報道発表資料

平成26年12月25日
地球環境
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COP20サイドイベント「低炭素社会への移行に向けたグローバルな課題 - 低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)からのメッセージ」の開催結果について(お知らせ)

環境省が支援する低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)が、気候変動枠組条約第20回締約国会議及び京都議定書第10回締約国会合(COP20/CMP10)(2014年12月1日〜14日、於ペルー共和国リマ)期間中の12月12日(金)にサイドイベント「低炭素社会への移行に向けたグローバルな課題 - 低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)からのメッセージ」を開催しました。本年10月にイタリア・ローマで開催された第6回年次会合の成果の報告に加え、来年COP21での合意が期待される2020年以降の新枠組に沿った、研究コミュニティの役割、研究コミュニティと政策決定者との協働、今後取り組むべき主要課題等について議論が行われました。

1.サイドイベントの概要

  ・日程: 2014年12月12日(金) 10時30分~12時30分

  ・場所: COP20会場内 EUパビリオン

  ・主催: 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)LCS-RNet事務局、

イタリア新技術・エネルギー・ 持続的経済開発機構(ENEA)


2.主な成果

(1)LCS-RNet第6回年次会合の主要メッセージ発信

 2014年10月1日~2日、イタリア・ローマで開催された第6回年次会合成果として、以下の旨が共有された。

・低炭素社会への転換に向けて、既存の社会経済システム全体の構造変化や改革が必要であり、研究者と政策 

 担当者の双方が科学的根拠に基づく実証的・具体的・統合的な提案を国内外の気候政策形成過程に積極的に 

 活かしていくこと。

・緩和策のみならず気候変動の影響への適応策も推進する、並行的推進が更に重要であること。


(2)低炭素社会への移行へ向けた取組に関する意見交換

・エネルギー安全保障と適正価格を考慮したエネルギー政策、資源効率の一層の追及、緩和・適応統合策の促

 進、民間投資の拡大など、より包括的なアプローチが不可欠。

・低炭素社会に向けた新しい経済体制を実現する梃子としてのグリーン投資、途上国における低炭素でレジリ

 エントな発展の実現などが喫緊の課題。

・経済危機、国家財政赤字、将来の気候変動合意に関する気候変動交渉のペースが落ちている状況下で、炭素 

 の価格付けを梃子とした新たな低炭素投資を喚起することにより、こうした状況に対処していくべき。

・マレーシア・イスカンダールにおける日本との協働プロジェクトのように、科学と政策とをつなげるのみな

 らず、具体的な活動を実施していくことにより、低炭素社会に向けた実装につなげていくことが重要。

・英国は、温室効果ガス排出量を2050年までに1990年比で80%削減するという2008年気候変動法により低

 炭素社会への転換を規定し、2008年から2027年まで5年ごと、四期分の「カーボン・バジェット」が策定

 されていることを紹介。また、緩和のみならず適応への取組みも重視して進めている旨を紹介。


(3)今後取り扱うべき論点の検討

 LCS-RNet西岡秀三事務局長から、来年のCOP21において、2020年以降の将来枠組が合意された際の、研究コミュニティの役割、研究コミュニティと政策決定者とのより効果的な協働の方法、研究コミュニティが今後取り組むべき主要課題の設問がなされ以下の議論が行われた。

・途上国では国内の研究コミュニティが未成熟であるため、日本がアジアに向けて展開している、低炭素アジ

 ア研究ネットワーク(LoCARNet)のような能力構築支援・南南協力による知識共有支援の取組みがより促

 進されていくべき。

・各国が自主的に決定する約束草案(INDC)の作成を支援するような様々なツールの開発や、算定・報告・

 検証(MRV)手法の整備が不可欠。

・緩和と適応の双方が勘案された社会の実現に向け、科学的知見をより積極的に社会に発信すべき。

・低炭素社会実地にかかる課題がより分野横断的、且つ学際的様相を呈してきていることを踏まえ、研究コミ

 ュニティと政策担当者との対話のみならず、より多様なステークホルダーと対話可能なプラットフォーム的

 な仕掛けが必要。

・社会が抜本的な変革を受け入れるための方策の分析が必要。

連絡先
環境省地球環境局総務課研究調査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8247)
室長  :竹本 明生  (内:6730)
専門官 :星野 ゆう子 (内:6735)
係員  :佐藤 慎一  (内:6733)

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