報道発表資料
1.調査地点及び調査日
環境省が継続的にサンゴ礁モニタリング調査を行っているポイントのうち、油状の物の漂着が比較的多い奄美大島西海岸を中心に6箇所を選定。
①大浜(おおはま)※:2月27日
②赤木名立神(あかきなたちがみ):2月28日
③節田(せつた):3月1日
④徳浜(とくはま):3月2日、4日
⑤安木屋場(あんきゃば):3月3日
⑥実久(さねく)※:3月5日
2.調査概要
陸上及び海上から目視で状況を確認するとともに、大型、中型、小型の3種類の水中ロボットカメラ(ROV:Remotely Operated Vehicle)及び曳航式カメラ(以下、「ROV等」という)を用いて水中の映像を撮影。
※海況に応じて可能な範囲で調査を実施。
図2.水中ロボットによる調査状況図
大型ROV
中型ROV(左)、小型ROV(右)
【参考】サンゴ礁の構造について
・汀線:海面と陸地との境界線。
・礁原:サンゴ礁の上面の平坦な部分で、干潮時は干上がる。大きな波がたつ、自然の波堤。
・礁池:裾礁の礁原に発達し、浅く静穏な水域。繊細な群体形のサンゴが生育し、海草帯などが発達する。
・礁縁:礁原の外側の縁。リーフエッジともいう。
・礁縁外:本調査では、礁縁の外側の海上、海中、海底を指す。礁斜面を含む。
3.調査結果
①大浜
砂浜、汀線付近、礁池~礁縁外の観察実施箇所において、油状の物の漂着は認められなかった。また、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着も認められなかった。
砂浜
砂浜
汀線付近
礁原付近
礁縁付近
礁縁外
②赤木名立神
砂浜の満潮線付近の一部で油状の物の漂着が確認された。また、岩盤への付着も確認されたが、確認箇所は数か所程度であった。なお、現時点では生物への付着は認められなかった。
汀線~礁池~礁原~礁縁~礁縁外の観察実施箇所において、油状の物の漂着は認められなかった。また、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着も認められなかった。
砂浜~汀線
岩盤に付着した油状の物
礁池
礁原付近
礁縁付近
礁縁付近
③節田
砂浜の満潮線付近の一部において、打ち上げられた漂流物等に油状の物が付着している状況が確認された。また、砂浜への油状の物も僅かに確認された。現時点では生物への付着は認められなかった。
汀線~礁池~礁原~礁縁~礁縁外の観察実施箇所において、油状の物の漂着は認められなかった。また、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着も認められなかった。
砂浜~汀線
砂浜に漂着した油状の物
汀線付近
礁池
礁原付近
礁縁付近
④徳浜
徳浜では、砂浜の満潮線付近において、油状の物の漂着が確認された。現時点では生物への付着は認められなかった。
汀線~礁池~礁原~礁縁~礁縁外の観察実施箇所において、油状の物の漂着は認められなかった。また、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着も認められなかった。
砂浜~汀線
漂着した油状の物
礁池
礁原
礁縁付近
礁縁外付近
⑤安木屋場
安木屋場では、砂浜の満潮線付近において、油状の物の漂着が確認された。一部は小石やサンゴ片などが付着した塊状になっていた。現時点では生物への付着は認められなかった。
汀線~礁池~礁原~礁縁~礁縁外の観察実施箇所において、油状の物の漂着は認められなかった。また、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着も認められなかった。
砂浜~汀線
小石、サンゴ片と塊状になった油状の物
汀線~礁池付近
礁池(汀線付近)
礁原付近
礁縁付近
⑥実久
実久では、砂浜の満潮線付近において、油状の物の漂着が確認された。これまでに調査を実施した他の地点と比較して、油状の物が多く確認された。現時点では生物への付着は認められなかった。 汀線~礁池~礁原~礁縁~礁縁外の観察実施箇所において、油状の物の漂着は認められなかった。また、サンゴや海底、水中生物への油状の物の付着も認められなかった。
実久地点のサンゴ被度はこれまでに実施した他の調査地点と比較して高かった。
砂浜
砂浜で確認された油状の物
汀線付近
礁池~礁原
礁原
礁縁付近
4.今後の予定
トカラ列島の宝島においても、同様の調査を行うこととしており、調査は来週には実施できる見込み。調査の結果は速やかに公表する。
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8343)
課 長:奥田 直久(内線6430)
調整官:岡野 隆宏(内線6435)
係 員:山根 篤大(内線6499)