報道発表資料

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2021年03月10日
  • 自然環境

今季(2020年10月~2021年2月)における国内の野鳥サーベイランスにおける高病原性鳥インフルエンザウイルスの遺伝的多様性について

今季(2020年10月30日~2021年2月22日時点まで)において、国内の野鳥等で確認された高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)について、農研機構動物衛生研究部門、北海道大学、鳥取大学、鹿児島大学及び京都産業大学でHA遺伝子の解析を行ったところ、2019~2020年にヨーロッパで流行したH5N8亜型HPAIV系統(欧州19-20冬系統)と2020~2021年にロシア・ヨーロッパで報告されているH5N8亜型HPAIV系統(欧州20秋系統)の2つの系統に由来するウイルスが存在していることが明らかになりました

1.目的

国内の野鳥等から得られたH5N8亜型高病原性鳥インフルエンザウイルス(highly pathogenic avian influenza virus: HPAIV)の関連性や海外からのウイルスの侵入・拡散経路等を推定することを目的として、今般、環境省による国内の野鳥における高病原性鳥インフルエンザサーベイランスにおいて確定検査を依頼している5機関(農研機構動物衛生研究部門※、北海道大学、鳥取大学、鹿児島大学及び京都産業大学)で、HA遺伝子分節(A型インフルエンザウイルスにおいて亜型を決定する部分)の解析を実施しました。

※農研機構は、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネーム(通称)

 となります。

2.概要

今季において、国内の野鳥における高病原性鳥インフルエンザサーベイランスでは、2020年10月24日に北海道で採取された野鳥の糞便から今季初となるHPAIVが検出され、その後2021年3月8日までに、死亡野鳥(衰弱野鳥を含む。)、糞便、環境試料(水)から18道県57事例でHPAIVが検出されています。このうち、2020年10月30日~2021年2月22日までに検出された23株について遺伝子解析を行ったところ、23株のうち、19株が2019~2020年にヨーロッパで流行したH5N8亜型HPAIV系統(欧州19-20冬系統)、4株が2020~2021年にロシア・ヨーロッパで報告されているH5N8亜型HPAIV系統(欧州20秋系統)の由来であることが分かりました(詳細については、別紙参照)。

このことにより、今季における国内の野鳥における高病原性鳥インフルエンザサーベイランスで検出されたHPAIVには、少なくとも2つの系統に由来するウイルスが存在していることが明らかになりました。

【参考情報】

環境省は、ホームページで高病原性鳥インフルエンザに関する様々な情報を提供しています。

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/index.html

添付資料

連絡先

環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8285
  • 室長川越 久史(内線 6470)
  • 企画官立田 理一郎(内線 6465)
  • 担当近藤 千尋(内線 6676)
  • 担当宮澤 結有(内線 6477)

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