報道発表資料
1.調査地点及び調査日
環境省が継続的にサンゴ礁モニタリング調査を行っているポイントのうち、油状の物の漂着が比較的多いトカラ列島の宝島において5箇所を選定。
(1)海水浴場沖:3月14日
(2)宝島港南(たからじまこう みなみ):3月15日
(3)大間泊港前航路口(おおまどまりこう まえこうろぐち):3月15日
(4)ヘリポート沖:3月16日
(5)前籠漁港西(まえごもりぎょこう にし):3月16日
2.調査概要
陸上及び海上から目視で状況を確認するとともに、大型、中型、小型の3種類の水中ロボットカメラ(ROV:Remotely Operated Vehicle)及び曳航式カメラ(以下、「ROV等」という)を用いて水中の映像を撮影。
※海況に応じて可能な範囲で調査を実施。
図2.水中ロボットによる調査状況図
大型ROV
中型ROV(左)・小型ROV(右)
【参考】サンゴ礁の構造について
・汀線:海面と陸地との境界線。
・礁原:サンゴ礁の上面の平坦な部分で、干潮時は干上がる。大きな波がたつ、自然の波堤。
・礁池:裾礁の礁原に発達し、浅く静穏な水域。繊細な群体形のサンゴが生育し、海草帯などが発達する。
・礁縁:礁原の外側の縁。リーフエッジともいう。
・礁縁外:本調査では、礁縁の外側の海上、海中、海底を指す。礁斜面を含む。
3.調査結果
(1)海水浴場沖
海岸の岩場の満潮線付近において、油状の物の漂着が確認された。また、干出した礁原で藻類への油状の物の付着が確認された。礁縁~礁縁外では、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着は確認されなかった。
岩場
岩場で確認された油状の物
干出した礁原
干出した礁原(藻類への付着)
礁縁付近
礁縁外
(2)宝島港南
海岸の岩場の満潮線付近において、油状の物の漂着が確認された。また、岩場のタイドプールにおいて油状の物の浮遊が確認された。干出した礁原では、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着は確認されなかった。
礁縁~礁縁外は、海況が悪く調査を実施できなかった。
岩場
岩場で確認された油状の物
タイドプールで確認された油状の物
干出した礁原
干出した礁原
礁原
(3)大間泊港前航路口
海岸の岩場の満潮線付近において、油状の物の漂着が確認された。また、岩場・砂浜~干出した礁原では、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着は確認されなかった。
礁縁~礁縁外は、海況が悪く調査を実施できなかった。
岩場
岩場で確認された油状の物
干出した礁原
干出した礁原
礁原
礁原
(4)ヘリポート沖
海岸の岩場の満潮線付近において、油状の物の漂着が確認された。また、干出した礁原で藻類、巻貝(2個体)及びヤドカリ(1個体)への油状の物の付着が確認されたが、広範囲(汀線1.1km×沖合方向170m程度)に調査した中で、これ以外の生物への油状の物の付着は確認されなかった。上記のうち、巻貝1個体、ヤドカリ1個体は発見時に既に死亡していたが、死因が油状の物によるものかは不明である。
礁縁では、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着は確認されなかった。礁縁外は、海況が悪く調査を実施できなかった。
岩場
干出した礁原
干出した礁原(巻貝への付着)
干出した礁原(ヤドカリへの付着)
礁原
礁縁付近
(5)前籠漁港西
海岸の岩場の満潮線付近において、油状の物の漂着が確認された。また、干出した礁原で藻類への油状の物の付着が確認された。
礁縁~礁縁外は、海況が悪く調査を実施できなかった。
岩場
岩場で確認された油状の物
干出した礁原
干出した礁原(藻類への付着)
礁原
礁原
4.今後の予定
予定していた調査は全て終了したため、第1報及び第2報として報告した調査結果に基づき、今年度中に報告書をとりまとめる。
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8343)
課長:奥田 直久(内線6430)
調整官:岡野 隆宏(内線6435)
係員:山根 篤大(内線6499)