内訳を見ると、全体のうち中学生が43%で最も多く、次いで小学生が30%、高校生が21%を占めた。また、その多くは屋外でのクラブ活動中や児童会の行事中に発生した。
 被害症状としては、眼及びのどに関する症状が多く、いずれも洗眼、うがい、安静等によって回復した。

3.今後の対応

 環境庁としては、大気汚染物質広域監視システム(愛称:そらまめ君)の全国展開を進め、大気汚染物質の広域的な監視の充実を図るとともに、大気汚染防止法、自動車NOx法等に基づき、光化学オキシダント生成の原因物質である窒素酸化物、炭化水素類の一層の削減等に努めていくこととしている。

(参考)

1. 光化学オキシダントの発生機構
 光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物及び炭化水素類を主体とする一次汚染物質が、太陽光線の照射を受けて光化学反応を起こすことにより発生する二次的な汚染物質である。日差しが強く、気温が高く、風が弱い日等に高濃度になりやすい。
注) 「注意報等」: 注意報及び警報をいう。
「注意報」  : 光化学オキシダント濃度の1時間値が0.12ppm以上で、気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合に、大気汚染防止法第23条第1項の規定により発令される。
「警報」    : 各都道府県等が独自に要綱等で定めているもので、一般的には、光化学オキシダント濃度の1時間値が0.24ppm以上で、気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合に発令される。
「延日数」  : 都道府県を一つの単位として注意報等の発令日数を集計したものであり、同一日に同一都道府県内の複数の発令区域で注意報等が発令されても、当該都道府県での発令は1日として数える。
2. 緊急時の措置の概要
 大気汚染防止法においては、光化学オキシダントの濃度が高くなり、被害が生ずるおそれがあるときは、都道府県知事等が注意報を発令し、報道、教育機関等を通じて、住民、工場・事業場等に対して情報の周知徹底を迅速に行うこととなっている。また、この際、光化学オキシダントの原因物質である窒素酸化物及び炭化水素類の排出削減のため、工場・事業場等に対しては、ばい煙排出量の削減について、自動車の使用者に対しては運転の自主的制限について、それぞれ協力を求めることとなっている。

3. 大気汚染物質広域監視システム(愛称:そらまめ君)
 関東地域1都7県(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨)を対象として、光化学オキシダント、窒素酸化物、浮遊粒子状物質等の物質の大気環境データをリアルタイムで収集・配信し、かつ、光化学オキシダント等の濃度の前日・当日予測を行うシステム。
 本年6月中旬より、環境庁及び国立環境研究所のホームページ上で、当該地域の大気汚染状況(1時間ごとの速報値)及び光化学オキシダント注意報等の発令状況を一般へ提供しており、今後、本システムの表示方法や操作性等の更なる改善に取り組むともに、全国展開を予定している。(アドレス:http://www-aeros.nies.go.jp/

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局企画課広域大気管理室
室 長 :笠井  俊彦 内6511
 補 佐 :太田志津子 内6562
 担 当 :伊藤  史雄 内6564
       (直通03-5521-8291)

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