報道発表資料

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2019年02月01日
  • 大気環境

環境測定分析統一精度管理調査に関する平成30年度調査結果の取りまとめについて

 環境省では、環境測定分析の信頼性の確保及び精度の向上等を目的として、環境測定分析統一精度管理調査を実施しています。今般、平成30年度環境測定分析検討会において、平成30年度の調査結果を取りまとめましたので、お知らせします。
 また、得られた結果について、分析上の留意点等とともに、参加した分析機関にフィードバックすることを目的として、3月に東京、大阪及び福岡で調査結果説明会を開催します。

1.平成30年度調査結果の概要

(1)調査項目

(a)基本精度管理調査

   【模擬排水試料】カドミウム、鉛、ひ素、鉄、マンガン、総水銀、アルキル水銀、全燐

(b)高等精度管理調査

   【模擬大気試料】

<詳細項目> 1,2-ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン

<参照項目> 四塩化炭素、1,1,1-トリクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン、1,1,2-トリクロロエタン、テトラクロロエチレン、塩化ビニルモノマー、1,3-ブタジエン

   【底質試料】

<詳細項目> PCB

<参照項目> 総水銀、アルキル水銀

          

(2)参加分析機関 

公的機関125、民間機関348、計473機関

(3)分析・調査結果

(a)基本精度管理調査

【模擬排水試料】

 カドミウム、鉛、ひ素、鉄、マンガン、総水銀及び全燐の室間精度CV(※1)は、全般的に10%程度以下で、平均値も設定値(調製濃度)に近く、良好でした。

 なお、アルキル水銀は、設定値が定量限界より低かったことから、ND(※2)とする回答が約80%を占めたため、評価は行いませんでした。

(b)高等精度管理調査

【模擬大気試料】

 模擬大気試料の室間精度CVは、参照項目の1,2-ジクロロプロパン(26.4%)及び塩化ビニルモノマー(26.6%)を除いて、12.0~19.6%と良好でした。

【底質試料】

 PCBの室間精度CVはGC/ECD(※3)を用いた方法では42.5~44.8%と高く、GC/HRMS(※4)を用いた方法では9.15%と良好でした。

(4)その他(指摘事項等)

 全体を通じて、参加分析機関における計算ミス、記載ミス等のケアレスミスが多数みられました。これに対して、チェックリストの使用等、より確実な確認作業の必要性が検討会から指摘されました。

 なお、本年度の調査結果については、測定分析統一精度管理調査ウェブサイトのトップページの『お知らせ』に掲載しています。

https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html

2.本年度の調査結果説明会の開催について

 本年度の調査結果の説明会を東京、大阪及び福岡の3都市において開催します。開催日程や参加応募方法等は下記のとおりです。

 なお、応募者多数の場合は、本年度の調査に参加した機関を優先いたしますので、あらかじめ御了承ください。

<開催日程>

(1)東京会場

日時:平成31年3月4日(月)13:00~17:00

場所:『主婦会館プラザエフ』 東京都千代田区六番町15 Tel 03-3265-8111

(2)大阪会場

日時:平成31年3月14日(木)13:00~17:00

場所:『CIVI新大阪研修センター』 大阪市淀川区西中島3-9-13 Tel 06-6160-5888

(3)福岡会場

日時:平成31年3月19日(火)13:00~17:00

場所:『パピオン24』 福岡市博多区千代1-17-1 Tel 092-633-2222

※説明会のプログラム等の詳細は、環境測定分析統一精度管理調査ウェブサイトに掲載します。 (https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/explanation/index.html

<参加者募集期間>

  平成31年2月1日(金)から2月28日(木)(当日必着)まで

<参加申込方法>

 環境測定分析統一精度管理調査のウェブサイトの『お問い合わせ』より、参加申込書をダウンロードし、E-mail又はFAXにて、下記お問い合わせ先までお申込みください。 (https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html

<お問い合わせ先>

一般財団法人 日本環境衛生センター 環境事業第二部(担当:佐々木、竹内)

   TEL: 044-287-0766   FAX: 044-288-5232  

(参考)環境測定分析統一精度管理調査の背景

 我が国においては、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等の法令に基づいて、環境基準の設定や汚染状況の監視、工場・事業場に対する排出規制、公害防止・環境保全に係る国・地方の各種計画等の策定等、様々な施策が実施されています。

 環境測定分析は、これらの法令の施行や制度・施策の実施のための基礎であり、地方自治体や民間の環境測定分析機関において測定分析に携わっている技術者が、これを支えています。

 環境測定分析の方法は、法令等によって公定法として規定されています。しかし、試料の採取・保管・前処理から、測定分析機器・薬品等の管理・調整・操作に至るまで、公定法に規定されていない細部を含めて、測定分析に携わる技術者の技能・経験等が測定分析データの精度に影響を及ぼします。

 環境測定分析の精度が確保されなければ、上記の法令や制度・施策の実効性が損なわれ、環境行政への社会の信頼を揺るがす事態となります。また、誤った測定分析データにより適切な排出規制が行われず、適切な対策が講じられなかった場合には、それによって失われた環境の修復に多大な費用・労力と長い年月を要し、大きな社会的・経済的損失を招くこととなります。こうした背景から、環境省では、「環境測定分析統一精度管理に関する調査」を毎年度継続して実施し、環境測定分析機関による測定分析の精度の向上及び信頼性の確保を図っています。

 本調査は、最近では500機関前後の環境測定分析機関が参加していますが、長期的な計画に基づいて、幅広い試料や項目を対象とするとともに、試料ごとに統計的な分析・評価を行い、その評価結果等を公表しています。

 また、調査結果に関して、説明会等を毎年度開催し、分析上の留意点や分析結果に関して分析機関に技術的な問題点等をフィードバックしています。

 併せて環境測定分析統一精度管理調査専用ウェブサイトにおいて、環境測定分析の精度向上に資する情報などを提供しています。

https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html

※1「CV」は、参加分析機関間のばらつきの程度を示す変動係数を示す。

※2「ND」は、検出されないことを示す。

※3「GC/ECD」は、キャピラリ-カラム-ガスクロマトグラフ法を示す。

※4「GC/HRMS」は、キャピラリ-カラム-ガスクロマトグラフ高分解能型質量分析法を示す。

連絡先

環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8296
  • 室長酒井 雅彦(内線 6550)
  • 室長補佐望月 敦史(内線 6551)