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2009年03月19日
  • 地球環境

平成18年度自主参加型国内排出量取引制度(第2期)評価報告書の公表について(お知らせ)

 環境省では、平成17年度より実施している自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)の第2期(平成18年度開始分)が昨年夏に終了したことを受けて、その結果についての評価を行うための委員会を開催し、有識者の方々から本制度の第2期事業を評価、分析していただきました。今般、評価報告書をとりまとめましたので公表いたします。

1.自主参加型国内排出量取引制度評価委員会について

(1)背景

環境省では、2005年度から、自主参加型国内排出量取引制度(以下JVETSという)を実施しており、2008年9月をもって第2期事業(2006年度開始分)が終了した。
第2期事業の成果について客観的に評価し、今後の制度設計・改善に繋げていくために、環境省では本分野への知見、経験を有した有識者からなる「平成18年度自主参加型国内排出量取引制度(第2期)評価委員会」を設置し、本事業の成果に対する評価を行った。本報告書はその評価を取りまとめたものである。

(2)メンバー(50音順・敬称略)

<委員長>
植田和弘(京都大学大学院経済学研究科教授)
<委員>
大塚直(早稲田大学大学院法務研究科教授)
藤井良広(上智大学大学院地球環境学研究科教授)
三田真己(アーガス・メディア・リミテッド 日本支局代表)
村井秀樹(日本大学商学部教授)
諸富徹(京都大学公共政策大学院・大学院経済学研究科准教授)

2.評価報告書について

(1)構成

1
はじめに
2
JVETSの概要及び結果
3
JVETS第2期事業(2006年~2008年)の評価及び第1期事業との比較
4
「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」の下でのJVETSの位置付けと役割
5
参考資料

(2)概要

第2期事業(2006年~2008年)の概要
[1] 第2期事業の概要
  • 排出削減目標を有し、排出削減を実施する参加者(目標保有参加者):61社
  • 取引参加者:12社
  • 排出量の検証機関:18社
  • 目標保有参加者61社による削減対策実施年度排出量:842,401 tCO2
  • 全目標保有参加者が目標を達成
  • 基準年度からのCO2削減量:280,192tCO2(基準年度比25%の削減)
  • 当初の排出削減約束量である217,167tCO2(基準年度比19%の削減)を大幅に超過して達成
  • 排出枠は51件、合計54,643 tCO2が取引された。取引の平均価格は概ね1,250円/t-CO2。
[2] JVETS第1期事業の経験を踏まえた制度上の変更点
  • CA(Competent Authority)の設置
  • 「モニタリング・報告ガイドライン」の策定
  • 「排出量管理システム」の導入
  • 「GHG-TRADE.com」の構築
第2期事業の評価概要
[1]
第1期事業の結果及び海外における排出量取引制度の運用実態に対する調査結果を踏まえた様々なルール、システムが新たに導入され、その運用を通じて排出量取引関連実務に関する更なる知見が蓄積された。
[2]
第2期事業においても、排出量のモニタリング・算定及び第三者検証の実施、登録簿システムを活用した排出枠の取引および移転、遵守評価等を行い、3年間にわたる事業サイクルを実際に運営・完遂することができた。
[3]
事業開始時の全目標保有参加者の排出削減予測量合計が基準年度排出量合計の19%であったところ、実際には25%の削減が達成されており、当初の予測量を大幅に上回る削減が達成された。
[4]
削減対策実施年度の排出量が初期割当量を上回った事業所数は16件存在したが、いずれも排出量取引を行うことで目標を達成した。排出量取引が目標保有参加者の目標達成のための柔軟性措置として機能することが示された。
「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」の下でのJVETSの位置付けと役割

 JVETSが、平成20年10月21日に開始した「排出量取引の国内統合市場の試行的実施(以下、「試行実施」という。)」における試行排出量取引スキームの一類型となったことを受け、試行実施の下でのJVETSの位置付けと役割について記述した。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
直通:03-5521-8354
代表:03-3581-3351
室長:高橋 康夫(6737)
補佐:西村 治彦(6739)
担当:岸本 拓之(6781)

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