報道発表資料
1.議定書の概要
平成22年10月、我が国が議長国となった生物の多様性に関する条約第10回締約国会議において、「生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」(以下「議定書」という。)が採択されました。
議定書は、条約に基づく遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(Access and Benefit-Sharing(ABS))をより着実に行うためのルールを定め、締約国に対し以下を求めています。
① 遺伝資源の利用国としての措置
- 自国内で利用される遺伝資源に関し、ABSに関する提供国法令に従い情報に基づく事前の同意(Prior Informed Consent(PIC))が取得され、相互に合意する条件(Mutually Agreed Terms(MAT))が設定されるよう、立法上、行政上又は政策上の措置をとること(議定書第15条)。遺伝資源に関連する伝統的知識についても同様とすること(議定書第16条)。
- 提供国法令の遵守を支援するため、適当な場合には、遺伝資源の利用について監視し、透明性を高める措置をとること(議定書第17条)。
② 遺伝資源の提供国としての措置
遺伝資源を提供する締約国において、その取得の機会の提供に係るPIC制度の整備に必要な立法上、行政上又は政策上必要な措置をとること。ただし、別段の決定を行う場合を除く(議定書第6条)。
2.経緯
我が国は平成23年5月に議定書に署名し、議定書を締結するための検討を進めてまいりました。
本年1月に、議定書に対応する国内措置として、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省及び環境省において、「遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針(以下「ABS指針」という。)(案)」について取りまとめ、本年5月10日(水)に第193回通常国会において議定書の締結について承認されたことを踏まえ、ABS指針を本年5月18日(木)に公布しました。
3.議定書の締結について
平成29年5月19日(金)に、議定書の締結について閣議決定され、政府は、同22日(月)(現地時間)に我が国の受諾書を国際連合事務総長に寄託しました。これにより、我が国は名古屋議定書の締結手続を終え、98か国目の締結国となりました。
今後、締結から90日後の本年8月20日(日)に、議定書は我が国について効力が生じ、ABS指針が施行されることになります。
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性施策推進室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8150
室長 西山理行 (内6661)
室長補佐 中山直樹 (内6668)
係長 中原一成 (内6666)
係長 松本真歩 (内6487)