報道発表資料

平成29年7月20日
自然環境
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宮古島、石垣島、西表島周辺におけるサンゴ白化現象の調査結果について(モニタリングサイト1000サンゴ礁調査 補足調査(速報))

 平成28年度に奄美群島から八重山諸島にかけての広い海域において、夏季の高水温が主な原因と考えられる大規模なサンゴの白化現象が発生しました。環境省では、平成16年度より重要生態系監視地域モニタリング推進事業(以下「モニタリングサイト1000」という。)サンゴ礁調査を実施していますが、昨年度の大規模白化現象による被害状況を適切に把握するため、宮古島、石垣島、西表島周辺の各海域において、モニタリングサイト1000サンゴ礁調査の一環として補足調査を実施しました。
 その結果、石垣島周辺の海域では、平均サンゴ被度が10ポイント以上減少したことが確認されました。また、宮古島及び西表島周辺の海域においては、全調査地点でサンゴの白化現象が確認されましたが、石垣島周辺の海域では、サンゴの白化現象が確認されませんでした。

1.これまでの経緯及び趣旨

  • 日本におけるさまざまな生態系の変化を調べるため、全国に約1,000カ所のモニタリングサイトを設置し、各生態系の基礎的な情報を長期間に渡って継続的に収集し、活用を図っていくことを目的とした重要生態系監視地域モニタリング推進事業(以下「モニタリングサイト1000」という。)を平成15年度から実施しています。
  • モニタリングサイト1000サンゴ礁調査は、平成15年度の試行調査を経て、平成16年度より毎年モニタリングを実施しています。
  • 平成28年度に奄美群島から八重山諸島にかけての広い海域においてサンゴの大規模白化現象が発生しましたが、宮古島から石垣島、西表島周辺にかけての海域では、特に白化率が高く、例年のモニタリングサイト1000サンゴ調査実施前に、昨年度の大規模白化現象による被害状況を適切に把握することが重要であることから、夏季の海水温上昇が予想される時期前の状況を確認するため、補足調査を実施しました。
  • なお、石垣島と西表島の間に広がる石西礁湖については、環境省那覇自然環境事務所において調査を実施しましたので、詳細につきましては、同調査の報道発表資料(「西表石垣国立公園 石西礁湖のサンゴ白化現象の調査結果について」、平成29年7月20日発表)をご覧ください。

2.調査内容

(1) 調査地点

  • モニタリングサイト1000サンゴ礁調査のモニタリングサイトとして設定している宮古島周辺、石垣島東岸(平久保崎~宮良湾)、石垣島西岸(川平~大崎)、崎山湾(西表島西部)周辺の各サイトを対象として補足調査を実施しました。
  • 調査地点は、モニタリングサイト1000サンゴ礁調査の調査地点のうち、昨年度の調査時点でサンゴ被度が高い地点や、白化率は高いが死亡率が低い地点など、同調査実施後にサンゴ被度の変化が見られる可能性がある地点を中心に、宮古島周辺で8地点、石垣島東岸(平久保崎~宮良湾)で13地点、石垣島西岸(川平~大崎)で10地点、西表島と周辺離島で12地点を抽出しました。調査地点は、別添図1のとおりです。

(2) 調査時期 

平成29年6月28日~7月8日

(3) 調査方法

  • 調査地点毎におよそ50m四方の調査地点を設定し、スポットチェック法(15分間のスノーケリングを行い、サンゴ被度※1、白化率※2等を目視観察)により、調査を行いました。

3.調査結果

  • 補足調査及び平成28年度モニタリングサイト1000サンゴ礁調査における各調査地点のサンゴ被度、白化率は、別添表1のとおりです。また、各調査地点における健全なサンゴ(白化していない群体)と白化しているサンゴ(一部白化や完全に白化している群体)のそれぞれの割合は、別添図2のとおりです。
  • 補足調査及び平成28年度モニタリングサイト1000サンゴ礁調査における各調査地点の平均サンゴ被度、平均白化率は、別添図表3のとおりです。なお、平成28年度モニタリングサイト1000サンゴ礁調査の各平均値は、補足調査を実施した地点の調査結果のみを用いて算出しています。
  • 各サイトの調査結果の概要は、次の通りです。

① 宮古島周辺

  • 平良高野漁港沖二段干瀬 (調査地点10)調査地点では、ミドリイシ類の死亡によりサンゴ被度が40%から10%に低下し、30ポイント減少した。
  • サイト内の平均サンゴ被度は、19%から11%に低下した。
  • サイト内の平均白化率は、26%であった。これは、昨年度白化したサンゴが回復せず、そのまま白化した状態が続いていた可能性がある。

② 石垣島東岸(平久保崎~宮良湾)

  • 通路川南(調査地点12)及び 明石~安良崎(調査地点23)の各調査地点では、サンゴ被度が30ポイント以上減少した。各調査地点ともミドリイシ類の大部分が死亡していたほか、通路川南ではソフトコーラル類の被度が大きく低下していた。
  • サイト内の平均サンゴ被度は、36%から23%に低下し、13ポイント減少した。
  • 白化したサンゴは確認されなかった。

③ 石垣島西岸(川平~大崎)

  • 富崎小島前(調査地点38)及び観音崎(調査地点39)の各調査地点では、ミドリイシ類の死亡により、サンゴ被度が40ポイント以上減少した。
  • サイト内の平均サンゴ被度は、37%から22%に低下し、15ポイント減少した。
  • 白化したサンゴは確認されなかった。

④  崎山湾(西表島西部)周辺

  • ユツン湾口礁縁(調査地点120)、ヨナソネ(調査地点130)、波照間石(調査地点133)、鹿川湾中ノ瀬(調査地点135)、サザレ浜礁縁(調査地点136)の各調査地点では、サンゴ被度が10ポイント減少した。
  • サイト内の平均サンゴ被度は、33%から30%に低下したが、スポットチェック法によるサンゴ被度の見積り精度は10%程度とされていることから、平均サンゴ被度の明確な変化は確認されなかった。
  • 波照間石(調査地点133)、鹿川湾中ノ瀬(調査地点135)及び船浮崎前(調査地点138)の各調査地点では、白化率が70%以上であった。また、サイト内の平均白化率は、41%であった。これは、昨年度白化したサンゴが回復せず、そのまま白化した状態が続いていた可能性がある。

※1 サンゴ被度

 調査地の海底に占める生きたサンゴ面積の割合。平均サンゴ被度はサイト内の各調査地点の平均値となる。  

※2 白化率

 少しでも白化現象が見られる群体を対象とし、生きたサンゴ全体(白化しているサンゴ+健全なサンゴ)に占める、白化したサンゴの割合。

4.今後の対応等について

  • 米国海洋大気庁(NOAA)が本年7月に発表している2017年7月から10月にかけての海水温の上昇によるサンゴの白化現象の発生見通し(確率60%)によれば、屋久島以南の海域は「やや水温が高く、白化現象に注意が必要な地域」とされています。また、西表島周辺の海域は「白化現象が発生する可能性がある水温レベルの地域」とされています(別添図4)。
  • 今回の補足調査において、崎山湾(西表島西部)周辺では、ホワイトシンドローム(サンゴに発生する病気の一種。サンゴの組織が白くなって壊死する。)に罹患している群体が多くの地点で確認されています。
  • 環境省では、サンゴ被度の他、白化現象やホワイトシンドロームの発生状況等を把握する「モニタリングサイト1000サンゴ礁調査」を今年度も実施します。同調査の結果につきましては、本年12月頃を目途に公表予定です。

5.その他

 モニタリングサイト1000サンゴ礁調査の過年度報告書等の資料は、下記Webサイトでご覧いただけます。

   ・モニタリングサイト1000サンゴ礁調査 過年度報告書

    http://www.biodic.go.jp/moni1000/findings/reports/index.html

   ・モニタリングサイト1000サンゴ礁調査 調査マニュアル

    http://www.biodic.go.jp/moni1000/manual/index.html

添付資料

連絡先
環境省自然環境局生物多様性センター
TEL 0555-72-6033(直通)
センター長 川越 久史
専門調査官 齋藤 佑介
担当    串田 卓弥

環境省自然環境局自然環境計画課
TEL 03-5521-8274(直通)
   03-3581-3351(代表)
課長        奥田 直久(内線6430)
保全再生調整官   岡野 隆宏(内線6435)
サンゴ礁保全専門官 山崎 麻里(内線6492)

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