報道発表資料

平成27年2月20日
総合政策
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大分市・臼杵市における風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、20日、大分県で計画されている「大分市・臼杵市における風力発電事業に係る計画段階環境配慮書」(エコ・パワー株式会社)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、大分県大分市及び臼杵市において、最大で総出力45,000kWの風力発電所を設置するものである。
 環境大臣意見では、騒音等や風車の影に係る影響を回避又は低減すること、猛禽類等の鳥類への重大な影響を回避すること、できる限り既存道路等を活用することで地形の改変を最小限にすること等を求めている。

1.背景
 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。
 今後、経済産業大臣から事業者であるエコ・パワー株式会社に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

2.事業の概要
 本事業は、大分県大分市及び臼杵市に、最大で総出力45,000kWの風力発電所を設置するものである。事業実施想定区域の周辺では、クマタカが営巣している可能性が示唆されている。また、事業実施想定区域の東側の山地の尾根筋には既存道路等がないため、新たな取付道路の敷設等が想定される。

3.環境大臣意見の概要
(1)騒音等について
 事業実施想定区域の周辺には、住居等が存在し、工事中及び供用時における騒音等による環境影響が懸念されることから、風力発電設備を住居等から離隔すること等により、影響を回避又は極力低減すること。
(2)風車の影について
 事業実施想定区域の周辺には、住居等が存在し、供用時における風車の影による環境影響が懸念されることから、風力発電設備を住居等から離隔すること等により、影響を回避又は極力低減すること。
(3)鳥類について
 事業実施想定区域及びその周辺においては、猛禽類の生息や渡り鳥の渡来が確認されていることから、重要な鳥類に関する調査及び予測を行い、専門家等からの助言を踏まえ、環境影響を評価し、衝突事故等によるこれら鳥類への重大な環境影響を回避すること。
(4)水生生物について
 沢筋等への土砂や濁水の流入に伴う重要な水生生物への影響が懸念されることから、沢筋等から距離を確保するとともに、工事実施時の土工量を抑制し、土砂の流出を最小限に抑えること等により、影響を回避又は極力低減すること。
(5)植物について
 事業実施想定区域には、重要な植物群落が存在することから、重要な植物に関する調査及び予測を行い、専門家等からの助言を踏まえ、環境影響を評価し、これら重要な植物群落への重要な環境影響を回避すること。
(6)生態系について
 事業実施想定区域には、優れた自然環境が存在することから、できる限り既存道路、無立木地等を活用することで森林の伐採及び地形の改変を最小限に抑制すること。なお、改変部分については、地域の在来種(郷土種)による早期の緑化を計画すること。
(7)発生土について
 既存道路の拡幅面積や道路新設の最小化、急峻な尾根筋の改変を回避すること等により、発生土量を極力抑制するよう検討すること。また、残土については、場外処分地への搬出を基本として検討すること。

<参考>
○事業概要
・名称  大分市・臼杵市における風力発電事業
・事業者  エコ・パワー株式会社
・計画位置  大分県大分市及び臼杵市にまたがる行政界付近の尾根部(事業実施想定区域面積:約778ha)
・出力  最大45,000kW(2,000~3,000kW級発電設備 最大15基程度)
○環境影響評価に係る手続
・平成27年1月6日  経済産業大臣から環境大臣への意見照会
・平成27年2月20日  環境大臣から経済産業大臣に意見提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官:田中 友之(内6236)
電話:03-3581-3351(代表)、03-5521-8237(直通)

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