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2018年12月21日
  • 大気環境

平成30年度 夏の星空観察 デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果について

 環境省では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染等に気づき、環境保全の重要性について関心を深めていただくこと、また、良好な大気環境や美しい星空を地域資源(観光や教育)としても活用していただくことを目指して、星空観察を推進しており、今年度から夏と冬の2回、肉眼による観察とデジタルカメラによる夜空の明るさ調査を呼びかけています。
 今年度の夏期観察で実施した、デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。

1.趣旨

環境省では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染等に気づき、環境保全の重要性について関心を深めていただくこと、また、良好な大気環境や美しい星空を地域資源(観光や教育)としても活用していただくことを目指して、昨年度「星空観察の推進手法に関する検討会」を開催し、その検討結果として、今年度から夏と冬の2回、肉眼による観察とデジタルカメラによる夜空の明るさ調査を呼びかけています。

今年度の夏期観察で実施した、デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、この調査は星空公団と共同で実施しました。

2.デジタルカメラによる夜空の明るさ調査概要

(1)観察期間と観察時間

平成30年8月2日(木)~8月15日(水)

日没後1時間半~3時間半まで

(データ投稿受付期間:平成30年8月2日(木)~9月14日(金))

(2)調査方法

デジタルカメラを用いて天頂付近の星空を撮影し、その画像データから「夜空の明るさ」(星空の見やすさ)を測定しました。具体的には、(1)の観察期間中に、全国各地の調査参加者により所定の条件下で撮影された天頂付近の星空の画像データを、報告サイトを通じて環境省に送付していただき、画像解析によって「等級(mag/□"):(マグニチュードパー平方秒角)」を単位とする「夜空の明るさ」を求めています。「夜空の明るさ」の値が大きいほど夜空が暗いことを示し、星が見えやすい状態になります。

こうしたデータを継続的に調査することで、地域における光害や大気汚染の状態に関する啓発材料として、積極的に活用することが期待されます。また、星空の地域資源としての活用にも資するため、今後継続的なデータの蓄積を進めつつ、我が国の実態に即した評価手法の検討を進めます。

※夜空の明るさを測る単位及び測定方法は、参考資料を御覧ください。

3.調査結果

(1)実施状況

全国から214件のデータが収集されました(別紙1)。

また、今後継続的なデータの蓄積を経て、地域ごとの夜空の明るさの段階分けを予定しており、今回の夏期観察実施の際、継続観察に参加を希望する団体・個人の登録を募集したところ、91地点(64団体・個人)の登録が行われました(夏期観察での実際のデータ投稿数は、80件)。

(2)結果の概要 

ア.「夜空の明るさ」等級ごとの件数

等級(mag/□")

全データ投稿数

継続観察登録地点におけるデータ投稿数

21以上

52件

23件

20以上~21未満

46件

23件

19以上~20未満

32件

8件

18以上~19未満

26件

3件

17以上~18未満

4件

1件

17未満

2件

1件

162件

59件

※薄雲あり、観察時間外、観察期間外等のデータは除いています。

※継続観察登録地点のうち、天の川が見えやすいと考えられる20等級以上であった地点については、別紙2を御覧ください。

※「夜空の明るさ」のめやす(個人差があります)

等級(mag/□")

21以上

天の川の複雑な構造が確認でき、星団などの観測ができる

20以上~21未満

山や海などの暗さ、天の川がよく見られる

19以上~20未満

郊外の暗さ、天の川が見え始める

18以上~19未満

住宅地の明るさ、星座の形がよく分かる

17以上~18未満

市街地の明るさ、星座の形が分かり始める

17未満

都市部の明るさ、星はほとんど見られない

(星空公団提供資料より)

イ.観察地点の周辺状況別に見た「夜空の明るさ」

(継続観察登録地点における投稿データより)

地域区分

件数

平均値(mag/□")

最大値(mag/□")

最小値(mag/□")

住宅地域

15件

19.7

21.1

17.6

商業地域

2件

18.0

20.0

16.0

農業地域

12件

20.6

21.6

19.6

森林山間地

12件

21.2

22.5

20.3

自然公園等

13件

20.9

21.8

19.5

その他

5件

21.0

22.1

20.3

59件

※薄雲あり、観察時間外、観察期間外等のデータは除いています。

214件全ての結果については、別紙3を御覧ください。

4.その他

(1)星空観察の推進について

昨年度の「星空観察の推進手法に関する検討会」の結果について、環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/press/104711.html)で公表しています。

(2)星空公団による「デジカメ星空診断」

デジタルカメラによる夜空の明るさ調査は、星空公団と共同で実施しています。星空公団では、環境省が昭和63年から平成24年まで25年間にわたって続けてきた全国星空継続観察が休止となった後、その代わりとなる夜空の明るさ観察を実施してきました。この星空公団主催による「デジカメ星空診断」は、今後は地域独自の調査に対応した形で継続されています。詳細は、星空公団ウェブサイト(https://dcdock.kodan.jp)を御確認ください。

(3)「星空を見よう」星空観察情報サイトについて

星空観察や光害については、「星空を見よう」星空観察情報サイト(https://www.env.go.jp/air/life/hoshizorakansatsu/index.html)に詳しい資料を掲載しています。ぜひ御覧ください。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課大気生活環境室
代表   03-3581-3351
直通   03-5521-8299
室長   吉川圭子(内線6540) 
室長補佐 森枝聖子(内線6541)
担当   藤澤裕子(内線6549)

関連情報

関連Webページ

過去の報道発表資料

平成29年10月23日
星空観察の推進について
平成30年7月6日
平成30年度 夏の星空観察について

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