報道発表資料
1. | 環境庁では、平成9年度から10年度に実施したダイオキシン類による環 境汚染状況調査の結果を踏まえ、比較的高濃度の汚染が見られた10地域の河川を対象に、平成10年度から11年度にかけて本調査を実施した。 本調査の目的は、これら地域の河川の水質及び底質についてダイオキシン類の汚染状況を追跡し、汚染の地域的な広がり等を確認することにある。 また、本調査の結果は、今後地方公共団体が実施する常時監視等に適切に反映されることなどにより、ダイオキシン類対策の一層の充実に資するものとなる。 |
2. | 本調査結果の概要は次のとおりである。 |
(1) | 水質の調査結果について |
ダイオキシン類濃度は、0.041~19pg-TEQ/lで、過去の調査結果(検体ベース)の範囲内にある。また、いずれの地域においても、最大濃度地点の値は水質に係る環境基準(1pg-TEQ/l)を超える状況にあり、平均値でみると4地域で環境基準レベルを超えていた。 綾瀬川水域と恩智川・第二寝屋川水域では面的な汚染の広がりが見られているが、本調査の結果からは汚染原因を特定するには至っていない。引地川・柏尾川水域の引地川下流域の高濃度の主な原因は(株)荏原製作所藤沢工場にあったことがすでに判明している。 いずれの地域についても、関係地方公共団体において引き続き環境監視や高濃度汚染の原因究明調査が進められる予定である。 | |
(2) | 底質の調査結果について |
ダイオキシン類濃度は、0.12~720pg-TEQ/gの範囲にあり、綾瀬川水域の1地点での720pg-TEQ/gを除けば、過去の調査結果の範囲内にある。 なお、720pg-TEQ/gが検出された地点のダイオキシン類濃度は、その後の調査結果では、120pg-TEQ/gであった。埼玉県は今後、実態調査を実施する予定である。 また、その他の地域についても、関係地方公共団体において引き続き環境監視や高濃度汚染の原因究明調査が進められる予定である。 | |
3. | 今後の対応 |
環境庁としては、今後、地方公共団体が行うダイオキシン類対策特別措置法に基づく常時監視や比較的高濃度の汚染の原因究明のための調査が円滑に進められ、その汚染構造や汚染原因の解明及び所要の改善対策が推進されるよう、必要な支援に努めていくこととしている。 |
添付資料
- 連絡先
- 環境庁水質保全局水質規制課
課 長 :吉田 徳久(内線6640)
補 佐 :川端 毅生(内線6643)