報道発表資料

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2020年01月20日
  • 地球環境

日本・タイ環境ウィークの結果について

 環境省は、1月14日(火)~1月16日(木)の間、タイ王国天然資源環境省と共催で、バンコクにおいて、「日本・タイ環境ウィーク」を開催しました。
 本イベントの期間中、両省の環境分野のさらなる協力ついて議論する政策対話を実施し、複数の分野で今後の連携・協力を合意しました。また、本邦企業のタイでの更なる展開促進のため、環境ソリューションセミナーを開催し、佐藤ゆかり環境副大臣が開会挨拶等を行うとともに、海洋プラスチックごみ、大気汚染、気候変動適応等の個別課題に焦点を当てたワークショップを合わせて開催し、両国の官民関係者が集い、課題解決に向けたそれぞれの役割や協力について議論を深めました。

1.概要

(1)開催日時

 令和2年1月14 日(火)~16 日(木)

(2)開催場所

 タイ王国 バンコク

(3)主催

 日本国環境省、タイ王国天然資源環境省

2.背景・目的

 環境省は、政府全体で策定した「インフラシステム輸出戦略」及び環境省が策定した「環境インフラ海外展開基本戦略」に基づき、途上国における環境分野でのインフラの普及に戦略的に取り組むこととしています。

   ・インフラシステム輸出戦略(平成30 年度改訂版)(平成30 年6月7日決定)
    http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keikyou/dai37/gijisidai.html
   ・環境インフラ海外展開基本戦略(平成29 年7月25 日策定)
    https://www.env.go.jp/press/104372.html

 今回、その一環として、タイ王国天然資源環境省との共催による「日本・タイ環境ウィーク」を開催しました。このイベントは、両省による政策レベルの協議、民間企業が有する環境技術の紹介、官民合同のワークショップなど、各種イベントを集中的に行うことにより、我が国が有する環境政策や技術、ノウハウ等をパッケージとして両国関係者間で共有し、タイにおける環境インフラの普及を促進することを目的としています。

3.開催結果

(1) 第2回日本・タイ環境政策対話(1月14 日(火))

 (出席者)

  日本国環境省:杉本留三 国際協力・環境インフラ戦略室長 他

  タイ王国天然資源環境省:アサダポーン・ガイラパノン 副事務次官 他

① 大気環境管理

 両国が互いの大気環境管理に係る現状や政策を紹介し、今後の協力の方向性について議論しました。また、PM2.5 に関する排出インベントリの作成や発生源解析などを含む、日本・タイクリーン・エア・パートナーシップ(JTCAP)の継続について合意するとともに、「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)」などの多国間の枠組みを通じ、二国間協力の成果をASEAN諸国へ普及することについて合意しました。さらに、2020 年にバンコクでの開催が予定されている「第13 回アジアEST地域フォーラム」への参加や、今後、環境技術やソリューションの普及に向けて議論を継続していくことを確認しました。

② 水質管理

 両国の共催により、2020 年2月にバンコクで開催が予定されている「第15 回アジア水環境パートナーシップ(WEPA)年次会議・国際ワークショップ」について、開催に向けた連携・協力を確認するとともに、会議においては、主要議題である「規制の遵守」について、その重要性の再確認と具体的な行動について議論し、各国間の合意を目指すことを確認しました。

③ 海洋プラスチックごみ対策

 両国の海洋プラスチックごみ対策の進捗について情報共有を行うとともに、海洋プラスチックごみのモニタリング手法の確立・調和化に向けた能力開発や技術協力、3Rや廃棄物管理を通じた海洋プラスチックごみ削減に資するプロジェクトの創出、プラスチックのマテリアルフロー図の開発・改善、G20 海洋プラスチックごみ対策実施枠組に基づく取組の報告等について協力を進めるとともに、ASEAN地域における取組を先導することを確認しました。

④ 廃棄物管理

 両国の本分野における情報共有を行うとともに、アジア太平洋3R推進フォーラムや福岡方式(準好気性埋立て構造)を含む廃棄物管理における適正技術の普及等について協力することを確認しました。

⑤ 気候変動及び温室効果ガスの管理

 パリ協定締結後の「自国が決定する貢献」(NDC)の達成のため、透明性、緩和、適応に関する協力の方向性を議論しました。透明性については、インドネシアにおける「コ・イノベーションのための透明性パートナーシップ」(PaSTI)を通じた協力が紹介され、今後継続的に議論することを確認しました。緩和については長期戦略に関する日本の経験が紹介され、フルオロカーボン・イニシアチブについて情報共有を促進することを確認しました。適応については、タイ適応情報プラットフォーム(T-PLAT)に関する日タイ協力の現状を確認し、設立に向けた更なる協力について合意しました。

⑥ 保護地域管理

 両国における国立公園の管理事例について情報共有を行うとともに、今後も国立公園をはじめとする保護区域の管理について情報・経験の共有を進めることについて合意しました。

⑦ 環境ガバナンス

 我が国の各行政主体間の業務分掌について、水、大気、廃棄物の分野事例を交えた情報提供を行い、環境ガバナンスについて、今後も継続的に情報・経験の共有を進めることについて合意しました。

⑧ 水資源管理について

 両省の所掌の範囲内において、情報の共有を進めることについて合意しました。

⑨ 今後のスケジュール

 次回の第3回政策対話は日本で開催することとし、今後の協力分野等の詳細については引き続き調整することを合意しました。

(2)環境ソリューションセミナー、ビジネスマッチング(1月15 日(水))

 (出席者)

 佐藤ゆかり環境副大臣、環境省担当官、タイ王国天然資源環境省アスダポーン・ガイラパノン副事務次官、天然資源環境省及びタイ関係省庁担当官、地方政府、JICA及び民間事業者 他 約 400 名(展示参加企業・団体:26 社程度)が参加しました。

 日本企業の環境インフラ技術及びノウハウをタイ王国の国・地方政府及び民間企業に紹介するとともに、ビジネスマッチングの機会を設けるもの。我が国が有する様々な環境技術や取組を紹介するセミナーを開催しました。冒頭で佐藤ゆかり環境副大臣が開会挨拶等を行い、続いて竹本和彦海外環境協力センター理事長によるSDGsと環境インフラのニーズについての基調講演や、日タイ協力によるビジネス展開及び議論がなされました。また、セミナーの一環として、両国間の官民連携を推進するため、我が国事業者と参加者間が個別に相談できるよう、ビジネスマッチングを兼ねて企業展示を行いました。

(3) 環境関連ワークショップ、セミナー等(合同開催)(1月16 日(木))

 (出席者)

 日本国環境省、タイ王国天然資源環境省、JICA、地方政府、民間事業者が参加しました。

 環境に関連した個別分野のワークショップ、セミナーを日本国環境省、タイ王国天然資源環境省、及び日本・タイ両国の環境関連団体が合同開催するもの。海洋プラスチックごみ、廃棄物管理、気候変動適応、資源循環、大気汚染対策等のテーマで実施しました。

連絡先

環境省地球環境局国際連携課国際協力・環境インフラ戦略室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8248
  • 室長杉本留三(内線 6765)
  • 主査矢笠嵐(内線 7723)
  • 係長早坂寿人(内線 6723)